ひとりごと
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ないものを探して 2003年12月02日(火)

先週から夫に、年末調整用の書類をそろえておくようにと言われていた。
保険の払い込み証明、住宅ローンの残高証明など、
先月からぽつぽつと郵便で来ていた。
そのひとつがどうしても見つからなかった。

保険と公庫の書類はそろっていた。
でもどこをそう探しても、銀行からの書類が見つからない。
もう何日も探していた。
もともと整理整頓や事務管理はあまり得意ではない。
どこかに紛れ込ませているのかもしれない。
自分を信用できないのが情けない。

会社への提出期限が迫っている。
でも見つからない。
実を言うと、見た覚えがないのだ。
ちょっとでも手にとって見たものなら「あの辺にあったはず」と見当がつけられるけれど
見覚えのないものを探すのは、頼りなくて不安で大変だ。
領収書や手紙の整理をしながら徹底的に探して、明け方の4時で諦めた。

短い睡眠から覚めた朝、見つからなかったことを夫に言った。
「これだけ探してないのだったら、銀行の手違いかもしれないね。」
まさか、銀行が!と思ったけれど、だらしない私をせめない夫の優しさに感謝した。
そして9時を待って、念のため銀行に電話してみた。

事情を話し、「再発行できますよ」との答えにほっとした。
そして口座番号を言って調べてもらうと…。
なんと、手違いがあってまだ発行していなかったと言うのだった。

なんだ〜〜。
一気に力が抜けた。
見覚えがない、と言う私の記憶に間違いはなかったんだ。
ないものを探しても、見つかるわけはない。
あの苦労は一体…。

でももっと早く気がつかなかった私はやっぱり抜けているんだ。
来ていないことに気がついて、すぐに問い合わせたらよかった。
自分に自信がないから、こんなにあせって探したんだ。
睡眠不足にはなったけれど、領収書や手紙の整理ができて、
いらないDMの始末もできて、さっぱりしたのでよかったことにしよう。
来年からは気をつけよう。

昼前からは、今年も懲りずに買い込んだ球根の植え付けを始めた。
庭の掃除をし、土をほぐし、肥料を漉きこみ、
春の花園を思い描いて、球根たちの眠る場所を決めて植えていった。
冬至前の夕暮れは早い。
4時を過ぎて、暗く寒くなっても、まだ半分も植えられてはいなかった。
続きはまた明日。

睡眠不足と朝のばたばたと久しぶりの庭仕事の疲れとで、
部屋に入ってからは気がつくとうとうととしていた。
見ると、かごから出たまま私と一緒に朝の4時まで付き合ってくれたピーちゃんも
やっぱり眠そうにうとうととしているのだった。


ピーちゃん脱出! 2003年12月01日(月)

夕食の支度をしていると
ピーちゃん(仮称)のさえずりが賑やかにはっきりと聞こえてきた。

もう布をかぶせて寝かせたはずなのだけれど
テレビの音で起きてしまったのかな。
昔トトは夫が帰ってくる音を耳聡く聞きつけて
こんなふうに、高くさえずって歓迎していたっけな。

そんなことを思っていたら、本当に夫が帰ってきた。
「おかえりなさい。ピーちゃん、帰ってくるのをわかって喜んでいるのかしら。」
と、出迎えながら言うと、
「鳥、そこにいるよ。」と夫。
指さすほうを見上げると、ピーちゃんはカーテンレールにとまって
楽しそうに高らかに歌っているのだった。

え!?かごの戸を閉め忘れていた?
あわてて布をめくりあげてみたけれど、かごの扉は開いていなかった。
ピーちゃん、自分でかごを開けて出てしまったんだ!
そう言えば、最初のころからガチャガチャと扉をいじっていたっけ。
ついに開け方を覚えて脱出してしまったのだ。

私たちはピーちゃんの声を聞き、姿を見ながら食事をした。
ピーちゃんも、おなかがすいたら戻るだろう、とそのままにしておいたけれど
かごに入る気配はちっともなかった。
食事が終わったあとも、カーテンレールや照明の間を飛び回り
ひとりで楽しそうに遊んでいた。
私たちは、ときどき髪や頬にピーちゃんが飛ぶ風を感じながら
本を読んだり、パソコンに向かったりしていた。
それは懐かしい感じだった。

結局ピーちゃんは自分からはかごに戻らない。
電灯を消して、布をかぶせて捕まえたらいいのだけれど
恐がるようなこと、嫌われるようなことはなるべくしたくない。
自分で得た自由をしばらく楽しませてやろう。

