ひとりごと
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再会 2003年11月12日(水)

覚えていてくれるかどうかドキドキした。
ゆりかごの中にいたあなたは
私の匂いをかいで指をなめてくれたね。
もうそれだけで十分だったよ!
そして赤ちゃんのころのように
私のひざの上で、腕の中でぐっすりと眠って。
手のひらに伝わる懐かしい「ゴロゴロ…」と
ずっしりとした温もりが嬉しかったよ。

大きくなったね。
でも相変わらずだったね。
安心した。
幸せそうな姿を見て幸せだった。
素敵なおうちも、家族も
先輩猫ちゃんもわんちゃんもみんな優しいね。
あなたはすっかり甘えていたね。
本当に幸せ者だよ!
涙が出そうになったよ。

恵ちゃん、会えてよかった。
また会いに来るね。
元気でね。

ずっと大好きだよ。


木の実入り秋色パン 2003年11月11日(火)

小さい丸いパンは、ベリーとくるみ入り。
大きな三つ編みパンは、りんごのすりおろしとぶどう入り。
こんがり秋色に焼きあがった。

明日、友だちの家に持って行くんだ。
少し夫の分も取っておこう。



白いランタナ

まだ小雨降る中
白いランタナの花が初めて咲く。
植えて3年目の秋。

もうだめかと思ったときもあったのに
よくがんばってくれたね。
霧雨をまとったつぼみが星のようだ。


風邪気味 雨の日 2003年11月10日(月)

寒い雨の日。
この空模様では諦めがつく。
家でおとなしく過ごした。

子猫のベッドだった薔薇の模様の洗面器に
刺繍の道具をひとまとめにして
部屋の暖かいところに持って行って色の糸を刺した。
だんだん浮き上がってくる絵が冬らしくて愛らしい。

目が疲れたり、息が苦しくなってきたりしたら
暖かい床に横になって
インコのおしゃべりと雨の音を聞いていた。

帰るコールの夫も風邪っぽいと言っていたので
夕食にはこの秋初めての、具沢山の鍋焼きうどんを用意した。
湯気にまみれてふはふはと食べて、おなかの底から温まった。

あぁ、まだ秋なのに。
今日は冬っぽかったな。
風邪のせいね。


口紅 2003年11月09日(日)

昨日は元気に出かけたのに、やっぱり今日はしんどかった。
食事の支度をして、夫と一緒に選挙に行って、
それ以外はずっと眠っていた。
こんこんと眠れるこの感じはやっぱり風邪のものだ。

夜、汗をかいて少しすっきりして目覚めた。
食事をして、お風呂にも入った。
体も頭もずいぶん軽くなった。
部屋を見ると、昨日帰ってきた荷物がそのまま放ってあった。
口のあいたバッグを片づけようとして、中に光る箱を見つけた。

そうだ。
昨夜、昔の友だちに、帰り際に口紅をもらったのだった。
「女の子だけにお土産よ」って。
彼女は空を飛ぶ仕事をずっと続けていた。
大変なことも、楽しい話もいろいろ聞いた。
「結局、この仕事が好きなのよね」と笑っていた。
若々しくて、チャーミングで、かっこよかった。
小学生のころから知っている笑顔と変わらなかった。

そんな彼女からの思いがけないプレゼント。
とても嬉しかった。
あわただしくて昨日はちゃんと見ていなかった口紅を出してみた。

玉虫色に光る箱の中から現れた、紺色の半透明のキャップに包まれた金色の筒。
くるりと回すと、シックなローズ色のリップスティックが顔を出した。
つややかな薔薇色の中に、かすかに金色がちりばめてあるよう。
なんてきれいなんだろう。
見とれてしまった。

友だちからもらったことが嬉しい。
新しい口紅が嬉しい。
美しい色が嬉しい。
きりりと元気が出てくるようだ。
すぐにいつものポーチに新しい口紅を入れた。

背筋を伸ばし、おしゃれをして、薔薇色の口紅をつけて出かけてみたい。
出かけてみよう。
秋空を見上げて彼女の飛行機を探そう。


この味 2003年11月08日(土)

