梅雨空につかの間の青空が見える。 窓辺にいてそんな空を眺めていると。 心のなかにも陽射しが沁みてくるようだった。
そうしてまた梅雨空に変わっていく空。 ツバメ達が何事もなかったように横切っていく。
昨日のこと。母から思いがけない電話がある。 もう職探しをするのをやめなさいと言うのだ。 少し口論になった。あまりにも命令的であったし。 どうしてわかってくれないのだろうと悲しくも思った。
今まで通り山里の職場を手伝って欲しいと言うのだ。 ちゃんとお給料を払うから。絶対に約束するからと。
それがどんなに困難なことなのか私にはよくわかる。 それを言えばまた口論になりついつい言葉が荒くなる。
それが母の優しさだと素直に受け止めることが出来ない。 気楽に甘えて欲しいと母は言うけれど。それもできない。
いったい私はどうすればいいのだろうと昨日から悩んでいる。
無給で手伝ってこその親孝行だとずっと思っていたけれど。 母の願いを素直に聞き入れることも親孝行なのだろうか。
わからない。すぐにこたえなどでそうにない・・・。
とりあえず一昨日の面接先に辞退の連絡をする。 いまはそうするしかないだろうと彼と話し合った結果だった。 もしかしたら採用になったかもしれないけれど。 それでは母とのあいだにまた亀裂が生じてしまいそうだ。
それがよかったのかどうなのか今は何もわからなくて。 ただ母に逆らうことだけはいけないことのように思っている。
なにごともなかったように。今はそれがとてもむつかしい。
おしえてください。
月曜日から私はどんな顔をして山里の職場に行けばよいのですか?
母は微笑んでくれますか?わたしも一緒に微笑むことができますか?
| 2010年06月17日(木) |
まあこんなもんだろう |
うす雲がひろがっていたけれどまずまずの晴天。 風がなかったせいでかなりの蒸し暑さだった。
午前中に連絡があり午後から面接に行く。 店長さんはとても朗らかな人で話しやすかった。 体力には自信がありますか?と訊かれる。 思わずお米30キロ位なら持てますと答えた。
鮮魚売り場はスーパーでいちばん忙しいらしく。 残業も覚悟していてほしいと言われたのだけれど。 朝早くからの仕事で残業はなかなか辛そうに思う。
詳しい話を聞くほど不安なことがいっぱいになった。 ハローワークの説明とは随分と違うところが多いのだ。
とりあえず一週間ほど待つようにと言われその場を後にする。 その間面接に来た人の中から2名を選ぶのだそうだ。
駄目ならその時。決まればやれるだけ頑張ってみようと思う。
いまさらながら職探しのムツカシサをつくづく感じている。 労働条件の良いところは従業員もかんたんに辞めないのだ。 今のご時勢。求人があるということはそういうことらしい。
帰宅して。ちょっとずるいことを考えてしまった。 先日買った宝くじ。確かめるのが怖くてそのままだったけれど。 それさえ当たっていれば仕事なんか探さなくて良いのだなんて。
おそるおそるそれを確かめる。かみさまほとけさまって願って。
あーあ・・・やっぱり駄目だった。まあこんなもんだろうと笑った。
梅雨の晴れ間。陽射しはもう真夏のようだった。 まぶしい青空。ツバメたちが嬉しそうに飛び交う。
午後からハローワークに出掛けてみた。 すると思いがけない求人がありこれだ!と目が輝く。 それはいつも買物をしているスーパーの鮮魚売場だった。
お店の雰囲気がとても好きなのだ。 店員さんともすっかり顔見知りになっているし。 ここで働けたらどんなに良いだろうかと思った。
さっそく紹介状を作ってもらったのだけれど。 今日は店長さんがお休みとの事で明日の連絡待ちとなった。 なんとか面接まではこぎつけられるだろうと思っているけれど。 採用になるかどうかはまったくわからなくて少し不安でもある。
ここはありのままの自分で立ち向かっていくしかない。 自信を持とう。不安は顔に出るからとにかく笑顔でいこう!
