| 2006年06月10日(土) |
『白子高校吹奏楽部プレ・サマーコンサート』 |
「白子高校吹奏楽部プレ・サマーコンサート」を観た。 今回は1曲だけいっしょに中学の吹奏楽部も参加できるとのことで、 娘の中学の吹奏楽部が選ばれ、いっしょにステージに出させていただいた。 白子高校は県立高校でありながら、文化教養吹奏楽コースという珍しい専門教科のコースを作った。 白子高校は私の母校だが、私が入学するまえからずっと吹奏楽部が優れていた。 私も誘われてクラリネットを少し吹いたりしていたが、あまりのハードな練習に耐え切れず、入部はしなかった。 私が行っていた頃は普通科と家政科しかなかった。 その後、情報教育科になったりしていたが、変わらず吹奏楽部は金賞を受賞しつづけていたので、学校の特色を出そうということになり、思い切って吹奏楽コースという全国でも珍しいコースを作ったのだろう。
106名のオーケストラは圧巻だった。 そのパワーは大人にはない種類のパワーだった。 若い人の美しさと情熱を素のままでみせてくれた。 胸にガンガンとまっすぐな情熱が響いてきた。吹く、演奏するだけでなく、歌う、踊る、元気にしゃべる。 1曲目は「コパカバーナ」でこの曲はよくあちこちの吹奏楽部で聴かれるが、 今回はサンババージョンで振り付けや踊りが楽しく小道具も使い、 音とともにステージが鮮やかだった。 「ルパン三世のテーマ」。吼えるようなトランペットがずらりと並び圧巻だった。 私は知らなかったがお祭りの曲も演奏され、部員は全員法被姿で演奏し、 踊りも踊り、太鼓もたたいてしっかりと見せ場を作った。 とにかくバラエティに富んでいる。 踊りも半端じゃない。 タレントみたいにピシッと決まったダンサーのような踊りだ。 次はカラオケ大会となった。 お客さんの中から吹奏楽部の演奏をバックにステージで歌う人を募集する。 カラオケとして用意してある曲はなんと50曲! 50曲どの曲でも演奏OK!!すご。 少々年配の男性が「北国の春」を歌った。歌詞も一切見ずに堂々と歌い上げ、私は(すごいなあ。カラオケあらしかなあ)と思っていたらその人は「先日NHKで生オケで歌いましたが、そのときよりもスケールが大きくてすばらしいです。」とおっしゃった。 (おおっ!NHKのどじまんに出るほどのツワモノか、やはり)と私は思った。 次は若い女性が平井堅の「ポップ・スター」を歌ったけど、大ステージで緊張されたのか、歌いづらそうでしかし最後までしっかり歌いきった。 (あんな難しい歌を、あんな大きいステージで106人のオーケストラをバックに歌うなんて、なんて度胸のある人だろう、すごっ)と思った。 司会者に「歌ってみてどうでしたか?」と聞かれ、やはり緊張されたのか「すみません。あんなすばらしい演奏なのに、すみません。」と謝っておられた。 そりゃ、誰でも緊張すると思う。お二人は白子高校吹奏楽部のかっこいいTシャツをプレゼントされ、白子高校吹奏楽部の応援部長に勝手に任命された。
鈴鹿はF1の町なのである。 毎年夏になるとそのときだけ「国際都市!鈴鹿!!!」という旗や垂れ幕みたいなのが町中に飾られる。 そのときだけ異常に張り切る。 で、次はF1グランプリテーマ曲スクエアの「Truth」。 この曲はいつ聴いても気分爽快になる本当にいい曲だ。軽いけれどチープじゃない。 演奏がすばらしい。この演奏を聴いたらスクエアも真っ青になるだろうと思う。 アンコールではThe Boomの「風になりたい」。この曲もよく聴くが、 吹奏楽で演奏するのが流行っているのかな? それにしてもいい曲だ。涼しい。
本来音楽とはお祭りの時や、めでたいときに演奏されるものなのに、 今では癒しの音楽などといわれ悲しい時代になったものだが、 きょうの演奏会は最初から最後まで趣向を凝らし、まるであきさせない 子供からご老人までほとんど席を立つ人がいない、超満員立ち見いっぱいのコンサートだった。 プロのコンサートでもこれほどまでに飽きのこないコンサートはあまり観たことがない。 高校生だからこそできることだと思う。 期間限定3年間だけの高校生活、決してくいのない高校生活を送っているのだろう。本当にすばらしかった。帰りは会場整備をしている高校生一人一人に「ありがとう。」と言って帰った。あんなすばらしい演奏を聴かせてもらって、ありがとうと言わずにはいられなかった。
