舌の色はピンク
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バイト先(ビデオレンタル店)にて。 アニメコーナーの前で20代後半と見られるカップルが 仲むつまじげにキャイキャイ作品選びをしているところに 仕事中棚を隔てて立ち合ってしまい、 何気なく会話を聞いてたら男の方のアンビバボなセリフが 耳に入って心臓が炸裂するかと思った。
「えっ、なに、この―THE MOVIE―って劇場版なの」
ッッ! この野郎ォォォォォォォォォッ!!! できる! 才能がある!! ザ・バカの称号を野比家長男から剥奪するポテンシャルを秘めている! ……脳味噌10CC……IQ5……偏差値3……程度の頭脳……いや脳はない…… 小学校中退レベルだろうか。 最終学歴、園卒。それすらどうかもあやうい。
男の疑問にうんそうだよと普通に答えていた女にもびっくらこいた。
ハイちょっと愚痴らせてー。 この前先輩に独り言を噛まれた。 先輩はなにか作業が行き詰っていたらしく 時折苛立ちを口走っていて、 それが隣の部屋に居る僕に微かに聞こえるくらいのボリュームだった。
「ッント、フザけら…っ…フザけんなよ……!」
噛まれた。 壮絶に噛まれて言い直された。 言い直されてもー。 とても悲しい気持ちになった僕は無言で部屋を後にした。
ずっと前に広辞苑で"出歯亀"を調べたことがあって、 僕が愛用している辞書にはちょっと信じられない記述で 語源がならべたてられていた。 言葉の意味語源を一切の無駄なく適切な表現で 正確に記述するべき辞書とは到底思えない字面で。 【出歯亀】 (明治末の変態性欲者池田亀太郎に由来。出歯の亀太郎の言) 女湯をのぞくなど、変態的なことをする男の蔑称。
ここまで、よりによって辞書で、ここまで人権を蔑ろにしていいものなのか。 「変態性欲者池田亀太郎」はかなりきてる。 出っ歯=シンボルてのもやるせない。出っ歯日本史代表。 しかもその不名誉な俗称が、昨今では 正式に日本語として認められているときた。 あげく、ちと軽く調べてみたら、この男実は冤罪だと訴えてた記録まである。 冤罪の可能性が否みきれない男に対して、 これほどまでに極悪なパニッシュが下されている。 悲惨すぎる。 これに比べたらシェイクスピアの四大悲劇なんてコメディみたいなもんだ。
「二の腕」がいまだによくわからない。正直。 人さまの口から聞くぶんにはなんとなく理解してはいるが 自分の口からは今までこの言葉を発したことはないし、 今後にしても何十年生きるか知らんが生涯使える気がしない。 二の腕って腕のどこのことだ。わからない。正直いって。
しかし僕には辞書がある。
今更な言葉を辞書で調べるのって なんだか敗北した気になるのでタメライがあり 今まで実行できなかったけど、ついにやっちまった。 ページをめくっちまった。
<大辞林 第二版より>
にのうで 0 4 【二の腕】
(1)肩から肘(ひじ)までの間の部分。上膊(じようはく)部。 (2)肘と手首との間の腕。[日葡]
そうか、肩から肘または肘から手首のことだったのか!
いや、ますますわからん。 肩から肘までまたは肘から手首ってただの腕じゃないのか。 僕の読解が誤ってるのか? いや、なぁ……。 二の腕イコール腕ってことは、 「二の腕相撲」「二の腕立て伏せ」が成立するってことになる。 そんなあ。 要らないじゃない、二の。蛇足の極みじゃない、二の。
まぁそんな戯言を僕程度の一般人が こんなところでどれだけ訴えようとも、世間は何も変わらない。 今までどおりこの言葉は使われていくのだろう。 僕の疑問も主張もまったく無力であること甚だしい。 のれんに二の腕押しだ。
| 2005年06月12日(日) |
臓物を ブチ撒けた! |
僕は人間以外のほとんどの生物に興味がない。 TVとかで動物特集みたいな番組してても「畜生」としか思わないし 絵を描くにしても奴らを紙に表現するのはとても苦手だ。 可愛いとか全然思えない。 ナントカカントカは頭いーのー手叩くと あたしのことわかって飛びついてくるんだよー なんて風に巷のおきゃんは得意顔だけど、 そんなん確実に人間の方が頭いいし……脳いっぱいあるし……。 こっちゃなにせ言語能力備わってんだぜ……。
そんな僕なのでペットを飼うような気質は持ち合わておらず、 じゃあ何を愛でているのかというと、携帯(F700i)なわけだ。 とはいえ携帯の装備を強化してやるとか、 機能を充実させてやるとかは一切ない。 一応大事に扱ってやってはいる。 が、昨日落とした。
何事も中途半端を嫌う僕ですからね。 落とすからにはガツンと落としてやりましたね。 壊れましたね。 もっとも重宝してた音楽再生機能がオシャカんなりましたね。
正確に言うと、音楽再生機能自体に支障は無いけど、 イヤホンをブッ挿す端子がイカれた。 なんつーか端子が携帯本体から飛び出てる。控えめに顔をのぞかせている。 内臓出ちちゃいまちた☆ みたいな。 やめてくれよ。ご主人様にそんなパフォーマンスいらんのよ。 自己省察を試みろよ。命を賭して挑むネタじゃないぜ? と教育しようにもできない。 そういえば携帯って脳ないしな……。
これから何を愛でていけばいいってんだ。 猫か(飛躍)。
猫は好きです。 動物<携帯<人間<猫 みたいなとこあります。 猫、愛してるぜ。 へへっ、告白しちった……。