もしかしてピーちゃんは、前の家にいたときも、
自分でかごを開けて飛び出してしまったのかもしれない。
これ以上、放浪はさせたくない。
つい飛んで出てしまって、この寒空の下でピーちゃんが凍えることがないように
これからは、扉が開かないように留めておこう。

せっかく開けることを覚えたのにごめんね。
また昼間にべべと一緒に部屋の中を飛んで遊ぼうね。


六本木で 2003年11月30日(日)

今年最後の万華鏡教室では、
クリスマスらしい夢のある万華鏡を作った。
手回しのオルゴールを動かすと、
小さなオーナメントの乗ったメリーゴーラウンドが回転する。
その中心が万華鏡になっていて、屋根のてっぺんから覗くと
「星に願いを」の音色に合わせて、ガラス細工の映像が変わっていく。
小さい宝物がまたひとつ増えた。
壊れないように、ビニールでくるんでそっと紙袋に入れ
仲間たちにさよならを言って、賑わう六本木の街に出た。

夕方からは、夫と待ち合わせをしていた。
どこに行くかは決めていなかったけれど
思いついて、まだ見ていなかった六本木ヒルズに行くことにした。
ただでさえ華やかでおしゃれな街が、クリスマスが近づいて
いっそうロマンチックなムードに包まれていた。
ショーウィンドウも、街路樹も、大きなクリスマスツリーも
人々の顔も、きらきら輝いて見えた。
青白い星をまとったように光る並木道の向こうに
赤くぼんやりと光る東京タワーが暖かかった。
人工的な東京の風景も、夜には、この季節には、とても美しい。
眺めていると、何か懐かしい気持ちを思い出すようだった。


ピーちゃんとべべとジュジュ 2003年11月29日(土)

べべと一緒にピーちゃん(仮称)をかごの外に出して遊ばせた。
高い幼い声で鳴きながら部屋の中を飛び回る。
べべの後をついて、カーテンレールからカーテンレールへ。
照明のチェーンからかごの上へ。
少し危なっかしげに、それでも楽しそうに部屋を探検していた。

おなかのすいたべべが、先に自分のかごに戻った。
餌をついばみ、止まり木で一息ついて、もうかごからは出なかった。
ピーちゃんはまだカーテンレールの上。
放たれて、また小さなかごに帰るのが惜しいのか、
しばらくひとりで遊んでいた。

やがてピーちゃんも自分からかごに入っていった。
あ。でもそれはべべのかごよ!
ピーちゃんのかごは隣よ。
よりによって、怒りっぽくて気の強いべべのかごに入らなくても。
さらにぴーちゃんは、べべのかごの餌を食べ始めたのだ。
大変!
きっと叱られる…。

ただでさえ食いしん坊のべべ。
ほかの鳥のかごに入って、ちゃっかり餌を食べたりするのだ。
そのかごの鳥が近づくと「何よ!ちょっと食べさせてよ!」と
開き直って怒ったりするほどなのだ。
それが、自分の餌を食べられたりしたら、どんなに怒ることか。

どうなるかと、ドキドキして見守った。
自分のかごに入ってきて、餌を食べ始めたピーちゃんを見て
べべは止まり木から降りてきて、たしなめるように「チチチ」と言った。
でもピーちゃんはかわいく首をかしげただけで、また餌をつつき始めたのだ。
さあ、叱られるぞ!と思っていたら、べべは黙って止まり木に戻ったのだった。
そして「しかたないわね」と言った感じで、優しくピーちゃんを見守っているのだった。
ピーちゃんは無邪気に一生懸命、べべの餌を食べている。
べべはそれをおだやかに見守っている。
心がほんわり暖かくなるような優しい風景。

べべは、ピーちゃんがまだ子どもだとわかって寛大なのだ。
慕ってくれるピーちゃんをかわいいと思っているのかもしれない。
べべにこんな一面があったなんて。
べべちゃん、やるじゃない!と見直してしまった。

そしてジュジュはと言うと…。
いくら子どもでも男同士、自分が先住者。
ピーちゃんには厳しいのだ!
好奇心いっぱいに、かご越しに近づいてきたピーちゃんの足を
思いっきり噛んだりしている。
ピーちゃんは悲しげな声で「ピー」と鳴く。
「ほらほら、ピーちゃん、痛かったら逃げればいいのに。
 ジュジュちゃん、あなたも大人げないよ。」
私はあわてて2羽を引き離す。

