陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2006年11月14日(火)      天 主

滋賀県で安土城址を散策して、その結構に感激し、
先に集めた安土城関係の本やビデオを、今一度見直しています。
調べれば調べるほど、焼失してしまったことが悔やまれる城です。

 日本の中央部の、陸路・水路の要所を
 押さえた土地柄。大きくは無いものの峻険で
 頑丈な安土山という丘の立地条件。その頂上
 に聳える五層七階の天主には地下一階から地
 上三階へ吹抜けのお堂がしつらえられ、その
 吹抜けの周りを座敷や能舞台で造作をすると
 いう設計の奇抜!只の物見櫓ではなく、生活
 する空間として実用を前提に考えられた木組
みは、至難であったことでしょう。また、南蛮の天主堂を手本に
するあたりも、前例の無い意匠で痛快です。さらに本丸には天皇
行幸を見据えた御殿を建て、天主と渡り廊下で結ぶという、念の
いりよう。城主織田信長の発想の大胆さと、既存の概念に迎合し
ない慧眼に感服するばかりです。

実際に城址を歩いてみると、南北にきっちりと、貫くように作ら
れた 『鉄砲階段』 大手道の、その急勾配乍ら几帳面な作りに、
あえぎつつも大感動しました。さらに急な勾配の石段を幾重にも
折れて天主跡へ登ってみると、これまたきっちりと正面が南向き
でした。 『うつけもの』 といわれ、疳癖の強い独善的な面ば
かりが喧伝される信長ですが、思慮深く、緻密で柔軟な考えの
持ち主であることが伺えました。

いつの日か、この城が再建されることを切に願います。
その時は外観だけに腐心せず、内装造作にもきちんとした
作事をして、信長の繊細な一面も再現して欲しいものです。





2006年11月13日(月)      おお、さむ

 さぶくなってきました。
 上方の人は 「さむ」 「あつ」 「いた」
 など、形容詞の「い」を省く傾向があるように
 思います。なのに、名詞には語尾を延ばす
 ように母音を足す傾向があるように思います。
 「山ぁ」 「木ぃ」 と言いますよね。
名詞の傾向は関東でも共通していますが、形容詞の傾向は
関西特有のものでしょう。テレビの影響か、最近関東の人の
間でも形容詞の語尾を省く傾向が見受けます。
でも、東の人間のそれはなんだかきたなく感じますねえ・・・
「やばっ」 とか 「すごっ」 とかね。嫌ですねえ・・・

     ストヲブを点けましょうよと女房云い



 



2006年11月11日(土)      こうよう

「京都へ行ってきましたよ」 などとのたまうと、皆いちように
「紅葉はいかがでしたか?」 とお尋ねになります。この時季の
キョートと聞けば、なるほど、この情報が気になることでしょう。

京都の紅葉は、まだまだこれからが本番のようです。
比叡山の中腹で、きもーち、もみじが色づいてきたかな位です。
感触としては、下旬くらいが見ごろでしょう。

 画像は、左京区吉田山の麓の古刹
 『真如堂』 のものです。隠れた紅葉の
 名所らしいです。見ての通り、いくーらか
 赤いな、といった按配です。我々が伺った
 日はちょうど 『お十夜』 の法要の時期
 であった為、静かな鐘の音とお念仏が
境内に響いておりました。平日のせいか、お参りの人は少なく、
ゆっくりとお参りさせていただきました。

このお寺さんは、『ボア・ボッカ』 の丹田いづみさんが案内して
下さったのですが、吉田山にはお稲荷さんや神社もあって、何やら
八百万の神々がひしめいている印象のお山です。お山の中腹には
茶室がしつらえられており、茶事も催されることがあるとか、その
懐石の調理場が 『茂庵』 というカフェになっていて、夕暮れの
京の町や、大文字送り火の東山如意ケ嶽を眺めながらお茶を楽し
むことができます。

ほんの小一時間でしたが、丹田さんと私ら夫婦3人でポクポクと
お散歩をしたのがとても良い気分でした。その土地に住まう人と
歩くことで、よそから来た人間でも、少々なりとも土地の肌合い
といったものを感じることができたように思います。

