歌を聞くとき、詩をよーく聞きます。勿論、作曲や編曲が総合的に 成り立ってこその楽曲だとは思いますが、私個人は詩から受ける 感動がまず先に立ってしまうので、聞くという行為は 『読む』 行為 に近い感覚で脳に吸収しています。
最近、『水中メガネ』 という曲にとても好意 を寄せています。Chappieという人が唄って いるマイナーな楽曲ですが、作詞が松本隆 作曲が草野正宗という異色のコラボ作品で 松本さんの秀逸な詩に草野さんのまったり としたメロディーが実に良い相性で乗ってい ます。YouTubeには草野氏本人が歌ったこの 曲がアップされていて聞くことができます。 それほど難解な曲ではないのでコードを拾ってギターを弾きながら 歌ってみたいなあと思っています。 が しかし、草野さんのオリジナ ルのキーではあまりにも高いので、そのキーから3度ほども下げて コードを割り当てるのが中々に難儀ではありますが・・・
綺麗な詩に出会うと日本語はなんて美しいんだろうとあらためて感じ 入ります。最近の若い人たちの楽曲は、日本語なんだか英語なんだ か不明なものが多く、それはそれでイカスものもあるとは思うのです が詩という文芸として鑑みるに稚拙な作文程度のものが多くて嘆かわ しいかぎりです。詩は短い文節の中にいかに感情や叙情を込めるかが 腕の見せ所です。携帯電話などで毎日誰もが文章を作る時代なのです から、一字一句をぞんざいにせず、美しい日本語を使いたいものです。
YouTube 水中メガネ http://jp.youtube.com/watch?v=mg_FObcRsC4
昨年の3月から実践している 『休肝日』 かれこれ1年半が過ぎ、 きちんと習慣化してきました。が、昨年暮れに立てた年3分の1の 目標値に少々影が差してきました。
毎月、10日は休むと決め、1月から律儀に こなしてきました。中には9日間だった月も ありますが次の月に11日間休んで帳尻を 合わせてきました。いけなくなったのは7月 から・・・猛暑の影響でついつい休肝日にも 「コウ暑くっちゃ呑まにゃぁやってられめぇ」 と開き直り、そうでない時でも気分がいいと 「今日は無礼講だ!」 などとサラリーマンみたいなことを言ってズルをしてきました。 7、8、9の三月分で都合4日足りません。残りの三月でこの員数を合わ せねば目標値である120日を達成できません。暮れは何かと呑みたい ですし、今月と来月でがんばるほかありません。たった4日ばかりの ことですから造作も無いと思われるでしょうが、意地汚い酒のみに は重い数字であります。身から出た錆ですから辛抱のほかありませ んが、見事数値目標を達成してお正月には美味いお神酒をごっくん ごっくん呑みたいものです。
さあ、グズグズ言っていても始まりません。男が一度口にしたこと です、残り三月で34日、きっちり努めさせていただきます。そして もちろん 『OS366』 も貫徹しますぞ! 今年こそっ!
OS366運動については1月1日、5日付の日報をご参照下さい。
ナツメの木に今年は沢山実が付きました。 毎年生るのですが今年は枝が枝垂れるほど たわわに実をつけています。漢方では大棗 (タイソウ) といい、干したものを薬として 使うそうですが、我が家ではなりっぱなし でうっちゃっています。実を食べてみると 青りんごのような甘酸っぱい味で不味くは無いのですが、反面 これといって美味いものでもなく、干して保存するのも面倒ですし 眺めて落ちて仕舞いです。茨城にいた頃にも焼酎に漬けてみたり しましたが薬酒にこそなれ、酒は酒で飲んだほうが美味いので それもしなくなりました。なんだかもったいない気もしますが まあ、やる気がおこらないものは仕様が無いのでどなたかお好き な方があればどうぞ採りにいらして下さい。
今年は柿も良くなっています。夏が暑かったせいか木の実がいい ようですねぇ。順に栗や芋も出てくるでしょう。明後日は十三夜です。 そして15日は満月、月遅れのお月見は風情があっていいですぞぉ、 秋茄子でも肴にお燗酒をきゅーっといきたいですな。
昨年の10月に新橋演舞場で開かれた十月大歌舞伎の内の 『文七元結』 を山田洋次監督が映画に撮った話はニュースでも 話題になりましたし、ご存知の方も多いと思います。その映画が 今月いよいよ築地の東劇他、全国で公開されます。
何といっても嬉しいのは中村芝のぶ丈が 勘三郎さん演じる左官長兵衛の娘久役を 貰っていること。縁あって芝のぶさんとは 歌舞伎養成所に入る以前からお知り合いで、 芝翫一門に弟子入りしてからもずーっと応援 し続けてきました。世襲が厳しいこの世界で こつこつと努力を続け、このお芝居では勘三郎さんと肩を並べて演 じる素晴らしい役どころ。昨年のお芝居は時間がとれずに臍を噛み ましたが、この映画は必ず観に行こうと思っています。松竹のサイト では予告編を見ることができ、勘三郎さんと並んだアップの芝のぶ丈 を見ることができます。映画では大向こうのかけようもないでしょう が、見たらやっぱり一声唸りたくなるでしょうなあ。
なりこまやっ !