ピーちゃんがうちに来てもう2週間。
まだ飼い主さんは見つからない。
そして少しずつうちのインコたちとの関係もできあがってきた。
このままうちの子になるのかな。


万華鏡といっこく堂 2003年11月27日(木)

友だちと一緒に青山で開かれている万華鏡の展覧会に行った。
山見浩司さん、まさしく日本の万華鏡作家の第一人者だと思う。
ステンドグラスと繊細なはんだで作られた外見も
もちろん美しいのだけれど、それを覗いてみたら!
まるで宇宙空間を遊泳しているよう。
なんて美しい幻想的な映像。
覗いて見なければわからない万華鏡の世界。
びっくりして不思議で嬉しくて、笑い声が出てしまった。
すっかりトリップ、トリップ。
みごとに磨かれた「技」の数々に時間を忘れた。

夜からは、妹に誘われて、夫や妹の友だちも一緒に
有楽町のホールで催されるいっこく堂のライブに行った。
幸運にも妹が招待券を当ててくれたのだ。
始まる前からみんなにこにこうきうき。
腹話術のライブってどんなだろう?
そんなに長い時間、できるものなのかしら?
始まったら、すっかり夢中!
あっという間に不思議な世界に入り込んだ。

休憩を挟んで2時間もの公演の間、舞台に出ている人間は
いっこく堂さんたったひとりだった。
それなのに、大勢が出てくるお芝居を見ているよう。
どう見ても、しゃべっているのは人形の方だ。
みんな違うキャラクターと声を持っている。
いっこく堂は宇宙人かもしれない。
いっぱい笑って、しんみりもして、そして不思議で。
一瞬も飽きることのない2時間だった。
これこそが「芸」だと思った。

万華鏡といっこく堂と。
すばらしい技と芸を堪能した1日だった。

それにしても青山と有楽町、
クリスマスムードいっぱいのきらめく街を歩く人はみんなおしゃれに見えた。
ひさしぶりの都会は刺激がいっぱい、そして目の保養になる。
私もOL時代を思い出して、帰り道はちょっときびきびと歩いてみたりした。


鉢の冬ごもり 2003年11月26日(水)

明日から寒くなると言う。
寒さに弱い鉢物たちを家の中に取り込んだ。
かわいそうに、カトレアやデンドロビウムまで
ガーデンテーブルの上で冷たい風に吹かれていたのだ。
よく元気でいてくれたものだ。

幸い、朝飲んだ薬が効いて、歯も今は痛まない。
陽だまりで、一鉢一鉢点検し、枯れた葉や枝を取り除き
ほこりを払い、鉢をきれいに拭いて部屋の中に運んでいった。

小さな洋蘭たち、友だちからいただいて増えたハカラメ、
ご近所からいただいた八重のカランコエ。
それぞれと出会ったときのことを思い出し
あらためて見直して、今年の成長を喜んだ。

リビングの出窓は緑でいっぱいになった。
ここなら凍えない。
東向きのこの窓には午前中いっぱい日が当たる。
春が来るまで、ここで暮らしてもらう。
ここで大きくなっていくのを見守れる。
夕方、ランプ越しの光に照らされて、
暖かそうに葉を伸ばす鉢の花たちを見て、ほっとした。

まだいくつか取り込むものが残っている。
八丈島から連れてきたハイビスカスやブーゲンビリアも中に入れたほうがいいね。
冬の間、部屋の中は植物たちで明るく賑やかになる。
暖かい部屋で一緒に冬ごもりをしよう。


歯が痛い… 2003年11月25日(火)

1ヶ月くらい前から、なんとなく奥歯がうずいていた。
でも風邪のせい、熱があるせいだと思っていた。
実際、何年か前、歯が痛いので歯医者さんに行っても異常がなくて
「熱があるのではないですか?」と言われて(本当にそうで)
歯磨きだけして帰ってきたことがあったのだ。
今回もきっとそう。
だって鏡で見ても、どこも虫歯になっている様子はないのだもの。
すっきりと風邪が治れば、歯痛も治るはず。

ところが昨夜、ついに右の奥歯に穴を見つけてしまった。
歯のてっぺんではなく、横っちょ。
歯茎のすぐ上に、ぼっこりと穴があいていたのだ。
あぁ、これは痛いはず。
穴があいているとわかると、よけいに痛くなった。
すぐに歯医者さんに行きたくなった。
風邪なら寝ていたら治ることもあるけれど
歯だけは放っておいて、自然に治ることはないものね。

