陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2009年05月04日(月)      ゼロ号始動

 昨日、完成いたしました。 『石窯零号』
 早速に火をいれ、試しに市販のピザを
 焼いてみました。1枚目こそ焦げてしまっ
 たものの、実に良い具合に焼けます。
 ちょうど古くなって交換した陶芸窯用の
 温度計があったのでそれを付け、温度
 管理もバツチリです。
 いかんせん、温度指示計がアナログで、
 1400℃まで目盛があり大げさな感があり
 ますがまあ、大は小を兼ねましょう。
 ピザ、パンは300℃位が良いようです。
 生地はカリンと中はふんわり、石窯の
焼け具合は非常に優しい感じです。今日はこの窯で本格
ピザを焼く予定、生地は天然酵母パン 『トゥルージュ』 の
岩淵さんにお願いしました。チーズも、ららぽーと横浜の
日本マイセラでちょっと良いやつを買ってきました。あとは
バジルやトマトやお好みトッピングを組み合わせましょう。

もちろん、ピザを出し入れする大杓子 『ピザトレール』 も
作りました。零号試作窯とはいえ、中々に完成度は高いと
思われます。暫くこの窯で石窯調理の学習をして、いずれ
もう少し大きな窯へステップアップを考えていきましょう。

お手伝いいただいた皆々様、おつかれさまでした。





2009年05月02日(土)      築 窯

 本日、着工いたしました。 『石窯0号』
 炭窯でも陶芸窯でも、窯を作ることを
 「窯を築く(つく)」 と言います。たぶん
 突き固めながら作るのでそう言うのだと
 思います。今回の窯はレンガ造りです
 のであまり強くは突きません。仕事と
しては 『積む』 という表現が適当と思われます。初日は
八割方のところまで積みました。明日は天井部分と煙突の
造作をし、下焼きをする予定。 概ね、順調です。

『石窯の唄』

赤い石積んでた男の子 美人さんにつれられていっちゃった♪





2009年05月01日(金)      玉 楠

横浜では開国150年を祝って 『開国博Y150』 が始まりました。
大きなクモのパフォーマンスなどがすでにニュースで流されて
いますので、ご存知の方も多いことでしょう。

 マスコットキャラクターの 『たねまる』
 は、横浜開港資料館中庭のタマグスの
 精という設定。正式にはタブノキというそ
 うですが、愛称のタマグスの方が知名度
 がよろしいようです。当時の横浜村には
 この木が沢山生えていたそうで、歴史的
な資料や絵にも描かれ、横浜を見守ってきた生き証人として
この木がキャラクターの元になっているのも、不思議ではありま
せん。開港資料館中庭の木は関東大震災で一度焼けたそうです
が、残った根が生きており、新たに芽吹いた木を現在の位置に
移植したそうです。

たねまる君の声は、声優の松本梨香さんが担当しています。
横浜出身の松本さんはポケモン 『サトシ』 の役で有名ですね。
横浜市はこの事業を盛り上げるべく、環境事業局の収集車でピー
アールしており、ゴミの収集車が来ると、たねまる君の 『ゼッタイ
来てくれよなー』 という松本さんの元気な声がします。
私個人は、精霊だの、妖怪だのといったものの実存は一切信じま
せんが、何百年も生きてきた木々の姿には畏敬の念を感じます。
また、そういった木を敬い、精霊という形で偶像化する人間の
想像力は好ましく感じます。

9月27日までの150日間、たねまる君は元気に横浜を盛り上げて
くれるでしょう。奈良の人には悪いですが、せんとくんよりちょいと
かわいいですし、地元贔屓ということで応援していきましょう。

開国博Y150オフシャルサイト
http://event.yokohama150.org/about/index.html





2009年04月30日(木)      みそか

 4月も晦日となりました。
 今年も三分の一が終わりました。今月の
 催しもおかげさまで無事に終わりました。
 巷では大型連休ですが、毎度のこと乍ら
 自営業に人並みの休みはありません。
 まして今月は初旬に沖縄旅行などしてし
まいましたので家計が逼迫しています。がんばって働いて、
夏に向けて自力をつけねばなりません。