目が覚めたら体が軽くなっていた。
昨日よりだいぶいい。
熱も37.0℃まで下がっていたので
用心しつつ、今日は予定通りに動くことにした。

まずは、先日届いた紅玉で、りんごのケーキ作り。
素朴なこのケーキは、学園祭のカフェで出していたもので
このシーズンになると、毎年何個も焼いていたものだ。
りんごの焼ける匂いが部屋に漂うと秋が深まったことを感じる。
学校から帰った妹たちは、匂いを感じて「あぁ。秋が来たね〜。」と言っていた。
今日はこれを実家の家族に、そして古い友だちに持って行く。

ぼろぼろになったレシピを見ながら、粉やバターを量り、りんごをむいた。
私は学園祭のカフェのケーキ係のチーフだった。
ケーキ作りを担当している後輩たちから
夜中になってから作り方の質問の電話がかかってきたっけ。
みんな夜通し何個もケーキを焼いていたのだ。
このケーキは私たちのカフェの名物だった。
作りながら、いくつもの秋を思い出していた。

お昼前にケーキをオーブンに入れてしまってほっとした。
あとは時々焼き加減を見ながら、昼食の支度をしたり、
留守番を頼む夫の夕食の準備をしたりすればいい。
久しぶりにしては、ケーキもちゃんとできあがった。
あら熱が取れてからケーキを切り分け、
家に置いておく分、実家に持って行く分、友だちにあげる分をそれぞれ包んだ。
ケーキを入れた箱を2つ持って、暖かい立冬の街に出かけた。

学生時代の友だちは仕事の傍ら趣味の絵を続け、毎年グループ展を開いていた。
もうこのグループ展も15回目になるのだと言う。
行って絵を見るたびに感動し、刺激を受ける。
続けていくことってすばらしい。
神保町にあるいつもの画廊に行ってみると、最終日と言うこともあって
ほかの友だちも何人か来ていてちょっとした同窓会気分。
絵を見たあと画廊の小さな応接セットに詰め合わせて座り
お茶とお菓子でおしゃべりをした。
ほんの3切れしかない私のケーキもみんなで分け合って食べてもらった。

「懐かしい。」
「そう、この味!これよ〜。」
「このケーキ、人気だったよね。」
「もう20年ぶりくらいになるのね。」
昔のカフェのお客だった友だちが喜んでくれて嬉しかった。
素朴なケーキをきっかけに思い出話に花が咲いた。
そして友だちの絵の前で、みんなで何枚も写真を撮って別れた。
またみんなでここで会いましょう!

次は新宿で妹と待ち合わせ。
短い日は暮れて、デパートの前ではクリスマスイルミネーションが明るく輝き
幸せそうな人たちが写真を撮り合っていて、ウキウキした。
クリスマスムードいっぱいのデパートで妹にケーキの箱を渡した。
この妹は、私がせっせとケーキを作っているころはまだ小学生だった。
幼かった彼女の中に、この味は思い出に残っているのだろうか。

妹と暖かいイルミネーションの中を歩き、そこを抜けて
酉の市で賑わう新宿の街を歩いた。
私はこのあと、中学のころの仲間との集まりに参加する。
屋台から漂うおいしそうな匂いに何度も誘惑されながら
妹に送られて、仲間が待つお店へ歩いて行った。
宴会前の私はなんとか思いとどまったけれど、妹は目の前の屋台に引っかかっていた。
ソースとかつお節が湯気を立てる発泡スチロールのお皿とお箸を持ったまま
腕にケーキの入った紙袋を提げ、妹は「じゃあね〜」と人ごみの中に消えていった。
この混雑の中、無事に帰れたかしら。

両親と妹たちは、もう懐かしいケーキを味わってくれたかな。
帰りが遅くなったので、その後の話は聞いていない。
「懐かしい」と言ってくれていたらそれでいい。


風邪かな 2003年11月07日(金)

明け方、かけた覚えのない
壊れているはずの目覚まし時計に起こされた。
壊れているだけあって、どこを押しても音がとまらない。
電池を抜いて、やっと静かになって、もう一度眠った。
頭がぼんやり熱いと思った。

