私の音楽日記

2006年05月14日(日) 『smiles』  堂島孝平  2006.2.22

5月5日にナガシマスパーランドで堂島幸平さんの歌を8曲ほど聴いた。
今まで堂島さんのことは名前しか知らなかったので、歌を聴いたのは初めてだった。
すごい高い声が出る人で、かと言って細い声ではなくて、
バックの分厚いガンガンの音に決して負けない声。
初めて聴いた声で、あれだけインパクトのある声に出会ったのは久々だった。
顔は遠かったのでぜんぜん見えなかった。
すごく夏らしいというか元気でポップで、楽しい気持ちになる曲が多かったので、気にいった。
とにかくもっとあの声が聴きたいなと思ったので、最新アルバム『smiles』を聴いてみた。

全体的にすごくまとまりがあってとても聴きやすい。
これが名曲!というのはちょっと聴いただけでは感じられなかったけど、
すごく楽しい気持ちになって、何度も聴いた。
寝る前も聴いた。
普通、寝る前にやかましい音楽はじゃまになることもあるけど、
これはポップな音楽なのに安らかな気分、いい気持ちになった。
ライブで聴いたときの声はすごく高い声だけど、しっかりとしていて細い声ではないなあと思った。
が、CDはまた声が違っていた。
ライブではあんなに高音が響いて印象に残ったのに、
同じ曲をCDで聴くとそんなに高い声に聴こえない。
不思議だなあ。

曲は小澤健次風の曲あり、スガシカオ風の曲ありという感じだけど、
彼らよりもとてもゴージャスで堂島さんの個性が光っている。
オープニングの「スマイリン・ブギ」はジャズのパレードを見るかのような
ゴージャスで楽しい雰囲気なので、
これから楽しいミュージカルを見るような気分になる。

2曲目の「LUCKY SAD」もライブで聴いたときは、
高い声が響き渡ってすごくポップで楽しかったけど、
CDはおとなしい。
ライブよりもCDで聴くほうがおとなしいのはあたりまえだけど、
この曲はアイドルが歌ってもいいような、楽しく淋しく切なく明るい曲なので、
誰か他の人にも歌ってほしいと思う。
タイトルも好きだなあ。「LUCKY SAD」ってなんかいい響きだと思う。
ジャケットの絵や歌詞カードの中身の絵が、
60年代のアメリカの絵らしいきものを使ってあるので、
全体的にアナログな音にも聴こえる。
そういえば80年代の伊藤銀次がこんな感じだったような気がする。

それにしてもライブではあれだけ印象的だった声が、
CDではそんなに印象的には聴こえないので、
CDとライブでは違ったパワーを魅せることのできる人なのかなあと思った。
でも、一度だけしかライブは見てないので、これはあくまでも第一印象なのでしょう。
「デビュー11年目です。」とおっしゃってましたが、
伊達に10年歌っているという感じはみじんもなく、
しっかりと地に足のついた活動をしていることはちょっと聴いただけでもしっかりと伝わってきた。

さっきは名曲はまだ見つからないと書いてしまったけど、
「アーリーモーニング」はセンス抜群です。完全に参りました。



2006年05月05日(金) FM愛知公開録音『川嶋あい、平川地一丁目、堂島孝平、うたまろライブ』




ナガシマスパーランドでの『FM愛知プレゼンツ、ホリデイ・スタイル・プレミアム・ライブ 川嶋あい、平川地一丁目、堂島孝平、うたまろ』に行ってきた。
朝、7時から整理券を配ると情報を得たけれど、さすがに7時到着するのは断念し、もうだめかなあと思いながら、8時半に到着。
入場整理券は1661だった。
2400人まで入れるとのことだった。

ライブは午後1時半からで、待つこと5時間。
やっと中へ入ったら、まるで体育館のような大きい広いところに御座がしいてあった。
靴を脱いでなるべくつめて座る。正座する人、体育座りする人。
こんな経験もあまりないので面白かった。

