午後六時。窓から夕焼けが見えた。 いちにちの終わりをほんのりと照らすような茜色。 少しずつ少しずつ日が長くなっているのが嬉しかった。
それぞれのいちにちをおもう。 息子はそろそろ家路につく頃だろうか。 娘はまだ働いていて晩ご飯の事を考えているかも。 母はどんなにか疲れていることだろう。
みんなみんなおつかれさま。
ぐっすりぐっすり眠ろうね。
晩ご飯はまたまたお好み焼きを作る。 一週間前もそうだったというのに文句を言わない彼。 ただ焼くだけという手軽さにずいぶんと助かっている。 そんな私の手抜きを咎めもしない彼がありがたかった。
それが彼の優しさ。32年目にしてあらためてそう感じる。
いちにちが暮れるように私たちの人生も暮れていく。
日々を積み重ねつみかさねしてはそれがふたりの人生。
雪の日もあれば雨の日も風の日もあるけれど。
なによりも茜色のにあうふたりでありたいものだ。
昨日から雪が降ったりやんだりしていたのが。 昨夜から積もり始め今朝はすっかり雪景色となった。
今年になり三度目の積雪。 この冬の寒さは特に厳しく思われる。
けれども身体は不思議と寒さに慣れていく。 雪景色を子供のように喜んでいる自分がいた。
午前中はずっと雪。どんどんと積もっていく。 さすがに川仕事は無理だろうと休むことにした。
久しぶりの休日だった。 足の痛みも和らぎゆっくりと寛ぐことが出来る。
山里の母からメール。 月末で困っているのではないかと気になっていたところだった。 折り返し電話をすると「やっほう!」とひょうきんな声。 なるようになっているよ心配ないよとのこと。 なんだかほったらかしにしているようで気がひけていたけれど。 そっか・・わたしがいなくてもどうってことないのかと。 安心するやら。ちょっと物足らないような寂しさやらだった。
どんな時も弱音をはかない母。それが私への優しさにも変わる。
午後。空が一気に青空になった。 降り注ぐ陽射し。あらあらという間に雪が溶け始める。
太陽の光がこれまでとはたしかに違う。 それは冬の太陽ではなく春の太陽のように思えた。
立春も近い。かくじつに春に向かっている証拠だった。
あとすこしもうすこしのしんぼうだ。
今日も北風が強し。とても冷たい風。 今にも雪がちらつきそうな空模様だった。
川仕事は順調に一週間が過ぎた。 程よい疲れもまた心地よく清々しい気持ち。 体調も良くとても元気なのだけれど。 寒さのせいか足首がちょっと痛み始めた。
なんのこれしきと思っていても。 痛みには勝てず。ついつい弱気にもなる。 なんかどうしようもなく悔しくてならない。
日課の散歩も辛くなる。 でも休むわけにはいかない。 犬小屋できゅ〜んとあんずが待っている。
いつものようには歩けなくて。 「お母さんどうしたの?」と問うように。 あんずが何度も立ち止まって私の顔を見るのだ。
その顔を見ているとなんとも愛しくて。 だいじょうぶよ。お母さん大丈夫だからと。 声をかけながらゆっくりと前へ進んで行った。
歩こうと思えば歩ける。少しずつ前へ。
何事もすべて試練なのだと思うことにした。
痛いところのひとつくらいどうってことないじゃん。
| 2011年01月27日(木) |
わっしょいわっしょい |
北風ぴいぷうおお寒い。
川仕事の手を動かしながら。
いろんなことをかんがえる。
山里の職場の事や母のこと。
会えない息子や娘のことや。
今夜の晩ご飯のおかずのこと。
いろんなことをかんがえる。
これがああなってそうなれば。
さいこうにうれしいなあとか。
なるようになるっていうけど。
いったいどうなるのだろうとか。
いろんなことをかんがえる。
あたまのなかがお祭みたい。
わっしょいわっしょいがんばった。
このところお好み焼きにはまっている。
今夜も晩ご飯にそれを焼いた。
もちろん他には何も作らない。
お好み焼きが晩ご飯なのである。
ビールをのみのみそれを食べる。
彼は手抜きだと言うけれど。
わたしにはごちそうだった。
今年になって三度目のお好み焼き。
また10日ほどしたらそれを焼こう。
今夜はアレよと言うとまたアレかと。
彼はいつも笑いながら言うけれど。
好きなくせにとわたしは信じている。
川船に乗って漁場へ向かっていると 岸辺に白い実をいっぱいつけた木が見える。
その木の実のなんと可愛らしいこと。 青空によく映えて真珠のように輝いている。
なんていう名の木なのだろう。 夏にはどんな葉を繁らせていたのだろう。
とても気になる木のことが大好きになった。
鳥になってその木にとまってみたくなる。
鳥になってその実を一粒ついばんでみたくなる。
曇りのち晴れ。風の強い一日だった。
その風がよかった。 海苔は天日干しをしているため良く乾くのだ。 空模様を気にしながらの毎日だけれど。 冬の陽射しと乾いた風に恵まれると嬉しい。
作業を終えると程よく疲れ炬燵にもぐりこむ。 テレビを見ながらうたた寝をするのも心地よい。
そうして日課の散歩に行く。 颯爽と先を急ぐあんずに引っ張ってもらって。 冬枯れた土手の道。川面をながめながら歩く。
おいちにっおいちにっと声を出して歩いた。
そうすると不思議と足が軽くなる。 あんずに追いついてあんずを追い越して歩く。
お大師堂にとても美味しそうなお饅頭が供えてあった。 ごくんと唾を飲み込む。食べたいのをぐっと我慢する。
お腹空いたなあとつぶやきながら家路を急いだ。
晩ご飯は昨夜の残りの鍋物におうどんとお餅を入れた。 お餅のなんと美味しいこと。二個も食べればお腹がいっぱい。
幸せだなと思う。欲を言えばデザートにシュークリームとかほしい(笑)
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