| 2007年06月05日(火) |
All aboard, stitch in time. Get yours, got mine. In a minute I'll be there. Sit tight get square |
setlist
どうも。実は記憶があまりないんだよな。うん。今日の東京ドーム公演。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズは、現存する中では「世界一好きなバンド」だというのに。(ちなみにR.E.M.は「宇宙一好きなバンド」 どっちが上かは訊かないようにw)
まずは6/3に自分のライヴがあったことで、ずっとそっちに気を取られていた。ライヴ終了直後からレッチリ・モードになる筈だったが、出来が悪かったおかげでいつまでも頭から離れない。
ようやく気分が盛り上がってきたのが、ライヴに向かう電車が中野に着いたあたりだもの。遅い。
それとまあ、今回は気がそれる要素が色々あって。一緒に行ったまちょ(g)とも会うのが久々なら、それ以上に久々だったのが元ダンナ(b)。アル中で両膝から下の感覚がなくなり歩けなくなっていたのが、リハビリのおかげで何とか歩けるようになっていた。感覚のないまま、義足を使っているつもりで歩いているらしい。
茨城から出てくる彼は16時に荻窪到着予定だったが、高速道路がすいていてバスが早く着いたらしく、15時前には着いたと電話が来た。シャワーを出たばかりだったので、とにかく来させておいて、コーヒー(買ってきてくれた)だけ出して、ばたばたと身支度する。あまり時間がなかったので、一昨日のライヴと全部同じ格好にした。下着からアクセサリーからメイクまで全部一緒。要するに一度つくったトータルコーディネートということ。
水道橋へ行き、ドーム入り口前で元ダンナと別れる。彼のチケットは1階席。私はアリーナ、前から4列目だ。
19時開演予定だったが。18時50分着席。遅い。しかしまちょは19時を過ぎてからビール買って登場。
19時18分開演。早い。2002年にはその二倍以上待たされた筈だ。おまけにオールスタンディングだから2時間前には入場していた。ど真ん中前から2、3列目に埋まって、片足を上げたらおろせなくなったまま、斜めに傾いて40分待った。一曲目'By The Way'が始まった瞬間に完全に人に埋まり、「ああ私はここで死ぬんだなあ・・・」と思ったものだ。
なのに今日は、10分前に入場し、着席して楽に待って。
2004年横浜スタジアムでも数時間前から現地入りし、おそろしい暑さに耐えながらも前から2、3番目につけていた。途中ママ(友だち)の為に後方に下がったのに、そのママも倒されてしまったほどの観客の熱狂ぶり。なのに今日はこんなに平和に。汗ひとつかかず。
勿論、辛いほうがいいってわけじゃないんだけど。なのにレッチリを観るという実感がどうも。こんなにも薄いとは。
何よりも。遠い。
いや、4列目なんだから相当近かったのだ。しかも私たちの前が4、5人分あいていたおかげで見晴らしも良くて。しかしそれでもドームだと遠かった。
思えば。前2回のレッチリも含め、この数年のライヴは恵まれた席ばかりで。2006年に観たライヴなどは、10回全て肉眼で表情まで見える距離、うち7回は最前列または2列目だ。
というか、ドームはやはりでか過ぎるよなあ。
オープニングはジャム、そして"Can't Stop"―――私が「この世で一番好きなもの」 これに対する衝撃が薄かったのは、直前に元ダンナに「(最近のライヴは殆どそうだから)1曲目は当然あれでしょ」と聞いてしまったこともあるかも。通常は私は全く情報を入れずに行くから。
しかし明らかにそのせいにばかりは出来ない。つまり、わかりきっていたことだが音響が悪い。いや、過去に何度もここでライヴを観た経験からすれば、いい方だと思う。けれどやはり。(後でライヴレポートなど読むと、2階席からはジャムで何をやっているかすらよく聞き取れなかったとあった)
どちらかというと、2曲目の"Dani California"の方がのれた。と思ったらアンソニーが思いっきり進行を間違える。・・・いや、あれ本当にアンソニーが間違えたのか怪しいな。ジョンの方が、例えば構成を変えたのを忘れていたのかも。
まあ、間違いなどはレッチリの場合どうでもいいのであって。中盤にジョンがソロを間違え、「思い出せない」と言って違う曲を弾き出したことも、逆にファンの心をつかんだくらいだ。
"Charlie"は正直物足りない曲だと思っていたが、ライヴではぐっと良くなっていた。次にベースが一発がーんと鳴ったので、"Around The World"が来る!と思ったら"Readymade"でちょい拍子抜け。私にしたらこの2曲は好きの度合いが100倍違う。結局この日は"Around The World"はやらず、それと"21st Century"の2曲が聴けなかったのが、意外であり残念だった。
