Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2002年11月28日(木)  Alcohol / The Kinks

9時まで4、5時間寝る。10時半に出てネットカフェに行き、またケン・ハイをぶらつく。

コベント・ガーデンへ行く。カムデンと同じアーティストの街だ。手作り作品を売っているのは同じだが、こちらにはパフォーマーもいる。今日はミュージシャンだけが何組かいた。ちなみに駅は閉鎖されていたので、レスター・スクエアから歩いた。

アーケードの中のオープン・カフェでジャケット・ポテトを食べる。バターだけのにするが、とにかくでかくて凄い量だ。
階下のカフェではいつも通りクラシックを演奏している。今日はフルート、バイオリン、チェロのトリオで、カノンやトルコ行進曲など、お馴染みの曲目をやっている。
ふと、G線上のアリアが流れてきた。私のクラシックベスト5に入る一曲。やばい。この曲は急に来られると泣いてしまう。ジャガイモを食べながら泣いてたら、よほど不幸な女だと思われそう。
幸か不幸か、演奏者の力量が泣くまでには及ばなかった。

ちなみにクラシックベスト5の他の4曲は
軍隊 / ショパン (ホロヴィッツの演奏で)
カルメン / ビゼー (セギディーリアもハバネラも歌抜きで)
カンタータ第147番より、主よ人の望みの喜びよ / バッハ (あえてピアノで)
弦楽合奏のためのセレナードハ長調 作品48番 / チャイコフスキー (願わくば第一バイオリンは女性で)

中国人女性から手作りのピアスを買い、ジュビリー・マーケットを見る。

ホワイト・ライオンというパブでビターを飲む。"By The Way"のアルバムがかかっている。いつの間にか外は雨。毎日夕方になると降ってくる。イギリスの雨は気合で乗り切れる程度の降り具合で、実際みんな気合で乗り切っている。私もね。

帰宅途中にアールズ・コート・ロードでジンのボトルを買う。店の親父は、私がジンをストレートで飲むと知るや、必ずトニックとレモンスライスも入れなきゃだめだと力説し始める。一人で飲むのかと訊くのでそうだと答えると、素っ頓狂な声を上げて"Don't you have a friend? Don't you have a boyfriend?!"
また寂しい女だと思われてるよお・・・。

温かい紅茶とストレートのジンを交互に飲む。優しい時間が流れる。



2002年11月27日(水)  Everybody's trying to please me, baby

8時朝食。当然イングリッシュと思いきやコンチネンタル。ちょっとがっかり。
ケン・ハイのインターネット・カフェに行くが、日記更新のパスワードがわからない。私っていつもこう!

向かいのカフェでイングリッシュ・ブレックファストを食べる。観光客向けなのか、この頃のロンドンはイングリッシュ・ブレックファストを一日中サーブする店も多い。トーストに卵、ハム、フライドトマト。以前はソーセージはつかなかったが、今は大抵ついている。
隣に座った金持ちそうな初老の紳士がしきりに話しかけてきて、これからシティに行くのだが一緒に行かないかと言う。これってナンパなのか? 店員もやや呆れ顔で笑っている。シティ(大きな銀行やオフィスの集まる地区)になんか行って何するって言うのか。シティに用がないので、と断ると、すごく悲しそうな顔をされるが、いや、だって困りますもの。

大好きなケン・ハイをぶらぶら歩く。あれ、何かおかしいな。あれ?
わ!!
ケンジントン・マーケットがない!!!!
跡には更地が残るのみ。嘘でしょう! あの俗悪な看板。地下にひしめくロック・ショップ、アクセサリー店、洋服屋。モヒカンが一人でハサミ一本でやってる床屋。おかしな連中がぎっしり詰まった下品の殿堂。

ショックを抱えてケンジントン・ガーデンへ。予定通りにラウンド池のほとりで凍ってみる。10年前と全く変わらない風景。同じ白鳥。

ロイヤル・アルバート・ホールへ歩いていくが、ジョージ・ハリスン追悼コンサートのチケットは既に完売。価格未定なんてのがそもそも誤報だったようで、情報が嘘なんてのはイギリスの得意技。例えばコンサート開始時間なんて、ウェブと新聞と情報誌、全部違ったりする。どうしろってんだか。実際行くと全部間違ってたりする。

チューブでカムデン・タウンへ。6駅中2駅を飛ばされる。これもロンドンの得意技。スト(ほぼこれ)だの爆弾騒ぎだの事故だので、しょっちゅう駅が閉鎖されるのだ。常にアナウンスに注意していないとひどい目にあう。バスがバス停を飛ばすことすらある。次のバス停まで走って追いかけて乗ったことも。

マーケットを見てまわる。昨日ホテルへの道をおしえてくれたジーンズ店の男性(Jo)がストール(出店)を出していた。覚えていて声をかけてくれる。
レザーショップの店員に土曜の夜に飲まないかと誘われる。じゃあ土曜に来るよと適当に返事。(私は今後この手のしつこい誘いは全部適当に承諾し、きれいにすっぽかすことになる)

