| 2020年04月28日(火) |
散れない花もありました |
朝は曇り空だったけれどすぐに青空になる。
気温もあがりぽかぽかと暖かな一日だった。
あちらこちらに見事に咲いていたツツジの花が
もう枯れ始めてしまった、桜のように散れない
それは憐れでもありなんだかせつなさを感じる。
朽ちていく花びらにふと我が身を重ねてみたり。
午前中に仕事が片づき午後は早めに終わらせてもらった。
今日は買物をしなければならずおそるおそる市街地へ。
家族6人の食料を買い込むのにも限界があって
どうしても足りないものがあるのは仕方ないことなのだろう。
スーパーの店内は思ったよりも空いていてほっと安堵した。
明日は買物に行かない。出来れば明後日も行きたくはない。
帰宅するなりめいちゃんのご機嫌伺い。
今日は娘がお休みだったので例の小児科に行っていたのだった。
やはり間違いなく「りんご病」だったようだ。
ほっぺの赤みは昨日よりも薄れていてもう心配はなさそう。
今の時点での感染も無いとのこと。保育園へも行って良いと。
けれども娘と相談して来月の連休明けまで休ますことに決める。
どんなにかお友達と遊びたいことだろう。もう少しの辛抱だ。
あやちゃんもずっとずっと我慢している。それはとても健気な姿で。
今日も県内の感染者無しのニュース。
ほっと胸を撫で下ろしながらも不安な気持ちは消えなかった。
コロナが影を潜めているだけで突然姿を現すのではないか。
それくらいの恐怖心を持って過ごさなければいけない時。
「三密を避けましょう」市の放送が流れる夕暮れ時。
我が家は家族みんなの笑顔に支えられていた。
| 2020年04月27日(月) |
りんご姫がりんごを食べて |
最高気温が20℃を越えずいぶんと暖かくなる。
こちらの方言では「よいよぬくい」と言う。
そんなよいよぬくい日の陽射しをありがたくたのしんでいた。
午前10時、村の防災無線からラジオ体操が流れる。
今日が初めての試みだったようでびっくりしたけれど
咄嗟に事務机から立ち上がり体操を始めていた。
コロナ自粛で運動不足になるのを改善する目的らしい。
これはいいなと思った。毎朝続けてみようとおもう。
仕事を終えて朝来た山道をゆっくりと帰る。
昨日食料を買い込んだので今日は買物をしない日。
毎日買物をしていた頃を思うとずいぶんと楽に感じる。
何よりもそうして感染リスクを避けられることが安心だった。
帰宅したらめいちゃんが二階からすぐにおりてきて
「おばあちゃんりんごがたべたい」と。
子供心におじいちゃんには頼めなかったのだろう。
私の帰りを待っていてくれたのがなんだか嬉しかった。
真っ赤なほっぺのりんご姫が美味しそうにりんごを食べる。
お熱はもうなさそう。やっと峠を越えたのだろうとほっとする。
夕方のニュースで今日は県内の感染者無しとのこと。
家族皆でほっと胸を撫でおろしていた。
このまま感染者が出なければどんなにか救われることだろうか。
けれども決して油断をしてはいけないと改めて思う。
明日のことがわからない。それがどれほど不安なことだろう。
それでもただただ立ち向かって行く日々が続いている。
| 2020年04月26日(日) |
いつもと変わらないこと |
薄曇りの空。時おりやわらかな陽射しがふりそそぐ。
ここ数日の肌寒さがうそのように暖かくなった。
四万十川の土手にチガヤの白い穂が見え始め
季節がもう初夏に変わろうとしているのを感じる。
川仕事は暖かいほど辛く体力を消耗する。
ふうふう言いながら今日も精一杯の収穫をした。
あと二日もあれば今期の収穫が終わりそうだ。
収穫量は大幅に少なかったけれどゴールが見えるとほっとする。
めいちゃんまだ微熱があったけれど久しぶりに外の空気を。