ちゃんと起きた朝、まだ頭が熱かった。
試しに熱を測ってみて驚いた。
37.6℃。
微熱と言うにはちょっと高い。
元気なんだけれど、たしかにちょっとだるい。
昨日まではあんなに元気だったのに。
今日と明日は久しぶりに出かける予定があるのに。
休むわけにはいかない。
念のための風邪薬を飲んで少し遅れて出かけた。

久しぶりの電車、お稽古、新しいお店、人ごみ。
のぼせたのはそのせいだ。
こんなに元気なのだから大丈夫。
でも家に帰ってきたら頭が痛くなってきた。
なんとか夕食を作り、出張から帰った夫と
数日振りに一緒に食卓を囲んだ。

う〜ん、37.8℃。
ケーキ作りは諦めて、今夜はもう寝よう。
明日は今日より楽しい予定がいっぱいなんだもの。
風邪なんかに負けていられないわ!
おやすみなさい。
明日は元気に目覚めます。


今日は炉開き。
近くなった炉が暖かい。
お香が薫る。
白い菊が目にしみた。


ごはんがおいしい 2003年11月06日(木)

夫の実家から、段ボール箱いっぱいの野菜とお米が届いた。
ばりばりとガムテープをはがすと
野菜の青い匂いとふるさとの土の匂いがふわっと香った。
ひとつひとつ包まれた野菜たちとずっしり重い紙袋に入ったお米。
そして優しい短い手紙。
いつも本当にありがたいことだ。

野菜もお米も義父が育てたものだ。
お米は新米だった。
夫が出張から帰ってくるまで待とうかと思ったけれど
きらきらの新米の魅力には勝てない。
大切なお米をカップで量り、丁寧に研いだ。
いつものようにお鍋で2合を炊いた。

お米を研いで水につけたまま20分、沸騰するまで中火、それからとろ火で10分。
火を止めて、ふたをしたまま15分くらい蒸らす。
熱いお鍋を見ながらおなかがぐうぐう鳴った。
一緒にやって来た野菜たちで、簡単な(素材を生かした!)おかずとお味噌汁を作り、
炊き立てのごはんがおいしくできあがるのをじりじり待った。

時計を見て、さあ、いただきましょう。
重いふたを開けると甘い湯気がわきたった。
その下に真っ白なごはんが輝いていた。
おいしそう!
こらえきれずにアツアツを一口お味見。
おいしい〜〜!
急いでよそって食卓に運び、ひとりで「いただきます」をした。

ごはんがおいしいとお箸が進む。
歯ごたえのある野菜もじっくりと味わう。
そしてまたごはんに戻る。
あぁ、幸せだなぁ〜。

2度もおかわりをしてしまった。
おなかいっぱい。
にこにこ幸せ。
この感動と感謝を早く伝えたくて、夫の実家に電話をした。

電話には、おっとりと義母が出た。
「お米、と〜〜ってもおいしかったです!」
と、ちょっと興奮気味に言ってしまった。
義母は、最初とまどっていたようだけれど、すぐに嬉しそうな声になった。
「そう?よかった。おいしいよねぇ。よかったわ。いっぱい食べね。」
「はい。いっぱいいただきます!」
「ひとりでもちゃんと食べなあかんよ。お米、もっと送ろうか?」
「はい。あ。まだ十分ありますけれど、またいただきますね。」
「嬉しいわぁ。ありがとうね。お父さんも喜ぶわ。」
「こちらこそ、いつもありがとうございます。お父さんによろしくお伝えくださいね!」

短い電話は終わった。
あぁ。
気持ちを伝えられてよかった。
義母の声を聞けてよかった。
ふだん私たちは何もできないのに、こうして野菜やお米をいただくだけいただいて。
両親に心から感謝。
せっかくのお米や野菜の味を生かすように、心を込めて料理をしよう。
大地の恵みを、親の心を大切に味わおう。
実りの秋。
感謝の秋。
うん?感謝はいつもしていなくちゃね。

ささやかだけれど、両親には手作りのパンを送ろうかな。


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