知らぬ間に蕾ふくらみ春の音耳を澄まして聴く独り言
ひっそりと静かに佇む
本当は見つけて欲しい
決して独りではないけれど
独りになりたがっている
春と呼ばれたいのだろう
それほどにまで誇らしく
満ち足りているのだった
呟けば届くだろうか
どうか耳を澄ましてください
私の声は春の音です

よほどプライドが高いのだろう。
それとも己惚れているのだろうか。
自分の声が春の音などどよく云えたものだと思う。
いい年をして何をほざいているのやら。馬鹿じゃないのか。
書いている時には心地よくてならない。
けれどもこうして夜になって読むと酷く愚かに見える。
もしかしたらこれは自慰行為なのかもしれない。
私は恥ずかしくないのだろうか。
同僚がとうとう「貢君」になってしまった。
今日は5本も煙草を貢いでくれた。
こんな関係は一刻も早く絶たなければいけないと思う。
家では吸えないが職場だと吸える。それって何かが間違っている。
そもそも私はもう吸いたくなかったはずではなかったのか。
誘惑をしてくれと同僚に頼んでいる訳では決してない。
何が本当の優しさなのか同僚も分からなくなっているのだろう。
もう一本も要らないとはっきり言った方が良いのかもしれない。
私はなんだか泥沼の中に居てもがき続けているようだった。
幸いと言って良いのか週末となり月曜日まで職場に行けない。
禁断症状は酷くなり今以上に苦しくなるだろうけれど
なんとしても乗り越えて楽になりたいと願ってやまない。
無いものねだりをするつもりはない。
在ると思うから欲しくなるのだ。
息白く霧のようになりながら私を包む迷わぬようにと
何処に向かっているのか
わからなくなる時がある
真冬の道は厳しくて
凍りつく日もあるけれど
踏みしめるように歩いて来た
息だけが頼りに思う
信じなくてどうする
やがては春に辿り着くだろう
私は迷わず歩き続けて行く
この道しかないのだ

今朝は昨日の朝よりも冷え込んでいたようだ。
家の中に居て吐く息が白くなることなどめったにない。
すぐに暖房をつけたが暖かくなるまでずいぶんと掛った。
寒さと禁断症状に耐えながらなんとか詩らしきものを書く。
気づけば毎朝同じようなことばかり書いている。
マンネリ化しているのだろう。自分でも辟易としているのだから
読まされている人達はきっとうんざりしているのではないだろうか。
いつまでたっても自信がない。それなのに私は諦めることをしない。
職場に着いたら同僚がまた「ラッキーストライク」を置いてくれていた。
吸ってはいけないと思いつつどうしても我慢することが出来ない。
ずるずるとこんなことを続けていたら禁煙がどんどん遠くなる。
でも節煙にはなっているだろう。自分を許してやるべきだろうか。
なかなか一筋縄ではいかない。これは長い闘いとなりそうである。
午後は整形外科の通院日であった。
受診しても足の痛みが治るわけではなくなんだか虚しい。
ただ親身になってくれる医師の存在だけが有難くてならない。
ふといつまで通い続けるのだろうかと思った。
70歳は目前である。だとすると80歳だろうか。
その頃には手術も出来ているかもしれない。
足が不自由になり娘達に迷惑を掛ける訳にはいかないと思う。
それならばいっそ死んでしまった方が良いのではないか。
あれこれ考えていると生きることもそうそう容易くはない。
それでも生きたくてたまらないのだからそれこそが欲だろう。
一本の煙草を欲しがるのも欲である。
どうすればすべての欲を断ち切れるか真剣に考えなければいけない。
氷点下その冷たさに負けまいと燃やす命の逞しきかな
燃え尽きることを怖れてはいけない
たとえば一本の蠟燭のように
炎は揺らぎ続けていたとしても
吹き消すことは誰にも出来ない
ほんとうは心細くてならないのだ
あとどのくらいなのか知りたくて
命の在りかを訪ねようとしている
強く逞しくなれ

