ひとりごと
DiaryINDEXpastwill


20年前のふわふわの夢 2001年11月11日(日)

2LDKの小さな家。
その「2」のうちの貴重な「1」なのに、
2階の和室にはめったに入ることはない。
年に1、2度友だちが泊まるときや、着物を着るときに使うくらい。
この頃はとりあえずの荷物置き場にさえなってしまっている。

半年前、妹が2つのダンボール箱を車に積んで持ってきた。
結婚する前に私が自分で荷造りして
実家に置きっぱなしにしていた思い出箱だった。
それはとりあえず和室に置かれ、そのまま昨日まで忘れられていた。

着物の手入れをしたときに、ふと思いついて開けてみた。
わぁ!出てくる、出てくる!
懐かしいけど照れくさいものばかり。
そのまんまタイムカプセル。

ひとつの箱からは、小学校から高校までのお気に入りの教科の教科書。
文集、詩集、家庭科や美術の作品、テストの答案、班日記、
修学旅行のしおり、合宿の写真、クラスの名簿。

もうひとつの箱からは、大事にしていた猫の人形、旅行のお土産の置き物、
作りかけの手芸品、おこづかい帳、日記帳。
それからガラスの瓶と木の箱…?

瓶を手にとってみて、箱のふたを開けてみて笑っちゃった。
インコの羽がいっぱい詰まっていたの。
少女の頃、やっぱりインコを飼っていたの。
パステルのふわふわの羽が大好きで
いつか羽枕にしようと思ってためていたのよ。
覚えているよ。
あー。人間って変わらないね。

20年以上前の羽はとてもきれいだった。
ふたを開けるとその頃の空気と一緒にふわりと舞った。
その羽を身にまとっていた小鳥たちはもういないのに。


記念日 2001年11月10日(土)

ロッチと初めて会ったのは小学3年生の2学期の始業式の日。
私は泣き虫の転校生だった。
教壇のまん前に座らされた私に、すぐ後ろの席から
最初に笑いかけてくれたのがロッチだった。
心細さが安心に変わって涙顔のまま笑いかえした。
その日から私たちは友だちになった。

中学3年生のある日、ふたりは私の家で人形を作っていた。
その秋初めて出したコタツに足を突っ込んで
他愛もないおしゃべりをして、小さなことに笑いころげながら。
いつもいつもふたりで過ごす時間は楽しかったけど
なぜだかその日は特に楽しくて幸せだったのだ。
それでその日を「記念日」に決めた。

翌春、ふたりの道は分かれていった。
でも私たちの仲は変わらない。
記念日は忘れない。
毎年11月10日にはどちらともなく電話をして
少女の頃にもどっておしゃべりする。
会えなかった歳月はどこかへ飛んでしまう。
離れた距離は縮まる。
私たちは幼くなる。

今年の話題は、ついさっきひょんなことから
何十年ぶりかで出て来た4年生のときの作文のこと。
私はロッチのことを書いていた。
それを電話口で読んでみた。

「そしておとなになっても友だちでいたいと思います。」

たどたどしい、だけど今と変わらない筆圧の強い鉛筆の文字で
10歳の私はそう締めくくっていた。

「よかったね。」
「うん。よかったね。友だちでいられたね。」
「私ジンときちゃったよ。」

遠く広島に住むロッチは
私の耳元でちょっと声をうるませた。


また… 2001年11月09日(金)

パソコンがごきげんななめ。
写真をいじっているとフリーズするし
インターネットはすぐに切れちゃう。
終了しようとしても画面がなかなか消えないくせに
使っているとき急に画面が真っ暗になったりする。
びくびくしながら使っているのは
パソコンが入院中のときよりよっぽどストレスがたまってしまう。

「リカバリしてみてください。
それでも調子が悪いようでしたら検査しますので持ってきてください。」

簡単におっしゃるサポートセンターのエンジニアさん。
はい。なんとかがんばってみます。
だめだったら秋葉原のなんとかビルまで持って行きます。
でも先週修理から帰ってきたばかりなのにね…。

かわいいパソちゃん、風邪ひきの私につきあって
少し休めと言ってくれているのかな。
パソコンのごきげんも私の風邪と一緒に早くなおりますように。
明日はこの冷たい雨があがりますように。


米寿のお祝い 2001年11月08日(木)