| 2006年06月06日(火) |
『再生』 松山千春 2006.5.31 |
今回千春は二種類のアルバムをリリースし、 この『再生』は千春のセルフカバー曲と他のアーティストの70年代名曲集の方だ。 丸山圭子の「どうぞこのまま」や泉谷しげるの「春夏秋冬」、ユーミンの「卒業写真」などを歌っている。
「どうぞこのまま」。 この曲を千春が好きだったなんてちょっと信じられない感じ。 とても軽く変に耳に残らない軽さで歌う。まあ、いい感じだ。
下田さんの「セクシィ」も歌っているが、千春が歌うとちょっとくどい。 が、歌い上げるさびの部分は気持ちよく聞ける。 この曲はいろんな人が歌っているが、なぜだか誰が歌ってもその人の個性がよく出て、誰が歌ったのもよい感じがする。 曲自体にはそんなにインパクトはないのに、男性が歌っても女性が歌ってもいい味の出る歌だと思う。
「別れのサンバ」という曲はどうもギター1本で歌っているようだ。 間奏で他の楽器が入る。 私は原曲を知らない。 ギターの音がすごくいいし、千春の声がすごくギターにマッチしている。 千春の声はつやがあっていい声だと思う。 声量があるというよりも、木を磨いたつやのような感じがする。 おいしいかつおぶしみたいだ。
「春夏秋冬」は泉谷さんの個性的な声できくよりも、千春の声で聴くほうがなんとなく聴きやすい感じがする。
「卒業写真」も後半の歌い上げる部分がいい感じで、 2コーラス目では千春の心がこもっているのがよくわかる。 しかし、説得力には欠けると思う。 が、この曲にはそんな説得力なんてものは必要ないだろう。
2枚組になっていて、もう一枚はセルフ・カバーアルバムとなっている。 こちらは代表曲ばかりだ。 知っている曲ばかりで気持ちよく聞き流せる。 特に今の季節、寒い季節が終わり、暑くもない時期にこれらの歌は気持ちよく聴ける。
はっきり言って (なんで千春が他の人の古い曲を歌うんだろう。 なんで、セルフカバーやベストアルバムなんだろう)と思った。 聞く人によってぜんぜん印象は違うと思うし、 「これが最高に良い!」という人もおられるだろう。 しかし、私にとっては懐メロでしかなかった。 しかし千春はやっぱりそれだけじゃあなかった。 きちんと新しいオリジナルアルバムも同時発売しているとのことだ。 『現実』というタイトルのニューオリジナルアルバム!そちらも聴きたい!! 私は新しい曲を今の千春が思うことを作る歌を聴きたいと思う。
| 2006年06月04日(日) |
『Lips』 本田美奈子 1986.6.4 |
本田美奈子さんの丁度20年前に発売されたセカンド・アルバム。 アイドルとして一番絶頂期のアルバムだったのでしょう。
アイドルとしては限界ぎりぎりまでのセクシーさだったけど、 その歌の上手さとリスのようなかわいらしさのおかげで 全くいやらしくなかったと私は思う。 それにあの細い痩せた体で、あんな声がでるんだなと 当時からずっとそのすごい体力と気力に驚いていた。
このアルバムも声に抑揚があり、 伸びた声が急降下していく歌い方が私はとっても好きだ。 「YOKOSUKA」「あたしはあたし」というフレーズは当時のつっぱりアイドル系の言葉だ。 曲も筒美京平さんの曲があり、わかりやすく耳に残りやすい楽曲ばかりだ。 「1986年のマリリン」がシングルとは違うアレンジで収録されている。 歌がだんぜん大人っぽく、アレンジも大人しくなっている。 歌の上手さがますます際立っている。 「スケジュール」という曲はアイドルによくある 忙しすぎて自分の時間がない、 スケジュールなんてほっぽりだして、 好きなようにしたいという歌だ。 