今朝は各地で厳しい冷え込みとなり軒並み氷点下を記録したようだ。
10年に一度の寒波だと聞いていたが
今日には観測史上初の寒波だと言う。それが正解なのだろう。
そうだとすると生れて初めて経験する寒波と云うことになる。
その割には不思議と耐えられた。寒さに慣れて来ていたのだろうか。
昨日夕方降った雪が積雪となり粉雪どころかもう固くなっていた。
道路は真っ白でバリバリに凍結していて危険極まりない。
孫達の小学校は始業時間が一時間遅くなると連絡があった。
私も一時間ほど様子を見て家を出たのだけれど
いくら冬タイヤだと云っても恐怖心でいっぱいになった。
交通量が少なく渋滞こそなかったが皆のろのろ運転であった。
普段の倍くらい時間が掛ったが無事に職場に到着する。
今までは積雪があると仕事を休んでいたので
今日はなんだか誇らしくてならなかった。
日中は晴天に恵まれ雪がどんどん融けていく。
帰りには通行止めになっていた自動車道も通ることが出来た。
寒波のピークは通り過ぎたらしい。
まだまだ春は遠いのかもしれないけれど
私のこころの中にはほっこりとした蕾が膨らんでいる。
| 2023年01月24日(火) |
奇跡のラッキーストライク |
寒空に羽ばたくことが出来るなら春に手紙を届けに行こう
ふっくらとした蕾
きみには希望があり
信じる明日があった
私は羽根を広げている
大丈夫まだ千切れていない
傷口に息を吹きかけてみる
出来ることがきっとあるだろう
こんなにも生きているのだから
手紙には「いのち」と書いた
春に届け

とうとう10年に一度という大寒波が襲って来た。
夕方には気温が氷点下となり本格的に雪が降り始める。
30分もすればもう一面の銀世界であった。
孫達が雪に触りたいと言い外に飛び出して行く。
粉雪らしく雪玉は作れなかったようだ。
雪には詳しくないけれど湿度によって雪質が変わるのだろうか。
明日には雪だるまが作れたらきっと喜ぶに違いない。
それにしてもこの大寒波。暮らしに支障がなければ良いが
停電になったり水道管が破裂したりしたら大変なことになる。
道路事情も悪くなりそうで不要不急の外出を控えるようにと言っている。
不安なことを考え出したらきりがない。まあなるようなるだろう。
立春まであと10日程である。終わらない冬はないのだと思いたい。
今日は職場の喫煙所にさりげなくそっと煙草が置いてあった。
吸殻を漁り続けている私を同僚が見かねたのであろう。
嬉しいような困ったような複雑な気分であった。
吸ってしまえば元も子もない。けれども誘惑に負けてしまった。
それは「ラッキーストライク」という煙草で結構なお味である。
一本だけのつもりだったので3度に分けて少しずつ味あう。
その時もうこそこれが最後だと思っていた。
同僚の心遣いは有難かったが心を鬼にして欲しいと願う。
「私に餌を与えないで下さい」と背中に書いておかねばならない。
気分は養豚場の豚だと言っても良いだろう。餌を食べなければ
殺されて食肉になる運命からも逃れるられるのではあるまいか。
そんな馬鹿げたことを今夜も懲りずにほざいている。
家ではヤメルンジャーのお世話になるしかないのだが
ついさっきライターでそれに火を点けてしまった。
プラスチックの焦げた匂いがして私はまた自己嫌悪に陥るのである。
野に雨が霧のように降っている枯れてしまうな名もなき花よ
まるで見捨てられたかのように
ひっそりと咲く野の花があった
まだ春は遠く
夢ではないかとひとは云う
水を求めていたのだった
これほどにも渇いていて
生きていられるだろうか
枯れることを怖れてはいない
霧のように雨が降っている

いかにも詩のように書いてあるがこれは詩ではないと思う。
読めば読むほど「ん?」と声が出そうになる。
アンバランスなのだ。言葉同士が背を向け合っているような気がする。
そもそも「名もなき花」を自分に重ねようとしているところが
愚かで滑稽ではないだろうか。枯れ尾花のくせになにさと言いたい。
でも禁断症状にもめげずよくもまあ書けたものだと感心もしている。
とにかく試練なのだと思って書き続けてみるべきなのだろう。
そのうちもう少しまともなものが書けるようになるかもしれない。
相変わらず苛々が納まらず今朝は運転中に怒鳴り声を上げてしまった。
前方を時速30キロで走っている軽トラックがあって
追い抜くようにと窓から手を出し合図をしてくれたのだけれど
咄嗟に腹が立ってしまって「このクソジジイ道路を走るな!」と
大声が出てしまったのだった。今の誰?私?と信じられない。
禁断症状はどうやら穏やかな性格まで変えてしまったようだ。
職場に着いたら看板猫のみい太がにゃあにゃあと鳴いて煩い。
事務所のドアを開けようとしたらみい太にぶつかってしまった。
決してわざとではなかったが痛かったろうと思う。
「みい太ごめんね」と言えない。私は「この馬鹿猫が!」と怒鳴っていた。
性格と云うか人格まで変えてしまうものなのか。
私はこの先どうなってしまうのだろうと不安でいっぱいになった。
とにかく落ち着こうとシケモクを探したがもう自分の吸殻は無い。
仕方なく同僚の吸殻に火を点けてしまっていた。
まあ弟みたいなもんだからとあまり抵抗は感じなかった。
それにしても短い吸殻で指が火傷しそうである。
同僚がわざとそうしているような気がして恨みたくなった。
なんと嫌な性格だろう。これも禁煙の後遺症なのだろうか。
愚痴りたくもなってしまって禁煙に成功したお客さんと語り合った。
辛いのは一時のことなのだそうだ。乗り越えたらそれは楽になると。
今はそれが夢のような話に思えるけれどやるっきゃないと思っている。
煙草を買わなくなって一週間が経った。
今日は迷うことなくお刺身を買った。
| 2023年01月22日(日) |
そして私は途方に暮れる |
冷たさにふうっと息を吹きかけて心の暖炉に火をともした
まだ序の口の寒さなのだろう
やがて冬将軍が勇ましく
馬に乗って襲って来るらしい
逃げることは出来ない
受け止めるしかないだろう
私は闘う武器など持っていない
あるのは息ばかり
心には暖炉があって
火をともせば命が燃える
ぬくぬくと