今朝一番で、かかりつけの駅前の歯医者さんに電話して予約を取った。
早く、早く治してもらいたい。
外は久しぶりのざんざん降りだけれど、雨だからと言ってこれはキャンセルはできない。
大雨の中を走るバスに乗って、ちょっと気の重いお出かけだ。
早く治療はしてもらいたいけれど、やっぱり歯医者さんに行くのは楽しくない。

バスは予約時間の30分も前に駅についた。
歯医者さんと同じビルにある本屋さんで時間をつぶした。
とてもかわいい猫の絵に惹かれて、本を1冊買った。
そしてエレベーターで3階に上がり、歯医者さんのドアを押した。
ちょうど1年ぶりの受付に保険証と診察券を出した。
長椅子に座り、買ったばかりの本を読もうと取り出したとき、名前を呼ばれた。

案内されて、診察椅子に座る。
すかさず紙製のエプロンをかけられ、椅子が倒された。
カルテを見ながらいつものお医者さまがみえた。
「1年ぶりですね。今日はどうされました?」
私はかくかくしかじかと説明し、ここです、と口をあけて指し示した。
「あぁ〜。大きな虫歯になっていますね!麻酔をしましょう。」

痛くない痛くない、と心の中で唱えているうちに麻酔の注射は終わった。
歯茎もほっぺたも感覚がなくなってくる。
もちろん歯の痛みは全然ない。
そこをガーガーと、あのドリルで削るのだ。

ガーガー!
チュイーン!
ギリギリギリ!
機械の先を何回も取り替えて、私の歯は削られていった。
どんなことになっているのか、恐いので想像はしない。
ただ大きく口を開けて、目をつぶっているだけだ。
治療が終わったら、あの猫の本が待っている。
あれを読むのを楽しみにがんばろう。

「結構深くて神経まで行っていました。神経を抜きます。」
と、先生が少し悲しそうな声でおっしゃった。
「はぁ…。」
と、私は感覚のない口で返事するしかない。
神経を抜くと、ただでさえ質の悪い弱い歯が脆くて欠けやすくなる。
それでも仕方がない。
お医者さまが一番いいと思われるように治療していただかなくてはいけない。

ガリガリと歯の中を削り、ピンを刺してレントゲンを撮った。
薬を詰めて、とりあえず穴をふさぎ、今日の治療は終わった。
「しばらく通ってください。こちらの歯は使わないように。
 それから、痛むかもしれないので薬を出しておきました。」
と先生はおっしゃった。

受付で、会計と次回の予約をした。
「とんぷく薬」と書いた紙袋を渡され、「痛んだら飲んでください」と言われた。
「それから、とっても痛むようだったら予約の前でもすぐに来てくださいね。」
と、受付の女性に念を押すように言われた。
う〜ん、これは本当に痛みそうだ。
脅かされたようで、ちょっと恐い。

全然小降りにならない雨の中、またバスに乗って頬を押さえながら帰った。
頬の感覚はまだないけれど、熱を持っているのがわかる。
ちょっと削って、詰めものをして、すぐに終わると思っていたのに
面倒なことになったものだ。

夕方になり、麻酔が切れて案の定痛んできた。
歯が脈を打っているようにずきんずきんと痛む。
頬を押さえてぐったりと横になって耐えた。
悔しいけれど(なぜか悔しい)薬を飲もうか。
これでは猫の本を読む気にもなれないもの。

そのとき、夫が帰ってきた。
「かわいそうに〜。」と笑っている。
「ああ。これは腫れているわ。」と、おかしそうに私の顔を覗き込み
ポストから取ってきた郵便物を渡してくれた。
目が覚めるような青い海と幸せそうなカップルの写真が見えた。
私は飛び起きた。
友だちの結婚の報告の葉書だった。

嬉しい!
きれい!
あー、素敵だ。
幸せそう♪

痛みが和らいだ気がした。
起きたついでに薬を飲み、ゆっくりと葉書を眺めた。
本当に嬉しい。
夫にも見せ、テーブルの上に飾るように置いた。
猫の本を読む元気も出てきた。
単純な私。

それでも教訓。
痛みは我慢しないようにしましょう。
歯医者さんには早めに行きましょう。


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