と、思っていたらその次に。小刻みなベースのイントロ。曲名が浮かぶ前に歓声を上げる。"Throw Away Your Television"だ! どこんどこんとチャドのドラムが響く。
・・・ああ。やっぱり。"By The Way"の曲はいいなあ。
ラストのジョンのギターのうねりっぷりは、もううっとりボーゼン。これぞマイハニー・ジョンの「イッっちゃった」姿。よくここまで自分にのめり込んでで、よくこんなにちゃんと弾けるもんだ。
と思えば続いて"Blood Sugar Sex Magik"―――この時のアンソニーの渋いのなんの。・・・ああ。ブラシュガの曲もいいよなあw
ジョンのソロでゆるくうっとりしてたら、次が"Snow"だった。この曲は、出だしからぐいっと引き込む力が多少弱いと思う。だからつい普通に聞き流してしまうこともある。だけどじっくり聴くと、そのBメロからサビが、物凄くうつくしいのだ。サビの最後でふいっと抜く感じ、全く責任を取らないあの感じがたまらない。
今日は勿論ライヴなんだから、大音量でじっ・・・くりと聴くわけで。
・・・・・・・・・・・・・・・・・涙。
前の席の女の子も泣いていた。
"Me And My Friends"で、周りがたいして反応しないのに驚く。私自身はこの曲は普通に好きだが、従来であればこの曲にファンは馬鹿ノリの筈。
もしやこの若者たちって、"Dani California"以降のファン?
"Don't Forget Me"だ。
ギターのようなフリーのベース。・・・ああ。やっぱり"By The Way"の曲はいいなあああああああ。
"Tell Me Baby"はいい曲だ。ボーカルとギターがユニゾンで進行したり、素人臭いことこの上なく、サビの歌詞も何でもない言葉がぶつ切りになっている。けれどこの曲は、ものすごく、「楽しい」
曲が初めから終わりまで跳ねている。ましてライヴなら。もう最高。
ラストは"By The Way"だ!!! 思わず絶叫。ああああああああ。この曲はなんて良く出来た曲だろう。どうやったらこんなの書けるんだろう。この緩急。この興奮。この歓喜。
今度は古いファンも新しいファンも、全員が喜んでいる。
アンコールのラストはいつもどおり"Give It Away"だったが。その後がかなり長いジャムで、どうやら10分近くやっていたらしい。このジャムに関しては賛否両論だったようだが。私は全く飽きず、ただひたすら「・・・フリーってすげえ・・・・・・」と眺めていた。
音の良くないドームでのライヴでも、フリーだけは何の関係もなくフリーだ。
・・・って。
覚えてるじゃんかよ。色々とw
いやでも。本当に終わった後の印象もやたらとあっさりとしていて。「レッチリ観たのにどこも怪我してない・・・」ってのを抜きにしてもね?
結局全ては東京ドームが悪いんだよ。
ドームの外に出て元ダンナに会ったら、ライヴ前と声が変わっていた。ずっと一緒に歌っていたらしい。
まちょと3人で新宿のシャッフル・ビートへ行く。まちょは、「レッチリは何がいいって、『バンド』なんですよね!」と興奮している。うん、そうそう。要するに損得考えず、いい意味で少しも成長しない。
あんなにだだっぴろいドームの舞台を、見たこともないくらいこじんまりと使って。まるで全員が寄り添うように。いや、実際に寄り添って。
ちょっとおかしいんじゃないかと思うくらい、毎回毎回素で全力投球で。
世界中が感動するわけだわ。
元ダンナと荻窪の居酒屋「どんく」で、飲まずに食う。(彼は今や一滴でも摂酒したら死ぬので)
元ダンナのホテル(うちから3分)へ行ってコーヒーを飲むが、自分のライヴ後からずっとの疲れがたまって、眠くて眠くて。
3時半に帰。
All aboard, stitch in time. Get yours, got mine. In a minute I'll be there. Sit tight get square (皆時間通りに入場して、自分の座席につく。すぐに登場するからきちんと座っててくれ) *Charlie / Red Hot Chili Peppers (2006) の歌詞。
| 2007年05月27日(日) |
What can it mean? |
5時から22時まで、実に17時間寝た。普段は一日2、3時間、ヘタしたら寝ない日もあるというのに。
この疲れっぷりからすると、これはTOEICを受けに行っていても、居眠りしてたかもな。
Darrenからメールが来ている。CROSS ROADを辞めて以来会っていなかったが、数日前にStephから聞いていたアドレスにライヴお知らせメール(外人編w)を送ってみたところ、しばらく日本を離れていて先週戻ったばかりで、すぐ会いたいという返信が来たが、返事していなかったのだ。
「火曜のランチタイムに会おう」とある。ランチタイム?
