陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2008年12月03日(水)      かくれい

昨夜は夫婦連れ立って鷺沼よしみやさんで催された 『そば
と酒を楽しむ会』 に参加してきました。夜に、それも二人で、
電車バスで出かけるなどということは頗る稀なことですが、
上等なお酒とおそばの会と聞いては矢も盾もたまらず不得手
な公共交通機関に乗り継いで夜の鷺沼にでばりました。

 お酒は知る人ぞ知る新潟の名醸蔵青木
 酒造の銘酒 『鶴齢』 です。この辺りで
 この銘柄を扱っている酒販店は皆無に
 等しいですが、気の効いた居酒屋に行く
 とたまさか見かけます。昨夜の会ではそ
 の槽絞り純米大吟醸で乾杯をし、酒蔵の
社長の直々の解説付きで、純米吟醸・特別純米の一昨年もの、
昨年もの、今年のものがラインナップされ、さらには濁り酒、
本醸造タイプ原酒、米糀仕込みの梅酒が色を沿え、それら全て
生の状態で呑み放題という酒好きには唸らずにはいられない
もてなしっぷりでした。そこにお蕎麦屋さんの酒肴が豊富に
献立され、極めつけは大塚さんの手打ち蕎麦が有名産地の粉
をとりどり3種類、北海道、福島、福井と打ち分けられ、その日
にとったつゆと、寝かせて熟成したつゆで楽しめるという趣向。

いや〜、極楽でした。同席させて頂いた方もご近所のご常連
さん達で、気さくで楽しい方ばかり、リラックスして話も弾み、
大笑いでした。安酒党の私には少々身の丈を越える上等な酒
ばかりで尚且つ生原酒だったので濃かったですがそこはそれ
酒のプロは行き届いたもので、蔵の井戸からとった酒の仕込
み水を各テーブルに用意してあり、お酒が喉に絡んだらその
清涼な水で口を直し、次のお酒が味わえるという実に行き届
いた席でした。お酒は新潟のものをこよなく好む私にはこの
会はまったく至福でありました。昨今日本酒のブームは去り、
お蔵の皆様のご苦労はいかばかりかと思うものですが、お酒
好きとしてささやかながら応援をさせていただきます。

がんばれ青木酒造、きたる我が家のお正月、
年初めのお酒は 『鶴齢』 で寿がせていただきますぞー。





2008年12月01日(月)      しはす

今月の芋乃市場は年末の為、日程を繰り上げまして中旬の
開催です。展示は贈り物各種、多くの作家さんたちが出展を
して下さいますので賑々しい展示になることと思います。

 11月から引き続いてクローブピンクの
 太田千香子さんのリースを販売します。
 芋乃市場のサイトに5点ほど画像をあげ
 てあります。どれも落ち着いた色合いの
 リースはつつましい聖夜にぴったりです。
 今年はお正月飾りもラインナップ、和の
雰囲気の中に太田さんらしいアレンジの効いた作品は現代
建築のシャレた玄関にもしっくりとなじむことと思います。
一点物のわりにお値段もお手頃、掛け値なくお勧めです。

11月の余韻も束の間いそいそと12月の催しの準備に追われ
ながら、やはり師走というだけあってせわしなくなるものよな
どと悠長に考えているうちはまだまだ余裕があるのでしょう。
またぞろ頑張りすぎてへたらないようにペースを考えて恙無く
年を越したいものです。





2008年11月30日(日)      晦 日

 11月もミソカとなりました。
 今日の横浜は良く晴れてあったかでした。
 澄んだ青空にイチョウの黄色とモミジの赤
 が良く映えて綺麗でした。温暖化の影響で
 年々暖かになっているようですがそれでも
 地球は日一日と冬至点へ公転しています。

『ゆず』 を大量に頂きましたので今日は一足早いゆず湯を
楽しもうと思います。あったまりますぞー。

空気が乾燥してくる時季です。
火の元には充分お気をつけ願います。





2008年11月28日(金)      ニンニク発芽

 月半ばに播きつけたニンニクが無事に
 発芽しました。所々出ていない株もあり
 ますが、概ねそろって芽が出て、一安心
 です。ビニールマルチの代わりに籾殻を
 敷きつめて保湿と霜除けにしました。
 これから半年、寒さに耐え乍ら冬の弱い
日差しの中でじわじわと育つニンニクの生き物としての強さには
驚くばかりです。凝縮した旨みの秘訣はそういったところにもあ
るのでしょう。上手く育てば来年の初夏にありつけるでしょう。