1時半きっかりに始まった。
FM愛知のパーソナリティの人が司会をしている。
最初のアーティストは地元の「うたまろ」。
来月、メジャーシングル第二弾を発売するので、とてもはりきっていた。
地元なので、少々ナガシマスパーランドの思い出話や地元の話もした後、
インディーズ・デビュー曲「せつない」「やわらかな日々」などを歌い、
新曲の「陽炎」も歌った。
「陽炎」は今までよりも印象に残る手ごたえのある曲に仕上がっていた。
うたまろは5曲歌った。

次は堂島孝平さん。
堂島さんは続けて3曲を歌った。
白いエレキギターがとても似合っていて、夏らしいいい曲だった。
声がとても高く、しかも決してファルセットではなかった。
私の好きなタイプの声で、いっぺんに好きになってしまった。
堂島さんも今年新しいアルバムをリリースされたそうで、
今度ツアーもあるとのことだった。
ファンの人もたくさん来ていて、その人達はすぐに立ち上がっていたが、
堂島さんは「きょうは、いい曲をいっぱい歌いたいです。でも、きょうは御座がしいてあるので、みなさん座ってゆっくり聴いてください。」と言って立っているファンを座らせた。
みんなが座っているところで、立ち上がって前が見えないのは後ろの人は気分が良くない。
堂島さんはファンの心を気遣って、さりげなくファンを座らせた。
その後、みんなでいっしょに歌いましょうと言っていたけど、その歌は結構難しかったので、歌いにくかった。
堂島さんは8曲歌った。全部、夏らしい曲だった。
ちょっと、オザケンに似た感じもした。そういえば、小沢さんはどうしているのでしょうか。

次は平川地一丁目。
いきなり2曲ほど歌った。
そのうち1曲は割と最近の歌「夢の途中」だった。
二人はみちがえるほどに大人になっていた。
とても高校生には思えない。
自信たっぷりの歌とギターには貫禄さえうかがうことができた。
兄の龍之介君が
「ナガシマスパーランドの駐車場とバス停とレストランのペンキは僕らのお父さんが塗りました。だからいい仕上がりです。」と言ったので、
みんなびっくりして笑っていた。
本当にお父さんがナガシマスパーランドでお仕事をされていたようだった。
今回行く事になってお父さんから話を聞いたそうだ。
兄弟で音楽の仕事をすることに困る事はありますか?との質問に
「仕事で顔を見て、家でも顔を見て、学校でも顔を見るのであきました。」と龍之介君が答えてくれて面白かった。
本当に二人は大人になっていた。
歌もびっくりするほど上手くなっていたし、
なによりその自信にあふれたステージにファンじゃない人も釘付けになっていった。
平川地一丁目も新曲をリリースするとこのことで、
今、ドラマの主題歌になっているそうだ。
「今はこのドラマを見ることがいきがいです。」と龍之介君。
5月24日発売の「運命の向こう」とカップリングの「悪魔の片想い」を歌った。
「悪魔の片想い」はファンが大いに盛り上がった。
平川地一丁目は6曲を歌って終わり。

最後は川嶋あいちゃん。
「きょうは「子供の日」ですが私もだんだん子供と接する事が少なくなり、少し淋しいです。「大人の日」というのもあればいいな。そんなくだらないことを言ってないで歌いましょう。きょうは本当に申し訳ないのですが、3日程前からひどい風邪をひいてしまい、30分の持ち時間があるにもかかわらず2曲しか歌えません。本当にごめんなさい。」と言って「ガラスの心」を歌った。
あいちゃんは無理して来てくれたんだと私は思った。
ああ、あいちゃん、あったかくして早く寝てと心で叫んだ。
あいちゃんは「次は弾き語りをします。「旅立ちの日に」。」と言って精一杯弾き語りをした。
のどの調子は悪かったけれど、体調が悪くても精一杯歌うあいちゃんに感動した。
まだ若干20歳なのに、私はもう子供じゃない、
大人だからしっかりしなくてはという姿勢が現われていて、
あいちゃんを見る度に私はいろいろ教えてもらっている。

若い人の目ざましい成長を見るのはとても気持ちいい。
いつまででも変わらずに子供でいたいという人が多い中、
平川地一丁目や川嶋さんからはそんな甘えた考え方が微塵も感じられなかった。
着実に大人への階段を上って、その成長の足跡をまざまざと見せ付けられた。
素晴らしい成長ぶりに感動した。