なんで昼食指定なんだ。カネがないのかな。うーん、よくわからんな。
関係ないけど昨夜はQ太郎さんから新宿のロックバーの看板画像が携帯メールで送られてきて、文面はひとこと「どうする」
かたやyer-bluesさんからの携帯メールは、やはりひとこと「ぶぃっ」
・・・よくわからんなw
What can it mean? (よくわからんな) *Once Upon A Long Ago / Paul McCartney (1987) の歌詞。
| 2007年05月14日(月) |
I Wanna Know Why |
月曜は、先月から11歳の男の子も教えている。もう15歳以下は教えないことにしたのだが、一年前からこの子の姉の授業をしていて、弟も頼まれたので一緒の日に引き受けたのだ。
この子が、11歳だから当たり前なんだけど、何も知らない。で、何でもかんでも質問する。おかげで授業が脱線しっぱなしだ。
今日の授業のテーマは「太陽系」だった。惑星の名前を英語で教え、日本語で「水金地火木土天海冥」と言ったら「スゲーかっこいい!どうやって覚えるの?」と訊く。「丸暗記」といい、そこでうっかり「でも一時期は土天冥海だったんだけどね」と言ってしまったら、「え!何で何で??」
Orbit(軌道)の話になる。重力と質量の関係の説明。話が天文から物理になっている。ちなみに私は物理は全てアシモフ(一部ライアル・ワトソン)から学んだので、非常に「文系」な物理だ。
惑星の英名はローマ神話の神の名前だと言ったら、「Earthは?」と訊かれたので、それだけは「地面」という意味だと答えたら、「何で何で??」
昔のひとは天動説を信じていたので、という話になり、「いつそうじゃないってわかったの?」と訊かれる。「・・・17世紀にガリレオ・ガリレイっていう人がいてね(コペルニクス割愛w)、地動説を唱えたせいで裁判にかけられて軟禁されて。何故かというと当時はキリスト教が」と、話は世界史になっている。泥沼である。
「今は誰も天動説なんか信じてないでしょう?」と言うので、アメリカには未だに地動説や進化論を信じないファンダメンタリストという恐ろしい人種がいることを教える。ブッシュもその一人だとおしえ、「アメリカってそういう国なのよ」と言う。話が国際政治になっている(のか?)
この子が一番興味をそそられたのが、「宇宙に果てはない」ということ。「わかんねえー!!」という。そりゃそうだ。で、その後うっかり「宇宙は膨張している」なんて言っちゃったものだから、「え!果てがないのに膨張するってどういうこと?!」 ・・・あわわわ。「プラス・エネルギーとマイナス・エネルギーが」と説明しかけ、面倒くさくなってついこう口走る。「あのね、実はね、この世の中っていうのは、混乱しているほうが普通の状態なのよ。人間もほっとくと好き勝手なことばかりして大変だから、法律ってものをつくって管理したり」
・・・我ながら子供相手に何を言ってるんだと思ったその時、その子が言った。「え、じゃあ、俺たちがここにいるのって、偶然だってこと?」
――――思わず拍手した。
「あのね、あなたが今言ったことを、哲学っていうのよ」
ちょっと感動したなあ。
ひょっとしたら、この好奇心旺盛な子は、将来科学者になるかもしれない。その時、「Bunny先生のおかげです」なんて言ったりして。(←妄想)
・・・英語の先生なんだけどね。
彼のお母さんに、「うちの子は先生の授業がとっても楽しいみたいで」と言われた。・・・英語を殆ど教えてませんけどね。
I Wanna Know Why (何で?何で?) *Aerosmith の曲。(1977)
| 2007年05月10日(木) |
A farewell swan song |
飯田橋の企業で授業をした後、中央線でそのまま西荻ロックバーBCへ。23時から電話英会話の授業があるので、それまで小一時間飲める。
入店したらビートルズ。チンザノ2杯とラッキー・ストライク数本。リクエストなし。お隣のお客のリクエストはビーチ・ボーイズの'Pet Sounds'―――このアルバムが先月号のレコード・コレクター誌で評論家たちが選んだ'60年代ベスト100アルバムの一位なのだという。・・・玄人ウケする選択だなあ。
