タダの日記<お父さんの日常生活>
タダ



 昼食


お昼です。今日は何を食しましょう。いつものコンビで銀座の裏道をぶらぶら歩きます。ラーメンにしましょうか?大盛りサービスの赤みそラーメンがいいですね。そうしましょう。そうしましょう。

うわぁぁ満員ですよ!待ちましょうか?イヤ、この先に最近できた和食の店があるからそこに行ってみましょう。そうしましょう。そうしましょう。

開店間もない店なので、入り口で仲居さんが案内をしています。

「お食事はいかがですか?」フムフム・・・「今日の昼食1200円」「何とか御膳1400円」「かき揚げどんぶり1600円」給料前のサラリーマンにはちょいときつい値段だな・・財布の中の千円札が脳裏に浮かびます。「入りましょう」連れは先に入ってしまいました。

こぎれいな洒落た高級和食屋さんです。カウンター席に着くと女将さんらしき女性が「いらっしゃいませ」と現れた。ウッツフォフォすんげぇビ・ジ・ン。連れも妙に緊張している。

お昼のメニュー見せてください。さっき入り口で値踏みしてたのによぉ。それと夜のメニューも見せてください。

「今後もよろしくお願いいたします」和服の女将が名刺を差し出した。ヲッフォフォフォ・・・

「かき揚げどんぶりにえび入っていますか?」

「入っておりますが、エビ抜きが出来るかどうか聞いてみましょう・・エビお嫌いなんですか?」

「蕁麻疹が出るんでねぇ・・ヲッフォフォフォ・・・」

「それはそれは大変ですね」

「いや大したことはないんですがね・・・ヲッフォッフォ」

そうこうしているうちに正式に頼んでいないかき揚げどんぶりが出てきた。

再び財布の千円札が頭をよぎる。側で連れが「1600円のかき揚げ美味しい?」

さぁ帰りましょうか。

「お足元にお気を付けて」そんなにヨタヨタしてネェです。

女将、仲居さんを従えて「無理にお立ち寄り願って申し訳ありません。お味はいかがでしたでしょうか?」と店先まで送りに出てくれる。

「美味しかったですよ、また来ますよ。ヲッフォフォフォ・・・」

ふと振り返るとまだこちらを見ている。

「何か偉い社長さんになったみたいだ」「ハイヤー遅いですねぇ、、ナンチャッテ

「二日分の昼食代でしたね」「偉い社長さんが何おっしゃる。ほんのコーヒー代でしょ・・」



ここの銀座支店

続けてすんげぇ美人と遭遇してヲッフォフォフォ・・・






2004年11月27日(土)



 晩秋の一人旅


久しぶりにサイクリング。
木々はすっかり紅葉して、落ち葉を踏むタイヤの乾いた音が本格的な冬の到来を告げる。ヘッドホーンからはヘレンメリルの甘くせっないスローなバラード。オーバラップして目の前にきれいなもみじ。あぁ、かあちゃんと一緒に見たかったなぁ。かあちゃんの手の代わりにハンドルグリップをギュッと握りしめ「去年の今頃を思い出すねぇぇ」なんちゃって。

写真を撮ってピクトボードに載せましょう。芸術心をくすぐられたお父さん、枯れ葉の上を格好よくザザザーと自転車を止めカメラを構える・・・オヤ? 自転車は止ったけんど、ペダルのクリップが外れない・・・
ヤベェ・・・コケタ・・・・逆転のお父さん、格好ワリィィ。辺りをキョロキョロ、何事も無かったように、背中に枯れ葉を付けて、ウォッホッホ。
家について何事も無かったように、ただいま!


2004年11月28日(日)



 またおいで

年寄りの居る生活は確かに大変だ。
でも、年寄りの居る生活は楽しいよ。時として頓珍漢な会話は周りの爆笑を誘い、大きな声で「ばあちゃん、おはよう」という剛の顔は、寝ぼけ眼でボソボソというそれとは大違いににこやか。

「秦野に帰すことを前提にばあちゃんの面倒を引き受けた私。そんな私が悲しくて・・」「それは違うよ。この家に越したのもばあちゃんを呼ぶため、そして今回のばあちゃんの滞在は将来の予行演習だったんじゃないの?私はね、ばあちゃんの部屋と名付けた六畳間はいつまでもばあちゃんの部屋として残しておくよ。きっとそのころは日よけのために植えた蔦も、大きく成長していると思うからね」