それまでせめて病気にならぬよう気を配ってやりましょう。





2008年11月27日(木)      おこげ

芋乃市場の期間中はそば打ちがあるのでご飯炊きをしません。
が、今朝は昨日打ったおそばが残ったのでおそばは打たずに、
おにぎり用のご飯を炊きました。そうしたら何と、迂闊にも、
こがしてしまいました。

 久しぶりであった上に今日は六合という、
 普段より一合ほど多い分量だったため
 勘が鈍りました。火を落とすタイミング
 が少し遅かったみたいです。食べられ
 ないご飯ではありませんし、おコゲが
 好きという人もいるくらいですから、
それほど大げさな失態とはいえないのですが、職人魂は凹み、
自尊心はヒリヒリと疼痛を訴えます。でも、久しぶりに食べた
おコゲは香ばしくて荒々しい野性味があって美味でした。

11月の芋乃市場はあと3日、期間中はもうご飯を炊くことはない
と思いますが、次に炊くときには己の心のように真っ白い、透き
通るような銀シャリをパリッと焚いてみせましょう。
職人の意地にかけて。





2008年11月26日(水)      食芋乃市場

陶房かまなりやでは只今 『くいもの市場』 を開催中です。
実に旨いものが集まりました。案内状写真のカレーパンを筆頭に
手打ち麺、天然酵母パン、キムチ、干し椎茸、切り干し大根、ゆず
などなど、人の手が作る美食と、旬の美食材が賑々しく並びました。

 中でもお勧めが刺繍作家の北垣さんが
 作る 『昆布巻き』 ニシンを巻いた昆布
 はトロトロに柔らかく、中の鰊はしっかり
 とした味が沁みて甘露の一語に尽きます。
 酒の肴に良し、ご飯のおかずに良し、お茶
 のお供に良し、冷蔵庫で保存すれば日持も
します。知恵と手間の詰まった滋味は正に北海道のお袋の味!
因みにお値段は4本入り1,000円。主催者が言うのもナンですが
良心的な価格だと思います。

くいもの市場は今月一杯30日まで開いております。
皆々様のご来場を心待ちにしております。





2008年11月22日(土)      タワー

横浜は来年開港150年を迎えます。
市では様様なイベントの準備が着々と進んでいるようです。

 横浜といえば、ちょいと前まではマリン
 タワーがその目印でしたが、今はやはり
 ランドマークタワーでしょう。日本一高い
 ビルは横浜人の誇りです。が、大阪では
 更に高いビルの建設が着工しているとか、
 上には上、ですな。このランドマークも
 15周年を迎えるそうで、へえ、そんなに
 なるかねえと思います。横浜みなとみらい
という都市構想が立ち上がったとき、市役所の市内立体模型に
その部分が追加され、ボタンを押すと埋立地がくるりと回って
ビル郡が出てくる仕掛けが登場しました。その模型にランドマー
クタワーがあったかどうかはよく覚えていませんが、港に掛かる
ベイブリッジはドーンとあったのを覚えています。たまさか市
役所に行く用ができるとそのボタンを押して現れる模型を見る
のが好きでした。その後、建築関係のバイトをしていたときに
竹中工務店のテレホンカードで見た建築デザインのスケッチ
はどえらい格好良く、基本設計をしたアメリカの建築家ヒュー・
スタビンスの名前はこじっかりと心に残りました。

東京生まれの私は東京タワーに登ったことがありません。そして
横浜に住みながらランドマークタワーに登ったこともありません。
高い所が嫌いなわけではありませんが、皆が登ろうとするものに
付和雷同するのが嫌なのでついつい機を逃しているのです。要は
天邪鬼なのですが、高いものはハタから眺めているほうが良いで
すもんね。でも、いつかはこのタワーに登ってみようかと思います。
日本一のうちにね。




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