2006年05月03日(水) 『a piece of cake』  小松未歩   2006.4.26

この人はこんなにもか細い声で、なんでこんなにも心をえぐるような歌を歌うんだろうといつも思う。
春が似合うような明るい歌もたくさんあって大好きだけど、心の底からの悲しみの歌もすごいと思う。
私にとっては中島みゆきさんの書く詩よりも、小松さんの詩の方がリアルに胸につきささる。

  いつか 笑って話せる日が
  二人に訪れるとしたら
  きっと私 おばあちゃんになってる
  この空の下で どれだけの人が
  最愛の人と結ばれるの
  幸せだった思い出が鮮やかすぎて
  ここからまだ動き出せない
     
        「deeo grief」 作詞 小松未歩

小松さんの失恋の歌は決して相手をうらまない。
全部、一つの出来事として受け止めて思い切り悲しむようだ。
相手のせいにしない。
どこまでも悲しんで立ち直るところまでは書かない。
次の明るい光を求めたりしない。
アルバムの中に1曲か2曲くらいそういう曲が入っていて、いつも胸につきささってくる。
 grief=悲観。悲しみの重さを感じる。

これを聴いていると、本当にどれだけの人が最愛の人と結ばれるのかなあと思う。
最愛の人っていうのは誰にもわからないし、思い込めば最愛の人となるし、
本当にわからない。
最愛ってどんなものだろうか。人と人を超えているのかもしれない。

「はるのきおく」は昔を懐かしんでいるいかにも春らしい曲。
ひらがなのタイトルもあたたかい感じ。

「神様はジッと見ている」も良い。
自分の心に嘘をついても神様はジッと見ていて、時折その事実を突き詰めてくる。
だから素直に生きようという歌。

「向日葵の小径」はこれから夏へ向っていく時期に情景が浮かぶような歌だ。
  
   向日葵の小径を
   二人 歩いた
   あの頃は もう戻らない
   分かっているけど
   この場所を動けない

      「向日葵の小径」 作詞 小松未歩

向日葵はわたしにとっても、
きれいで大きくて太陽に向う明るい花でありながら、悲しい花でもある。
向日葵が並ぶ道を歩いていると、明るい黄色が短い夏を悲しむかのように見えてくる。

「あなた色」や「my darling」はいかにも小松さんらしい自由に心を綴った歌だと思う。

素晴らしい考え方の人だと思う。
悲しい心はそのままに無理に明るい方向へ行こうとしない。
悲しいときはずっと悲しんでいる。辛い気持ちをかみ締める。
そして楽しい時は心のままに楽しく歌う。

私は小松さんの歌で励まされる事はあまりないけど、こういう素直な気持ちも大事な事だなあと思う。

 



2006年05月02日(火) 『JUKE BOX』  BENT FABRIC 2006.2.15

テレビで81歳のジャズ・ピアニストのピアノ演奏を見た。
すごいパワフルだった。体が自然に揺れている。
ピアノに合わせて若い人が歌っているが、みんなすごく楽しそうでノリノリだった。
まさに、音を楽しんでいるって感じでいいなあと思った。
音を楽しむ!そのものだ。
しかしその時は忙しくて曲名やアーティスト名を控える事ができずに、
忘れてしまっていたが、ラジオ番組でその曲がかかり、「おお!あの楽しそうに演奏していたあの曲だ!」と判りとうとうCDを買った。

ピアノの音がまるでアナログレコードを聴いているようなひびきに聞こえる。
ピアノはとても力の必要な楽器だ。
肩に力が入っては絶対にいけないし、力の入れ具合がとても難しい。
熟練するとこんな感じになるんだなあと思った。
ジャズと言っても、いわゆるスイングとかではなくて、何なんでしょう?
私にはポップスに聴こえるのですが。
ときおり軽やかなピアノの音が聴こえて、体が浮きそうな気分になる。
「It feels like love」はアルファベットの歌みたいに親しみやすい。
「shake」もパーティ会場でジャズ・ピアニストがごきげんに演奏しているみたいな感じだ。
たぶん歌は若い歌手の人が歌っているのだろうと思う。
色んな人がみんなそれぞれの歌い方で歌っている。
ほんとにタイトル通り「ジューク・ボックス」から聴こえてくる音楽みたい。
ビートルズの時代の曲を軽やかにしたみたいな感じで、こだわりのない洋楽を久々に聴くことができてよかった。



2006年04月30日(日) 『瞬間(とき)』  小椋佳  1980.

