横浜新井町では今朝、初霜が降りました。
今日は予報どおりぐっと冷え込みました。 今朝は素焼きのため朝5時に火を点け ましたが、空には星がきれいに見え、 獅子座の足元には下弦の月が光って いました。その時点ではそれほどでも なかったですが、日が昇る6時を過ぎた あたりからずずずいーっと冷えて、畑の土にはうっすらと 霜がおりていました。
今日が終われば明日、明日が来れば明後日が気になる毎日を 一喜一憂しながら生きているうちに一週間が過ぎ、一月が過ぎ、 季節の移り変わりに右往左往しながら、時に立ち止まり、振り 返れば、これといった成果も上げられずに生きてきた人生です し、この先もそうは変わらぬだろうと思うのですが、まずまず 大病もせずに日々暮らしていることにひとまず安堵し、そうこ うしながらまたひとつ歳を重ねていけることにじんわりとした 幸福を感じます。客観的にみれば何と小さな器なのだろうとも 思いますが、身の丈に驕らない好ましさにも感じます。
魚に例えればイワシぐらいの身の丈でしょうか。 明日も 『鰯のしあわせ』 でいられますように。 なーむー。
昨日の予報でやおら 『寒くなる』 と強調し ていたので構えていたら、それほど大騒ぎ するほどの冷え込みでもなく、拍子抜けし ました。明日は更に冷えるとラジオの予報 で騒いでいます。気をつけるに越したこと はなかろうとは思いますが、相変わらずの マスコミの無節操さで、鵜呑みにして良いものやら眉唾です。
夕方の空に鰯雲がきれいに流れていました。久しぶりに綺麗な 夕焼けも見えました。明日もきっと良いお天気でしょう。 そして、たぶん、おおむね、冷えるのでしょう。
今日はふしぎと各方面から頂き物をする 有難い日でした。まず、お昼前に書道の 先生から活きの良いアジとサバをたくさん 頂戴し、午後納品に伺った鎌倉大石さん では山形産のラ・フランスを賜り、夕方 息子の友達のご近所さんから野菜と果物 をいただきました。おかげさまで夕餉は 『しめ鯖』に『アジフライ』 でご飯を頂き、食後は洋梨と種無し柿をじっくり楽しみました。 たまたま今日は休肝日にあたっていたのでお酒は控えましたが、 そうでなければ〆鯖とアジのタタキできゅーっと行きたかった ところです。
いい大人がセコイことを言うようですが、貰い物ってぇのは何だか コウ嬉しいもんですナ。得した気分がしてね、ま、物欲もさることな がらなんとも情があるってえますか、今っぱやりの言葉で言えば サプライズってんですか、なんともあったかいモンです。今日は ちょっとした祝いの日でもありましたので、そういう日にこういっ た吉事が重なるのは偶然とはいえすこぶる心がぬくまります。
感謝して、形も、気持ちも、きちんと隅々までいただきます。
燃料が値下がりして助かります。 かまなりや用達のコスモセルフ店では、 ガソリンは120円台まで下げ、灯油も80円 台まで下がりました。これからの時期は 否が応にも使いますので、安いにこし たことはありません。今年は燃料価格 が尋常でない乱高下をして、その度に一喜一憂して疲れました。 米国の奇態な住宅ローンがその発端らしいですが、その余波は 燃料のみならず世界の経済にまで波及し、とんでもないヨタ波 になってしまったようで、金融サミットも方向転換の方針を確認 したとは言うものの、これといった具体策は打ち立てることの ないまま閉幕したというニュースを聞くにつけ、地球規模の フトコロ寒さに、ため息を隠せません。
もう今年の冬の灯油はこのまま下げて、安定してほしいです。 あったけえ正月を迎えたいものです。
ニンニクの種をやっとこさ播きました。 大幅に遅れてしまいましたので発芽する かどうか、ちと心配です。ま、温暖化の 波にあやかれば、ぎりぎりセーフってな ところでしょう。冬の畑はなんとも言え ず、寒々しいですなあ。 今朝は窯で早起きしましたが、思いのほか暖かく、西の空に 朧月が薄雲の幕の向こうに輝いておりました。明け方の月の 入りは玄妙な風情でした。