また機会があれば、今度はもみじが燃え盛る紅葉の時期に、
吉田山を一巡りしてみたいと思います。





2006年11月10日(金)      京ことば

京都のことばは独特で、きれいですねぇ。
今回の旅でしみじみ思いました。中でも魅力的で、
いたる所で遭遇するのが 「おおきに」 でしょう。

 7日はお昼を 『ボアボッカ』 の丹田さんが
 お勤めの 『カフェ・カリーニョ』 で丹田さん
 とご一緒にとりましたが、お店に配達に来る
 業者さんが去り際に 「おおきにー」 と言って
 帰り、お客さんを送るお店のオーナーが元気
 に 「まいど、おおきに」 といった具合です。
夕飯は錦市場の魚屋さんの奥の居酒屋で、しみじみ呑りました
が、ことあるごとに 「おおきにー、おおきにー」 の連呼でした。
なかなか便利な言葉であります。関東人の 「ありあとやしたー」
よりも気持ちが入っているように思います。響きもきれいですし、
こういって送り出してもらうと、とても良い気分です。ただ、
使いようによっては中々に含みのある言葉でもありますな・・・

比叡山にお参りしたときに有料道路を通ったのですが、入口は
券をもらい、帰りに清算という方式でした。よく値段を確かめず
に根本中堂まで行ってお参りを済ませ、首尾よく下山し、出口
でその料金にびつくり!なんと、たかだか一往復が1,620円という
高額。怪訝に疑いつつ出口の係員に確かめると、にこやかな
係員がきれいな言葉で 「おつかれさまです。1620円ですぅ」 げぇ、
やっぱり・・・悔しかったので 「いいねだんとるねえ、えぇ〜」 と、
江戸弁でひとこと釘を刺すと、手錬れの係員は満面の笑みを
浮かべて一言 『おぉきにぃ〜』 ・・・参りました!

ただただ勢いのみで粋がる東京人は、あのしたたかさに大いに
学ぶべきでしょう。機会があれば繁く通って、京都の人たちの
厚みのようなものを習いたいものです。
でも、住む気にはなれないなあ・・・あすこには・・・





2006年11月09日(木)      近畿出張

二泊三日の出張、無事に帰着しました。
京都・吉田山の 『ボアボッカ』さんには、きちんとお会いして
ご挨拶がかないましたし、滋賀の 『おやつ工房むす』さんにも
無事に納品ができました。そして・・・勿論!観光も致しました。

 昨日は連れ合いは京都の町をそぞろ歩き、
 私は琵琶湖の湖東地区の史跡を巡って
 堪能しました。湖東三山 『西明寺』を
 皮切りに、彦根城、安土城と、憧れの
 場所をしみじみと巡り、晩秋の歴史探訪
 を満喫しました。
実はこれらの場所は、昨年公開された映画 『蝉しぐれ』
のロケ地にもなっていたところです。ぼりぼり写真も撮って
きました。いずれ、お眼にかけることができればと思います。

比叡のお山にも登ってお参りしてきましたが、お山は寒かったです。
着実に冬がやってきています。風邪をひかないように気をつけなけ
ればいけませんねえ。





2006年11月06日(月)      エンゼル本

映画『銀のエンゼル』 がとても面白かったので、本も
買っちゃいました。しかし、これは映画の原作本ではなく、
映画の続編のものがたり本という趣向です。

 まだ読んではいませんが、小さな本で、
 170頁だけのものですから、さっくりと
 読めちゃうでしょう。文庫本の薄い奴
 ぐらいのボリュームです。ちょいと暇な
 時にさっと読めて良さそうです。著者
 の鈴井貴之さんは、とても頭の良い人
 なので、文章に少々外連味があります
 が慣れれば気にはならないでしょう。

秋の夜長に、そんな他愛の無い小説を読んで時間を使うのも
ある意味、有意義なことではないでしょうか。ゆつくりした
減速をして精神を弛緩して、力が湧いたらまた緊張する社会
へ飛び出してがんばれると思います。

上手にペースを作るのが現代人の腕の見せ所でしょう。





2006年11月05日(日)      十三夜

 おとついの十三夜の月を見逃したので
 今日は出たばかりの満月を拝みました。
 暮れる時間が早くなった東の空に、赤く
 て丸いお月さまがのっそりと浮かぶ姿は
 いいもんです。晩秋の、澄んだきれいな
 空気がひんやり感じました。

       空冷えて霜月満月冬に入る




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