ひとりごと
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結婚記念日 2004年04月09日(金)

15年前。
その日もどこかの庭では
こんなに花が咲いていたのだろうか?

あの日私は
青空と桜ばかり
見上げていたような気がする。


さらさらさら… 2004年04月07日(水)

朝から陽射しがいっぱいだった。
シジュウカラの澄んだ声が空に響いていた。
なんて気持ちのいい日!

いつもなら、ガーデナーなら外に飛び出したいこんな日だけれど
今日はおとなしく家の中でチクチク縫い物。
姪たちの入園グッズを仕上げなくては。
明るい外をうらめしく眺めた。
でも、こんな日は、家の中にいるのも素敵なのだった。

好きなピアノ曲が軽やかに流れる。
さらさらと柔らかい風が吹いてレースのカーテンを揺らす。
布や糸の感触も手にさらさらと心地いい。
鳥の声のあとに影が横切る。
こつこつ…とヒマワリの種を割るささやかな音が聞こえる。
顔を上げると白いカーテン越しに
花盛りになり始めた庭が明るく映った。

あぁ、気持ちがいい!
さらさら風に吹かれて眠くなりそう。
ちょっとだけ、お昼寝しようか?
こんなのを「しあわせ」って言うのよね。


桜と水鳥 2004年04月06日(火)

花びらは枝を離れて舞い降りた。
水の中の桜が満開になった。

旅立つ前の水鳥たちが
そのいただきで遊んでいた。
花を楽しんでいた。



トトが咲いた

友だちに「トト」と言う名前の水仙の球根をいただいた。
小さいかわいい球根をトトのブルーガーデンに大切に植えつけた。

そのトトが、今朝咲いた。
光の中で、小さい白い翼をひらりと広げた。
うつむく清楚な姿が愛らしくて嬉しくて、いつまでも見つめていた。
ほら、トトもこんなに嬉しそうだ。


桜散歩 2004年04月01日(木)

久々の庭仕事に励んで、一段落して腰を伸ばした夕方、
フェンスの向こうからお隣さんが声をかけてきた。
「これからリズの散歩に行くのだけれど、ご一緒しない?」
「行く、行く!連れて行って〜。」
私は急いで部屋に戻って手を洗い、デジカメだけ持って外に飛び出した。

子犬のリズちゃんは、最近やっとお散歩を許されるようになったばかりだ。
私はまだ一緒に行ったことがなかった。
もうすっかり私に馴れてくれているリズちゃんは
かわいいピンクのリードをつけて、立ち上がって歓迎してくれた。

仲よしのお隣さん2人と、そのお嬢さんたち2人、
そして私、の5人がリズちゃんのお散歩のお供だ。
はしゃいで跳ね回るリズちゃんに、お嬢さんが嬉しそうに引っ張られる。
お隣さんと話しながらその後姿を見ていたら、お嬢さんが振り返って、
「リズ、引いてみる?」と、私にリードを渡してくれた。
嬉しかった。
犬の散歩は久しぶりだ。

「さすが、慣れているね。上手ね〜。」と、みんなにおだてられながらも
あっちこっちに飛び跳ねる子犬を制するのに真剣だった。
好奇心いっぱいの子犬は、なんでも匂いをかいで、なんでも口に入れようとする。
「ダメ!」とリードを引っ張って叱る。
リズちゃんは、くじける様子もなく、また次のおもしろいものを見つけては目を輝かせていた。
こちらは目が離せない。
気がつくと、4人は先のほうに行っていた。

「おおーい!」と横断歩道の向こうで、お嬢さんたちが手を振る。
後ろに続く桜並木が輝いている。
私もリズちゃんも、早くあそこに行きたくてたまらない。
信号はまだ赤。
私が言ったとおり、ちゃんと立ち止まっているリズちゃんだけれど
しっぽもお尻もうずうずと走りたがっていた。
青になった。
みんなのところに駆けていった。

「桜を見ていこう。」とお隣さんが言った。
並木の桜を見上げながら歩いた。
都心よりちょっと遅めの桜は、もう少しで満開だ。
夕陽にほんのりそまって、暖かい色で揺れていた。
リズちゃんは、道路に落ちている花びらの匂いをひとつひとつ確かめている。
子どもたちは、先に走って行ってしまった。
私たちは、黙って歩いた。
転勤の話は誰もしなかった。

桜並木を往復したあと、「公園の桜も見たいな」とお隣さんが言った。
少し遠回りをして、小さな児童公園の桜の下を歩いた。
日当たりの加減なのか、この桜はまだ五分咲きだった。
線描きのような枝とつぼみの向こうの水色の空に、白い月が見えた。
「きれいね。」
と、道路に立ったまま、みんなでお花見をした。