「となりのトトロ」には泣いてしまう。 と吐露(ダジャレ)すると僕のキャラとのギャップが相まってか 大抵の人にはフハフハ笑われて大変孤独な気持ちになる。 どこで泣くのかっつうと、サツキとメイとが真夜中にトトロと戯れている間に、 お父ちゃんが一人部屋で仕事をしていてふっと窓から夜空を見上げると 木々が風に揺られざわめいている……このシーン。 誰にも共感されないが僕は泣ける。 年をとるにつれグッとくるようになった。 ことあの情景に関しては、宮崎駿に好評価を下したい。
トトロ自体は好きじゃない。 彼って肉食な気がする。 あの鋭い牙とか爪を駆使して 普段どんなケモノを貪り喰ってるのだろうとか考えると かなりよだつ。身の毛とかがよだちまくる。怖い。 ファンキーな妖怪を装ってはいるが、 いつ暴走するかわかったもんじゃない。
たまたま腹がイッパイだったからサツキとメイを構ってやったって感じな。 エンディングの後二人のことも食べちゃったんじゃ。 描かれてないだけで色々アレしてそうだ。 タイトルだって怖いし。となりのトトロ(肉食)。 子供にしか見えない妖怪、ホラあなたのお子さんの隣にもトトロが……。 まさに大人も子供も泣ける作品だ。
日々基本無表情。 常に落ち着いていたい。 慌てるとか焦るとか、たとえ内心崖っぷちでも表出させたくない。 場の空気次第で取り乱したりとかいうこともあるけど 基本的には沈着な姿勢で生きている。つもりだ。
そのせいかよく年上に見られる。 表情、物腰が大人っぽいと評されるのだ。 だけどそれは内面を見てくれていない。 僕は精神的には大人どころか老人に近い。
このごろ寿命を感じる。
いつぞや触れたとおり今の世の中は整理されきってますが ここで新たな区分をつくるとすれば、 世の中はストリーキングをしたい人としたくない人とで分けられるわけです。 僕はしたい人なわけです。
全然恥ずかしいとか思わない(公言するのも実行するのも(きっと))。 どんな服だってオリジナリティは100%になりえない、 己の裸体こそが、自分自身だ。 曝け出していこうぜ!? と世に訴えたい。 し、単純に気持ちいいと思う。 社会常識、一般了解、公共性、からの開放……。 露出するのは肉体じゃない。自我そのものだ。 ストリーキングは自己表現の極致だ。 だ!
じゃあしろよ。してろよ、勝手に。 と促されたらどうかっつうと、できない。 ストリーキング実行する輩は変態だと思う。 最低限の理性は維持している。 そんな僕、いま、半裸。半裸、ときどき、全裸。
下世話な話をします。
ビデオとかCDとかをレンタルとかする店でのバイトで 夕方6時から朝6時くらいまで週5で働いてて まぁもう割とかなり多くの映画等タイトルを把握できつつあり、 ときおり遭遇する驚くべきネーミングには勤務中キョドりつつも なんとか今まで堪えてきたのに…… 今日はやばかった。 下世話です。 AVの話です。
タイトル自体はバイトを始めて間もなくしてから知っていた。
『おはズボッ!』
響きいいなあ下品極まるぜー意味わからんけどくらいにしか はじめは思っていなかった。 しかし今日、サブタイトルを知ったせつな全てを悟りきってしまい、 僕の脳内からはあらゆるもんが放出され 完全に脳内麻薬中毒状態に陥った。
『おはズボッ! 「えっ、もう入ったの!?」』
な…るほ、どっ! 「おはよう」と挨拶する間もなく"ズボッ!" まさに瞬芸。 鮮明な画が頭に描写され勤務中ひとり笑い転げまわりそうになった。 おはズボッ! 幾度となく小声で呟いた。そのたび呼吸が困難になってた。 ノックアウトが近い。そう思われた。 アダルトコーナーで口を抑えてわなわなもだえる僕に 人生の落伍者みたいなおっさんが哀れんだ視線をむけていた。
我が家の玄関の壁には穴がある。 ラグビーボール形状のそこそこ大きな穴だ。 酔っ払って帰ってきた兄がよろけてエルボーをくらわし どかんと空けてしまったという供述を家族から又聞きした。
「これはいかん、なんとかせな」と母は一計を案じたらしい。 数日して、穴はふさがれていた。 一体の人形によって。 人形ごときで穴の存在を隠し通せると思ってるおばさんの発想も 浅はかなばかりで、すでに愚の骨頂ではある。 だけどもそれ以上に、穴を隠す大役に抜擢されたその人形が…… ……ナンセンスの極みというか、シュール、アヴァンギャルド…… ……つまびらかに彼のデザインを記述すると、 まず目隠しされている。得体の知れない黒い帯で。 世界的な時流も相まってシャレにならない恐ろしさがある。 口には赤いプラスチックのリングが縫い付けられていて、 見ようによってはおしゃぶりみたいで可愛らしいのだが、 近くで観察すると赤ん坊が泣き出しそうなグロテスクっぷりが伺える。 また、ぶかぶかでチャーミーな服を着てはいるのだけども、 袖、裾がなぜかこれまた縫い付けられていて 手首足首の露出は控えられている。 極めつけは、これは人形のデザインでなくて母の所為なのだけど、 このホラー人形によって穴を隠すために、 あの女は人形を吊るすという手段を採用しやがった。 い、糸を……首にかけて……。吊るして……。
玄関にあるがために毎日必ずその人形(穴飾り様と呼んでいる)と会うので、 今では外出、帰宅のたびにきっちりお辞儀するのが日課だ。 じゃないと呪いとか確実に、 少なめに見積もって日に20は降りかかってくるだろう。
だけど、ホントは、穴飾り様に怯えて過ごさなきゃならんこんな毎日、 もう嫌なんだ……。 だれか……だれか……。
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