この歌では最後の方でとてもきれいなソプラノ風の声を出している。 後のミュージカルやクラシックの声を予感させる声だ。 こういう内容の歌はたしか聖子ちゃんも全盛期に歌っていた。 どの曲もありきたりと言えばありきたりともいえるけど、 ハードな演奏にぜんぜんひけをとらない美奈子ちゃんの歌唱力の深さは底なしだと思う。 私個人としては急降下する発声が大好きなので、ソプラノの美奈子ちゃんよりも、ロックな美奈子ちゃんの方が好きだ。 たとえありきたりな曲であっても、おなかの底から声を出す歌唱が曲自体を数ランクあげていると思う。
それにしても、こんなに低音に安定感があり、 そしてあれだけゆるぎない高音を出せる歌手は他にはいなかっただろう。 本当に安心して歌の聴ける歌手だった美奈子ちゃん。 底なしに歌が上手かった。 ロックな美奈子ちゃんも私は大好きです。忘れません。
| 2006年05月31日(水) |
『サンキュー!』 川嶋あい 2006.5.24 |
川嶋あいちゃんのニューアルバム。 去年のアルバムはI WiSH解散直後のアルバムで、ずいぶん力が入っているなあと思った。 今回のアルバムは前回より落ち着いていろいろ考えながら作った感じがした。 もともと川嶋さんは、とにかく完成度の高い楽曲を作ろうとしていると思う。 どんな曲も絶対に力を抜いたりしない。 リスナーに向かって全力投球してくる。
今回のアルバムにはシングルの曲がたくさん収められているので、 もともと知っている曲が多かった。 正直なところ「見えない翼」は元気な歌でいいなとは思ったものの、 それほど好きな曲ではなかった。 このアルバムの1曲目として聞いたときもあまりピンとこなかった。 2曲目の「Dear」は大事な人に送るメッセージの歌で、もう何度も何度も聞いていた。 3曲目の「Happy Birthday!!」、4曲目「drive!」、 5曲目「大三角形」もロックに近いようなポップで弾む曲だ。 そして6曲目は「明日への扉」の原曲である「旅立ちの日に…」。 これは曲は同じだけど、歌詞が違う。 私は「旅立ちの日に…」の方がいいなと思った。 が、しかし「明日への扉」を聞きなおしてみると、 やっぱり「明日への扉」もものすごくいい。 これは同じだけど違うんだとわかった。 「旅立ちの日に…」はあくまでも学校を卒業して旅立つ学生の歌だ。 そして「明日への扉」は学生に限らず、 すべての扉を開く人へ捧げた歌だと思った。 「旅立ちの日に…」を聞いたときは、 「やっぱり原曲の方がいい。なんて完成された原曲なんだろう」と思った。 でも、私は学生ではない。やっぱり「明日への扉」も心に響くのだ。 どちらもいい。私にとってはどちらも大切な歌だ。 7曲目の「季節の旅人」と8曲目の「雪塵(ホワイトダスト)」は なんだか古い歌を聞いているかのようにしっとりと落ち着きを感じる。 季節の流れをじっと見詰めているかのような歌だ。 9曲目の「Love」は本当に素直な恋の始まりの歌だ。 10曲目の「優しい雨」。 今回のアルバムで私はこの曲が一番好きだ。 繰り返すあやまちや涙 繰り返せない自分の命 川のようにみんな流れ 大切なものが残っている ああ忘れないでいて 強い人はいない
このフレーズが大好き。 川嶋さんのように強い人が「強い人はいない」なんて歌うんだなあとぼんやり思った。 なんだかどこまでも共感していく私がいる。
11曲目の「smile and smile」は誰に向かって歌っているのかな? 友達かそれともリスナーやファンへの歌かもしれない。 君は今何してますか?自分に自信持っていますか? 前に進んでいますか?元気ですか? 普通の言葉で歌っているのに、なぜだか普通の歌には聴こえない。 なんでこんな丁寧に書いた作文のような文章が 心地よい歌に変わるのか不思議になる。
12曲目の「…ありがとう…」は言えなかった「ありがとう」を今歌うという歌だ。 誰にでもあるだろう。言えなかった「ありがとう」は。
