日中の気温がぐんぐんと高くなり、まるで初夏のような陽気。 トレーナーを脱ぎ捨てて半袖になって過ごしたほどだった。
今日は息子と「焼肉をしようかね」と約束していた日。 川仕事を終えてから街の肉屋さんに買出しに行っていた。
おうち焼肉はほんとに久しぶり。息子の好きな牛タンも買った。
「わ〜い焼肉だ」わくわくと楽しみにしていたけれど。 昨夜は元気そうだった息子がどうやら風邪をひいたらしい。 仕事帰りに寄ってくれたけれど熱があるそうで早々と帰って行った。
晩ご飯は?風邪薬は?はらはらと心配する母をよそに。 「大丈夫だよ」と一言。息子は風のように去って行ってしまった。
お父さんとお母さん。仕方ないなって言ってふたりで焼肉を食べる。 なんだか寂しいけれど、食べ始めると美味しさの方が勝っていった。
ずっと食欲がなくて焼肉どころではなかった彼がすっかり元気になった。 それがとても嬉しくて良かったなあってすごくほっとしている。
みんなが無事でみんなが元気でいてくれますように。
手を合わせ祈り続ける日々がこれからも続くだろう。
朝の肌寒さは続いているけれど、日中はとても暖かい。 おひさまと友達になったような気分でいちにちを過ごす。
いとこがタラの芽を持ってきてくれた。 もうそんな季節になったのかと嬉しくてならない。
夕飯はタラの芽のてんぷら。 一緒に青さ海苔もてんぷらにする。
どちらも最高に美味しい。 なんだかとても幸せな気分になった。
タラの芽って不思議だなって思う。 木の芽を食べるなんて誰が発見したのだろうって。 最初に食べた人はその美味しさにびっくりしただろうなって。 もしゃもしゃちくちくしているのにてんぷらにするともっちり。 これほどの珍味がほかにあるだろうかと感動さえする。
春をいただくありがたさをしみじみと感じた夜だった。
四月だというのに風の冷たいいちにち。 時折りひゅるひゅると強く吹く風に。 桜が少しずつ散り始めてしまった。
はらりはらりと風に舞う花びら。 儚いけれど桜吹雪もまた良いものだった。
そうして季節は新緑の季節へと移っていく。 葉桜もまたその艶やかな緑が目に沁みるようだ。
散歩道を行けば、お大師堂でMさんが待っていてくれた。 すっかり顔なじみになったお遍路さんである。 いつも私のことを「おかあさん」と呼んでくれる。 ちょっとくすぐったいけれどそれが嬉しかった。
もう22巡目の巡礼、山梨には一度も帰っていないらしい。 そのわけを訊く事も出来ず、何がMさんをそうさせているものか。 Mさんの笑顔はとてもあたたかい。瞳はいつもきらきらと輝いている。
ふたりでしばし桜の木を仰いでいた。
散りますね。しかたないことですね。なんて言い合いながら。
ここに来るとほんとにほっとするんですよとMさんは微笑んでいた。
風が強く肌寒い一日だったけれど陽射しはすっかり春。 木々の新芽も鮮やかになりあたりがきらきらと眩しい。
午前中は川仕事。今月いっぱいの勝負だとふたりで精を出す。 私の体調はいまいちだけれど、彼はとても元気になった。 俺たちはかわりばんこだからなって笑って励ましてくれる。 私も弱音を吐いてなどいられない。今は精一杯の日々であった。
午後は大きなお腹のサチコが笑顔を見せてくれた。 来週には産休に入るとの事。早いものでもう臨月になった。 母子共に順調な様子で、あとは無事に生まれるのを待つのみ。
ジージもバーバも心配しながらわくわくと楽しみにしている。
初めての出産は不安なものだけれど、のほほんとしている娘が頼もしい。 陣痛が始まったら背中を撫でてあげたい。だってすごく痛いものだもの。 そんなに痛いの?けろっとした顔で訊く娘はまだその痛さを知らないのだ。
産休に入ったら暇だからまた遊びに来るね。なんて言って帰って行く。
一緒に買物に行ったり一緒に散歩にも行きたいなと思う。 サチコと過ごす時間が増えるのはとても嬉しいことだった。
やっと春らしいぽかぽか日和となる。 おひさまが微笑んでくれるとなんだかとてもほっとする。
今日は彼の眼科と内科の通院日だったため、川仕事はお休みする。 私はずっと気掛かりでならなかった山里の職場へ行って来た。
久しぶりの峠道。春遍路さんの姿を何人も見かける。 その度に頭をさげて旅の無事を祈っていた。 ひとりひとりに声をかけたい気持ちはいつもあるけれど。 思うようにそれが出来ないのがとても残念でもあった。
山里は春があふれていた。のどかな風景に心が和む。 田んぼには水が張られてもう田植えの準備が始まっていた。
何よりもあちらこちらに桜の花がたくさん咲いていてとても綺麗だった。 郵便局にも小学校にも満開の桜がきらきらと光り輝いている。
今朝は少し憂鬱だったけれど来て良かったなあってすごく思った。 山のようにたまった仕事もどんどんと捗ってほっと一息の午後だった。
神社の近くに行かなければいけない仕事があり急いで行ってみると。 そこにも桜の木がいっぱいあって思いがけないほどの桜の花を見れた。
思わずわぁって声をあげていた。しばし立ち尽くし心いっぱいに桜を愛でる。
今日は桜日和。とてもありがたい一日だった。
昨日の暴風の名残が少しあったものの、空は青空。 春らしいぽかぽか日和ではなかったけれどなんだかほっとする。
早朝より川仕事。潮がどんどんと引いていく。 追い立てられるようにふたりで頑張った。 もう峠は越えたのだろうと思っている。 今月いっぱい頑張れば今期の収穫も終るだろう。
思い起こせば30年。ながいようであっという間の歳月。 今もこうして続けられている事をほんとうにありがたく思う。
昨日は思うように行けなかった散歩道をゆっくりと歩く。 思いがけなかったのは桜の花が散らずにいてくれたこと。
儚い花と思い込んでいたのかもしれない。 それはとても強かった。なんとも逞しかった。
感動で胸が熱くなる。嵐にも負けなかった桜たち。
潔く逝く時はいく。けれどもそれは今ではなかったのだ。
あしたかもしれない。あさってかもしれないと不安がるのはよそう。
いまある命を精一杯に咲き誇れるような人生でありたい。
| 2012年04月03日(火) |
どんな日もあるけれど |
またもや春の嵐。雨は午前中にやんでくれたのだけれど。 午後からの風の強いこと。まさに台風並みの暴風になった。
あまりの悪天候に川仕事はお休み。 彼は床屋さんに行き私は美容院へ行ってくる。 ずいぶんと伸びていた髪を切りさっぱりとした。
吹き荒れる風の音を聴きながらのんびりと過ごす。 こんなお休みもたまには必要ではないかと思った。
桜の花も散ってしまったかもしれない。 気掛かりでならず散歩に出掛けてみたけれど。 土手にあがる坂道で突風に吹かれて前へ進めない。 立っているのがやっとで怖くなって引き返して来た。
明日があるさ。明日があるさと歌うように思った。
そうしてどんな日もあるさ。万歩計もほんのわずか。
爆弾低気圧と名付けられた嵐が北上している。 怪我人や死者も出たと聞きなんとも心を痛めている。
自然の猛威に人はさからえずただただ耐えるしかないのだろうか。
明日はどうか穏やかな空でありますようにと祈りながら眠るしかない。
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