Geeという名の黒人の男の子からマリーを買う。本物?と聞くと、汚い建物の裏に連れて行かれてブツを吟味させられた。1/4ポンドで8,000円。安いような気がするが、よくわからない。とりあえず6,000円に値切る。
Geeは私に携帯番号をくれて、これで君はもう俺の顧客だと言う。うーん。

靴屋の店員が可愛い日本人の女の子だった。体に18箇所ピアス(鼻の付け根に横からぶち込むわ、上の歯茎の根元に入れるわ・・・)したうえに、全身に刺青をしていた。日本に帰る気なんかない、と言うが、入国審査を通らないんじゃないか。
同じ靴屋の店員に今晩飲もうと誘われるが、これは珍しくちゃんと断る。

エレファント・ヘッドというパブでピターを飲む。名前がいい。ベット・ミドラーに似て、ジョプリンみたいな声で喋るママがいた。

Everybody's trying to please me, baby (皆が私をちやほやしてる)  * It's So Easy / Guns 'N Roses (1987) の歌詞。


2002年11月26日(火)  Ten Years Gone / Led Zeppelin

哲(b)に見送ってもらって11:50のヴァージン・アトランティックで成田を発つ。ヴァージンは前から乗りたかったが、運賃が高いので避けていた。ところが今回オフ・シーズンのせいか往復で何と6万円台。
乗ってみてかなり満足。配られたグッズは全てショッキング・チェリー・ピンク。トイレのライトはサイケなビビッド・ブルーで、まるでカフェバー。
ヴァージンの売りは、エコノミーでも全席パーソナル・ビデオ付であること。CDジュークボックスもあり、早速"By The Way"を頭から通して3回聴く。幸せ。隣に誰も座らない席を希望した為、脚を伸ばしてくつろげた。快適。ジンをロックでもらう。
もともと飛行機では寝ないのだが(結構乗ってるのが好きなので)、今回も、搭乗前の時点で48時間寝てなかったにも関わらず一睡もしなかった。
しかし機内食3回は多い。食べ過ぎた。カトラリーもチェリー・ピンク。

ヒースローからチューブ(地下鉄)のピカデリー・ラインでアールズ・コートへ。B&Bに17時半チェック・イン。私の部屋は2階(日本でいう4階。M階もあるので) 小さいが快適な部屋。寒さだけを心配していたが、ヒーターが充分暖かい。トイレを流すのにコツがいるが、何とか会得した。
リフト(エレベーター)がぼろく、これも動かすのに苦労する。何と「リフトが止まっても慌てないで!」の張り紙あり。大丈夫かよ・・・

ベッドでちょっと一休み・・・のつもりが気絶してしまい、3時間寝てしまった。何しろここまで65時間以上寝てなかったからね。

既に地下鉄も終わる時間。どこも行けないかと思ったが、ふと思いついて午前2時にケンジントン・ハイ・ストリートに歩いていってみる。(ガイドブックに「女性は夜は決して一人で外出してはいけません」って書いてあったような記憶もあるけど。気のせい気のせいw) 何とホテルから徒歩3分。
ホーランド・パークの入り口前から懐かしいケン・ハイを歩く。店はほぼ全部閉まっているが、店のショーウィンドーを眺めながら歩く。変わらない店、初めて見る店。ヴァージン・メガ・ストアが出来てた。

ロイヤル・ガーデン・ホテルへ行くが、バーもちょうど閉まったばかり。
10年前にここにダンナ(当時はまだ彼氏)と泊った。
あれから10年だなんてね。既にロンドンに来るのは3回めで、そしてダンナは失踪中か。何て劇的な人生だろ。

ロイヤル・ガーデン・ホテル向かいの24時間営業のスーパーでTime Outを買う。ロンドン版ぴあというところ。
アールズ・コート・ロードに戻り、インディアンのカフェを見つけてサモサを食べる。ホテルに3時半に戻る。



2002年11月23日(土)  In my Shangrila

ロンドン行き、近し。
最近は新宿ロックバーRSに御執心なので、それより楽しい夜遊びが出来るのか?なんて思ったりもする。
大体何だってこんな寒い時期に行くんだ。日照時間だって異常に短い。22時頃まで明るい夏に比べ、冬は15時には暗くなってしまう。
3回めのロンドン。
最悪の天気、最悪の食べ物、最悪の水。
労働意欲のない商店の売り子たち、爆弾騒ぎでしょっちゅう封鎖される道路や駅。
すぐ壊れる電化製品、真冬に効かなくなるヒーター。修理を頼んだって、理屈ばかりこねて、かなりきつく言わないと直そうとしない。大人しくしてたら、直るのは1ヶ月先だ。
全然役に立たない電車内アナウンス、全く聞き取れないバスのアナウンス。
時間を守らないひとたち(私の比じゃない。1時間とか平気で連絡なしで遅れる)。
届かない郵便、使えない公衆電話。
停電、ガス爆発、工事中、スト。
ああ。
うっとりしてきた。
サーペンタインのほとりで、凍えそうになりながら恍惚としてる自分が見える。

