ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2012年11月01日(木) 北風ぴいぷう

北風が冬の足音をつれてくる。
ぴいぷうぴいぷうと口笛を吹きながら近づいてくる。

いつもの散歩道も今日はとても寒かった。
向かい風に立ち向かうように突き進んで行った。

ススキの穂だけは嬉しそうに揺れている。
もう若くはない。なんだか自分の歳と重ねていた。
そうそんなふうに微笑んでと私もススキの真似をする。
老いることをおそれてはいけない。
風にまかせてゆらりゆらりと生きていけば良いのだ。



夕方、息子がふらりとやって来る。
「腹減ったぞ!」ってその一言が母は嬉しい。

肉じゃがを作った。ほっこりと美味しそうに出来た。
三人でわいわいおしゃべりしながらの夕食。
仕事の話しを一切しない息子に少しほっとする。

みんなが穏やかでいてくれるのが母はいちばんしあわせだった。
どんな日もあるけれどきっときっと乗り越えられると信じている。




2012年10月31日(水) 清々しいきもち

早いもので10月も最後の日。
ここ数日、朝晩の冷え込みが緩んでいるけれど
立冬も近くなり季節は確実に冬に向っているようだ。

山里へと向う朝の道。
いつも見ている大きな銀杏の木がうっすらと色づき始めた。
朝陽をあびてきらきらと眩しいほどに光って見える。

仕事に行くのが少し憂鬱だった。
けれども今朝はとあるお遍路さんに会えるかもしれなくて
その期待のほうが大きくふくらみずいぶんと気が楽になる。

山道をゆっくりと走って行く。
どうか会えますようにとカーブを曲がるたびに願っていた。

残念ながら会うことは叶わなかったけれど
おかげでゆったりとした気持ちで職場に着くことが出来る。

仕事では大きな心配事があったけれど
あれこれと手を打ってなんとか解決策が見つかった。
不安がってばかりいては前に進めないのだなとあらためて思う。

「ありがとう、お疲れさま」母の言葉が今日ほど身に沁みたことはない。
自分に出来る事を一生懸命にする。それがとても大切なことだと思う。


帰宅してあんずと散歩。今日もたくさん歩いてすごく気持ちが良かった。

清々しいきもち。空や風や川の流れがみんな優しくてたまらない。



2012年10月30日(火) ぐっすりと眠ろう

自分の身体はひとつしかないのだなと
あたりまえのことをなんだか思い知らされたような一日。

山里の職場のことが気掛かりでならなかったけれど
家業の海苔養殖も大変な事になっていて
やはりどうしても家業を優先せざるを得なかった。

海苔網にわずかだけれど緑の芽が出始める。
けれども例の黒い海草がべったりと網に付着していて
このままでは海苔の芽が死んでしまうかもしれないと言う。

長年この仕事に携わってきたけれど
こんな危機に遭遇したのは初めてのことだった。
先日からずっと抱いていた不安が一気に大きくなってしまう。


山里の職場は昨日私が帰宅してから大きなトラブルがあったらしい。
心配することはないよと母は電話口で言ってくれたけれど
私にも責任があることで心配せずにどうしていられようか。

人一倍心配性の私にはどちらも大きな打撃となった。
こんな時こそあっけらかんとしていられたらどんなに良いだろうか。

ざわざわと落ち着かない気分の午後。
ふっと思い立って娘の家に遊びに行ってみることにする。
予定外の訪問に娘はびっくりしていたけれど
何かを察したのか、しばらく遊んでいけばと言ってくれた。

綾菜とどんぐりころころをして遊んだ。
寝返りがすっかり上手になって部屋中を転げまわる綾菜。
時々きゃきゃっと声をあげて笑う。私もいっぱい笑顔になれた。


悪いことが続くときは続くもの。それはどうしようもなくて。

けれども神さまの贈り物みたいに嬉しいこともきっとある。

嬉しいことが続くときだってきっとあるのだもの。

そう思って気を取り直すような夜になった。

明日はあしたの風がふくさ。とにかくぐっすりと眠ろう。



2012年10月29日(月) たくさん歩く

小春日和と呼ぶにはまだ少し早いのだろうか。
やわらかな陽射しにすっぽりとつつまれてとても暖かな一日だった。

こんな日はむしょうに歩きたくなって
いつもの散歩道から足を延ばしてほんの少しだけ遠くに行ってみる。
最初は元気溌剌だったあんずがすっかり亀歩きになったり
私も息切れがし始めてふうふうはあはあとふたりで歩く。