「やっぱり行っちゃうの?」と、ついに聞いてしまった。
「うん。かもしれない。」と、お隣さん。
しんみりとしてしまった。
「でも、また帰ってくるよ。家があるし、みんなもいるものね。」
お隣さんは、いつもの明るい声で言ってくれた。

来年の桜は別々のところで見るのだろうな。
今日のことを思い出すのだろうな。
そしていつか、何年後か、大きくなった子どもたちとリズちゃんと
ちょっと年をとった私たちとでまたこの桜を見上げられたらいい。


お隣さんの転勤 2004年03月31日(水)

お昼から、友だちとのお花見に出かけるので
早くからバタバタと洗濯や掃除をした。
明け方までの雨もあがって気持ちのいい朝だった。

まぶしい陽射しをさえぎるようにつばの広い帽子をかぶって
2階のベランダで洗濯物を広げていたら、下から私を呼ぶ声がする。
仲よしのお隣さんが、フェンスに傘を干しながら私を見上げていた。

「おはようございます。お久しぶり〜。」
と挨拶をした。
「おはようございます。
 ごめんね。こんなところでなんなんだけれど、ちょっといいかしら?」
と、お隣さん。
「うん、大丈夫よ。どうしたの?」
私は手すりから乗り出した。
「あのね、突然なんだけれど、うち、転勤になっちゃったの。」
えっっ!?

「4月1日付けで、夫はもう明日から大阪に行くのよ。」
と、お隣さんは、いつもよりまじめな顔で行った。
「え…と、それは単身ではなくって、ご家族で…?」
私はおそるおそる訪ねた。
「うん、夫の頭には、単身赴任と言う考えはないみたいなの。
でもねぇ、家のこともあるし、犬も飼い始めたばかりだし、子どもも6年生になるし、ねぇ。」
と、お隣さんは困ったように言っていた。
「そうね。リズちゃんを飼える家を探さなくちゃいけないんだものね。」
「そうなのー。どうせこっちでも毎晩帰りが遅いんだから、別に単身でも、って思うんだけれどね。」
と、お隣さん。

お隣さんとは、5年前、同じ頃にここに住み始めて以来、仲よくしていただいていた。
庭仕事をしながらフェンス越しにおしゃべりをしたり、花の苗を交換したり、
一緒に手芸をしたり、お好み焼きパーティーをしたり、買い物に行ったり。
お隣さんが留守のとき、お子さんをうちで預かったこともあった。
私が風邪をひいたときには、買い物をしてきてくれたり、差し入れをくださったりした。
夕方に、ちょっと足りなくなったお味噌や薬味の貸し借りもしたりしていた。
それでいて、あっさりとしていて、とてもいいお付き合いをしていた。
素直でかわいいお子さんたちの成長も楽しみだった。
お隣さんがワンちゃんを飼い始めて、これからもっと楽しくなるはずだった。
いなくなってしまうのは、とても寂しい。

「どちらにしろ、まだ住むところが決まっていないし。まだしばらくいるからね。」
と、お隣さんは明るい声で言った。
「どうなるかわからないけれど、これからもよろしくね。
 それでもし、私たちがいなくなって次の人が入ったら、同じように仲よくしてね。」
私を見上げてにっこりして、お隣さんは家に入った。

どうなるんだろう。
あんなに仲のいいご家族なんだもの。
やっぱりみんなで大阪に行かれるんだろうな。
寂しいな…。

こればっかりはどうしようもない。
花咲く春は、新しいスタートの季節。
出会いと別れの季節。
こんなに明るいのに、胸がしんとした。


アシナガバチのお引越し 2004年03月27日(土)


「シジュウカラが庭の巣箱で巣作りを始めたのよ」と
昨日会った友だちが嬉しそうに言っていた。
シジュウカラたちにも春が訪れたのね。
私もにっこりして、自分の庭の巣箱を思い浮かべ、
そして「あぁ…」とため息をついた。
うちの巣箱には、アシナガバチが住んでいたのだ。

4年前、シジュウカラのために巣箱を作り、フェンスに掛けた。
でも場所が悪かったのか、見向きもされなかった。
去年、見晴らしのいい軒下に掛け直したら、マイホーム見学のシジュウカラが訪れだした。
今度こそ!と思っていたのに、先に住み着いたのはアシナガバチ一家だった。
(そのときのことは、03.9.17.「巣箱は誰のもの?」に)

秋から冬の初めにかけて、アシナガバチたちがせっせと出入りしているのを何度も見た。
たまにシジュウカラが入り込んで、あわてて出てくるのも見かけた。
せっかく来てくれたのに。
もう半分あきらめかけていた。
でも友だちから、そんなニュースを聞くと、うちの巣箱でも、と思ってしまう。
もともとシジュウカラのための巣箱なのだから、
眠っているうちにアシナガバチにはお引越ししてもらおうか。
今だったら、まだ間に合う。
シジュウカラの巣作りにも、アシナガバチの目覚めにも。