またおいでばあちゃん


2004年11月30日(火)



 極めつき


12月、早いもんだねぇ。もう最後の月になっちまった。一般的に師走って言うけんど、極月(ごくげつ)とも言うね。おいらはこっちの方が好きだな。キワメツキだなぁ。
日本人が大好きな忠臣蔵の一節に、【時 元禄十五年極月十四日 夜討ちの勝負はかねての計略 打ち立つ時刻丑満の・・・・】トトントントントトトントン・・
極意、極道、極端、極地、極楽、極太、極細と、もうこれ以上ない、到達する最後のところ。おいらの生活の中で極めの文字ってあるかな?極端に酒好きで、その結果極楽をさまよって極細の財布を眺めつつ極太のかあちゃんにやっかいをかけてる。そんなもんかなぁ。

2004年12月01日(水)



 アサァ〜



空がきれいな朝。
【Softly As In a Morning Sunrise】なんちゅうジャズを思い出すなぁ。

ラジオのイヤホーンを耳につっこんで、かあちゃんのお見送りを受けながら、お父さんは歩いて駅に向かう。飲み屋なんかに寄らないでまっすぐ帰って来いよ・・かあちゃんの心中が背中を直撃。
公園の落ち葉をサクサク踏んで、余裕でいつもの急行に乗る。朝のニュースをラジオと隣のオジサンの新聞でゲットしている内に高田馬場着。そういえば婆が帰って家の中に隙間ができたようだな。
定刻の山手線がホームに到着。窓越しに内部をのぞく。いつも池袋で降りるおばさんを捜す。この人の前に立っていれば必ず座れる勘定、、、アヤヤ本日は先客あり。座ってるおばさん「今日は残念だねぇ・・」なんて言わないね。もしかして先客も池袋で降りるかもしれないと有利な場所を確保する。
残念!でもお隣に座っていた人もオバサンと一緒に降りた。
おかげでゆっくり居眠りできました。
会社の近く、いつもの珈琲屋でいつものお姉さんからコーヒーを受け取って、ヤレヤレ今日も無事着いた、今日のお昼は何食べよ?

2004年12月02日(木)



 今朝も寒い<朝日の当たる家>



シーン#1:お父さんとおかあさん、夕食をしている。テーブルの上には焼酎とウイスキー。飲み会といった雰囲気。

お父さん「毎朝花子の駅で見かける同年配のサラリーマン風お父さんがいるのよ。白髪の彼はね、いつもホームの同じところで一番先頭で急行を待ってるんだ。ダレスバッグを左の足下に置いてイヤホーンを耳につっこんで日経読んでるんだ。おい、かあちゃん聞いてるの?」
かあちゃん:黙々と焼酎を口にする。
お父さん「以前はね、おいらも彼の横に並んでいたんだケンド、もう一人白髪のシトが同じ列にいたのよ。白髪だらけで何となく格好悪くおいらだけ隣の列に代わったのよ・・ちょっと聞いてんの?」
かあちゃんテレビを見ながら「聞いてるよ」といって焼酎を一口すする
お父さん「彼はね、背筋を真っ直ぐにして結構自信ありげに立ってるんだ」
かあちゃんの目がきらりと光る。極太かあちゃんの顔アップ。
お父さん「そんでね彼も高田馬場で降りるんだけど、おいらの後ろにいるにもかかわらずドドドって走ってきて、階段も一段飛びで駆け上がるのよ!姿、カタチはおいらも負けねぇ自信はあるケンド、あの一段飛びだけはまねできネェな。しゃくに障るけど、足の長さがあちらさんはちょいと長いわな・・」
かあちゃん、お湯割りグラスを手に持ったまま「ヲッフォッフォ、今度見に行くからね、そのお父さんを!ヲッフォッフォ」

シーン#2:翌朝のホーム。お父さんと彼はいつもの定位置。お父さん、フ〜ンと言う顔で彼を観察。目が耳元でとまる。
お父さん「ウッソ!イヤホーンのコードが白い・・もしかしてipod?息子から借りて来たん?」
ナレーション「お父さんも来週から白いイヤホーン?ヲッフォッフォ」

2004年12月03日(金)



 小金井公園の池?

昨晩から今朝にかけての大雨で小金井公園に池?が出来た。
水たまりだけど、周りの風景とマッチして本当に池のよう。


2004年12月05日(日)
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