小雨ふる肌寒い一日だった。 一雨ごとに秋が深まっていく事だろう。
気温の差に身体がついていけないのかもしれない。 仕事中にまた眩暈がする。しばらく目を閉じては。 だいじょうぶ。だいじょうぶと呪文のように唱えた。
弱気になってはいけない。むしろ悔しくてならない。 こんなに元気なのにどうして!と叫びたいくらいだ。
どんな日もあるのだと思うことにしよう。 気を強く持って日々を乗り越えていくしかない。
母はまた明日から入院。とてものほほんとしている母。 内心は心細い事だろうと思いながら気遣ってあげられなかった。 自分のことで精一杯でそんな余裕がなかったのかもしれない。 いけなかったな・・と帰宅してから悔やんでも遅いのだけれど。
いつもどんな時もあっけらかんとしている母がうらやましく思う。 娘なのに肝心のところが似ていないのだ。私は父親に似たのだろう。 とても神経質だった父のことを思い出す。でも好きだった父のことを。
あしたはあしたの風が吹くという。
天気予報は雨だけれどどんな風が吹くのだろうか。
風まかせでいよう。胸をはって風に吹かれてみたい。
人恋しさに耐え切れず 昨夜はとうとう古くからの友人に電話をかけてしまった。
中学、高校と多感な青春時代をともに過ごした友。 久しぶりに聴く声のなんと懐かしかったことだろう。
「みんながミカに会いたがっているよ」そう言ってくれた。
嬉しくってほろほろと涙がこぼれそうになる。 あったかいな。すごくすごくほっとしたのだった。
「ミカの声、すごく元気そうにきこえるよ」とも言ってくれた。
そっかわたしげんきなんだ。うんこんなにげんきなんだ。
今日は散歩道を延長していつもよりたくさん歩いた。 元気なんだもんどんどん歩いちゃえ。 そう思うと不思議と足取りが軽くなった。
川岸までおりて行って水際に佇んでみる。 川風がつくるちいさな波が足元ではねる。
みずになりたいな。さらさらとながれたいな。
そうして海になりたいなっておもった。
秋めいてくると人恋しくなるのはなぜだろう。 むしょうに誰かと語り合っていたくてならない。
それが叶わないとたまらなくさびしい。 なんだか気が変になってしまいそうだ。
ひたひたとなにかがおしよせてくるような感覚。 それは手ではすくえない。それは触れることすらできない。
だからしかたなくそこにいる。 じぶんの息を確かめるように。
どうにかなってしまうのだとしたら今しかない。
おもいっきりじぶんを見失ってしまいたいくらいだ。
そう壊れるんだ。粉々に壊れてしまえばいいんだ。
はぁ・・・こんなじぶんもたまにはいい。
10代の終わりの頃の自分を見ているようだ。
昨日までの暑さがうそのよう。 曇り日の空が肌寒さをつれてくる。
川仕事も昨日で一段落したため。 今日は何もすることがなかった。
身体を動かしていないと落ち着かない。 家中の掃除などしてみるが物足りない。
パソコンの前に座ると身体がふわりっとなる。 気が遠くなってしまいそうな軽い眩暈だった。
開け放した窓から川向の山を見ていた。 あの山の向こうに山里の職場があるのか。 仕事はお休みのはずだけれど母がいるような気がした。
明日は行こう。そうして笑顔の一日にしたいなとおもう。
あしたのわたしはきっとげんきにちがいない。
散歩の帰り道。それは綺麗な中秋の名月を見た。 暮れようとしている空にぽっかりと浮かぶ月は。 まるで夢のようにまるで希望のように明るかった。
あきらめてはいけないなとふとおもう。 まっくらやみのじんせいなんてありえないのだから。
祖母の命日。愛子という名のおばあちゃんだった。 愛ちゃんって呼んであげるとすごく嬉しそうにしていたっけ。 大好きだった愛ちゃん。私のことをとても可愛がってくれた。
ねえおぼえてる?夏休みに一緒に寝た時。 朝起きたら愛ちゃんの入れ歯が外れて私の手を噛んでいたの。 ふたり大笑いしたね。あの時の愛ちゃんは子供みたいだった。 お茶目な愛ちゃん。そんな愛ちゃんに似ているねって言われるの 私すごく嬉しかったんだよ。愛ちゃんの孫でほんとうに良かった。
お彼岸なのにお墓参りも行けなくてごめんね。 今日は一日中愛ちゃんのことを思い出していたよ。
川仕事をしている時に白鷺が飛んできたの。 すぐ近くまで来てじっと私のことを見つめているから。 愛ちゃんが空から舞い降りてきたのかなって思ったんだよ。
綺麗なお月さま。おじいちゃんと一緒に見ているかな。
空はずっとずっと果てしなくつながっているんだもん。
たったひとつきりのお月さま。私も一緒に見ているからね。
最高気温が34℃。とても暑い昼下がりだった。
サチコが久しぶりに帰って来てくれる。 ずっと会いたくてたまらなかったから。 ぎゅっと抱きしめたくなるほど嬉しかった。
先日は電話で弱音をはいてしまった母。 娘の声を聴くだけで元気になれる気がした。 心配をかけていたのだと思うと心苦しくもあり。 甘えもあった。心配して欲しかったのかもしれない。
あら、母元気そうじゃんと笑った。
うん、なんかぴんぴんしてるよねと笑った。
嫁いでからもう10ヶ月経ったのか。 あっという間に月日がながれてしまった。 寂しさもつかの間だったような気がする。
けれどもいつだって母はサチコの笑顔が恋しかったんだ。
彼岸の入り。暑さも峠を越す頃だけれど今日も真夏日。 いく夏を惜しむように鳴くツクツクボウシの声も。 夕暮れ時にはか細くてふとせつなさをおぼえるほどだ。
川仕事も三日目。不思議な事に体調がとてもよくなる。 どうやら私の身体は肉体労働に向いているらしい。 初日の不安もどこへやらすっかり自信がわいてきている。 おかげで今週中には作業が終えられそうになってきた。 彼とふたり力を合わせて明日も頑張ろうと思っている。
山里の職場はあと二日お休みをいただくことにした。 母に電話をすると「だいじょうぶだよ」と言ってくれる。 来週はまた下肢静脈瘤の手術を控えている母だった。 老人病だよと笑っているけれど、そうして老いていく。 それでも毎日頑張っている母に頭が下がる思いだった。
死ぬまでやるしかないというその言葉に胸が痛くなる。 娘としてどれほど助けてあげられることだろうか。 10年後の母を思うとほんとうに心細くてならなかった。
夕飯は久しぶりにカレーを作る。フライパンで作ってみた。 サチコが家を出てから一度も作っていなかったカレーだった。 私はラッキョウが好きでたくさんのっけて食べた。 彼も美味しいと言ってくれて喜んで食べてくれた。
ありがとうございました。いつものお大師堂で手を合わす。
よしよしとお大師様が微笑んでいるような夕暮れ時だった。
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