ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2022年11月03日(木) 主婦冥利

今日もほぼ夏日となり随分と暖かだった。

ぽかぽか日和に誘われて蝶々が飛んでいるのを見た。

ふと寒くなったら死んでしまうのだろうかと思う。

みんな精一杯に生きている。どんなに小さな命も愛しいものである。


今朝は足の痛みが薄れており庭いじりをしたくなった。

夏の名残の日日草がまだ咲いていたけれど思い切って引き抜く。

きっとこぼれ種が落ちていることだろう。来年の夏が楽しみだ。


秋らしい花をと思い近くの「彩り市場」で小菊を二鉢買って来る。

それはたくさんの蕾で日に日に花開くことだろう。

プランターに植え替えしばしうっとりと眺めていた。

菊は管理さえ疎かにしなければ毎年咲いてくれるのではないだろうか。

枯らしてしまわないよう見守ってあげなくてはならない。

他にはカランコエ、ゼラニウム、ビオレなど

猫の額ほどの狭い庭ではあるが花を育てる楽しみがある。





お昼にはお好み焼きを作った。4枚分の粉で二人分なので

それは大きなお好み焼きになり「さあ食べるぞ」と気合が入る。

夫は昼間っからビール。それは大目に見てやることにした。

とても美味しかったけれど満腹になりとても食べきれない。

ふうふう言っていたら夫が食べ残しを私のお皿に移した。

「勘弁してよ」と苦笑いしながら残さずすべて食べ尽くす。

お腹が破裂しそうに苦しい。起きていられずすぐに寝転んでしまった。

それからなんと3時間もお昼寝をしてしまっていた。



洗濯物を取り入れる時は主婦冥利に尽きる。

これほどの幸せがあるだろうかと思わずにいられない。

あやちゃんとめいちゃんのお揃いのズボン。

可愛らしいパンツや靴下。思わず抱きしめたくなるほどだった。

洗濯物を干すのも好きだけれど畳むのはもっと好きだ。

まるで愛しさの再確認をしているような行為であった。


夕飯のメインは豚カツ。ご近所さんから頂いた里芋と豆腐の煮物。

チンゲン菜の中華風卵とじ。サニーレタスと生ハムのサラダ。


娘と孫達はダンス教室に行っており帰宅してから食べるのだそう。

娘婿は夜釣りに行っておりまだ帰宅していない。

テーブルの上にはすっかり冷めてしまった料理が佇んでいる。





2022年11月02日(水) 愚かさの果てに

気温が夏日に近いほど高くなり汗ばむような陽気となる。

油断をしていたらまた一気に寒くなるのだろう。

立冬も近くなった。心の準備をしておかなければいけない。



ずっと待っている郵便が今日も届かず

そろそろ諦める時が訪れたように思う。

口惜しさよりも情けなさが勝り自分がどれほど愚かだったか

今更ながらに思い知らされ涙も出ないのだった。


授賞式には何を着て行こうかなどと馬鹿げたことも考えていた。

まるで宝くじを買って当たった時のことを考えるのと似ている。

所詮夢は夢である。才能があってこその夢だったのだろう。


崖っぷちに立ち追い詰められ「負けるもんか」と思っていた。

精魂込めて命がけで書いた詩が藻屑のように散っていく。

それは「認められたい」欲に対する罰なのかもしれない。

それならば打ちのまされようと覚悟も少し出来てきたように思う。

鞭はいくらでも受けよう。これ以上傷つくことはないだろう。

とことん罵倒すればいい。それでも私は生きることを忘れない。


人生はまだまだこれかららしい。

定命が尽きることを怖れるよりも定命を信じてみたいと思う。


最後の最期に「いい人生だった」と思えるような私でありたい。



2022年11月01日(火) 貧乏もあとどれくらい秋の暮れ

雨の一日。久しぶりにまとまった雨が降る。

畑の作物などには恵みの雨となったことだろう。


そうして11月が始まる。霜が降りる頃なので霜月と云うのだそうだ。

「立冬」「小雪」と続き季節は急ぎ足で冬に向かおうとしている。

今年もあと2ヶ月なのか。あっという間に一年が終わってしまいそうだ。

やり残したことが沢山あるように思うけれど

出来なくなってしまったことの方が多いような気がする。

それを歳のせいにしてしまうのもなんだか口惜しくてならない。

「六十を越えてからが始まりだ」と云うけれど

私はいったい何を始めれば良いのだろうか。





山里の地場産店「じまんや」で新鮮なほうれん草を買い求めた。

大きな束で150円の安さ。街のスーパではとても手に入らない。

他にも大根菜や葉にんにくもあったが一度に買っても食べきれない。

毎日仕事帰りに寄ってみようと思う。明日は大根菜を買おうか。


スーパーに寄って驚いたのはまた値上げの嵐であった。

牛乳が高くなっていた。一番安い低脂肪乳を買うしかない。

