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明日 咲く花
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2011年09月21日(水)  昔の話その2

結婚式の半年前に、結婚が決まった。

北海道では結婚披露宴をする際の発起人は、両家の友人たちがする。
当時も、私と夫の友人たちを中心に10人ほどの発起人が決まり、
発起人会(つまり、飲み会)を、1959年の1月に開催した。


第一子が生まれたのが、同じ年の12月。
長女は「できちゃった婚」だと思っていたようだが、そうではない。
結婚が決まってから妊娠したのだ。

もしあの時、妊娠・出産していなかったら、結婚後に始まる夫との結婚生活を
早々に打ち切っていたのかもしれない。
まさに、子はかすがい。
夫と私の、腐れ縁夫婦の始まりだった。



子どもを産むその前の日まで、働いた。
洋食屋は、忙しかった。
妊娠中は、平日は午後から閉店までと、日曜は一日中手伝った。
ウエイトレスの仕事は、ほとんど立ちっぱなし。
相変わらず夫は、仕事中に大声で私を怒鳴った。
私のみならず、他のウエイトレスにも怒鳴った。
当然、ウエイトレスはどんどん辞めていった。
辞められないのは、結婚した私くらいのものだった。
仕事中、お客さんがたくさんいる時でも、夫は罵声を浴びせた。
何度も、店の外で泣いたものだ。
泣きながら、歩いて家まで帰った事も数え切れない。

夫はというと、仕事とはそういうものだと思っていたらしく、家に帰ると
静かな夫でいた。当時はまだ、家庭にいる夫は普通の夫だった。

そんな状態でも流産もせず、予定日の4日後に娘が生まれた。

豪雪で列車も止まり、母が病院へ来たのは娘が生まれてから随分あとだった。


娘を出産後3ヶ月して、仕事を再開した。
娘は、無認可の保育所に預けた。
娘はカンが強い子で、週に7日、夜泣きした。
午前4時前後になると、必ず1時間ほど泣き続けた。
夫は、娘が泣くと背中を向けて「どうにかせーや」と言った。
私は、娘を抱いて必死であやした。

午前10時から午後6時まで、洋食屋で働く日々が続いた。


娘が一歳になった頃、夫に怒鳴られる数が極端に減った。

怒鳴られなくなった頃に、夫は言った。

「ワシ、生まれ故郷に帰ろうと思う」

今も昔も、言い出したらきかない人だ。
私が「うん」と言うまで、自分の思いを語り続けた。




押すと続きが読めるよ



台風が猛威をふるっています。
これ以上被害が広がらない事を祈ります。




2011年09月20日(火)  昔の話その1

1959年6月12日。
私が23才の時に、結婚した。

結婚する半年前に、夫は洋食屋を開店した。

それまで勤めていた洋食屋のオーナーに勧められたのだ。

「相手のご両親の信用を得るために、洋食屋を自営するのが良い」と。

簡単に自営と言うが、夫にそんな資金があるはずもない。

彼もまた23才の若輩者だった。
真面目に働いてコツコツ貯金していたのならまだしも、稼いだお金は
ほとんど飲んでしまうほど、アルコールと女が好きな男だった。
営業資金は、夫の母が全部まかなってくれた。
名目上は「貸す」という事だったが、結局その時に借りたお金は返す事は
なかった。


結婚する半年前から、私は夫の営業する洋食屋へ手伝いに行った。
手伝いに行き始めて3ヶ月後、妊娠した。


洋食屋を手伝ってからわかった事。
夫は、とても激しい性格だった。
怒ると、手がつけられない。
罵詈雑言。
これでもかというくらい、怒る、打ちのめす。

それで、私は、夫への愛情が失せていった。

その事を察した夫は、ある日、店が終わってから私と対峙してこう言った。

「お前の態度を見ていると、ワシに愛情があるとは思えへん。結婚を止める
 のなら、そう言ってくれ。ワシは、止めへん」


タイムマシンがあるのなら、あの時、あの時間に戻して下さい。

私は、夫がせっかく「結婚をやめてもいい」と言ってくれたのに、それを
断ってしまったのです。

「いいえ、私はあなたと結婚します」

そう言った。

夫への愛情が失せた事は、本当の事だった。
それなのに、結婚する事を決めたのだ。

なぜって、
もうすでに、結婚式の案内状は送ってしまった後だったし、
なにより、私はもう、あの自分が生まれ育った家に戻りたくはなかったから。





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続く。



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