「確かにいいアルバムだが、一位ってことはないだろう」とマスターが言う。私もそう思う。
じゃあ私なら何を選ぶんだというと。
私の趣味は大半が1970年(何故か一番好きなアルバムが集中している)以降なのだが、自分で書いたベスト20アルバムを見る限り、'60年代でトップに来ているのはローラ・ニーロの"Eli And The Thirteenth Confession"ということになる。しかしこの"best 20 albums"は、1アーティストにつき1枚を基準にしているので("best 100 songs"もそう)、そういったことをはずして考えると、例えばビートルズのアルバムの殆どは、'60年代のかなり上位に入るだろう。
ただ、「'60年代」と聞いて真っ先に浮かんだのは、何故かキング・クリムゾンの"In The Court Of The Crimson King"(1969年)だった。'60年代の終りに、息を引き取る間際の美しい白鳥の歌を歌っていたビートルズの傑作"Abbey Road"を、「無名の新人」であるキング・クリムゾンというバンドが殴るようにしてチャート1位から引きずり下ろした、あの「大事件」とも言うべきアルバム。
その時の衝撃を、体験したかった。
A farewell swan song (死に際の白鳥の歌) *One More Red Nightmare / King Crimson (1974) の歌詞。
| 2007年05月02日(水) |
Isn't it a pity. Isn't it a shame |
日曜の19時に起きて、次に寝たのが火曜の12時から4時間だけ。で、DT(g)とリハして深夜に帰宅し、ずっと起きていて朝8時にはっと気づく。今日って休みじゃないじゃん! 夜の授業3つは休みにしたものの、午後の2つはあるんだった。・・・ま、いいや、このまま寝ないで行こう。・・・夜は飲みの約束もあるけど、ま、いっか。
ということで、20時にQT(drs)と西荻で待合せ。5分遅刻で到着。QTがいなかったので(実は早く来たのでよそに行っていた)、「意外でしょうが着いてますよ。遅いじゃないすかっ」としゃあしゃあとメールしたりしてw
西荻ロックバーBへ。ここに来るのは二度目だが、最初に来た時はバイトの女の子だったので、今日初めてマスターに会えた。一番好きなアーティストは?と訊いたら、すっきりまっすぐに「ビートルズですね」というお答え。・・・ああ、このひとはいいひとだw
Bは、レコードは半面がけが基本のようだ。ということで、"Abbey Road"のB面がかかる。・・・ああ、この店はいい店だ。続いてジョージ・ハリスンもかかる。
誰でも好みがあるのだから。私の愛するレオン・ラッセルを、レッド・ホット・チリ・ペッパーズを、フー・ファイターズを嫌いというひとがいても当然だ。それぞれ、そういう気持ち(順に、「泥臭過ぎ」とか、「暑苦しい」とか、「鼻の穴がでかい」とかw)もわからなくもない。
でも、ビートルズだけはだめだ。
───いや、もし誰かがビートルズを嫌いだと言っても、私は別に気を悪くはしない。
それどころか。私はそこで、にっこり笑いながら「可哀そう」と思ってしまうのだ。
これが物凄くよくないことはわかっている。そういう態度は間違っている。でも──でもだめなんだよ。ビートルズだけはだめなの。
ビートルズでQTと二人すっかりいい気分になり。その勢いで今度は吉祥寺のロックバー酔舎へ。数年前から気になっていた店だが。何度か行ったのに定休日だったりして、今日ようやく初来店。QTは吉祥寺の住民なのにやはり初来店。
ドアを開けたらかかっていたのが吉田拓郎の「流星」──私が拓郎で一番好きな曲。そして座ったテーブルには、一面にべたべたとパティ・スミスの写真が貼ってある。ふと目を上げればニール・ヤングのポスター。私の座った背後にはでかいオアシスのポスター。・・・こ、こ、ここ、いい店だなー!