食費の節約にも限度があってしばらくは頭を悩ませそうだった。

安くて美味しいものなどそうそうあるものではない。

お刺身は買えず鯵の干物を買ったけれどそれでも結構高いのだ。


貧乏人の所帯じみたことばかり書いて申し訳ないけれど

もっかの切実なモンダイとしてここに記しておく。

それは決して我が家だけのモンダイではないのではないだろうか。

物価が上がっても収入が増えるわけではない。

お国は助けてくれないとなればひたすら耐えるしかないのだろう。


娘達から毎月の食費はもらっているけれど足りたらない現実もある。

値上げを提案してみようかと思うだけで切り出せずにいる。

「角が立つからそれだけは言うな」と夫は言うのだった。

おまけに「そのうち出て行くだろう」とも言う。

それもそうそう遠くない日かもしれないと私も思っている。


以前は考えるだけで寂しくてたまらなかったけれど

今は夫婦二人暮らしも良いのかもしれないと思えるようになった。



2022年10月31日(月) 私の素顔

10月も晦日。なんと早いことだろう。

歳を重ねるごとに日々が駆け足で過ぎていく。

背中を押しているのは誰だろう。

なんだか得体のしれないものが後ろに居るような気がする。


先月末に精魂込めて書いた詩の行方が気になってならない。

もし入選していたらそろそろ通知が来る頃であった。

今日も郵便は届かず肩を落としそうになりながら

未だに「負けるもんか」とまるで意地を張っているような私だった。

駄目で元々なのかもしれない。期待しすぎるとよけいに辛くなる。

潔く諦める覚悟も必要なのではないだろうか。






ここに書くべきかずいぶんと迷ったけれど

今朝はとあるSNSである方の発信をミュートさせてもらった。

決して不快な発信ではなかったけれど気に障って仕方なかったのだ。

どうやら小説を書いているらしいが誇示し過ぎていると思った。

自信が無いと言いながら結局は自慢話なのだろう。

それが一日に何度も繰り返されるとさすがに辟易としてしまう。

私とは住む世界が違うのだと思った。離れるべきだと確信する。

顔の見えないネットの世界でご縁を頂き感謝をしているけれど

縁にも波長がある。その波長が確かに交わるとは断言できない。


離れてみるとずいぶんと救われたように思う。

もう心の琴線に傷を付けることもないだろう。


「人の振り見て我が振り直せ」と云うが私も気をつけたいと思う。

ありのままの自分を受けとめてもらえるように努めたい。


この日記は私の素顔そのものであるけれど

もし気を悪くされた方がいたら心からお詫びしたいと思っている。





2022年10月30日(日) ラーメン日和

朝の冷え込みに少しずつ慣れて来たようだ。

まだまだこれからの寒さを乗り越えていかねばならない。

今年の冬は一段と厳しい寒さになるとのこと。

「かかってこい」と勇気を出そうと意気込んでいる。

何事も気の持ちようなのだ。怖気づけば負けてしまうだろう。



今日は孫達のダンス発表会だとばかり思い込んでいた。

娘が何も言ってくれないので恐る恐る訊いてみたら

今日はリハーサルで本番は来年の3月なのだそうだ。

「見に来るつもりだったの」と娘に呆れられてしまった。

めいちゃんが「ダンスがあるよ」とずっと言っていたので

すっかり今日だと思っていて私の早とちりだったようだ。



気分がぽっかりと穴が開いてしまったようになってしまって

夫に提案しまたぶらりと出掛けることにする。

無性にラーメンが食べたくてたまらなくて

先週は西に行ったので今日は東に車を走らせていた。


快晴だったので太平洋の真っ青な海が目に沁みる。

サーファーのなんと多いこと。気持ち良さそうに波と戯れていた。

黒潮町の道の駅には県外ナンバーの車がたくさん停まっていた。

連休中なら頷けるが今日中に帰るのだろうかと心配になるほど。


11時に四万十町の七子峠に着いた。有名なラーメン屋さんがある。

ケンミンショーでも紹介されたことがあり今日も長蛇の列。

開店したばかりなのに凄いなと驚いていたら

コロナ禍で入店制限をしているようだった。

入口に立札がありまず名前を書いてから入店を待つしくみになっている。

その時20人くらい待っていただろうか。気長に待つしかない。

店の外にはベンチが置いてあり座ってそわそわとするばかり。


それでも10分程で名前を呼ばれラッキーだなと思った。

夫は醤油ラーメンと半チャーハンのセット。

私は塩カツラーメンを注文した。以前から食べたかったのだ。


ラーメン屋さんのにおいって何とも言えない。

美味しそうなにおいがどんどん押し寄せて来る。

そうして運ばれ来たラーメンのなんと美味しいことだろう。

お腹はいっぱいになったけれど大盛にすれば良かったと欲も出る。