今日は着物でお出かけ。
私がもっとも敬愛する男性のひとり
お茶の先生の米寿のお祝いのお茶事だったのだ。
本当におめでたい。嬉しい。

場所は霞ヶ関や日比谷に近い大都会。
そんな中に静けさをカプセルに包み込んだような
緑でいっぱいの小さなお茶席があった。
私たちは、丁寧に水を打たれ掃き清められた露地に歓迎された。
青々としたヤツデや万両、竹の香りがすがすがしい。
葉を落とした梅の枝をシジュウカラが鳴きながら飛び交う。
土の壁に揺れる葉の影を見ているとなんだか懐かしい気持ちになる。

ひとつひとつ取り合わせを考えて選ばれた茶器や掛け物。
床の間を飾る花は清楚な白玉(椿)と照り葉。
お菓子やお料理、どれをとっても元気に米寿を迎えられた喜びと
もてなしの気持ちがいっぱいにあふれていた。

作法どおりに進める緊張感を伴いながらも
楽しいお祝いの席は進んでいった。
おいしいお酒を何杯もいただいてみんなの顔色が花のように染まった。
お点前や配膳を担当されたのは先生の家の二人のお嫁さん。
甲斐甲斐しい姿を先生の目が暖かく幸せそうに見守っていた。

先生はこの夏、最愛の奥さまを亡くされた。
明るくおおらかで影に日なたにいつも支えになってこられた方だった。
今日の席には奥さまのアイディアもいくつも盛り込まれていると言う。
それを話す先生の声は静かで優しかった。
茶室のそこここに奥さまの気配が感じられた。

黄昏に入る少し前にお茶事は終わった。
私たちは帰る前にひとつずつ内祝いの箱をいただいた。
陶芸もなさる先生はお茶碗やお茶入れ、花入れなどの茶道具もご自分で作られる。
いつもはこのようなときにはお抹茶茶碗を作ってくださった。
「今日は茶道具でなく食器です。これも家内の提案だったのです。
奥さま方にはその方が使っていただけるのではないかと。」

今回の品々は夏に入る前から少しずつ心をこめて作られたのだそうだ。
「みなさんそれぞれ違うのですよ。」
その場で開けたい気持ちを抑えて、みんな大切に持って帰った。

久しぶりの着物と長い間の正座に少しばかり疲れて
電車やバスの中ではうとうと居眠り。
気がつくたびにいただいたばかりの大事な箱が手にあることを確かめた。
家に帰って着物から脱け出てその開放感をつかの間味わい
いつもの服に着替えて慎重にそっとに包装を解く。
柔らかい白い紙の中からきらりと草色の肌が光って見えた。

真中に「寿」と彫られた深い緑の丸いお皿には
豊かに実った稲穂がひと房添えられていた。
「米寿」だった。

先生おめでとうございます。
そしてありがとうございます。
これからもいつまでもお元気で。


着物を着る日 2001年11月07日(水)

明日はお茶事。
久しぶりに着物を着て出かける日。
普段の外出はあまり考えずに服を選んでしまうけど着物は別よ。
どれを着ようか、そう多くはない着物を畳に広げて
わくわくゆっくり考えよう。

お茶事はお茶会よりあらたまっているけど
お祝いの席だから華やかな方がいいでしょう。
季節的にはどうかしら。
鴇色の地に山茶花を描いたこの友禅にしましょうか。

次は帯と帯揚げ帯締めを選ばなくちゃ。
帯はすぐに決まるけど、帯揚げと帯締めにいつも悩むんだ。
いつも同じ取り合わせにしたら楽だけど、
気分や気候で変わるのよね。

絵の具箱のような引出しを抜いて、色とりどりの紐を引っ張り出して。
ジーンズセーター姿の上から着物を羽織り
姿見の前で帯を巻きつけ、帯揚げや帯締めを合わせて見て。

かわいいピンクのふわふわ絞りやシックな芥子色の帯揚げ。
藤色に朱の糸を編みこんだ丸帯締めやきりっと締まる紅の帯締め。
どうしよう。どう思う?

姿見に写った私の後ろに覗いた青空。
そのとき持っていた空と同じ色の帯揚げが目にぱちっと映えた。

これにしよう。
そして帯締めは優しい淡い薔薇色ね。
金色の糸が蕊のように織り込まれているよ。
こんな取り合わせ、いかがでしょう?