Sit back in your old rocking chair
You need not worry, you need not care
You can't go anywhere
Shangrila

In my Shangrila (私の楽園で)  *Shangri-La / Kinks (1969) の歌詞。("In your Shangrila"のもじり)


2002年11月19日(火)  今回は64時間起きていましたとさ

今日の日記は内容が二人にしか通じない。

Katzへ。
私あの時、このままでいれば死ぬんだって思ったら、もうおかしくておかしくて、げらげら笑い出しちゃったんだ。目の奥は5、6時間前からかなり圧迫されてたし。笑ってたらそのうち涙が出てきて、ぼろぼろ泣いた。
そして、「今死んでも後悔しないだろう?」って聞かれた時に、もう自分でも思いがけないほどに動揺した。文字通り固まった。理由が全然わからなかった。今でもわからない。「助けて」って思ったけど、何からかわからない。

ぶっちゃんへ。
ありがとう。助かったよ。

* 意味が知りたい方はこちらへ。



2002年11月18日(月)  How does it feel to be on your own

"A rolling stone gather no moss."
「転がる石は苔むさず」などと訳すから誤解を招くが、一ヶ所に留まらないでふらふらしていると財産が出来ないという意味である。
そして'Rolling stone'といえばやはりボブ・ディランの'Like A Rolling Stone'なわけで、この曲を知らずにロックファンもあるまい。ところが実は私はこの歌の詞の内容を全く知らなかった。あんな鼻声では聞き取りも出来ない。でもまあ'Rolling stone'なわけだから、放浪の自由を歌っているんだろうくらいに軽く捉えていた。切ないながらもどちらかと言えば明るい曲調だし。
で、何となくネットで歌詞を出してみた。
────かなり驚いた。
Now you don't talk so loud
Now you don't seem so proud
About having to be scrounging for your next meal

って。
これは、裕福でプライドの高かった人間が、道端で食べ物をあさるまでに落ちぶれる歌だ────しかも、女が。
ことわざのままの意味だったんだ。サビの歌詞には殆ど具体的な部分がないから、そこだけだとわからないけれど。
How does it feel ?
そう聞かれても、Well, not bad!くらいに答えられる状況だとばかり思っていたのに。
一気に落涙してしまった。別に自分の将来を重ねたわけじゃない。今までずっとこんな歌詞だなんて知らないで、喜んでサビの歌詞だけ歌ってたのに。実は悲惨な内容だった。何でディランはあんなに明るく歌えるのか。
悲惨? 違う、そうじゃない。違う違う。
ねえ皆これ知ってんの? 歌詞の内容わかってた?
新宿のRolling Stoneのラスト曲にこれがかかる時に、喜んで踊ってたみんな。
How does it feel ?
これってあんた達が一番、骨身にしみるはずの言葉だよ。別に明日は我が身だなんてこと言ってるんじゃなくて。
ねえ、一晩中楽しく飲んで踊って、4時に店がはねて、一人で家に帰る時に、理由もなく泣きたくなったことない? 例え家族や恋人が待ってる家に帰るんでも。自分の中が空っぽになったように感じたことない?
少し感情的になり過ぎだって? そうかもね。でも自覚があろうとなかろうと────
私たちは皆、一人で死ぬんだよ。知ってた? 本当に知ってた?
ほら、もう一回聞いてごらん?

How does it feel ?
How does it feel ?
To be on your own
With no direction home
Like a complete unknown
Like a rolling stone


How does it feel to be on your own (何一つ頼るものがないってどんな気分だい?)  *Like A Rolling Stone / Bob Dylan (1965) の歌詞。


2002年11月17日(日)  あなたになりたい

パーキンソンの法則というのがあるらしい。曰く 「仕事の量は、使える時間が増えるにつれて限度まで増える」 ・・・なるほど。道理で私が毎日忙しいわけだ。他人の台詞とは思えない。パーキンソンの法則なんて初耳。まあ土屋賢二が書いていたことなので、パーキンソンの存在自体嘘かも。

みうらじゅんは、ロックのある時代に生まれ多大な影響を受けた自分は、今後どんな人生が待ち受けていようと大丈夫だと言う。何故なら、「カッコイイものの基準がある生き方に迷いや悩みはない。そんなことをしている暇なくボクはカッコイイものに近づいていかなければならないのだ」
これを読んで深ーくうなずいた次の瞬間、げっとなった。自分の中にずっとあった、もやもやしたモノの正体が見えたのだ。
こ、これはまずい。
私は勿論ロック好き。人格形成において多大な影響を受けている。その私のかっこ良さの基準。──今現在の例で言えば、レオン・ラッセルロビー・ロバートソンリック・ダンコスティーブン・タイラーリアム・ギャラガーカート・コバーンジム・モリソンイジー・ストラドリン、日本人なら町田康。このラインナップを見て、何がまずいかわかりますか?
これ、全員、男なんである。

以前この日記に、女だと「堕ちる」のも大変と書いたけど、それ以前にそもそもの目標設定が間違っていたことが明らかになったわけだ。目から鱗が落ちた。落ちたものの、理想は変わらない。
────どうしよう?



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