このアルバムは最初聞いたときは、前半がいまいち好きになれなかった。 後半はすばらしい楽曲続きで、後半のほうがいいなあと思っていたけど、 そんなことはないと気づいた。 前半のポップな曲と後半の落ち着いた曲とが混ざり合って、また違う色を作り出している。 私は前半がオレンジで後半がブルーだと思ったが、 通して聴いているとグリーンに思えたりする。 どの曲もとにかく素直に見たまま思ったままを詩にし、曲も自然なメロディーで歌唱も無理しない。 そして、これからもっともっといい曲を書いて歌ってくれることを予感させてくれるアルバムで、ライブでこれらの歌を聴くのがすごく楽しみだ。
| 2006年05月30日(火) |
『FULL CIRCLE』 岩崎宏美 1995.11.22 |
洋楽に聴こえる。岩崎さんが歌っているのにどうしても洋楽に聴こえる。 日本人でこんなにも流れる川のような歌を歌える歌手がいるんだと改めて気づいた。 岩崎さんは歌がうまいだけではない。 どんな曲の中にでも体ごとはいっていける人なのだ。
日本人アーティスト、海外アーティスト、いろんな人たちが曲を作っている。 岩崎さん自身も作詞している。 録音は海外でしたようで、カラッと乾いた音が心地よい。
こういうサウンドをバックにして堂々と歌える日本人はそんなにいないだろう。 大声を張り上げてビブラートを効かして、これでもかというような歌い方はぜんぜんしてないのに、このノリのよさはどうだろう。 日本語で歌っても軽やかで滑らかで洋楽と邦楽の境目が見えなくなる。
国境を越えて堂々と歌う岩崎さんはすごい。誰も追いつけないと思った。
| 2006年05月26日(金) |
『夢現ファクトリー』 リズム 2006.5.24 |
今までハーモニーをじっくりきいたりすることはあまりなかった。 しかし、リズムのハーモニーを聞いてから、仲の良い声で心地よいなあと思った。 リズムの歌は一昨年のドラマ主題歌として初めて聞いた。 そのドラマは自閉症の子供とその家族のお話だった。 私は甥が自閉症の障害児なので、そのドラマを一生懸命に見ていた。 そのドラマでかかっていた主題歌がリズムの「万華鏡キラキラ」だった。 ハーモニーがきらきらしていて、タイトルにぴったりあっていて、 すぐに好きになった。 すぐに覚えてカラオケでも歌えるようになった。
そして、リズムのファンになっていった。 ファーストアルバムは明るい楽曲がたっぷりでとても聴きやすいいいアルバムだった。 しかし、「万華鏡キラキラ」以外は特に大好きな歌はなくて、全体的にいい感じのファーストアルバムだった。 なので、今回のセカンドアルバムはそれほどすごく期待はしてなかったけど、 このアルバムはすごくすごくよかった。 特に「願い」「キセキ」は私の大切な歌になるに違いないと思った。
リズムの歌の特徴、 それはリズムほとんどの歌が友情や周りの仲の良い人たち、 大事にしている人たちへの歌が多いことだ。 恋愛を歌わない。そこが特徴だと私は思う。 恋や愛を歌わず大切な人へ歌うというのは、 これはこれですばらしいことだと思う。 リズムの二人は中学生の頃からの親友だと言う。 だから、親友の歌が一生懸命に歌えるんだと思った。 ハーモニーも親友だからこその、仲良しのハーモニーだと思った。 仲が良くて、お互いを思いあっているからこそできる暖かく優しいハーモニーなのでしょう。 男女のハーモニーとは決して違う。 友達同士で思い合うハーモニー、そして友達同士で一生懸命に力を合わせて作り上げる楽曲は他のアーティストと何かが違う。 女二人での活動はすごく難しいはずだ。がんばって続けてほしい。 これからの活動、ほんとに応援していきたい。 リズムの二人が作り出す音楽の世界は私にとってはとても新しい。 また、新しい扉を開いたような気持ちになった。 ギターとピアノのデュオなので、ぜひともライブも聞いてみたいと思う。
| 2006年05月23日(火) |
『Portable Tunes-HARCO CM WORKS』 HARCO 2006.4.26 |
