私の音楽日記

2005年01月18日(火) 「スーベニア」  スピッツ  2005.1.12

今年初めて買ったアルバムはスピッツの「スーベニア」です。
スピッツのアルバムはジャケットがいつも夢があっていいんです。
キラキラしている。
今回は真っ赤なジャケットで、
竜宮城に向うかのような大きな亀に少女が乗って進んでいる様子が
描かれています。
いつもスピッツの歌のストレートな歌詞には共感してしまいます。
今回のアルバムでは「正夢」が一番です。
私はほとんど毎日夢はみてしまうけど、正夢は見たことが無いような気がする。
いつも起こりえない夢ばかりみているので、正夢はないなあ。
夢の中で何十年も会っていない人に遭ったりはするが、
その後ご本人にあったということもない。
でも、夢の中の私はいつも何かかわったことをしようとしているので、
思い出して通勤途中でふと笑ったりする。

 ハネた髪のままとび出した 今朝の夢の残り抱いて
 冷たい風 身体に受けて どんどん商店街を駆け抜けていく

この出だしは私そのものです。
たいてい左側の髪が少しハネていて、どんどん商店街を走っていきます。

 ずっと まともじゃないって わかってる

そうなんです。まともじゃないとわかっているけど、変われない。

「ナンプラー日和」はいきなり沖縄の音楽のようでおどろきました。
スピッツの特徴はストレートな歌詞にあるけれど、
メロディアスなきれいな曲なのに、
まるでハードロックのようなギンギンなアレンジという特徴もあります。
「ワタリ」「恋のはじまり」はその典型で、
草野さんの声は特に特徴がある声ではないのに、
ぜんぜんハードな演奏に負けず、
しっかりと声として存在するという不思議な力を持っています。
ライブで生で聴いた時もまったく普通の声でした。
なのに、あの分厚いギンギンな演奏に少しも負けず、
しっかりとそこに存在して不思議でした。普通なのにカリスマ。

歌詞とタイトルが不一致で不思議な感じなのも特徴で
今回も「テイタム・オニール」は???
憧れていたのかな。
これもギンギンのハードな音に決してロックではない声がピタリと乗っかる。

ラストは「みそか」大晦日ではなくみそか。
みそかは毎月あるわけで、
もう今月は終わりかぁと季節の流れを感じる一日。

 輝け 不思議なプライド胸に
 凍てつく 無常な風の中で

 周りに合わせない方が良い感じ
 誰かが探しに来る前に

わかるなあ。まったく共感していまいます。










2005年01月17日(月) 「SUGA SHIKAO THE BEST HITS OF LIVE RECORDINGS -THANK YOU-」  スガシカオ 2003.11.5

私はスガシカオのもつ空気と空間が大好きで、
まわりにただよう雰囲気や音の響きや話し方すべてが好きです。
時々かすれる声やひっくりかえる発音や自虐的で反省の無い詩や
時々壊れそうなというより、完全に壊れてしまうところ。
全部無条件に好き。
無条件に好きになるということはあまり無い。
これは大好きだけど、ここは嫌いとか思ってしまう。
中には最低の歌もあったりもして。
なんでこんなこと歌うんだろうって思うこともあるけど。
最低の恋人だけど大好きって感じなのです。

このアルバムはライブ盤でメンバーとの呼吸のよさも感じられて、
スタジオ録音かと思うほどに音もいいです。
「黄金の月」「アシンメトリー」はどこから聴いても名曲だし、
アシンメトリー=左右非対称、その個性を貫き通してほしい。
どんどん純粋を失ってしまうけど、それでも進んでいく感じがいい。
「Thank You」に至っては、どこがサンキューなんだ!と
かつてこんな自虐的で最低な歌は聴いた事が無いです、が、好きなんです。
何よりも私の人生で最大に思い出深い曲
「夜空ノムコウ」の作者ということで、神様です。
この曲はつらくて今まで聴くことができなかったけど、
このライブ盤でやっと正面から聴けるようになりました。
失いながら生きていくという事を教えてくれてありがとう。






2005年01月13日(木) 「ラブ・トレイン」  浜田省吾 1977.