『瞬間(とき)』は私が小椋佳さんのアルバムで一番好きなアルバムです。
小椋さんの歌との出会いは高校の音楽の授業で習った「しおさいの詩」でした。
その時は音楽の授業で習って歌っただけだったので、歌っている人のことは知りませんでした。
後の小椋佳ブームの時にはじめて知りました。
その頃は特に小椋さんの曲が好きではなかったのですが、このアルバムの作品は全部大好きです。

タイトルにもなっている「熱い瞬間(とき)」は何かに感動しているその一瞬を歌にしています。

   くしゃくしゃな笑顔で
   泣いている人がいた
   こみあげる 歓びに 抱き合う人がいた
   私も追いかけよう そんな熱い瞬間を

高校野球の優勝の瞬間かなとその頃の私は思いました。
当時、小椋さんは36歳。今と違って36歳の人は大人でした。
特に小椋さんは人生の色んな事を早くから経験されて、大人の中の大人って感じでした。
大人の小椋さんがこんな風に感動の瞬間を歌にした事に私は感動しました。
やはりこの人の書く詩はただの抒情詩では収まらないと思いました。
かと思えば「二人こうして」は本当にゆったりとした愛の歌で
   
   捨てられないものは
   何 ひとつ ありません
   あなた いがいは

恥ずかしげもなくあっさりと歌っています。
考えれば、捨てられないものはあなた以外にあるはずです。
なかったらおかしい。
しかし、なぜか小椋さんのあの声で聴いていると、
素直に聴けるのです。

私にとって小椋佳さんの歌詞は歌詞というより詩に思えて、
歌詞カードは詩集です。

病気を克服して活動を続けている小椋佳さん。
すごいなあと思わずにいられません。



2006年04月29日(土) サウンド・コミック・シリーズ『はみだしっ子』  原作 三原順 音楽プロデュース 谷山浩子

私は『はみだしっ子』というアニメを知らなかった。
ちょっとしたことから谷山浩子さんが昔、アニメの音楽を作った事を知り、
聴いてみたくなってLPを買った。
LPのジャケットは、にぎやかなパーティを楽しんでいるようなカラフルな絵。
中に入っている絵もとても明るい子供たちと犬たちの絵。
どの絵もとても表情豊かだ。
1983年2月に発売されたものなので、80年代の明るいアニメなのだろうと思って聞きはじめた。
歌詞カードはなくて、アニメのあらすじが書いてあった。
私はものすごく衝撃を受けてしまった。
私は『はみだしっ子』の意味を完全に勘違いしていた。
ちょっとしたアウトロー的な子供たちのお話だと想像していたのだ。

そしたら全然違った。
ここでの主人公のはみだしっ子たちは、全員親が嫌いで家を出てきた子達ばかりなのだ。
親が嫌いで集って暮らしている。
しかし心無い大人たちは親のところへ連れ戻そうとする。
それは絶対に嫌だ。帰らない。
新しい出発がしたい。たとえ行き着くところが死であっても…。
ここに出てくる子供たちはみんな親に虐待されたり、邪魔者扱いされたり、
捨てられたりした子達なのだ。
そんなアニメが、そして音楽が1983年に作られていた。
曲はすべて谷山浩子作品で、歌っておられるのはおそらく声優さんだと思われる。
私はアニメは詳しくないので、ちょっとわからないが、
暗く悲しい内容がマイナーで明るい曲調によって救いのある歌にしてある。
この当時、谷山浩子さん自身もご自身のアルバムでよく心の闇を歌っていた。
『水の中のライオン』の1曲目の「人形の家」などは恐ろしかった。
私は1曲目から恐ろしい気持ちになって、緊張しながらアルバムを聴いていた。

このアルバムも恐ろしいけれど、でも目をそむけてはいけないと思った。
親が子への愛を失うということは私には全くわからないことだけど、
そういうこともこの世の中には存在していて、それは一体どうしたらいいのだろうかと自問自答しても私にはわからない。

