今日も綾菜とお大師堂へ。
四ヶ月ぶりだろうか顔なじみのお遍路さんと再会する。
息子と同じ年。おまけに名前が弟と一緒なのでよく覚えていた。
複雑な事情があり職業遍路の道を選んだのだと聞いていたけれど
まだ若いのだから出来れば故郷に帰って新たな人生を送って欲しいものだ。
けれどもまだ今は帰る気にならないのだそうだ。
なにがいったい彼をそうさせているのかなんともせつなくてならない。
今日はその話には触れず、綾菜がいてくれたからずっと笑顔で。
三人でお供えのお菓子をいただく。「おへんろさんも食べたや」って。
きっと子供が大好きなのだろう。綾菜を抱っこしたいと言って
まるで赤ちゃんにするみたいに「高い、高い」をしてくれた。
事情があって別れなければいけなかった家族の事を思い出していたのかもしれない。
笑顔でいながらも胸が苦しい。そんなつかの間のふれあいであった。
| 2015年04月21日(火) |
ちいさな手を握りしめる |
穏やかな晴天。そよ吹く風が爽やかで心地よい。
川仕事に行ったもののやはり海苔がかなり弱っていて
ほんの少しだけ収穫をして帰って来た。
もう寿命だろうと言うこと。仕方ないことだなと思う。
例年ならもうじゅうぶんと思うのだけれど
今年は「もっともっと」と欲が頭をかすめる。
ここは潔くあきらめないといけないと肝に命ずる。
困ったことに暮らしのめどが立たない。
なんとかなるのだろうか。ほんとうにそうなのだろうか。
不安でいっぱいになりながらも前を向いて進むしかないようだ。
今日も綾菜を保育園にお迎えに行って一緒にお大師堂へ。
「お大師さん行く〜」ととても楽しみにしてくれている。
お供えに持って行っていたお菓子を食べたくてたまらない様子。
さあどうするかなと何も言わずに様子を見ていたら
ちゃんとお大師さんに「なむだいしへんじょうこんごう」と手を合わせ
「もう食べてもかまんね」とさっそくにお菓子を手にする姿が微笑ましい。
「おだいしさんも食べたや」ってきっとお大師さんも喜んでくれたことだろう。
ちいさな手をにぎりしめるように手をつないで帰る。
川辺にあひるさんが三羽すいすいと気持ちよさそうに泳いでいた。
初めて見るあひるに大興奮で「かわいいね、かわいいね〜」と大喜びだった。
この子のためにもと愛しさが込み上げて来る。
どんなに生活が苦しくともなんとしても乗り越えなければいけない。
ゆばーばは頑張るけん。ちいさな手をまたぎゅっと握りしめた。
沖からの風が強し。雨は小降りで幸いだった。
海苔の三回目の出荷日。軽トラックにブルーシートでなんとか運び込む。
昨日、今日と収穫を休んでしまったのだけれど
お仲間さんの話では昨日から急激に海苔が弱っているそうな。
今日が大雨だったらおそらく全滅だったことだろう。
天気予報を見ることを覚えた綾菜が「明日は晴れるがやと」と教えてくれる。
しばらくは晴天が続きそうでほっと胸を撫で下ろす。
ラストスパートや、最後の最後まで頑張りたいと思う。
今日は綾菜の保育園を送り迎えさせてもらった。
「ゆばーばと行きたい」その一言がどんなに嬉しいことだろう。
今朝も少し泣いたけれど迎えに行ったら満面の笑顔で飛び出して来た。
お約束のお大師堂へ。窓からお遍路さんの荷物が見えていた。
恥ずかしがって嫌がるかなと思っていたけれど
ちゃんと「こんにちは」ってあいさつが出来てびっくり。
新潟から来たと言う青年遍路さんだった。口数は少なかったけれど
綾菜のしぐさを見ながらにこにこと微笑んでいたのが印象的だった。
「おへんろさん、がんばってね」「ばいばい」とちゃんと言えた綾菜。
新潟は桜の季節だろうか。旅の無事を祈りつつ清々しい気持ちで別れた。
曇り日。気温は高めで暖かい日曜日だった。
夫が消防団の用事があって川仕事はお休みにする。
明日の出荷の準備も整っていたのでよき骨休みとなる。
夜勤明けの息子が圭人を連れて遊びに来てくれた。
もう歩き始めているかなと思っていたけれどもう少しのよう。
男の子らしくよく動き活発で、いたずらするのも頼もしく感じる。
綾菜も大喜びで一緒に遊び、お昼にカレーを食べて帰って行った。
最近の息子は夜勤の日が多く、少し疲れが溜まっているようで気になった。
それでも積極的に育児を手助けしている。今日もそんな日曜日。
ぐっすりと眠らせてあげたいなとつくづく思ったことだった。
みんなそれぞれ自分たちに与えられたことを頑張っている日々。