松竹のサイト http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/bunshichi/index.html
日本俳優協会 歌舞伎俳優名鑑 http://www.actors.or.jp/meikan/members/actors/a0912_sinobu.html
近所の釣り師の方からイナダを沢山いただき ました。大漁を飛び越えて『爆釣』だったそう で、かれこれ50本も釣り上げたとか。土曜 に頂戴し、その日は皆でお刺身や鍋物にし て食べました。おろした頭とカマは今日 大根と煮ていただきます。ブリと呼ぶには まだナリが小振りなので鰤だいこんならぬ 『いなだいこん』 です。練炭を熾して じっくりことこと煮込みましたのでさぞ美味いでしょう。
今日は久しぶりに一日ロクロ仕事をし、晩酌を楽しみに仕事を終え、 ぶりでゃーこんには燗酒だべえと、ビンを手に取ると何と空っぽう。 こりゃあ買いに行かにゃぁ後生が悪いとばかりロクロ仕事で痺れた 腰のリハビリがてらちょっと離れた丘の上の酒屋まで、腰をさすり さすりポクポク歩いていきました。 が、何と今日は定休日・・・ 落胆しつつ踵を返し、今来た坂道をとぼとぼ帰りました。道沿いの 生垣のキンモクセイの香りが何とも切なく感じました。
さてさて、しおしおしていても始まりません。明日という日は 明るい日と書くことだし、人生なんて大方こんなもんです。今日の ところは芋焼酎のお湯割りでも呑りながら、大根を頂きましょう。
7月10日に播いた晩成種の大豆 『津久井在来』 がたわわに実り、 枝豆として食べてみました。少々痩せて小ぶりな豆ですが味は しっかりとのっており、実に美味しい枝豆でした。
畑にはまだたくさんの株があります。 大きめの物は種にして来年また播こうと 思いますが、小さなものは枝豆で食べて しまおうと思っています。小さなサヤでも 豆の入っているものは良い味なので面倒 がらずに隅々まで食べることにします。
7月に種を播いてかれこれ3ヶ月、大豆栽培委員長T氏のかいがい しいばかりの世話は見事に結実し、ちょいと畑の一角を提供した だけでコウ美味いものにありつけて、実に果報なことです。夏の 暑さもこういう秋の収穫に一役買っていると思えば、あえぎあえぎ も辛抱した甲斐があったというものです。 秋ですなあ。
7月『プリズンホテル全4巻』を一気に読み、8月新旧『遠野物語』を 重ね読みし、9月そろそろ時代物にのめろうと思っていた矢先ついつい 『勇気凛凛ルリの色』に浮気した事は9月9日の日報に書きました。 10月、いよいよ日も短くなり秋の夜長を重厚な歴史小説で楽しもう と思っていたにも関わらず、今まで読んできたノリでふらふらっと また浅田次郎氏の本に手をだしてしまいました。
手に取ったのは時代の替わり目を書かせると 抜群に上手い浅田氏の、大正浪漫義賊小説 『天きり松闇がたり』 です。仕立て屋銀次 一門、目細の安吉一家に育てられた最後の 盗っ人村田松蔵の語る物語形式で進むお話 は一本スジの通った意気地のある盗賊達が 胸のすく仕事ぶりで世の中をあっといわせ る顛末の数々、下谷生まれの松蔵の歯切れ のいい江戸言葉に、聞き手となる獄中の小悪 党どもは静まり返り、看守までがしんみりと聞きほれるという語り 口は六尺四方にしか届かないという盗賊特有の秘術 『闇がたり』 読者は聞き手にもなり、松蔵自身の境涯にも同調し、ぐいぐいと 小説に引き込まれてしまいます。時代は大正、江戸と近代がこき混ぜ になった半々の時代です。戦前のほんのつかの間のデモクラシーの 頃、大震災は待っているし大戦も控えた混沌とした時代に意地を通して 生きた人々をお芝居のように描き出すその筆力はまさに職人芸です。
つい二三ち前に読み始めたのにもう仕舞際まで進んでしまいました。 シリーズは全4巻、またこれにのめってしまい時代物は後回しになり そうです。さらに勇気凛凛も続編を読みたいとおもっています。
このぶんじゃぁ あ、しばらくは浅田物からぁ あ、離れられますめぇ・・・
|