ハローワークの帰り道。ふと思い立って髪を切りに行く。 いつもの美容院ではなく。ずっと昔に通っていた所に行った。 かれこれ15年ぶりくらいだろうか。ちゃんと憶えていてくれて。 すっかり大きくなったお互いの子供たちのことなどを話した。
ぼさぼさと重たかった髪の毛がさっぱりと軽くなる。 すごくすごくリフレッシュしたような気持ちになった。
おもたいってかんじることがたくさんある。
かるくしたいのにどうしようもなくって。
なやんだりもがいたりしながら日々を生きてる。
そんなにもつを捨ててしまうのではなくて。
ほぐしたりもんだりしてやわらかくするのだ。
それはきっと綿みたいにかるくなるのにちがいない。
ぴちぴちちゃぷちゃぷと雨音がここちよい。 なんだか空ぜんたいがお風呂のなかみたいだ。
洗っている。流している。さっぱりとしている。
夕方ひょっこり息子君が立ち寄ってくれた。 ちょうど晩ご飯の支度をしていたところで。 お魚のすり身でコロッケをたくさん作っていて。 食べて帰ろうかなと言ってくれてすごく嬉しかった。
ついでに父親の頭を洗うのを手伝ってもらった。 まだ眼を濡らしてはいけなくて洗髪もままならず。 退院してからずっとそれは私の役目だったのだ。
介護士の息子はさすがに手際もよくて上手だった。 何よりも喜んだのは父親でそれは嬉しそうにしていた。 まさか息子に髪を洗ってもらうなんて思ってもいなかっただろう。
三人で晩ご飯。大皿にてんこ盛りだったコロッケがあっという間。 すり身のコロッケはマヨネーズと醤油が合うぞって言うので。 私も真似してみたらすごく美味しかった。5個も食べちゃった。
「おとうが酒を飲めるようになったら全快祝いをしょーな」って。 俺が全部出すから外へ焼肉でも食べに行くか!なんて言ってくれる。
するとおとうが「もったいないからおうち焼肉にしょーぜ」と言う。 なんだ!俺がおごってやるからええじゃないかと息子が言ったり。
わたしはずっと笑っていた。おとうとむすこっていいなあって。
ほのぼのとしたひと時。これがしあわせでなくてなんだろう。
雨が降るのを待っていたかのように梅雨入り。 昨日は横なぐりの雨。今日は細かな雨が降る。
やまない雨はないのだからとそんな季節を受けとめる。
雨合羽を羽織ったお遍路さんがひとりふたり。 峠道で追い越しながら山里の職場へ向かった。
あれこれと思い煩うことなくもっと気楽にと思う。 とにかく出来るかぎりのことをしてあげたかった。
ほんの少しこころに余裕が出来たのかもしれない。 ふとした時にぽろりとこぼれるようにその話をした。 職探しをしていることをやっと打ち明けられたのだ。
母はちょっと怒るかなと思った。けれどもそれはなく。 むしろ覚悟していたような口ぶりで頷いてくれたのだ。
ほっとする。それがどんなに親不孝なことだとしても。 母がそう言ってくれたのがとても心強いことに思えた。
今週もハローワークに行こう。どんな仕事でもいいから。 積極的に立ち向かっていかなければとこころに決める。
情けない話しだけれど家計は日に日に苦しくなっている。 貧しいと言ってしまえばそれまで。負けるわけにはいかない。
せめてこころはたっぷりとゆたかに。微笑むことを忘れず。
くよくよと思い悩んだりせずにど〜んと乗り越えていこう!
晴れのちくもり。午後に吹く風は雨を匂わす。
降りださないうちにと早目に散歩に出掛けた。 つい先日のこと除草作業を終えたばかりの土手に。 もう若い緑が目立ち始める。雑草ってすごいな。 どんなに刈られても機械で踏み荒らされたって。
へっちゃらだいって言っているようにとても元気。
そんなふうに生きられたらどんなにいいだろうか。 くじけずにめげないでちからづよくすくっと伸びて。
わたしのあたまのなかはいろんなことでいっぱい。 それがぐるぐるしたりざわざわしたりするばかり。
なんだか疲れちゃったなあってふとおもう時もある。 そういうのみんなぽいぽいっと放り投げてしまいたい。
痛いの痛いのとんでいけ〜って大声で叫ぶみたいに。
けれどもこれもあたえられた試練のようなものかも。 だとするとなんとしても乗り越えなければとおもう。
わたしは雑草。生まればかりの雑草。
生きてさえいれば。きっといいことがあるから。
すっかり夏。蒸し暑さに汗が流れる。
今日は息子くんの誕生日だった。 せめて晩ご飯でも一緒にと思って。 連絡してみたけれど来られないと言う。
誕生日なんてもういいよなんて言うから。 母はちょっとしょんぼりとさびしかった。
いくつになってもお祝いしてあげたいものだ。
すっかり古くなった母子手帳を出して見てみる。 午前2時57分に生まれている。3650グラムだ。
そうそう確か前夜に陣痛が始まって病院へ行ったっけ。 あの時の痛みをかすかに思い出す。そうして生まれた。 へその緒が身体に巻きついて真っ青になっていたから。 抱くことも出来ずすぐに保育器に入れられてしまった。
ちいさな命。いっしょうけんめい生きようとしている命。 不安と希望と。どうか助かりますようにと祈り続けていた。
あれからもう31年。ながいようであっという間に思える。 初めての育児は無我夢中で。育てるというより育ててもらった。 母親になったのではない。母親にしてもらったのだと思っている。
おにいちゃん。おたんじょうびおめでとう。
母ね。ほんとは今夜電話したかったのだけれど。
うっとうしいなあっておこられそうで我慢している。
心配性でおせっかいの母だけれど。これからも「おかあ」って。
呼んでね。ずっとずっと呼んでね。
|