子供が成長すれば親も成長する。そうしていろんなことを乗り越えていく。
ひんやりとした朝だったけれど日中は初夏のような陽気となる。
早朝から川仕事、潮がすごい勢いでどんどんと引いていく。
気忙しさにふうふう言いながら今日もやれるだけ頑張ってきた。
午前中に箱詰め作業も終えて午後は孫たちとにぎやかに過ごす。
芽奈はまだ微熱があり保育園をお休みしたのだけれど
綾菜は今朝もちょっと泣いたらしいが、元気に半袖になって帰って来た。
四万十川の土手をお散歩する。しろつめ草の花がいっぱい咲いていて
首飾りを作って遊んだ。「ゆばーばにあげるけん」って嬉しい一言。
お大師堂にも行きたがっていたけれど今日は連れて行ってあげられず残念。
お昼に福岡出身の自転車遍路さんが到着していた。
会うのはこれで三度目、今日はゆっくりと話すことが出来なかったけれど
初めて会った去年の夏のことを思い出していた。
所持金がほとんどない。托鉢をしながらなんとか食い繋いでいるとのこと。
「もう帰る場所がないです」その言葉がとても辛く身に沁みた事を覚えている。
今日は何もしてあげられなかった。それがどんなに心苦しいことか。
けれども昼食の袋と煙草を目にして、ふっと大丈夫かなと思ったのだった。
ほんとうに困っている時はなんとしても助けてあげたいと思う。
そのお遍路さんと綾菜をあえて会わせなかったこと。
どうしてなのか自分でもよくわからない。なにがそうさせてしまったのか。
明日が雨ならたぶん私はお大師堂に行かないのだと思う。
その理由もうまく言葉に出来ない。避けているのでは決してないのだけれど。
時々そんな複雑な気分になる時がある。けれどもそれがありのままの自分。
穏やかな晴天。つばめ達が元気に飛び交う。
我が家のつばめも古巣の修繕を終えそろそろ子作りが始まりそうだ。
今年こそは綾菜に雛を見せてあげられそうで楽しみにしている。
夫が内科の通院日だったため川仕事はお休みする。
山里の職場も気になっていたけれどあえて行かないことにした。
先日から入院していた母が一時帰宅をしているとのこと。
「だいじょぶ」の一言を信じるしかなかった。
親不孝と言ってしまえばそれまで。母さんほんとにごめんなさい。
午後は海苔の箱詰め作業。20日がまた出荷なので少し気忙しい。
幸いなことに今日も海苔が良く乾く。すごくすごく助かっている。
「やったらやっただけのことはある」夫の言葉をいつも思い出している。
四時過ぎ、綾菜と芽奈を娘と一緒にお迎えに行く。
芽奈が少し風邪気味のようで保育園で熱が出ていたようだ。
念のために小児科へ。熱の割に元気で心配はなさそうだった。
帰宅すると玄関のチャイムが鳴って綾菜のボーイフレンドが来てくれた。
かくれんぼをするのだと言って大喜びで外に飛び出して行く。
「もういいかい」「まあだだよ」可愛い声がこだまするのを聞いていた。
今日もほのぼのにっこりである。それがどんなにありがたいことか。
いろんなことを少しくよくよしながら考える時もあるけれど
そんなことはどうでも良いことなのかもしれないと思えるのであった。
ひんやりとした朝だったけれど日中は暖かくなり穏やかな晴天。
海苔がよく乾いてくれてほんとうにありがたいおひさま。
今日も早朝から収穫を頑張って干す作業を娘が手伝ってくれた。
娘さまさまである。一人より二人の方がずっと仕事がはかどる。
おかげで午前中に作業を終えてあとはゆっくりと休むことが出来た。
昼食を終えてから少し早目にお大師堂へ。
誰かが外の掃き掃除をしてくれていた。
みんながそれぞれに気遣ってくれているのがほんとに嬉しい。
お参り仲間の人達みんなに会ってみたいなとよく思う。
今日は「芋けんぴ」をお供えする。高知名物なのだけれど
先日はお遍路さんが食べてくれたみたいですごく嬉しかったから。
午後四時過ぎ、綾菜と芽奈が保育園から帰って来る。
綾菜は今朝も泣いてしまったとのこと。でもにこにこの笑顔で帰って来た。
帰宅するなり近所のお友達と遊ぶ。二歳年上のボーイフレンド。
保育園ではクラスが違うのでほとんど遊べないそうで残念だった。
まるで兄と妹みたいにはしゃぎまわる姿はとても微笑ましいものだ。
そうして今日も平穏無事に暮れて行く。それが何よりの幸せに思う。
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