女房と倅が連れ立って京都へ旅立ってしまい、一人 お留守番をしています。ちょうど仕事もひと区切り していて、ぐぐっと減速をしています。
ニガウリを作った棚に仕舞の瓜 が二つばかり、ぽつねんとぶら 下がっています。今年は全くの 不作でした。種を蒔いた時季や、 定植後の世話が行き届かなかっ たことと、気候の関係でしょう。 どうやら生った実から来年の種は採り、いくつかは 美味しく食べましたが、例年の持て余すほどの収穫 は無く、さびしい瓜棚でした。
涼しい風が吹いて、十三夜の月も近いころの瓜など は何とも寂しげで、まして一人佇む黄昏時などは 中年親父でも、おセンチ(死語かな?)になります。 棚の瓜は明日にでも採って食べちゃいましょう。 いつまでも眺めていても後生が悪いですしね。 初物ならぬ仕舞物、どちらも縁起がいいものです。 きちんといただいて、心身の糧にいたしましょう。
画像を拡大
陽気も涼しくなり、読書欲も湧いて、久しぶりに ゆっくりと本を読みました。映画化で話題にもなっ ている 『のぼうの城』 です。伝奇小説ですから、 色々とご都合主義的に書かれた感は否めないものの
実在した成田家の武将がとても 上手にキャラクター設定されて いて、飽きずに読めました。逆に それがマンガっぽい感じにもなっ てしまっていますが、活字だけ で読む分にはこちらの想像力で いかようにも補えるのが小説の楽しみでもあります。 水の都のような忍城を水攻めにして落とそうとする 石田三成軍と、それを機知で耐え抜く成田長親らの 籠城戦は、当時の忍城を知らない人でも想像力をか きたてられ、読んだ後は忍城跡を訪ねてみたくなる でしょう。
今年、公開予定であった映画は津波被災者の心情 を酌み、来年に公開が延ばされました。おそらくCG を駆使したであろう忍城の再現に、公開が待ちどうし いです。飄々としてつかみどころのない成田長親役 を、野村萬斎さんがどのように演じるかにも期待が 膨らみます。公開まで、楽しみに待つとしましょう。
初版は2007年に上梓されていますが、現在は文庫 にも降りており、古本屋でも安く買えます。時代物に 詳しくなくてもその時代の心情が小説に上手く盛り 込まれていて読みやすい本です。読書の秋、時代物 入門にはうってつけですよ。でも、単行本でも厚い 本ではないのに文庫は上下巻なんですよねえ・・・ 版元さん、ちーとせこくありゃしませんかー。
画像を拡大
映画 のぼうの城 公式サイト
今月も 『上弦』 となりました。 あと一週間ほどで満月です。 仲秋のお月見は、まだまだ 暑い日でしたが、後の月見 はいい陽気になりそうです。 ありがてゃーことです。
今月の満月は12日水曜日です。
毎朝、庭の女郎蜘蛛の巣に難儀しています。一晩で あちこちに糸を張り、ちょっと歩くと顔や頭に絡んで 不快です。まあでも人間は糸が嫌なくらいで命を危ぶ まれることはありませんから良い方なのでしょうか?
画像のカマキリはとても難儀なよう です。蜘蛛に比べれば大きな固体で すが、糸に絡めとられ体力が続かな くなれば哀れカマキリは蜘蛛の餌食 となってしまうでしょう。その運命や 如何に! 画像は午前中に撮ったも のですが、夕方にはもう居ませんで したので、難を逃れることが出来た のでしょう。一見残酷な世界に見えますが、命ある ものは命をいただかないと生きていけないのですから、 何ら不思議の無い捕食活動ではあります。が、生々 しい現実を目の当たりにすると、改めて実感します。
人間は分業を進めて、殺戮行為を自分の手で行うこ とが少なくなりました。しかし、食材が商品として手に 入っても調理は屠殺以降の解体に他ならず、大殺戮 の一部分であることに変わりはありません。飽食が 当り前になって作っては捨てているコンビニ文化の 裏側に、おぞましい命の使い捨てが隠れています。 人間はその感覚を少し考え直すべきだと思います。
生卵をかち割って鶏の雛細胞を殺してご飯にかけて 食べるとき、魚を丸焼きにして食べるとき、引き抜いた 大根を切り刻んで食べるとき、人はその殺戮を意識 するべきでしょう。食欲の秋 『お命、いただきます』
画像を拡大
タイトルは 『かこく』 と 読みます。稲のことであり、 穀物の総称でもあります。 今年もお米が実りました。 今朝は、長野から届いた 新米を炊きました。 心素直に良く噴いて、美味しいご飯ができました。 水を少なめにして炊きましたが、やはりこころもち 軟らかくなってしまいました。毎年新米はこうなり ます。でも、どえりゃー旨かったです。
あの過酷な夏に田んぼ仕事をしてくださった農家 の作り手さんと、お天道様に感謝、感謝。
低いところから小津安二郎っぽく アオリ気味に撮ってみました。
釜石から、サンマがごっそり届き ました。昨夜ご近所のアンドーさん ご一家と刺身、酢締め、塩焼き にしていただきました。今年の サンマは大きくてしっかりして 脂がのっています。
三陸のサンマは 『復興さんま』 と言うらしく、東北の 復活への思いがこもっているようです。言うまでも無く 日本中のいや世界中の人が復興を祈っています。魚 を食べることがその手助けになるのなら、喜んで毎日 でも食べましょう。サンマには気の毒ですが、無駄なく、 きれいにいただきますので、ご勘弁願いましょう。
画像を拡大
お彼岸も明けて、めつきり涼しく なり、夜もぐつすり眠れ、食欲も わいて、読書などの意欲も出、空 を眺めれば青々として気持ちよく、 良い秋が訪れました。でもどこか 心の雲が晴れないのは、被災した 地域を思うからではありますが、 天災をいつまで恨んでも詮無いこと、 私にできることといえば、東北の物産を躊躇わず買っ て使うことでしょう。若い方はいざ知らず中高年の 我々は、例え放射線が少々多くても被災地域の米も 野菜もどんどん買って消費で彼の地を応援しましょう。 それでいくばくか寿命が縮んだとしても、いっそ誇ら しいと思うくらいです。人が菌類や地衣類のように 分解者として役立つのもまた、痛快です。
未来は決まっているものではありません。過去は唯、 我々の足跡にほかなりません。前世だの来世だのと ありもしないことに心奪われず、只今この世の地獄 極楽をしかと見つめ、生きることをためらわず、死を 覚悟して、今日の無事を喜びながら、『生』 を全う したいものです。
もうすぐ開くでしょう 彼岸花 手ブレ御免下さい。
|