熱狂的な浜田省吾ファンの友人からの年賀状に
省吾のことがびっしり書いてあったので、
ふとその友達とよく口づさんでいた
 ♪いかないで〜 おお いかないで〜
を思い出して、「ラブ・トレイン」を久しぶりに聴いてみた。

ファーストアルバムは若さを何にぶつけたらいいんだっ!というような
結構重い曲が多かったけど
このセカンドアルバムはほとんど恋愛の歌ばかりで
片想いや心変わりによって離れていく恋の歌がほとんどである。
聴いているとあっという間に、ラストの「行かないで」に
たどりついてしまう。
私の浜田省吾の歌との出会いは、
ラジオで聴いた「ラブ・トレイン」なので、
この歌には思い入れがあるが、
これはかけおちの歌である。
今時、かけおちってあるんだろうか。
自分がかけおちしたいとは思ったことはないけれど、
かけおちして列車にのる二人というのは
あの映画「卒業」を思い出させてくれて、
いいなあとあこがれた。
あんべ光俊の「星の旅」も同じようなかけおちの歌だけど、
こちらは靴も履かずに二人で列車に飛び乗るという切羽詰った状況で、
「靴、買わなあかんなあ。足、痛いやん」とか最初に思ってしまった。
今はよくも悪くも自由だからこんなことはもうないのかな。
こういう目の前に状況がすぐに浮かんでくる歌もとっても好きなんです。

  



2005年01月10日(月) 「Down by the Mainstreet」  浜田省吾  1985.3.4

私が生まれて初めて買ったCDがこの「Down by the Mainstreet」。
当時はまだプレーヤーを持っていないのにもかかわらず、
絶対にそのうち買うからと、CDだけ先に買うという破天荒なことしてた。
当時、社会人2年目でCDプレーヤーはまだ20万円以上だったので、
買うにはちと高すぎた。
それでも、この年の秋にCDプレーヤーは一気にプライスダウンで、
10万円以下になり、CDを買った9ヶ月後にはボーナスで買うことができた。
9ヶ月まってやっと聴けたアルバム。

浜田省吾の歌との出会いはラジオから流れてきた
♪ラ〜ブ トレイ〜ン ラ〜ブ トレイン
 よるを〜 ひいて はしれよ〜
 き〜みから〜 ぼ〜くへと あいの〜は〜しをわたれ〜よ〜
を瞬間的に気に入り、すぐにラジオに電話して曲名を聴いた高校2年の頃。
その後、あのカップヌードルのCMソングを歌い、ブレークしていった。
友人で熱狂的な省吾ファンがいたので、レコードを貸してもらって、
私ものめりこんでいった。

その後、省吾はアメリカレコーディングをきっかけかどうかは
わからないけれど、結構自虐的な詩を書くようになってきて、
熱狂的な友人の方はその自虐的なロックが気に入らないといい
私はこっちの省吾も好きと言い、意見が分かれながらも
まるですぐそこにいる友達のことを話すかのように
「省吾がこんなこと書いてた。」とか
「省吾はラジオでこんなことゆうんや。」とか結構崇拝していた。

この「Down by the main street」では、
「MONEY」が本当に衝撃的だった。
こんな歌を聴いたのは初めてだった。
世の中はお金がすべてか?と叩きつけるように問う。
私はお金がすべてなんて、昔も今も思っちゃいない。
でも、世の中にはそういう人もたくさんいる。
実際、自分の友人達も財産だけが目的で結婚した人がたくさんいるし、
ホントそれによって悠悠自適な人もたくさんいて、
ああお金によって人の人生は大きく違うなあとは思う。
でも、それはしあわせの形が違うだけであって、
お金がしあわせという人はきっとそれがしあわせなんだと思う。
いいと思う。人はそれぞれの生き方があるから。

 いつかあいつの足元に BIG MONEY 叩きつけてやる

BIG MONEYを叩きつけたい人はいないけれど、
どんなにレールからはずれてしまったって、
あたしにはあたしの道があるんですっ!と叫びたい人は今もいる。
でも、絶対にわかってもらえない。
生き方が違うから。
今までそういうことをわかってもらいたいと思っていたから
失敗していた。
人はわからないのが人だから、わかりあえる人とはぶつかってもいいけど、
絶対にわかりあえない人もいる。
そういう人とはぶつかりあっても、何も得られるものはない。
くやしく、辛いだけ。
省吾の歌を聴いていると、本当につまらない大人になりたくないと心底思う。

私は誰の言葉もきちんと受け止めたい。
それが社会や他人への大迷惑になるようなことだったら、
それはやめておいた方がいいと思うとは言うけれど、
そうじゃなければ、その人の生き方だから、
自分の思うことを言う程度で、否定なんて絶対にしない。
あなたの選択はいつも正しいと。

省吾の歌を聴いていると、どんどんコアな気持になって苦しくなったりするが、
それでも時々は聴かずにはいられなくなってしまう。

初めて買ったCDは私にとって「人生とはしあわせとはお金か?」と問う
重い重いアルバムだった。












2005年01月07日(金) 「Diamond15」  DREAMS COME TRUE  2004.12.8

このアルバムは一時の時代の先取りはみじんもなく曲が歌が素晴らしくて、
もう最高に聴き易い秀作だと思う。
私はドリカムは大ファンではなく、好きな曲は多数あるけれど、
アルバム通して聴きたいというほどではなかった。
でも、一部に熱狂的に好きな曲はあった。
「決戦は金曜日」とか「サンキュ。」とか。

