舌の色はピンク
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2005年05月22日(日) 呆気

ちょっとボーっとできる時間があって
仰向けで寝転がり虚ろな目して呆けながらふと

  右手って左手と似てるなあ……

と思って(7:3くらいで本気で思って)
気だるく携帯を握り締め緩みきった動きで
その旨を友達にメールしてみた。
「字が?」(返事)
ダメだコイツ……。僕は起き上がって
力強く携帯を握り締め颯爽とした動きで
――右手という存在はいかなる万物と比べても
ズバ抜けて随一に左手に似ている存在であろうが
といった文章を400字程にわたって説明したメールを乱れ打ち
息切れした。
「まとめてよ」(返事)
まとめても何も、出オチなんだけどな……
右手って、左手と、似て……あわゎゎぁ。
すでに呆け状態から覚醒してることもあって
本気率が1:9くらいになってしまっていた僕は
顔をまっかっかにして今後の行く末にへこんだ。
恥ずか死にそうだった。


2005年05月21日(土) 比較の罪

今のバイト先で、S谷さんに似てるS谷さんに似てると言われる。
S谷さんてのはちょいと前に辞めていったお方だそうな。
僕とは、顔つきと表情、喋り方、雰囲気が似ているらしい。
そして困ったことにかっちょ良かったらしい。
となると比べられてしまうわけだ。
S谷さんを直接は知らんけど、
どちらかと言えばもう僕が劣っているはずなので、
劣化版S谷さんとして今後過ごしていかねばならないことは
大変つらい。

僕はひとつ前のバイト先で、
Tっちゃんに似てるTっちゃんに似てるとも言われていた。
Tっちゃんてのはちょいと前に辞めていったお方だそうな。
僕とは、顔つきと表情、喋り方、雰囲気が似ているらしい。
そして困ったことにかっちょ良かったらしい。
となると比べられてしまうわけだ。
Tっちゃんさんを直接は知らんけど、
どちらかと言えばもう僕が劣っているはずなので、
劣化版Tっちゃんさんとして以後過ごしていかねばならなかったのは
大変つらかった。


こうしてイバラの道を経てきた僕には、
蛾や埼玉県やコロ助や波のプールの気持ちがよくわかる。
あいつらは悪くない。
なにも悪くない。


2005年05月14日(土) リアルBL

自分はよくぞホモ男に育たず
正常な性愛者になれたなぁと時折ゾッとする。
いかんせん環境が危うかった。

中学のときは男友達で集まって遊ぶのが常だった。
とくに仲の良かった友達(仮にΣと呼ぶ)とは
ほとんど毎日のように遊びほうけていた。
たいていはサッカーボールを使って外で走り回り、
雨の日には僕の部屋にて二人してごろごろするのが定番だった。

中学生になったごときで子供を卒業し
大人気分となっていた当時の僕らの間では
小さいころにしていた遊びをするのが流行っていて、とくに、
寝転がって足で相手を持ち上げぐるぐる揺らす
「飛行機」と称していた遊びをよくしていた。

忘れもしない中一、六月。雨の日。
僕が寝転がったΣの体の上におもむろに覆いかぶさり
いつもどおりに足で持ち上げられて「飛行機」を堪能した数秒後
いつもどおりに最後はどすんと落ちて
体が重なり合ったときに目に入ったのが、
動物の交尾の模様を取材したドキュメント番組を放映しているTV画面だった。

そこから一体どういう流れになったのか、
あんなに夢中になっていた「飛行機」は寸刻も待たずして廃れきり、
代わりに世にも恐ろしい新たなる遊びが産声をあげてしまった。

解説するのもおぞましい。

一人がうつぶせに寝転がり、同じ体勢でもう一人が上に重なり、
たった一つのシンプル極まりないフレーズを言い放つのだ。

「交尾!」

叫ぶ。振る。揺れる。笑う。

「交尾!」「交尾!」「交尾!」

わめく。よがる。もだえる。わらう。コービ! わらう。


こんな楽しい遊びに飽きる日が来ることなんて全然信じられなかった。


今思えば狂気の沙汰ながら、
以来梅雨が明けきるまではどえらいブームとなって
僕たちをアブノーマリーに走らせていた「交尾!」は、
その異常性を僕らに気づかせぬままにいつの間にか消え失せていった。
曇天を退けて現れた輝かしい太陽とともに、
夏がすぐそこで顔を覗かせていたんだ。