こんな夜には、人が一番深い眠りにつく明け方早くを狙って 盗っ人どもが、月の光を気に掛けながらお盗めを働いている ことでしょう。火盗改メの面々は、盗っ人にけどられぬように 屋敷のぐるりを首尾良く同心与力が取り囲み、そうとは知ら ず賊めらがうまうまと屋敷を出てきたその刹那、月明かりも 消し飛ぶ火付け盗賊改め方の龕灯が凶賊どもを照らし出し、 間、髪をおかず長官平蔵の大喝が賊めらに浴びせかかる 「長谷川平蔵の出役であーる、神妙に縛に付けええぃ」 なんて、池波節が聞こえてきそうな明け方の朝でした。
11月も半分がたおしまいです。もういくつ寝ると十二月、 さらに寝たらばお正月。主婦、主夫の方々には頭の痒い ことでありましょうが、ま、こればかりは避けて通れない のですから、年貢を納めてまたしとつ歳をとりましょう。
昨日の晩はきれいなお月夜でした。 久しぶりに冴えた月を見て、ああ綺麗だ と素直に感動しました。今日は思いの他 すっきり晴れませんでしたが夕方の西日 が向かいの藪を照らしている様が何とも 美しく、またもや、素直に感動しました。 百人一首に詠われた 『いずこもおなじ秋の夕暮れ』 というのは こういう景色なのではなかったろうかと、しばし、想いました。
今日も夜更けには昨日とはまた違ったお月さんが昇るでしょう。 薄曇りですので、朧月夜になるのでしょうか、侘びてますなあ。
ファミコンの高橋名人のことではありません。 手打ち蕎麦の高橋邦弘さんのことです。行ってきました、大和屋 主催の 『そばの会』 高橋邦弘氏の打つ新そばを頂いてきました。 お料理は前菜と焼き物のお重、椀物(京都で言うたいたん)揚物、 そしてお蕎麦、最後にお菓子(蕎麦饅頭)というシンプル懐石。 今日は陽気が温かだったので冷やをいただきながら楽しみました。 相席の方が常連の方で、色々と教えていただき、初会のお店でも 固くならずに済みました。
高橋さんのそば打ちを生で見せていただ きましたが流石に職人、早い!流れるよう に手順が進み、みるみるうちにのし、たたみ、 切り、あれよという間にそばが出来上がり、 舟に納めるその手つきなどはまるで蕎麦が 手に吸い付いているようでした。長年に渡 る仕事のせいかだいぶ腰が曲がっていらっしゃいましたが、その 身ごなしの柔らかさは、それこそ仕事の長さが物語るものでしょう。
食事のあとに本とDVDを買い、お願いをして、買った本ではなく以前に 購った初版の本に署名をいただきました。あわよくばと思い持っていっ たのですが念願叶ってサイン本となり、嬉しくて鼻血が出そうです。 では肝心のお蕎麦のお味はどうだったのか?そりゃあもちろん美味し かったです。高橋さんのお蕎麦はそれほどの細打ちではないものの 切り幅の揃った四角いお蕎麦で、自家製粉に力を注いでいるだけに、 その粉の選良さは 『朗らか』 という言葉かぴったりです。寄り添う つゆは強く主張せず、蕎麦を引き立て、食後の蕎麦湯も雑味一つない ものでした。水にも妥協していない姿勢がきちんと表れていました。 お客さんに向けたご挨拶の中で、お蕎麦は色々なものがありますが、 私は私が美味しいと思うお蕎麦を追求してこの形になりました。どれ が一番ということはないと思うが私の蕎麦を気に入っていただけたら 嬉しいです。と、謙虚に仰っていらしたのが印象的でした。職人たる 者、どれほど名人などと持ち上げられても、かくありたいものです。
私など、ちょっと美味いなどと言っていただくと有頂天になり、 「ほんとに、こんな美味い蕎麦ぁ誰が打ったんでしょうねぇ」なんて 平気でのたまう有様ですが、高橋さんに倣って謙虚にあらねばと 思います。今月の芋乃市場は 『くいもの市場』 です。残念ながら、 私が使っている信州産の蕎麦はまだ新蕎麦になりません。しかし、 学んだことをしっかりと反映させて、良い蕎麦を目指します。 謙虚に、謙虚に・・・
達磨 高橋さんのサイト http://9638.net/daruma/
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