明日から5月、風の気持ち良い季節になります。少々心配な
流感が世界的に広がっているようですが、それでなくても
『木の芽時』 ココロの健康も揺らぐ時季です。
どうぞ皆様、何卒ご自愛のほど。





2009年04月28日(火)      はなかぜ

 4日前から風邪気味で、熱こそ無いもの
 のアレルギー症状に少々疲れています。
 人様にうつしてはいけないと思い、マスク
 をしていると時節柄 『豚インフルエンザ』
 ですか?と聞かれます。そんな恐ろしい
 感染症であるはずも無く、WHOまでもが
危険度を上げるほど過敏になっている病気を冗談にする人の
良識を怪訝に思いながらも、「栄えある第1号感染者になれる
なら光栄ですな」 などとこれまた軽口で返している自分もまた、
所詮は同じ穴の狢でしょうか。

寒暖の差に慣れたつもりでも、たやすく霍乱するのは
疲れているものか、はたまた健康管理の落ち度でしょうか、
なんにもせ、楽ではありませんので早いとこ症状が緩和して
欲しいものだと思います。ささ、今日も仕事を終えましたし、
秘伝の妙薬 『般若湯』 を服用してゆっくり休みましょう。





2009年04月27日(月)      立 喰

久しぶりに 『たちぐいそば』 を食べました。
倅の学校の書類がらみの野暮用で出かけ、思いの外手間
どり、昼食の時間短縮を余儀なくされた挙句のことですが、
何しろ日本の麺文化の広い裾野はそういった忙しい人にも
限りなく優しい空間を提供してくれます。

 今日のお店は、JR鴨居駅構内の立喰処
 『あじさい茶屋』 有名どころのチェーン店
 です。大好きな 『たぬき(そば)』 を食べ
 ました。早い!そして有難いことにあまり
 熱くなく、するする手繰れます。厨房の
 様子が隅々まで見渡せるのも好ましく、
 おばちゃんたちの仕事を眺めつつ、次々
に入ってくるお客の注文を捌く手際に感心しながら、元祖
ファーストフードを満喫しました。自宅では芋乃市場で手打ち
そばをご提供していながら、当の自分は駅そばを食べている
というギャップも何やら楽しくて、ぐいーっとプラ丼のおつゆを
飲み干して間髪を容れず 「ごちそうさん」 といって颯爽と
店を出た時きには、思わず心の中でキマッタゼと呟きました。

できれば食事はゆっくりと落ち着いて頂きたいものですが、
たまには屋台式の早食い飯も悪いものではありません。まして
立ち食いそばは、ゆで麺、揚げ置き天ぷら、つゆぬるめといっ
た若林好み三拍子が揃っているわけですからたまりません。
いかんせん、つゆが薄味になったように感じましたが、これ
も健康志向の時代が反映されているのでしょうねえ。

また、思いついたら食べに行きましょうかねえ。
次は 『天玉うどん』 にしようかな。





2009年04月26日(日)      はるかぜ

 昨日一日雨を降らせた低気圧が過ぎて、
 からりと晴れた今日は、風ががうがうと
 吹きすさびました。その度新緑の木々が
 ざわざわと鳴る音が耳に心地よく、芋乃
 市場のお客様も外を眺めながらのんびり
 お過ごしのご様子。こんな一日はあまり
あくせくせずに晴れた空と揺れる木々を眺めて、ぼんやりと
過ごすのも良いでしょう。とは言え 『貧乏閑無』 の身分には
過ぎたこと。今日も本焼きをしながらこまごまと働いています。

昭和の名工河井寛次郎さんは自著 『火の願い』 のなかにこんな
一文を寄せています。 −まっすぐなものしかまがれない まがった
ものしかまっすぐになれない− 哲学的で好きな言葉です。没後
40年も経っている一陶工の言葉が妙に沁みる春の風の日でした。




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