2005年05月04日(水) こいのぼり概論

毎年、こいのぼりの歌を聞くたびに胸にモヤモヤしたものがくすぶる。
幾度と無く鑑みてようやっと理由が判明した。

「屋根より高い こいのぼり」

こいのぼりは元来屋根より高く生息してなんかないじゃないか……!
人間が屋根の上に設置してるんじゃないのか。
いわば自作自演だ。やらせだ。
さらにいえば、
「こいのぼりは屋根より高いんだぜ?」
と吹聴している陰で、
「そんなこいのぼりを設置した俺はもっと高い存在なんだぜ?」
といきまいてるようにも捉えられる。
いわば自画自賛だ。てまえみそだ。
「屋根より高いこいのぼり」を歌ってる奴は一体だれなんだ。
許せない。
こいのぼりをナメてる。


2005年04月20日(水) ラブ・ソング

オー。
オーイェー。
オーイェー、ベイビー。
舌の色はピンク。
オーイェー。


2005年04月13日(水) 欲望。

今やかなりのMであることを自称している身だけども、
別に小沢真珠に罵られたくも踏まれたくもないなあ(何言ってんだ……?)。
好みじゃないってわけじゃない。

時流に遅れながらも綿矢りさの超話題作
「蹴りたい背中」(高1の男女が日常間で密かにSMプレイする話)を読んでて思った。
僕はSじゃない人からいじめられたいようだ。
でも綿矢りさに蹴られたいっていうのは、ベタだ。
でも綿矢りさに蹴られたいっていうのは、本心だ。
何言ってんだ……?


2005年04月12日(火) フェイク

他人さまの家のカレンダーとは地味に興味惹かれる代物で、
今日訪れたお宅のリビングにかけてあったカレンダーは
格言らしき一文が毎月ごとに載せられているスタイルだった。
そのカレンダーはずっと放置されているようで、
開かれたページは2004年7月のまま。大いなるミステリー。
事情を家主に問いただすことは自分の性格上できなかった。

その、半年間以上もリビングの一角で
存在を主張している2004年7月のページのありがたいお言葉は、
ストレートながらもなかなかの麗しさを呈していて、やや胸に響いた。
「耳で聞くより心で聴こう」
これはわかる。僕はそう思った。
そこかしこで聞き覚えあるような言葉だけど、
たしかにその通りだよねウンウンと肯いた。

同調は束の間だった。

ページの四分の一ほどを占める大きさで
太く堂々と書かれたその言葉の横には
一回り小さく三行ほどの解説が添えられている。
それの一行目を見やって、己の読解力が完全に消失したかと思った。
「本当に聞くとは無心で聴くこと」
え……えぇぇー……。


2005年04月04日(月) プロパガンダ

ある党の政治新聞がマイブームだ。
市井をコントロールすべく姑息な理想を偽善の口実できらびやかに飾り立て
更に建前に建前を重ね重ね練り練り上げただろう政治家らの発言群のそこかしこに
浅薄なあざとさが見え隠れして面白い。

さりげない顔写真にしてみても、表情や角度、光の照らし具合で
少しでも印象の好感度をあげようと画策してることなぞ、
売り出し中のアイドルのそれよりもずっと必死なんじゃないだろうか。
また文章のレイアウトもなかなかに凝っている。
とくにアピールしたい人物の名は色を変え書体を変え
幾度も幾度もあらゆる手段で1ページの中に繰り返されて、
何が何でも読者の脳に彼のフルネームを焼き付けさせたいらしい魂胆が
明らかにうかがえる。あざとい。

一方で、政治家なる職業も大変だとつよく同情する。
どの政治家にも少なからずは己の善意から出でた理念があるだろうに、
僕みたいな歪んだ低俗庶民によって
ただの権力主義にまみれた擬悪人に仕立て上げられてしまうのだから。
にしたってあのあざとさはギャグだろとしか。

「あたたかい」「やさしい」「わかりやすい」が
純粋に効果的なのかただ無難なのか、
やたら押し出されている言葉トップ3なのだけど……。
政治家の広報活動にあたっての会議を一度見てみたい。
「冷徹」「厳正」「晦渋」を極めた発言が飛び交っていることうけあいだ。


2005年03月27日(日) 被害者は誰だ

よくお世話になるチャリ屋の主人の顔が
お笑いコンビ"カンニング"の竹山さんに似てることに気づいてしまい
とっさに目を背けた。
彼も辛いことだろう。
悲しいかな、なにせ顔面体躯声質髪型だけでは飽き足らず
オプション(メガネ)までもがかの人物を彷彿させる。
いや……。人様をそんな風に馬鹿にしちゃならない。
ならないけど、けど、だけど、竹山だぜ?
親戚からも目を背けられているかもしれない。


……アー親戚も似てるのかな?(笑)
とかちゃらける僕をいつまでも更生させない日本が悪いのだと思う。


2005年03月23日(水) コモリー

結局同窓会は100人近くも同級生どもが集まり
肉を喰らい酒を浴び奇声を挙げ
こちらとしても大いに盛り上がり潤った。

今週はあと2回宴……。
ター。ハ。ェオ。アー。ハ。
引き篭もりたい。


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