猛烈な寒波が襲って来るのだそうだ。
予報では水曜日から木曜日に掛けてらしい。
朝の気温が氷点下5℃とか7℃とか言っていて想像もつかない。
どれほどの厳しい寒さだろうか。不安で怖ろしくなって来る。
「心に暖炉」相変わらずの駄作であるが少しほっとしている。
私は寒さをきっと受け止めることが出来るだろう。
連日の禁煙日記となり申し訳ないが
今日はルンペンスモーカーをしている現場を娘に見つかってしまい
「汚い、不潔」と罵られさすがの私も参ってしまった。
それだけでは済まず娘が吸殻をすべて捨ててしまったのだった。
ルンペンとして街を彷徨うわけにもいかずもう途方に暮れるしかない。
唯一の頼みは「ヤメルンジャー」であったが昨夜の気迫は何処へ。
闘って欲しいのに闘ってくれないのだ。なんでやねんと思うばかり。
ついにここまで追い詰められてしまったか。
もう私の頭の中には「絶望」しかない。
困ったことになってしまった。いったいどうすれば良いのだろう。
正解は簡単なことである。とにかく禁煙を実現させることである。
自分次第なのだ。強く逞しい意志を持たねばならない。
負けるな私。今が正念場なのだ。なんとしても乗り越えようではないか。
ほざくことはいくらでも出来るが
ふとこの言葉に出来ないような苦しみを解る人がいるだろうかと思った。
他人事ではないと言ってくれる人が一人でもいるだろうか。
「一緒に頑張りましょうね」と言ってくれたらどれほど励みになるか。
そんなことを思いながらやっぱり私は馬鹿だなと思う。
人に頼ってどうする?それほど自分が信じられないのか。
とにかく私はしばらく途方に暮れていようと思う。
どうかそっとしておいて下さい。
| 2023年01月21日(土) |
禁煙戦隊ヤメルンジャー |
しんしんと冬は深くなるけれど梅花一輪こころに咲く
見失ってはいけない
冬は厳しい顔をして
冷たい風になるけれど
生まれたばかりの春が
微かに息をしているようだ
純白の一輪が微笑んでいる
冬を怖れずに咲いたのだと
それは誇らしげな顔をして
私はほっとして空を仰いでいる
こころは春だ

いつも私の詩を読んでくれている宮城県在住のK子さんが
「ほっこりとします」とコメントを届けてくれた。
私はそれだけで満たされる。相変わらずの駄作ではあるが
誰かの心にそっと触れることが出来て嬉しくてならない。
明日の朝も書けるだろうか。書くことに集中できるだろうか。
ある意味一心不乱であった。禁断症状がまだ辛くてならない。
禁煙パイポにも色んな種類があって今日はブラックパイポを買い求める。
その名も「禁煙戦隊ヤメルンジャー」と愉快な銘柄であった。
黒い箱に入っておりなんだか危険なパイポにも思えたが
おそるおそる吸ってみたら微かにミントの味がする。
これは良いかもと思う。しばらくお口の友になってもらおう。
そのうち飽きるだろう。そうして馬鹿らしくなるだろう。
その時こそがヤメルンジャーの勝利なのではあるまいか。
とにかく試行錯誤をしている。これ以上苦しみたくはないし
少しでも精神的に楽になりたくてたまらない。
愚かなことは百も承知しているがもう自分を責めない。
それなりに努力していることを褒めてやりたいと思っている。
ヤメルンジャーは勇ましく今夜も闘っている。
頑張れ負けるな。どんな時も私は君たちの味方であるぞ。
|