作業場の庭で兎さんみたいに遊ぶ姿はとても微笑ましい。
ほんとうは安静にさせなければいけないのだろうけれど
娘が仕事だったので仕方なく作業場へ連れて来ていた。
ほっぺは真っ赤。足や手にもかすかに発疹が出ている。
抗生剤も効かないそうなのでどうしようも出来ないけれど
昨日相談した信頼出来る小児科医に明後日診てもらう事に。
総合病院の小児科なので週に2回しか診察日がないのだった。
最初の発熱からもう一週間。ちいさな身体で闘っているめいちゃん。
がんばれがんばれ。おねつをりんご病をきっとやっつけようね。
夕食後、今夜はお風呂を我慢しようねと言い聞かしていたけれど
泣いて抵抗する。おそるおそるのお風呂で上機嫌になった。
いまはアイスクリームを食べているみたい。
いつもと変わらないはしゃぎ声を聞きながらこれを記す。
| 2020年04月25日(土) |
今こそ空を見あげましょうよ |
今日も北風。朝の寒さを陽射しが和らげてくれる。
きらきらと眩しい空を仰いでいると何もかも忘れていられた。
こんなにも平和なのにと思う。きっと何かの間違いではないかと。
現実の厳しさに負けてなどいられない。空を見あげましょうよ。
娘夫婦がお休みだったので孫たちの心配もなく川仕事へ。
今日も精一杯の収穫を。海苔も一生懸命に生きている。
孫たちが作業場の庭で遊びたがっていたので
「川から帰ったよ」と声をかけに帰宅したら
何という事でしょう。めいちゃんがまた熱を出していた。
おまけにほっぺたが異常に赤くなっており心配なこと。
それでも機嫌が良く元気なものだから外で遊びたがるのを
なんとか宥めて我慢させる。あやちゃんも家にいるからと言って。
娘が解熱剤で様子を見ると言うので病院へは連れて行かなかった。
夕方になりやはり気になって小児科医に相談をしたところ
たぶん「りんご病」だと言うこと。元気なら心配ないらしい。
特に治療薬もなく自然に治るのを気長に待つしかないのだそうだ。
心配し過ぎてもいけないのだろう。そっと見守るしかなかった。
夕飯もいつも通りに食べてお風呂にも入る荒治療。
それから眠くなり今はぐっすりと眠っているところ。
気になって寝顔をのぞきに行けば娘に叱られてしまった。
もっか我が家は「りんご病」でいっぱいになっており
コロナの事を誰も口に出さない。それも良い事なのかもしれない。
そう思うことにしよう。一生懸命に闘っているめいちゃんだった。
真っ赤なほっぺのめいちゃんはりんご姫のように可愛い。
| 2020年04月24日(金) |
寒いほど陽射しがありがたい |
今日も風が冷たい一日。冬の名残だと思えばそれもよし。
寒いほど陽射しがありがたく感じるものだ。
ぼたん桜だろうか薄桃色の桜がまだ散らずに咲いている。
田んぼには植えられたばかりの小さな稲がちろちろと風に揺れていた。
今日も孫たちをじいちゃんに託して山里の職場へ。
オイル交換のお客さん。密接するのを気遣ってくれて
作業が終わるまでずっと外で待っていてくれた。
お茶も出せない心苦しさもあったけれどほっと安堵する。
みんながそうして用心しなければいけない時なのだ。
買物をしない日だったので朝来た山道をゆっくりと帰る。
ラジオからは「愛は勝つ」が流れていた。
「心配ないからね」と口ずさみながらちょっと勇気が出て来る。
歌の力はすごいなと思う。元気が出る歌をいっぱい聴きたい。
帰宅したらじいちゃんが洗濯物を取り入れてくれていたけれど
例のごとくで洗濯かごに押し込んであったのでしわくちゃ。
せっかく入れてくれたのにどうして文句が言えましょうか。
「ありがとうね」その一言で返って来る笑顔が嬉しいものだ。
ありがとうの力もすごいなと思う。いっぱい言いたいなと思う。