私はHARCOというアーティストをぜんぜん知らなかった。 銀色夏生さんの「メール交換」という本で初めてHARCOというアーティストを知り、興味を持った。 アルバムジャケットに写っている青年は、 不器用な家庭教師をやっている大学生のような感じで 顔を見ただけで、ああこの人はこういう声だろうなと思いながらCDを聴いてみた。 そしたら1曲目から予想通りの声で思わず「あたった〜。」とつぶやいてしまった。 1曲目の「世界でいちばん頑張ってる君に」という曲は、 シングルにしてもいいほどに、とてもインパクトのあるいい曲でスズキアルトのCMソングだ。 現にシングルで出ているようだ。 このアルバムの曲はすべてCMソングの曲なのだが、私は聴いたことがあるのかないのかわからない。 聴いていても記憶に残ってないのだろう。 3曲目の「カゴメ野菜スープ」はカゴメ野菜スープの特色そのものを歌詞にして印象的なメロディをつけている。 スキャットだけでさっぱり何かわからない曲もあり、 映像がないと何のことかわからなかったりするけど、 なんだが面白いしほっとする。 わからないのにほっとするというのは HARCOというアーティストの声の魅力と 曲作りの腕にほかならない。 腕とセンスがなければCMソングなんて書けない。 いきなり「賃貸で部屋探そう〜〜♪」なんて流れると笑ってしまう。 「私のマウススプレー」という曲では (一大決心して髪を切ったのに、1日だれも気づいてくれなかった。そんなときはマウススプレーで気分を変えよう。)といった感じの歌で、 歌を聴いているとその状況がよくわかって楽しい。 木琴をたたいているだけの曲もあるし、普通のアルバムには入れられないようなユニークな曲がたくさんだ。 面白い。 HARCOという人はとんでもない才能を持っている人なんだということがよくわかった。
| 2006年05月19日(金) |
『ASKA Concert Tour「 My Game is ASKA」』 2006.3.4 in 日本武道館 |
ASKAのソロコンサートをWOWWOWで見た。
「My Game is ASKA」って変わったタイトルだなあと思っていたら、 ASKA本人が最初は「My Name is ASKA」と思ったけど、 面白いからちょっと変えてみたと言っていた。 自分自身をゲームのこまのように考えるというのも面白いなと思った。
時任三郎さんに書いた「君が愛を語れ」をオープニングで歌った。 スローバラードにアレンジされていて、 最初はすぐにはあの曲だとはわからなかった。 CHAGE&ASKAの歌は一切歌わず、ソロの歌だけだ。 ソロの曲は大迫力なので、独特の世界が広がる。 ASKAの宇宙を感じる。 あんなにマイクを離して歌っても、ちゃんと歌詞が聞き取れるところがすごい。 どの歌も本当に迫力があり、歌う姿にも魂がこもっている。
ただ、しゃべるときの声が以前より低くなったような気がした。 歌うときの声はすごくよく出ていたし、 あれだけうねるようなメロディーと難解な歌詞を歌うパワーは少しも衰えを知らない。
最近思うけど、ASKAはシンガーであるけれど、飛鳥涼という人を演じている俳優さんのようにも見える。 飛鳥涼という人物を作り上げ、ファンの前で演じきっている珍しいタイプのシンガーだと最近では思う。
WOWOWでこのソロコンサート見ることができて、ほんとにうれしかった。 武道館は行ってみたいけど、 地方の人間にはなかなか行くことができないので、 あの臨場感をテレビで見ることができてうれしい。 また、いろいろ放映してください。WOWOWさん、ありがとうございました。
| 2006年05月18日(木) |
『HORIZON』 レミオロメン 2006.5.18 |
