東京や大阪は雪だという。 高知も山間部では雪になったけれど。 我が町はそんな寒気から逃れられたのか。 小雨が少し降っただけで午後から晴天となる。
川仕事から帰るなり海苔を干す。 天日干しにはとてもありがたい陽射しだった。
すると足元にぺんぺん草の花が咲いていて。 その小さな白い花がなんとも可愛らしかった。 海苔を干しながらこころがほっこりと和んでいく。
それに気づかずに踏みつけた日もあったかもしれない。 ほらここにいるよと花を咲かせて知らせてくれたのだろう。
とにかくその日その日。目の前の事だけをこなしていく。 あれもこれもとたくさんのことが出来るわけもなく。 毎日がおなじことの繰り返しのように思うけれど。 日々は流れる。日々は積み重なっているのだと思う。
心配ごとのひとつやふたつ誰にだってあるだろう。 ただ受け止め方は人それぞれで重くするのは心次第だと思う。
もっともっとあっけらかんと生きたいものだ。
| 2011年02月10日(木) |
からだがふたつあれば |
雪の予報に身構えていたけれど。 それほどの冷え込みもなく夕方から小雨が降り始めた。 かすかな雨音が耳に心地よく響いている。
今日は川仕事をお休みして山里の職場に行っていた。 いったい何日ほったらかしにしていたのだろう。 机の上には未処理の仕事が山積みになっていた。
母は留守。今日は内科の通院日だった。 仕事をしながら母の帰りを待つ。 やっと母の顔を見れたと思ったら私の帰宅時間となり。 あまりゆっくりと話すことが出来なかったのだけれど。
先日、大学病院の眼科で検査をしたところ。 すぐに手術をすすめられたのだそうだ。 どうしてもっと早く来なかったのかと叱られたと言う。 すぐには無理。月末も無理だと母は言い逃れて。 なんとか来月早々にと予約をして帰って来たと言うこと。
私が仕事を手伝ってあげられていたらと心が痛んだ。 なるようになるからと母は口癖のように言うけれど。 失明の恐れもあるとのことで、とても心配でならない。
今日いちにち手伝ったくらいでどうなると言うのだろう。 なによりもいちばんに母を助けてあげなくてはいけない。
からだがふたつほしい。そんな無理なことを真剣に願っている。
大丈夫よと微笑む母。うらはらに私のこころはとても重い。
山里には梅の花がもうたくさん咲き始めていた。
母も見つけただろうか。その香りを肩をよせあってかいでみたいと思った。
今夜は雨が降るのだという。 なんと久しぶりの雨だろうか。 雨音がむしょうに聴きたくなって。 待っている。からっぽの器のように。
今日はいつもの散歩道を行く。 枯れ草ばかりの土手であんずが立ち止まる。 ふと見ると雀色の野に若い緑が萌えている。 蓬の新芽だった。しきりに匂いを嗅ぐあんず。 私も屈みこんで鼻をくっつけてみたくなった。
ちいさな春を見つけたきぶん。 日に日に緑が濃くなっていくことだろう。 雑草たちの呼吸が聴こえてきそうだった。
食後。台所で後片付けをしていると。 仕事帰りの息子がひょっこりと寄ってくれた。 仕事がとても大変そう。辞めたくなったと呟く。 辞めてどうするのだと言うと家業を継ぐのだなどと。 はんぶん本気そうな事を言って父も母もびっくり。
晩ご飯食べて行きなさい。と言っても要らないと言い。 早く帰ってビールが飲みたいと風のように去って行った。
仕事がそんなに辛いのか・・と母は心配でならず。 ちょっと愚痴りに来ただけさと父は笑っている。
そうであってほしい。父も母もいつだって聞いてあげるから。 嫌なことがあったらちゃんと話して欲しい。
しんどい時はそう言って。決して無理をしないでいてね。
春霞かとおもうような空。 そんなぼんやりとした空からやわらかな陽射し。 ぽかぽかと暖かい。ふんわりと浮かぶような気持ち。
日々。目の前にあることだけをたんたんとこなす。 頑張っているのかもしれない。自覚こそないけれど。 なんだか日捲りの暦を千切っては重ねているような毎日。
捨ててしまえばいいのに捨てられない。 それを重ねていったいどうしようというのだろうか。
散歩。今日はいつもとはちがう道を歩いた。 そっちではないこっちなのだとあんずが嫌がる。 宥めながら無理やり引っ張るようにして連れて行く。 時間にゆとりがないとこんな時もあってしまうものだ。 私も少し反省しながら、明日はいつもの道をと思った。
夕暮れていく。そうして夜空になり三日月が浮かぶ。
なんとか細い月だろう。なんとせつない月だろう。
今日も日中はとても暖かくなる。 つい先日の雪がうそのように思った。
ほっとして空を見上げる。 そうして遠い空のしたのかのひとを想う。 ずっと音信不通が続いているけれど。 どうか元気でと空に向かって呼びかけた。
私はもうひつようではないのかもしれない。 そんなことをおもうとたまらなくさびしい。
けれどもこころのどこかでそんな時を待っていたような。 それだけながい歳月が流れてしまったことになる。
縁というものはきってもきれないようでいて。 それはそれは儚いものだということを知っている。
10年20年を経て。ああ、あの頃にわたしがいたんだなと。
いつか思い出してもらえるような存在でありたい。
立春。ずっとずっと待っていた日。 どんなに寒い日があってもちいさな春が。 こんにちはとささやいているような季節。
ゆっくりでいい。そんな春にあいにいきたい。
今日も日中はとても穏やかな晴天となる。 やわらかな風がふく。もう春風のようだった。 るんるんらんらんときぶんもかろやかになる。
私がもしも植物ならばきっと芽を出すことだろう。
いつもならバドミントンに行っている夜。 今日からしばらくお休みをすることになった。 足首の痛みもすっかりよくなりやれば出来るのだけれど。 川仕事の疲れもあり無理をしないのがいちばんかと思う。 彼と相談して決めた。25年間も続けてきた事だけれど。
決してやめるのではないのだからと自分に言い聞かす。
きっと復活しよう。そうしてまたやれるだけ頑張ろう。
節分。日中は穏やかによく晴れて暖かくなる。 このまま春になってくれたらどんなによいだろうか。
まだまだ寒の戻りがあるだろう。 けれども明日は立春。その言葉を聞いただけでほっとする。
娘のサチコがいた頃は欠かさなかった豆まき。 去年からそれをしなくなって今年もそれをしない。 こころの中で鬼はそと福はうちとつぶやいていた。
せめてもと思い恵方巻きを買って来て食べた。 南南東はあっちかしらとふたりでかぶりつく。 その時ほんとうは無言で食べないといけないらしい。 それを知らなかったからひとくち食べてはおしゃべり。 彼などは食べにくいから切ってくれと言ったりしていた。
ささやかでいい。ちいさな福が舞い込んできてくれますように。
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