しかし私以上にQTが、憂歌団などでどツボを突かれていた気配。こそっとクリエイションをリクエストして差し上げたりして。
二人、更に気分が良くなり。更なる勢いで、タクシーで新宿ロックバーCへ。行く前にJTに電話して、一旦帰った彼を呼び戻すw
何だか今日は飲んでも飲んでも平気だわ。楽しいーー。
QTは途中で帰る。私はC閉店までいて、JTと近くで朝食し、タクシーで送っていただき6時半帰宅。
さすがに眠くて、8時にはダウン。
Isn't it a pity. Isn't it a shame (可哀そうに。気の毒ね) *Isn't It A Pity / George Harrison (1970) の歌詞。
| 2007年04月28日(土) |
I won't deny the pain |
ヴォネガットの「ガラパゴス」を読んでいる。未読だった数冊のうちの一冊。もうすぐ読み終える。途中、何でもないような箇所でふっと涙ぐみ、そこで気づく。彼は、意味でなく文章のリズムでもって、私の心の空いている領域を揺らし、振動を起こす。だから平易な言葉が時に感動を惹起する。
昨日母から、果物がぎっしりの小包が届いたので、やたらとそればかり食べている。果物だと、食べても罪悪感と嫌悪感が少ない。私のこの、食に対するこだわり(念の為に言っておくが、この言葉には本来悪い意味しかない)は、いつまでも消えないんだろうか。
「ガラパゴス」の中で、腹が減った野生に近い少女達が、他人の飼い犬──こともあろうに盲導犬を捕まえて、「歯と爪以外のどんな道具も使わずに」さばいて食ってしまうのは、ひたすら正しくうつくしい。
もっとも、私はどんなに苦しい思いをしても「知性」を持つほうがいい。それなくしては「うつくしさ」を鑑賞することも出来ず、それこそが本当の盲だ。
時にその盲は、盲導犬も杖もなしに、街中を堂々と闊歩している。──見えないことすら知らないで。
I won't deny the pain (苦しい思いをしてもいい) *Galapagos(ガラパゴス) / Smashing Pumpkins (1995) の歌詞。
| 2007年04月25日(水) |
Like the drink, only not spelt the same |
普段何でもネットで買う私。だからしょっちゅう宅配便が届く。昨日も4回来た。本、服、日用品(ティッシュだのシャンプーだの)。で、最後が。
ピアノ。
日曜にヤフオクで40分もバトルして落とした、コロムビアの電子ピアノ。88鍵の脚付で、立派な家具みたいだ。元ダンナがホワイトデーと誕生日に振込んでくれたお金(+α)で購入。
夕べ18時に届いたが、授業後お食事に行ったのでまだ弾いていなかった。けれどもう、見ているだけでうっとり。
日付が変わった深夜、ピアノを弾いてみる。思えば、おそろしいくらい長いことピアノをやっていない。数年に一度実家に帰った時しか触らないから、もう全く弾けない。
蓋を開けて、クラシックでは一番好きな作曲家であるビゼーのメヌエットを弾いてみる。勿論ガタガタに間違える。それでも、自分の指から出る音のなんと綺麗なこと。・・・ああ、やっぱりピアノっていいなあ。ハンマーで弦を叩くアコースティックには劣るが、キーボードより遥かにいい。ダンパー・ペダル(アコースティックとは確かに異なるが)を踏む快感も思い出す。
もっと安く買える電子ピアノも沢山あったけど。コロムビアというメーカーと、あと色が気に入った。カフェオレのような茶で、茶色で統一した私の部屋にぴったりだ。
うちのベースギターは口紅のように真っ赤なので、キルズの曲名'Kissy Kissy'から、'Kissy'と名づけた。
このピアノには'Coffey'と命名。コロムビアというコーヒーの銘柄(実際はスペルが一文字違う)と、そのカフェオレ色からなのだが。何故'Coffee'でないかというと。
ある小説の登場人物の名前なのだ。'John Coffey'という。この人物が最初に名乗る時、感動的に記憶に残った一行がある。今回このタイトルをつける時、既に手元にない本の一行を確認する為にネット検索してみて、世界中で多くのひとが、私と同じようにこの一行を心に刻んでいることを知った。
"Yes, sir, boss, like the drink, only not spelt the same."
(はい、飲みものといっしょです。ただ、綴りが違うんです)
スティーヴン・キングの'The Green Mile'を読んだひとにならわかるだろう。この短い台詞が、いかにこの人物の人柄をよく表しているかを。
Like the drink, only not spelt the same (コロンビアというコーヒーの名前と一字違いなんです) *The Green Mile / Stephen King (1996) の一節。
(Translated by Screaming Bunny)
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