こんな時だからこそと最近いろんなことを考えるようになった。
嘆かないこと弱気にならないこと絶望しないこと諦めないこと。
精神力を高めることが免疫力にもつながるような気がしてならない。
そうして出来るだけ前向きな言葉を発するようにしましょう。
そうすればきっときっとコロナに勝てます。
| 2020年04月23日(木) |
ただつよくなることを私は選びたい |
もう花冷えでもないだろうけれど冷たい風。
忘れかけていた冬がなにか伝えたいことがあったのだろうか。
それでも春の花は咲く。おひさまは精一杯に微笑んでくれる。
まだ微熱のあるめいちゃんとあやちゃんをじいちゃんに託して
山里の職場に行っていた。大丈夫かなと気になりながらの仕事。
近所のお友達が外で遊んでいたのだそうだ。その声を聴いて
あやちゃんが一緒に遊びたがっていたのをじいちゃんが駄目だと。
あやちゃんは涙をぽろぽろ流しながら我慢したのだそう。
どんなにか一緒に遊びたかったことだろうか。
我慢してほんとうにえらかったなと思う。
私が帰宅した頃には平熱になっていためいちゃん。
今夜熱が出なければもう大丈夫だろう。
「おねつをやっつけた」と自慢げな顔は笑顔であふれていた。
ちいさなからだで一生懸命にたたかっていたのだと思う。
えらいね。そうして強くなっていくのだと頼もしくてならない。
夕方、とてもショックな訃報が舞い込む。
岡江久美子さんがコロナで亡くなってしまった。
63歳、まだまだこれからの人生だと言うのに何という事だろう。
とても言葉に出来ない悲しみと大きな恐怖心に苛まれる。
明日は我が身だと思わずにいられない現実がそこにあった。
負けてたまるもんかと思いつつ明日のことがわからない。
生きるための保障など何も無いのではと思いながら
つよくなる。ただつよくなることを私は選びたい。
| 2020年04月22日(水) |
とにかく立ち向かって行くしかない |
今日の風は北風。暖かな春風ではなかったけれど
空には雲ひとつなく真っ青な空がとても爽やかに感じた。
めいちゃんの熱がぶり返してしまった朝。
幼い子供にはよくあることだけれど長期戦になるのか。
風邪の症状は全くなく食欲もあり元気なのが何よりに思う。
娘がお休みだったのでとりあえず様子を見ることに。
あえて解熱剤は飲まさずに体力勝負に臨むことにした。
「がんばっておねつをやっつけようね」と言って。
じいちゃんと私は川仕事へ。今朝の川風は冷たかったけれど
一生懸命に身体を動かしていると寒さを忘れていた。
もう終盤戦となり今月いっぱいが勝負だと思う。
わずかな海苔でも最後の最後まで収穫してあげなくては。
「やったらやっただけのことはあるな」確かにその通り。
今年の収穫は例年の五分の一ほど。欲を言えばきりがないのだ。
作業を終えてから山里の職場に向かう。
出がけに孫たちに声をかけたらめいちゃんが「いってらっしゃい」と
言いつつ「いちごとパンがたべたい」と甘えてくれて嬉しい。
お盆にのせて女中さんみたいに運ぶと「ありがとう」とまた嬉しい。
こんなに元気なのにどうして熱がと不思議でならなかった。
仕事を終えて帰宅するとまたコロナ騒動が待っていた。
ついに我が四万十市にも感染者が出てしまったようだ。
もう逃げ場がないような不安感がひしひしと襲って来る。
夕方には市長さんから直々に市内放送があり緊迫感がつのる。
こののどかな田舎町にもそれはどうしても避けられないことか。
現実を受けとめながらとにかく立ち向かって行くしかない。
決して嘆いたり弱気になってはいけないのだと思う。
「負けるもんか」あらためてそう心に誓った夕暮れ時のこと。
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