このアルバムは特に期待してなくて、とにかく「やさしいキスをして」だけが
聴きたくて買った。
最初はそればっかり聴いていた。50回くらいはリピートで聴いたと思う。
そしてさんざん1曲だけ聴いて、期待もなく最初から聴いてみたら、
なんとはまってしまった。
「朝日の洗礼」「Ola! Vitoria!」「Holiday~Much more than perfect~」は
とてもドリカムらしくてかっこいいのだけれど、
なによりも先取りしていないところがよい!今を歌っている。
「Ola!Vitoria!」はクラシックで始まり途中からまるでディスコみたい。
ゴージャス。
「マスカラまつげ」「ヒの字」を聴いていると
詞もメロディーも本当にたくさんの引出しがあるということがよくわかる。
こんなにうねるような難しいメロディーを歌うことができる歌唱力と声も
奇跡的だと思うが、
二人でこれだけあきのこないメロディーを書きつづけるのも
奇跡的だと思う。
「マスカラまつげ」「ラヴレター」はシングル曲で前から知っていたけれど、
特に好きではなかった。
ああ、またあのパターンかと思っていた。
しかし、アルバムに収録されたとたんに私の中ですごい名曲に聴こえるのはどうして?
マジックでしょう。これは。
「今も」はクラシックを歌うような感じでこれも歌唱力があるからこその歌で
プロ中のプロを感じさせられる。
最後の「初雪」では♪二人で初雪を待っている〜のくだりであたたかい気持にさせてくれる。
なにより私の好きな「やさしいキスをして」は
もうイントロからうううっとなってしまう。
そしてこれを歌う美和ちゃんの顔が表情がまた素敵で美しい。
きょうという一日が終わるときにそばにいられたら、
何もいらない 明日もいらない 
なんて、泣けます。女だから。






2005年01月02日(日) 「Atomic Heart」  Mr.Children  1994.9.1

10年前の自分の誕生日に自分へのプレゼントとして買ったこのアルバムは
この10年の間に何百回聴いただろうか。
桜井さんの詞にはきれいごとに終らない何かがどの曲にも必ずある。
まず最初に「CROSS ROAD」のメロディーと詞に衝撃を受けた。
この詞はかなりもやもやしていて、優柔不断で迷っている。
でも、ここはクロスロード、別の道を行くのさとスパッと終る。
この鮮やかな終わりの切り口がなんともいえない。

このアルバムで一番好きな曲は「Over」。
これはちょっと軟弱でそれこそ
ジャニーズ系のタッキーとかが歌えばさまになるような歌ともいえるが、
いやいやそうではない。奥が深い。
前向きに恋を失っていくその途中の心境を実にわかりやすく書いていて、
桜井さんの天才振りがよくわかる。
時々不思議に突拍子もない言葉を使うけれど、
それは限りなく日常であったりする。

「ラブ・コネクション」「Dance Dance Dance」にしても
ただのラブソングではなく
社会を風刺していて、非常に時代を書いていると思う。
愛やエゴや情熱やしらける気持や色んな感情と供に
しっかりとその時代をも書くことができる人はそうはいない。

歌唱力があるとか存在感があるとかではなく、
他人を気にせず、たたきつけるような歌詞と天才的なメロディーを持つ
とても不思議な人だと思う。



2004年12月31日(金) 「教育」  東京事変  2004.11.25

椎名林檎という人は有言実行のすごい人だと思う。
人間的にも自分のやりたいことは全部やってしまう人のようで、
すごい憧れてしまう。
テレビに出ているときは遠慮深かったりして、すごいギャップを感じる。
特に変わった発言をするわけでもなく、回りに気を使って普通な感じ。
でも、とてもしたたかで完全主義な方なのだろうかとか想像力をかきたてられる。

個人的には戸川純の世界に似ているような気がして、好きなのだが、
でも違う。
純ちゃんは完全に飛び降りた状態の人であり、歌であるように思えるが、
椎名林檎は絶対に飛び降りたりせず、ぎりぎりで持ちこたえる
なにかにぶらさがってでも、落ちずにましてや飛び降りたりする人ではない。

「教育」というタイトルがなぜつけられたのかわからないが、
非常に難解であり、しかし女ならこれはわかるはずという曲がずらりと並び、
ギリギリの線で傷つけ合いの会話をこらえるような感覚。
こういう感覚は恋愛に限らない。
友達同士や女性同士の微妙な感覚にもあてはまると思う。
もっと深くつきあいたいが、これ以上深くなると絶対に傷つけあうぎりぎりの線。
それを超えずにいることの難しさを歌っているような椎名林檎の歌の数々。