お店を出てからが愉快だった。二人で顔を見合わせて

「もう帰ろうか」と意気投合したのだった。

これではドライブと云うよりラーメンを食べに来ただけである。

それでも良いではないか。満足に勝る幸せはないだろう。

家からちょうど一時間の道のり。またラーメン旅をしようと思った。



2022年10月29日(土) コウノトリ

西の空にぽっかりと三日月が浮かんでいる。

なんだか微笑んでいるように見えて心が和む。


三日月に目と鼻と口があってにっこりと笑っている絵。

子供の頃に見た記憶があるのだけれどあれは何だったのだろう。

テレビのCMで見たような気がする。花王石鹸ではなかっただろうか。

子供の頃の記憶は曖昧で間違っていたらお許し願いたい。


そもそもテレビは小学一年生の時まで家に無かった。

東京オリンピックの年だったのだろうか父がやっと買ってくれたのだ。

「ひょっこりひょうたん島」「鉄腕アトム」などとても懐かしい。


小学5年生の頃だったか「青島幸雄のお昼のワイドショー」を見ていた。

やたらと「セックス」と云う言葉が飛び交い何の事だろうと思った。

当時の官舎は父の職場の事務所と併設されていて

父と一緒にS君と云う23歳位の若い青年が働いていた。

なんと私はそのS君に「セックスって何?」と訊いてしまったのだ。

S君は顔を真っ赤にして狼狽え「お母さんに訊いたや」と言って

逃げてしまった。私は子供心にすっかり訳が解らなくなった。

そうして母に訊いたらきっと叱られるだろうと察したのだった。


それを知ったのは中学生になって間もなくのこと。

部活中に3年生の先輩がまるで内緒話のようにして教えてくれた。

その衝撃のなんと大きかったことだろう。とても信じられないと思った。

それまで私はコウノトリが赤ちゃんを運んでくれるのだと思っていた。

私も弟も確かに母から生まれたけれど男女のことなど知る由もない。

その上に母のお腹が割れて生まれたのだと信じていたのだった。


今のように学校で性教育をするような時代ではなかった。

生理のしくみも理解できず「月のもの」がくれば憂鬱でならない。

どうして女の子だけこんな辛い思いをしなければいけないのだろうと。


中学時代は何度も転校を繰り返しやっと海辺の町の学校に落ち着いた。

親友になってくれたSちゃんが泣きながら我が家に来たことがある。

上級生の男子に浜辺に呼び出されいきなりキスをされたのだそうだ。

「にんしんした」と彼女は叫ぶように泣き続けていた。

私はとにかく彼女に性教育を施すことに専念せざるに得なかった。


私は19歳で結婚しSちゃんは確か21歳ではなかっただろうか。





2022年10月28日(金) 秋遍路ひとりふたりと続く道

朝の寒さが少し和らぎ日中もぽかぽかと暖かくなる。

今も外気は20℃もありずいぶんと過ごしやすい。


今朝は久しぶりに歩き遍路さんの数をかぞえてみた。

国道だけで5人と今の季節ならではの多さである。

つい荷物に目がいってしまうのはもう習いとなっており

野宿なのか宿泊なのか確かめるためだった。

今朝は5人とも宿泊のようでなんだかほっとする。

野宿となると何処にテントを張るのかとても気になってしまうのだ。

寝袋ではなくお布団に寝かせてあげたくてたまらなくなる。

お風呂にも入らせてあげたい。温かな夕食を食べさせてあげたい等と。

お遍路さんにとってはよけいなお世話かもしれないけれど

お節介の私はどうやらそんな性分らしい。


帰り道の県道で3人のお遍路さん。今日は計8人となった。

外国人のお遍路さんも歩いていて話しかけたくてたまらない。

言葉は通じなくても気持ちはきっと伝わるような気がするのだ。

横顔に会釈をしながら追い越して行く時、ふっと切なくなったりする。

何故だろう。自分でもよく分からないが胸が熱くなるのだった。

そうしていつも後ろ髪を引かれるような気持になってしまうのだ。





めいちゃんの顔の傷がずいぶんと目立たなくなった。

娘が「若いって素晴らしいわねえ」と言うので思わず笑ってしまう。

皮膚がどんどん新しくなっているのだろう。子供は特にそう。

ずいぶんと痛い目にあったけれどもうすっかり忘れているようだ。

大人なら鏡を見ながら溜息をついていることだろう。


明後日の日曜日にダンスの発表会があるので心配していたけれど

薄っすらとお化粧をするのでもう大丈夫だろう。

晴れ姿を見るのがわくわくと楽しみでならない。


怪我をして傷を負うこともあれば何かあって心に傷を負うこともある。

心の傷は子供ほど癒され難いのではないだろうか。

大人は常に子供を守ってあげなくてはならない。


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