陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2006年10月04日(水)      サイン

 杉浦日向子さんの随筆を紹介するページを
 拵えてから、漫画も加えていくべく、こつこつ
 と集めています。あと一冊でほぼ揃うところま
 できました。こういうものは集め始めると一つ
 でも欠けると嫌なもので、遮二無二探しました。
 そうこうしていると、幸運にもサイン本を見つ
 け、喜び勇んで注文しました。本は 『百物語』
 の二巻です。

 杉浦さんのサインは、漫画家らしいおどけた
 感じのサインです。お世辞にも字は上手とは言い
 がたいですが、ファンには極上の宝物であります。
 生前には、いつか東京のどこかのお蕎麦屋さんで
 偶然にでもお会いしたら、サインをいただこうと、
 『ソバ屋で憩う』 の初版本を携えておそば屋通い
 をしたこともありましたが、今となっては叶うべ
 くもありません。

杉浦さんの漫画は、ちくま文庫で読むことができます。また、上記
の 『百物語』 だけは新潮文庫から出ています。秋の夜長に、江戸
情緒あふれた杉浦版漫画浮世絵などはいかがでしょうか。





2006年10月03日(火)      アイヌ

四辻藍美さんのアイヌ刺繍展を見に、三鷹へ行ってきました。
5月に日傘展でお邪魔した蔵ギャラリーでの展示会は、お蔵の
雰囲気と、アイヌ文様のマッチングが良く、美しい空間でした。

 大きな会場ではないのに、天井が高いせいか
 圧迫感は無く、ゆったりと展示された服や布が、
 ふわふわとした空間を作って、とても綺麗でした。
 アイヌ文化は、東京生まれの私にはいささか異
 文化ですが、濃い顔の私はどれも似合うと言わ
 れ、こそばゆい気分で見せていただきました。

北海道には行ったことがありませんが、いつぞや機会を見つけて赴き、
アイヌという民族が自然とともに生きたその風土に触れて、異文化の
解釈に理解の糸口を見つけたいと思います。





2006年10月02日(月)      か き

 10月になって、しっとりとした雨が続きました。
 涼しい日が続いて、モズも高鳴きを始めました。
 柿の実が色づいてきたので、二つばかりもいで
 写真に収め、むいて食べてみましたが、渋くて
 とても食べられませんでした・・・
 もうひと辛抱ですな・・・

       百舌鳴いて柿色づいて神無月





2006年09月30日(土)      ほるもんにんぎょ

 杉浦日向子さんが原作を提供し、内田春菊さん
 が描いた漫画があると聞き及び、時間を見つけ
 て古本屋へ探しに行きました。目当ての本は案外
 あっさりと見つかりました。が・・・買うことが
 憚られるような艶っぽい本で、本のページを繰る
 のも、会計も、すこぶる恥ずかしかったです。
 タイトルは 『ベッドの中で死にたいの』 題から
 して何やら妖艶です。内容もこれまた艶笑な大人
 のお付き合い物語が多く、いかにも内田春菊さん
らしい軽い感じの、男と女の、心と体の、白黒物語です。

そんな短編10話の中の、後半4話が杉浦日向子さん原作の廓話で、
『放流門人魚』と題されたやはり短編です。四谷新宿、板橋、深川
といった場末の宿場女郎がおりなす、客とのかけひきを、内田さん
の描くキャラクターが、飄々と杉浦節でものがたります。
表題の 『ほるもんにんぎょ』 も、吉原とは格式の違う遊郭の女郎
をさらりと言い得て痛快です。人の業の深さは、晒しても晒しても
真っ白にはならないことでしょうが、だからこそ人生を洒落通すし
か生きるハリを見出せずにいるのは、江戸の人も現代人もそうは
変わりないのではないでしょうか?

この漫画には、全編を通してそういったエスプリがギュッと詰まっ
ていて、描写は少々エッチなのに、読んでいてちーっとも後ろめた
さを感じません。杉浦さんと内田さんはきっと、かなり似た感性の
持ち主なのでしょうねぇ、またお二人とも女性であるというところ
がこれ、いかさま、乙ですなぁ・・・





2006年09月28日(木)      げんのしょうこ

 裏庭の一角にゲンノショウコの花が咲き乱れて
 きれいです。うちのは赤い花ばかりですが、白い
 花もあるとか。古くから民間薬として重宝される
 草花だと聞きますが、見た目からは薬効成分があ
 るようにはおよそ見えません。小さな花一輪にも
 サンチマンタリスムを感じる、秋ですなぁ・・・

       蜘蛛肥えて現の証拠の花盛り





2006年09月26日(火)      みかん

陶芸教室の生徒さんから黄緑みかん 『日南一号』 を
いただきました。流石に極早生みかん、すっぱい!すっぱい!

 私はすっぱいミカンが大好物なので、とても
 美味しくいただきました。私に下さった生徒は
 「先生なら食べてくれそうだから」と、遠慮が
 ちに差し出されましたが、こっちは好物ですか
 ら二つ返事でいただきました。まして、初物と
 あれば、ありがたいことこの上ありません。

       青い蜜柑を頂いた彼岸明け





2006年09月25日(月)      ちゃっちゃっ・・・

今日は外を回る仕事になり、お昼は外食となりました。
港北方面への用事だったので、天ぷら若松屋さんへ、芋乃市場の
ご案内をお願いがてら伺いましたら何と 「準備中」 定休日でも
ないのにはてなぁと首をかしげながら引き返し、じゃあ前々から
気になっていた 『くじら軒』 で魚介スープの細打ち麺を食うか
と阪急デパートに車を置いてえっちらおっちら歩いていけば何と
「定休日」 仕様がないので阪急に戻ってレストラン街の 『屋台味
ラーメン』 だかいうお店に入りました。

 ずいぶんお腹が減っていたのでラーメンとご飯
 を頼み、親爺が作るのをぼんやり眺めていました。
 麺を取り出し鍋へ放り込み、丼を出し、手際よく
 調理するしぐさは流石職人芸。と、次に何やら
 平たい手ザルに入ったものを持ってきて丼めが
 けて「ちゃっちゃっ」と勢いよくふりかけました。
げげえっっ・・・コレが噂の 『背油ちゃっちゃ』 か?!・・・ぐええっ
と気づいてもあとのまつり、出てきたラーメンはコッテリと脂ぎった
とんこつ醤油味でした。が、しかしここでひるんでは男がすたる。

べらぼうこちとら江戸っ子だぁ、男の働きだぁ、昨日今日麺を喰い
始めた若造じゃぁあるめぇし、たかがそれっぱかりの背油がなんでぇ、
一匹持って来て、まるごと絞られたって驚かねえんだ、こっちゃぁ
・・・と、精一杯のやせ我慢をして涼しい顔で完食してやりました。

只今午後5時、ギンギンにもたれております。
口の中はしわしわです・・・いやあ、背油はこわい・・・




 < 過 去  目 次  未 来 >


陶 房 日 報