夕方、巣箱を軒下からはずし、思い切って屋根を開けることにした。
掃除ができるように、片屋根は木ねじで締めて、開けられるようにしておいたのだ。
テラスの椅子の上に巣箱を置き、ドライバーで1本ずつねじを抜き取った。
ドキドキした。
大きな巣が入っているのかな。
ハチの大群が、わぁ〜っと飛び出して来たらどうしよう?
温和なアシナガバチだけれど、巣を刺激すると人を刺すこともあるらしい。

最後の1本は、屋根と一緒にはずした。
中に黄色と黒のハチが見えた!
「ハチだ!」と、叫んで、私は部屋に飛び込み、ガラス戸をピシャンと閉めた。
いたいた。
やっぱりハチが住んでいた。
あー、びっくりした。
ガラス越しに、そうっと巣箱を見てみたけれど、怒ったハチが襲ってくる様子はなかった。
外に出て、おそるおそる巣箱を覗き込んでみた。
ぼうっとした様子のアシナガバチがたった3匹、巣箱の片隅でのろのろと動いていた。
天井に近いすみっこについた、小さな巣らしきものはからっぽになっていた。

ここで越冬していたらしい。
こんなに暖かくなったけれど、アシナガバチにはまだ冬だったらしい。
せっかく眠っていたところを、いきなり屋根をはずされて寝ぼけているようだ。
私はほっとして、カメラを近づけて、何枚も写真を撮った。
くっきりとした黄色と黒の模様が粋なアシナガバチは、
しばらくもぞもぞと動いたあと、巣箱の片隅に3匹が身を寄せ合って動かなくなった。
まだ眠るつもりらしい。

引越ししてもらうなら今この時期だ。
春になって活発に動くようになったら、巣を刺激するのは危ない。
仲間が増えて、本格的にここで巣作りを始めるかもしれない。
そうなったら、シジュウカラの子育ては無理だ。
あまりにも動きが鈍いので、すぐにでも手でつかんで移動させられそうだったけれど
念のため、夜になって完全に眠るのを待った。

空が真っ暗になった頃、懐中電灯を持ってテラスに出て、巣箱の中を覗いてみた。
光に照らされて、ちょっと触覚を動かしたけれど、ハチは眠っているようだった。
小さく折ったメモ用紙でハチたちをすくうと、素直にしがみついてきた。
その紙ごと、小さな箱の中にハチを入れた。
まったくの無抵抗、あっさりと引越し完了。

さて、この箱をどうしよう。
庭に置いておくと、暖かくなって目覚めたとき、またこの巣箱に入るかもしれない。
空き地や公園だと、子どもたちがいたずらして、刺されてしまうかもしれない。
人が見つけなくて、アシナガバチにも住みやすいところ…。
眠りバチ入りの箱を持ったまま、夜道をうろうろと歩き回った。
しばらく歩いて、神社の裏山を登った。
ここだったら大丈夫。
林の中の大きな木の陰に、ハチの箱をそっと置いた。
ふたを少し開けておくのも忘れなかった。
ハチにとっての本当の春が来るまで、静かなこの林で眠っていてもらおう。

ふと気がつくと、真っ暗な林の中に私はひとりで立っているのだった。
ハチと一緒に来るときには恐くなかったのに、急に闇が恐くなった。
足元にまとわりつく枯れ枝や何かの蔓を振りほどきながら山を駆け下りた。
道路に出てほっとして、山を見上げ、箱の中で眠っていたハチのことを思った。
目覚めたらびっくりするかしら。
勝手に引越しさせちゃってごめんなさいね。。

おぼろにかすむ月と星を見ながら家に帰った。
秋から気になっていた巣箱のことが解決して心が軽かった。
またハチが帰ってきたら、それはそのときのこと。
巣箱をきれいに掃除して、また軒下に掛けて、かわいいシジュウカラ夫婦を待つことにしよう。
この春こそ、あの巣箱から巣立つヒナたちが見られますように。


チューリップの雫 2004年03月24日(水)

つんつんチューリップが芽を出した。
そろって小さな手を広げている。
お日さまをつかもうとしている。

でもその手の上には雨が降りそそいだ。
チューリップの小さな手は雨粒を受けとめた。
ひとつに1個ずつ、そぉっと雫を抱えている。

覗き込むとそれは貴い宝石のように光っていて。
ゼリーのようにぷるんと揺れていて。
ブルーグレイの雨空を映していた。

チューリップは
お日さまも雨もとっても嬉しい。


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