親になっている今、このアルバムを聴く機会にめぐり会えてよかった。
すごく感謝している。



2006年04月22日(土) 『GOSPE★RATS』  ゴスペラッツ  2006.4.19

おもちゃ箱をのぞいたかのような楽しくて、
あっという間に終ってしまうアルバム。
3回も連続で聴いてしまった。
まず、ジャケットが私の大好きな永井博さんのイラストで、
プールサイドをバックににメンバー5人が描かれている。
裏ジャケットは誰もいないプールサイド。
もう、このジャケットからして楽しい。
そして、歌詞カードの中身も楽しい、面白い。
高級クラブやカジノで歌っているかのようなイラストと、
メンバーの写真が合成してあったり、
トランプのスペードやハートがあちこちに散りばめられていて、
歌詞カードも万華鏡のようだ。
歌の方は昔の「ハリケーン」から始まり新曲「まさかShow Time」へと続く。
「ハリケーン」はまったく古臭くなく、新曲のほうはセンス抜群で、
このセンスはやっぱり日本人離れしているんだなあと思わずにいられない。
3曲目は竹内まりやの「リンダ」。4曲目はInterludeで
5曲目の「星空のサーカス〜ナイアガラへ愛を込めて編〜」が面白い。
これは別々に作られた2曲をあわせて1曲にまとめてある。
なのに違和感がなくて、すっごい面白いなあと思ったら、
作曲は大滝詠一さんだった。さすがとしか言いようがない。
6曲目の「Valentine Kiss〜永遠の誓い〜」は山下達郎と南佳孝を足して2で割ったような曲だ。
7曲目の「時間旅行」はこのアルバムの中では一番の名曲だと私は思う。
この曲はずっと歌いつづけてほしいな。
8曲目もInterlude的な曲で9曲目は外国のオーソドックなアカペラの曲だ。
私は詳しくないので、古い曲なのか誰の曲なのかよくわからなかったが、
アカペラの響きが心地よく響いた。
全9曲でトータル31分はちょっと物足りないな、と最初は思ったが、
バラエティに富んだ楽しさをギュッと詰め込んだアルバムってそうそうない。
SHOW TIMEって感じで楽しいアルバムだ。



2006年04月20日(木) 『GOLD Singer』  及川光博  2004.12.22

ミッチーがシンガーとして他のアーティストの歌をカバーしたアルバム。

田原俊彦の「恋=DO!」、布施明の「君は薔薇より美しい」、
CCBの「Romanticが止まらない」、渡辺真知子の「唇よ、熱く君を語れ」など全9曲。
まず、「恋=DO!」は俊ちゃんよりもあたりまえだけど、
大人で声に色がある。
「君は薔薇より美しい」や「唇よ、熱く君を語れ」はオリジナルの歌手の歌が上手すぎるので、ミッチー流にアレンジして軽くしてある。
「君は薔薇より美しい」はステージで、ファンに薔薇の花を投げるミッチーが歌うにぴったりのような気がするし、
「唇よ、熱く君を語れ」は男性が歌ってもいい感じの詞の歌だということに今、気づいた。
私は「Romanticが止まらない」が一番良いと思った。
この曲の危うい翔んだ感じがいい。
ミッチーが歌っていると古い歌には聴こえない。
ミッチーはもともと声が細く、音域もあまり広くないようなので、
歌唱力だけで勝負するタイプではなく、
歌、ルックス、踊り、雰囲気で勝負するタイプの人だと思う。
ジャケットがかっこいいので、曲を聴いているだけでミッチーが踊って歌っているところが見えてくるようだ。
DVDでもないのに、映像が浮かんでくるのは一つの個性だと思う。
今年でデビュー10年。
コンサートでミッチーは「家の玄関から出た瞬間に僕は「ミッチー」になります!」と言っていたけど、
10年間、王子様を貫いてたいしたもんだ!
これからどんな展開で活動を続けていくのか、とても楽しみなアーティストだ。