あまりに生々しいので、1曲ごとの感想は書けないけど、
これではいけないという感覚に満ち溢れてくる自分に驚いてしまう。



2004年12月24日(金) 「wink」  松原みき  1988.5.21

松原さんのオリジナルではラストアルバム。
すっかりポップスアルバムになっている。
オープニングはちょっとピンク・レディの「カルメン’77」の
イントロを思い出すような始まりでハッとした。
私の大好きな岸正之さんの曲があるので、それだけでもかなり満足のアルバム。
岸さん作曲の曲は2曲。
「メロディアス」という曲は本当に素晴らしくメロディアスな曲で
さすが岸さんと感激した。
すごくドラマティックなメロディを松原さんは軽々と歌いこなしている。
あと杉真理さんや小田裕一郎さん、林哲司さんの曲はやっぱりいい。
ラストの小田裕一郎さんの曲も流れるようにメロディアスで名曲だと思う。

どの曲も素晴らしい出来で、いい曲ばかりだけど、
"松原みき”らしさがなくなってしまったように思う。
ポップスでなく、ジャズでなく”松原みき”というジャンルの歌い手さんだったと思う。
”松原みき”というジャンルに自分が慣れてしまったのかもしれないが、
このアルバムがラストアルバムというのは本当に惜しい。
もしも未発表曲などがあるのなら、ぜひとも聞かせてほしいと思う。


今回、松原みきさんのオリジナルアルバム10枚全てを
もう一度かなり聴き込んで感想を書いてみた。

私なりの追悼でした。
松原みきさん、どうぞ安らかに。
たくさんの感動をどうもありがとうございました。




2004年12月23日(木) 「Cool Cut」  松原みき  1984.5

このアルバムはなぜか突然ロック寄りになっている。
森園さんプロデュースで曲もほとんど森園さんなので、
こうなるのはあたりまえだけど、
かなりみきさんの声のカラーが薄くなってしまっている。

特に1曲目の「真夏のゲーム」や2曲目の「Knock, Knock, My Heart」は
”松原みき”が歌う歌なんだろうかとも思う。
すごくいい曲だけど、みきさんが歌うべき曲なんだろうかと。
でも、その後の「チャイナタウンの殺人鬼」とその次の
「Ice Heart〜その気もないのに〜」はすごくいい。
これは他の誰にも歌えないと思う。
「Cry for Me」はタイトルからジャズ風かと思うけれど、
そのとおりジャズの香りがしてこれもすごくいい。

B面もちょっと印象が薄いけど、ラストの曲「French Cinema」が
究極の名曲でどこまでも余韻が残る素晴らしい曲。ラストにふさわしい。

このアルバムは印象が薄くていまいちかと思っていたけど、
「Ice Heart」「French Cinema」だけでも聴く価値は私にとって充分。
車で聴いたりするにはいいと思うし、最もポップなアルバムだと思う。



2004年12月22日(水) 「LADY BOUNCE」  松原みき  1985.6

ジャケットのみきさんは真っ白なガウンを着ている。
左手にお酒らしきものを持っている。
裏ジャケはチェスボード。
すべて自分にはまったくない世界。
白いガウンなんてすごく憧れる。
高級なホテルみたいな感じで、夜景がきれいで…。
私にはまったく縁がない。これからもずっと。
だいたい、私には夜が似合わないし、夜はただ眠たいだけで何の意味もない。

余談になってしまったけど、ジャケットのみきさんが大好きです。
自分にないからこそ憧れです。
前歯もかわいいです。かわいくてきれいな人です。やっぱり。
ファーストアルバムではすごく美しい都会的な人だけど、
このジャケットではとってもかわいい、それでも都会の女性には変わりない。

それで、アルバムの中身なんですが、
なんで今さらと思えるほどにフュージョン系の大御所をずらりとそろえて、
目的は何だったんだろうか、何を目指していたんだろうかという疑問が残ります。

プロデューサーさんは何を目指しておられたんでしょうか。
ちょっと曲の印象が薄いんです。
たしかに「恋するセゾン」あたりは当時ちょっと流行っていた
漢字の語呂合わせで面白いとは思うけど、ちょっと印象が薄い。

「終わりゆく夏」は名曲です。
これほどの高音で歌っているのは他には知りません。
しまもファルセットじゃないところが、みきさんのすごさだと思う。
「12月のパリ」もみきさんらしくて良い曲です。

全体的に旅立ちの曲と、一度別れたけど、もう一度やり直しましょうという
再会の曲が多い気がする。
なんとなくみきさんに再会は似合わないような気がするのは私だけかな。

ちょっと印象が薄いにしても、まずます深い歌唱力で聴かせてくれるアルバムです。



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