レミオロメンのニューアルバム。 去年のシングル「南風」で注目。 ジャケットもすごくいいんです。 有線から流れる「南風」を初めて聴いた瞬間は、曲は優しいのに、 声は熱いなあと思った。 「南風」は春先の歌で、だんだんと南風が吹く頃の暖かくなっていく途中の歌なのに、声が熱いなあと感じた。 その後『エーテル』で「3月9日」を聴き、 この男性でも女性でもない人間の暖かさに触れたような歌詞と曲に、また新しい感情が湧いた。 男性でもなく女性でもない人間の気持ちを歌うというのは、私にとっては新鮮だ。 普段聴いている曲はたいていどちらかに振り分けることができてしまう。 「3月9日」は人としてこうありたいという祈りのような曲だ。
その後、「粉雪」で大ブレーク。 すっかりスターになったなあと思っていたところへアルバム『HORIZON』。 ジャケットは空と海と地平線。 まだ、1回しか聴いてないけど、音が分厚くなった。 しかしボーカルが変わらず熱い声なので、ぜんぜん音に負けてなくて、 新たなレミオロメンの音楽を聴けてよかった。 ファンの間では前はもっと日本語を大切にしていたのに、 レミオロメンは変わってしまったという人がいるけれど、 私は変わったというより、より進化したと思う。 『エーテル』の頃から、このグループは歌詞を大切にしながら、 ロックしていると思ったし、 今回のアルバムも英語を使っているのは1曲だけ。 今の世の中、英語をまったく使わないのはかえって不自然だと思う。 藤巻さんという人はさりげなく、 いい言葉を書ける人だなあと尊敬してしまう。 ミスチルの桜井さんの時もそれは強く感じたけど、 桜井さんは希望が大きい壮大な感じがする。 藤巻さんは普段の日常生活の中で、一つ一ついいことを考えて、 小さいことをそして言葉を、積み重ねていく詩人だと思う。 ああ、コンサートに行きたくなってしまった。
| 2006年05月15日(月) |
『僕らがいた』 松たか子 2006.4.26 |
今まで松たか子さんの歌はあまり聞いてなかった。が、この人の歌声は5月にとても似合うと気づいた。 ぜんぜん無理せず、自分の音域で自分の歌い方で歌うところが心地よい。 歌唱力で聴かせようというシンガーではない。 こつこつと自分に合う歌を、自分の歌を一つ一つ作っている感じだ。
今回の新曲は私の大好きなスキマスイッチが作った曲だったので、注目していた。 松さんの方からスキマスイッチに曲をお願いしたそうだけど、なんだか松さんのために書いた感じはしない。 いい曲を1曲書いた、という感じだ。 スキマスイッチはちょっと前にW-indsにも「キレイだ」という曲を書いていたけれど、このときもW-indsに書いたというより、いい曲を1曲作ったという感じだった。 あっ、松さんのアルバムのことを書いていたのに、脱線してしまった。
なので、今回の新曲「明かりの灯る方へ」とアルバムのために書いた2曲「そして僕の夜は明ける」「水槽」はどれもただ単にすばらしいできの曲だと思う。 いい曲を松たか子さんが松さんなりに理解して歌いこなしている。 これらの曲はもうなんとしてもスキマスイッチにも歌ってほしい。 というよりも自分たちが歌うのに書いた感じがするのは私だけだろうか。
スキマ以外の曲もこれまたすばらしい。 akiboshi作曲の「時の舟」もいいメロディだし、 そして何より松たか子さん自身が、なんともあたたかいメロディーの曲を作るようになったことに驚いた。 「僕らがいた」や「未来になる」「その日まで」はなかなかの傑作だと思う。 こんなにもいいメロディーと詞が書けるのなら、 女優とシンガーの両立はまだまだ続けられるだろうと確信した。
私はどうも春は苦手で沈みがちになってしまうのだが、 今年の春は松さんの歌声でかなり気持ちよく過ごすことができた。
このアルバムはすばらしい粒ぞろいの曲集だ。はずれな曲は無し! 特に一番好きなのは「山手線」。大好き。 「山手線、いいなあ、行ってみたいなあ、行けないけど…。」と 一人でつぶやいてしまう。 「ソレアレス・メモリー」もうっとりする。リピートでずっと聴いていたくなる。
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