2006年04月19日(水) 『君の帰る場所』  時任三郎  2006.3.9

時任三郎さんの歌を聴いたのは何年ぶりだろうか。
すいぶん、聴いてない。
デビューの頃はあの低音とゆらぎない音程がとても魅力的で大好きだった。
しかし時任さんは俳優なので、テレビで時々見かけることはあっても、
歌っているところはあまり見た事がなかった。

今回の最新アルバムでもその魅力的な低音とゆらぎない音程、
歌唱力を保っておられた。
普通に話すときの声と歌うときの声がとても似ているというか
しゃべる時の声で自然に歌える人なんだと思う。
「誰がために」のような少々重い曲でも重く感じられない。
「ONE DAY」は軽やかに歌っていてギターの音も爽やかだ。
「君の帰る場所」は父から娘への歌で、愛情あふれる歌だ。
この曲は4曲目と5曲目に二回収録されている。
4曲目の方はの女の子とデュエットの練習をしているところだ。
ほんの30秒ほど練習しているところが収められている。
きっと時任さんにはこのデュエットが大切だったのだろう。
一生懸命練習する女の子の声をこのCDを聴く人に伝えたかったのだろう。
低音の時任さんと小さい女の子の歌声がどういうわけかぴったりと合っている。
とてもいい歌声だ。

私は一番最後の「遠い空に流れていた」が一番好きだ。
アコギとエレキギターが刻む音と、
時任さんの声が丁度いい感じで絡み合っていい味出している。

 ♪地図を持たないで 旅立つ君を〜

地図を持たないで旅立つ友を見送る。
さよならは風にまかせて風を見ていた。
今の季節にぴったりだ。

時任さんのような生まれつきいい声の持ち主は
もっと歌いこんで、歌の上手さで人を圧倒させてもいいのに、
あくまでもさりげなく自然に軽く歌う人で
そんなところがたまらなく好きだ。
あんなにいい声しているのに、ビブラートをつけて歌いこんだりしない。
俳優も歌も両方出来る時任さん。
その才能をずっと活かしてほしい。



2006年04月18日(火) 『スピッツ サイクルヒット1971−1997』  スピッツ  2006.3.25

なんで私はスピッツの歌を聴くのをやめられないんだろう。
これは一種の麻薬みたいだ。
詞の中身はよくわからないし、
タイトルと内容のつながりもほとんどわからない。
わけのわからない世界を歌っているように聴こえたりする。
フォークじゃないし、ロックでもない。
癒し系でもないし、メッセージを叫ぶわけでもない。
歌がものすごく上手いわけでもなく、見かけはごく普通の青年だし、
活動も派手じゃない。むしろ地味だと思う。
しかし今年でデビュー16年。もうそんなに経ったの?とびっくりした。
大ヒットした「ロビンソン」からもう11年も経った。
「ロビンソン」も不思議な曲だった。
爽やかに風のように流れる曲だけど、なんで「ロビンソン」なのか今もわからない。
その後も似たような路線の曲が続くのかと思ったら、
「涙がキラリ☆」のアレンジはかなりハードで、
ハードロックのようなアレンジになっていて驚いた憶えがある。

私はエレクトーンのグレード試験を
スピッツの「チェリー」で受けて合格したので、
スピッツには個人的にお世話になり、
「ありがとうございました!」という気持ちも持っている。
「チェリー」はすごく弾き易くて私の手によく馴染んでくれた。

それにしてもスピッツの詞は謎が多い。
「空も飛べるはず」なんてなんで「も」なんだろうか。
普通は「空が飛べるはず」になると思う。
空もということは、空以外のところが飛べると言う事になる。
「チェリー」もなんのことだかわからないし、
デビュー曲の「ヒバリのこころ」の
「涙がこぼれそうさ ヒバリのこころ」というフレーズもさっぱりわからん。
さっぱりわからんのに、心惹かれるのはなぜ?

私の知っている限りスピッツは親子ともどもに好きな人が一番多い気がする。
私の娘は中学3年だが、娘の友達でスピッツの曲はとっても人気がある。
そしてその親世代で音楽好きな人は
「うん、スピッツはいいね!」という人が多い。

わけわからんのに心の琴線にひびくというのは珍しいし、
もしかしたらそれが音楽の魔法かなと思ったりする。

やっぱり、スピッツはいい。やめられない。


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