ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2011年04月18日(月) 雨音

久しぶりに聞く雨音が胸に沁みる

しっとりと潤っていくもの

それは土手の草花だったり

芽吹いたばかりの木々の緑

わたしもどこか乾いていたのか

その水を求めてみたくなった

ざわざわとおちつかない心に

ひたひたちその水が流れ込む

これでいいのかこのままでと

だれにきけばいいのだろうか

だれにきけばいいのだろうか







2011年04月16日(土) ソウルメイト

いつもの散歩道を行けば
お大師堂の前で私を待っていてくれたひとがいた。

ほぼ一年ぶりの再会。懐かしさと嬉しさがこみ上げてくる。

修行僧のお遍路さん。会うのはこれで七回目となった。

よほど縁があるのでしょうねと微笑みあう。
とても不思議な縁のように私は思う。
初めて会ったのが一昨年の秋だったと記憶している。
その時の言葉に出来ないような懐かしさを今も忘れていない。

ソウルメイトという言葉があるがきっとそうなのだろう。


こんな時だからこそ。今日はそんなことを語り合った。
日々の暮らしを心苦しいとは思わずに
それはとてもありがたいことなのだと。
ひとつひとつをそう受け止めて過ごすようにと言われる。

そうしてこんな時だからこそ『慈悲』の心を失わないようにと。

こころが洗われたように清々しくなる。

またきっと会いましょうね。そう約束して家路についた。

ありがとうございましたとお互い手を合わせて別れたことだった。





2011年04月15日(金) 母子草

作業場の庭の片隅に母子草の花が咲く。
やわらかな黄色。とても優しい色をしている。

母子草とはいつの世に誰が名付けたのであろうか。
その名のとおりそれはほんとうに母と子のように寄り添う。

子を想わぬ母はいず母を想わぬ子はいない。

その絆ははかりしれないほど深いものだと信じる。


母を亡くした子。子を亡くした母。
痛ましい現実を目の当たりにしなければならないこの春。

けれども何事もなかったかのように花は咲くばかり。


おかあさんどこにもいかないでね

おかあさんずっとぼくのそばにいてね

やくそくだよ。ゆびきりげんまんだよ


やわらかな黄色が優しく微笑む。

寄り添う子たちを抱くようにしながらその花は咲く。



2011年04月14日(木) つばめ

今年はもう駄目なのかもしれないと諦めていたけれど。
今日はその姿を見つけてどんなにかほっとしたことか。

ツバメたちが帰って来てくれた。
我が家にふたつある古巣には近寄ろうとはしないけれど。
軒下にそれはいて安心しきったふうで羽根を休めていた。

それだけでじゅうぶんなのだと思う。

いつもとは違う春をツバメたちも察しているのかもしれない。
けれども帰る場所。そこで生きる術を知っているのだと思う。

もしかしたら古巣のことを思い出してくれるかもしれない。
そうしてそこでまた新しい命を育んでくれるかもしれない。

一縷の望みを抱いてその姿に手を合わせた。

帰って来てくれてありがとう。感謝の気持ちでいっぱいだ。






2011年04月13日(水) 息子

こんな大変な時に悩んでなんていられないだろう。
息子が言う。自分のことなんてどうでもよくなったよと。

乗り越えてくれたのかもしれないと父も母も少しほっとした。

質素な晩ご飯。白いご飯さえあればお茶漬けでもいいんだ。
そう言っておかわりをしてくれる息子に目頭が熱くなった。

南海大地震は必ず近いうちに来るんだと言う。
おとうもおかあも絶対に死ぬんじゃないぞと。

真ちゃんあんたもだよ。どこにいても無事でいてくれないと。


嵐のように息子が去って行く。その嵐がこんなに愛しい夜はない。





2011年04月12日(火) 風とたんぽぽ

桜の木の下のたんぽぽがすっかり綿毛になって

こころもち首をかしげるようにしながら風に吹かれている

いまはどこにも行きたくはないのだとひとりがつぶやく

けれども風まかせの身の上だものしかたないよともうひとりが

さびしがりやのひとりは一緒に行きたいよとみんなに言うけれど

風には風のしめいのようなものがあってどうすることもできない

せめてそよ吹く優しい風になりたくて微笑んでみるのだった

それがよいことなのかいけないことなのか風にはわからない


綿毛たちは自分が種なのだときづく未来もあれば希望もある

風さん風さん待っているひとがいてくれるのかもしれないね

わたし行くよとひとりがうなずくとみんなが勇気の声をあげた

風はせいいっぱい微笑むそうしてふわりふわりと種をはこんだ



2011年04月11日(月) エール

桜は散り急ぎずいぶんと葉桜が目立つようになった。
けれどもその緑がなんとも鮮やかに空に映えている。


辛い苦しいと嘆いていたら少しも前に進めないから。
とにかく笑顔で立ち向かっていくしかないんですよ。
大震災からひと月が経った今日の被災地からの言葉だった。

負けないで負けないでとエールをおくる。
そうしてその時間。手を合わせながら黙祷をした。


夕方。また大きな余震のニュースが流れる。
先日もあったばかりだというのに何と言うことだろう。
いったいいつまで苦しめれば気が済むというのだろう。
また天を恨みたくなった。心に杭が刺さったように痛む。

夕食時。だからと言って食べないわけにはいかないだろうと彼が言う。
普通にしているのがいちばんだとわかってはいるけれど。
その普通がなんと心苦しいことだろうか・・・。


嘆いていてもなにもかいけつしない。
笑顔で立ち向かっていくのだと言ったひとの言葉を思い出す。

負けないで負けないで。そう心でつぶやきながら。

晩ご飯を食べた。甘エビのお刺身が美味いじゃないかと彼が微笑む。





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