今、真っ白な半襟を長襦袢に縫い付けました。
足袋も草履も用意しました。
明日はきちんと早起きしてあわてず支度ができますように。
きりりと冷えた街の中へ背筋を伸ばして出かけましょう。


空の真珠貝 2001年11月06日(火)

強い風に回されて
幻灯のような今日の空。
鈍くねずみ色に沈んでいたり。
インコの胸のように青く輝いたり。
羊のように白い雲が群れたり。
太陽が葉を赤く照らしたり。

散歩道、顔にあたる陽射しが淡くなった。
仰いでみたら雲は虹色の真珠貝。
見とれているとコロンと一粒飛び出した。
まっすぐな光が目にささった。

日なたが嬉しい季節。
明日は立冬。



種たち

ぱんぱんにおなかを膨らませた封筒がポストで待っていた。
やっと届いた12袋の種たち。
テーブルの上に扇形に広げてうっとりと眺める。
心はもうパステルの花畑。

こんな時期に蒔くことになってごめんね。
一緒に冬を乗り切ろうね。春には明るく花を咲かせようね。


私のパソコンがない日々 その3 2001年11月05日(月)

先ほど、またパソコンがトラブルを起こして
珍しく早く夕方から書いていた今日の日記が消えてしまった。
やっぱり「異常あり」だったよ〜!

気分を変えて、あの目標について。

×1.この1週間の間に球根を植える。
  植えるどころか、また買って増やしてしまった。
  いつになったら植えられることやら。

◎2.「千と千尋の神隠し」を観る。(他にも観たい映画はいっぱい)
  観た!
  噂に違わないすごい映画だった。ちょっと怖くてドキドキしたところもあったけど。
  いつまでも心に残って何度も思い出すような気がする。
  最後の歌声が今でも耳に甦ってくる。
  映画は他にも「ブリジット・ジョーンズの日記」を観て大いに笑う。

○3.この秋で最後になってしまう向ヶ丘遊園のバラ園を見に行く。
  見て来た!
  たくさんの美しい秋薔薇の中で夢見心地。また行こうと思っている。
  これで閉園だなんて本当にもったいない。薔薇たちが心配。

○4.一眼レフできちんと写真を撮る。
  父から譲られたばかりの新しい(実はうんと古い)一眼レフを
  だいぶ使いこなせるようになってきた。
  あの重量感、シャッターの音、絞りやスピードを合わせる緊張感、
  ピントが合っていく気持ちよさ、ファインダーに浮かび上がる絵、
  やっぱりいいなぁ。
  1枚1枚を丁寧に撮るから花や虫をよく見る。呼吸を感じる。
  
○5.秋のお菓子作りを楽しむ。
  家を訪れてくれた友のためにリンゴのケーキを焼いた。
  毎年作っているケーキだから失敗も恐れず楽しくお菓子作りができた。
  栗のお菓子も作りたいな。

○6.友だちに手紙を書く。
  これはいただく方が先だった。嬉しかった!
  ポストに手紙を見つけるのがこんなに嬉しいなんて。
  だから私も手紙を書いた。
  このパソなし期間に買い足したレターセット3組、ポストカード10枚。
  失敗して何回も書き直した。

×7.本棚の整理をする。
  ダメ〜!整理をする前に本棚の前に座り込んで読みふけってしまった。
  昔好きだった本を今読んで、やっぱり大好きだったり
  あっさり読み終わってしまって拍子抜けしたり。
  本棚の整理は半分も進まず。

△8.ずっと読みたかった本を買って読む。
  大きな本はやっぱりなかなか買えなくて、
  手軽に買える文庫本ばかり増えてしまった。
  夫が図書館から借りてきた本「脳男」が意外とおもしろくて一気に読んだ。
  
△9.作りかけのハーダンガー刺繍を仕上げる。
  仕上がりはしなかったけど、めどはたった。
  自信がなかったピコットがうまくできるようになってきた。
  もう一息!この調子でやってしまおう。

△10.作りかけのキルトに少しでも手を入れる。
  少しでも…だから○になるのかな?
  本当に少し縫っただけ。
  でも久しぶりの布の感触には心が安らいだ。

△は多いけど×が2つだけだからまあまあかな?
思ったよりいろいろなことができて充実した毎日を元気に過ごせた。

番外編
○11.友だちと楽しいひと時を過ごした。
○12.ごちゃごちゃのお裁縫箱の整理がやっとできた。
○13.ビーズのアクセサリーが何個か作れた。
○14.好きな音楽を「ながら」でなくじっくりといっぱい聴いた。
○15.早寝早起きの生活ができた。

やっぱり夏休み明けの子供の感想文のようね。
私の夏休みはこうして終わり、気がついたらすっかり秋が深まっていました。

でもパソコン、本当に大丈夫かな…。


Toto&Bebe |HomePage