けれどもうっすらと汗をかいてなんとも心地よい散歩だった。
河川敷から土手に上がると川風がほめてくれるように吹いてくる。

いっぱい頑張ったねとあんずの頭を撫でる。
また明日も今日の道を行ってみようねと約束をした。


大橋を渡るお遍路さんが見えた。
午後四時、近くには泊まる宿さえないことが気にかかる。
野宿ならお大師堂をおしえてあげれば良かったけれど、
追いかけて行くことも出来ずそっと後姿に手を合わす。

縁があるひともいれば縁のないひともいるけれど。
その姿を見られるだけでありがたいことだと思う。

西の空に傾きかけた太陽。夕陽に染まる川面が目に浮かんだ。



2012年10月28日(日) 思いがけずに

昼下がり、思いがけずに娘が綾菜を連れて遊びに来てくれた。
昨日会ったばかりで今日も押しかけるわけにはいかないなと
しょんぼりと諦めていたからすごく嬉しかった。

ジージも大喜び。ひいおばあちゃんも大喜び。
娘と綾菜のおかげでみんなが笑顔の日曜日となった。


綾菜がお昼寝をしている間に少し早めの散歩に出掛ける。
お大師堂でお経を唱えている時だった。後ろに人の気配がして
振り向くとなんとそこに例の長髪青年遍路さんが立っていて驚く。
あれは八月のお盆過ぎではなかったか。最後のお別れをしたのだった。
もう会う機会はないだろうと思っていただけにほんとに思いがけなかった。
聞くと八十八番を無事に終えてからすぐに愛媛の自宅には戻らず、
また一番から歩いて帰宅しようと決めたのだそうだ。
おかげでまた会うことが出来た。ほんとうにありがたいことである。

これまで何度も会ったけれど、彼の背負っているものに触れることはなかった。
触れてはいけないようなそんな気がしてそっと見守る気持ちでずっといた。

けれども今日は彼のほうから話してくれる。
それは私などには想像もつかないようなとても重たい現実だった。
若くしてこれほどの苦労を背負わなければいけないのか。
なんだか憐れでならずかといって微力な私に何が出来よう。

「決して無駄なことではなかったんだよ」そう言って励ますのが精一杯だった。
彼も大きく頷いてくれる。ひとつでも流れが変わってくれたらそれで良いと。

彼と彼の帰りを待ちわびているご家族がどうか平穏に過ごせますように。

私に出来ることは祈ること。それしか出来ないのではなくて

どんなにささやかなことでも出来ることがあるのだということを忘れはしない。



2012年10月26日(金) ひいおばあちゃん

お天気は下り坂。午後からぽつぽつと雨が降り始めた。
一雨ごとに秋が深まり冬へと手を伸ばし始めることだろう。

山里のコスモスも盛りを過ぎ少しずつ散り始めたようだ。
春の桜の潔さとは違って秋の桜は哀しげに散っていく。


午後、思いがけずに娘達が山里まで遊びに来てくれた。
ひいおばあちゃんが大喜びしたのは言うまでもない。
何しろ生まれてすぐに一度会ったきりでそれっきりだったから。
仕事の手を休め綾菜を抱っこしていっぱい話しかけていた。
「アンパンマンの玩具を買ってあげるよ」
「あんみが出来るようになったらお靴も買ってあげるよ」
そんな光景を微笑ましく眺めながら、娘達に感謝するばかり。
母のこんなに嬉しそうな顔を見るのは初めてのように思った。
私はしょっちゅう会っているけれど、母もひ孫に会いたかった事だろう。

娘達を見送ってから私も帰路についた。
なんとも幸せな気分。いい日だったなあってすごく嬉しかった。



2012年10月25日(木) つわぶきの花

初冬を思わすような寒い朝だったけれど。
日中はほっとするような暖かさになる。

朝の峠道で先日の足を痛めていたお遍路さんと再会する。
彼が四万十を旅立ってからずっと気掛かりでならなかった。
足の痛みはまだ続いているようだったけれど、
足摺岬からここまで歩いてこれたことにとても安堵する。
「大丈夫ですよ」って笑顔で応えてくれたのだった。

決して無理をしないようにと。
ゆっくりのんびり歩いて欲しいと。
おせっかいな私の言葉にも素直にうなずいてくれた。

どんなに辛くてもクルマのお接待だけは受けないと聞いていたから。
その場でお別れをして後ろ髪をひかれるように彼を残して先に行く。

バックミラーに映る彼はとてもたくましく見えた。
この先もきっと大丈夫。彼なら必ず結願出来るはずだと思った。

この再会を最後にもう会う機会はないだろう。
ほんとうにこれが一期一会。彼のことは一生忘れられないだろうと思う。


峠道を上りつめると山肌からこぼれるように咲くつわぶきの花。
ちいさなひまわりのように咲く可愛い花がとても好きだった。

彼も気がついてくれたら良いな。ほっとして足をとめてくれたら良いな。


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