黄砂なのだろうか。霞がかった空。 気温も上昇しすっかり春らしくなる。
ぽかぽか日和に誘われて「しんむけいげ」に行った。 今日を逃せばこの春はもう無理かもしれないと思い。 いてもたってもいられないような気持ちで出掛ける。
お店はほぼ満席状態。窓際のカウンターは無理で。 いっそ春風に吹かれようと裏庭のテラスを選んだ。
吹き抜ける風にウグイスの鳴き声。なんとも心地よく。 美味しい珈琲と甘さを控えたロールケーキを食べた。
友人は変わらず天真爛漫。いつ会っても朗らかな笑顔。 私はといえばついつい不安な事などを口にしてしまい。 そんなことはないよと笑い飛ばしてくれるのを期待する。
私たちは決して似たもの同士ではないのだけれど。 不思議と気が合って長い歳月をともに過ごして来た。
ゆうじんとよんでいるのはかたおもいかもしれない。 彼女はうちの息子が小学生の時の担任の先生だった。 たまたま同い年であり文芸のようなものでつながる。 それ以外にはなにもないのかもしれないなとも思う。
けれども私にとってはかけがえのないゆうじんだった。
今度は夏ね。この店の窓から見える風景はどんなだろう。 きらきらとまぶしい川面。対岸の柳の木が夏風に揺れる。
わたしのふあんがたとえふえていたとしても。
かのじょがわらいとばしてくれるのがうれしい。
彼岸の入り。朝の風は少し冷たかったけれど。 日中はほっとするような暖かさになった。
お昼にぼたもちを食べる。おやつにも食べて。 つい今しがた食後の別腹で最後の一個を食べる。
死んだお祖母ちゃんのぼたもちを思い出す。 きな粉のじゃなくて小豆餡のぼたもちだった。 もう二度と食べられないその味がとても懐かしい。
しんだひとはみんなひがんにいるのかしら。 ごくらくじょうどとはどんなところなのだろう。
我が町にはいくつか沈下橋という橋があって。 そのひとつの近くに「しんむけいげ」というお店がある。
店の名は般若心経の一節より名付けられているらしい。 「こころにこだわりをもたない」というような意味だ。
お正月の3日だったろうか。友人と食事に出掛けた。 窓際のカウンター席。そこから見る景色の素晴らしさ。 春になると川向に菜の花がたくさん咲くのだと言う。
その時友人と約束をした。きっと春にまた来ようねと。
先日友人から電話があった。ねえもうそろそろ行かなくちゃ。 今度の連休はどう?私はなんとしても行きたいのだけれど。 不作とはいえ川仕事を休むわけにはいかないなと複雑な気分。
お昼ごはんは無理でもお茶するくらいの時間はとれるかも。 一時間でもいい。あの場所にもう一度行ってみたいと思う。
こころ魅かれる場所って誰にだってあるだろう。
「しんむけいげ」にこだわっているのかもしれないけれど。
今日も冬の名残。北からの風はやはり肌寒く。 けれども夜明けがなんと早くなったことだろう。 それだけで春を感じる。青空と陽射しが眩しい。
彼の58歳の誕生日だった。 父親が亡くなった年をやっと乗り越えたことになる。 この一年どんなにか不安に思っていたことだろう。 俺は親父の年まで生きられればそれでじゅんぶん。 などと口癖のように言い続けていた一年だった。
なんだか還暦のお祝いみたいね。ふたりで笑い合う。 そうもちろん還暦だって喜寿だって米寿だって来る。 俺生きたなあ。なんかめちゃめちゃ生きてるなあと。 また笑い合える日がきっと来るだろう。ねえお父さん。
よほど感慨深かったのだろう。今夜の彼の嬉しそうな顔。 いろんなことがあったけれどこの人と暮らせてよかった。 つくづくとそう思う。そうして感謝の気持ちが溢れてきた。
ひとはいつかかならずしぬ。そのいつかのためにいきる。
たすけあいゆるしあいささえあっていっしょうをおわる。
おとうさんおたんじょうびおめでとう。ながいきしようね。
風の強いいちにち。 冬の名残の北風がひゅるひゅるとないて。 咲き始めたばかりの桜の花にすがりつく。
そうたしかに。寒さなければ花は咲かなかった。
午前中に川仕事を終え午後から少し損保の仕事。 自宅でそれが出来るようになってとても助かる。 山里の職場も気掛かりだけれど正直なところ。 なるべくなら行かずに済ませたいと思っている。
母を助けてあげなければと任務のように思って。 そのくせそれを実行しないのは矛盾しているかも。 しれないけれど。気が進まないことが多くなった。
無理をしないこと。それが何よりいちばんだと思う。 母は無理をしているかもしれないというのに・・・。
夕方。洗濯物を取り入れていたらあんずがしきりに。 きゅいんきゅいんと甘えた声で散歩をせがんでいた。 いつもとはちょっとちがう様子で急いで連れて行く。
おしっこを我慢していたらしい。土手に駆け上がり。 けつまずいて転んだ。あらまあと思わず笑ってしまう。
それからうんちも我慢していたらしい。歩きながら。 それをちびった。ぽろんぽろんと道に落としていく。
慌ててスコップですくっているとぐいぐいと引っ張る。 もしや彼女は無意識のうちに。そう思うとやはり老いか。
けれどもそんな心配をよそに先を急ごうとする彼女は。 とても老犬とは思えない歩きぶりだった。すごい元気。 ぜえぜえと喘いでいるのは私のほうで負けたなと思う。
そんな彼女の元気にずいぶんと助けられているこの頃。
私もあんずみたいに元気なおばあちゃんになれるかな。
老いることはせつないけれど。たのしく愉快に老いたい。
朝は少し肌寒かったけれど日中は春そのもの。 うす曇の空からやわらかな陽射しが降り注ぐ。
あたりの山にはピンク色のツツジの花が咲く。 冬枯れていた山にその色がとても可愛らしく。 こころがなごむ。アイニイキタイなと思った。
川仕事。ぼちぼちとまた収穫を始めることになった。 川辺の木々のあいだからウグイスがしきりにないて。 焦りや不安をその声で打ち消してくれるありがたさ。
すっかり弱っていた海苔も少しずつ元気になっている。 なんと愛しいことだろう。胸が熱くなりほろりと涙が。 頑張ってくれているんだね。こんなに嬉しいことはない。
決してあきらめないこと。そして信じる事を今日は学んだ。
昨日の寒さがうそのように暖かくなる。 久しぶりの青空だった。洗濯物も嬉しそう。
割ぽう着姿のまま畑に出掛ける。 長靴を履いてゴム手袋をはめて。 よいしょよいしょと大根を引き抜く。 大きいのもあれば小さいのもある。 全部で20本ほどの大根を収穫した。
とても食べ切れそうにはなくて。 姑さんにお漬物にしてもらうことに。 自分でもやってみようと浅漬けを作る。 お昼に漬けてさっそく晩御飯に食べた。 うむ。ちょっといまいち。でも美味しい。
それからキャベツは初めての収穫だった。 なまでむしゃむしゃと食べてみたくて。 トンカツを作りてんこもりのキャベツ。 やわらかくて甘味があって我ながら上出来。
苗を植えたばかりの時には蟹に食べられた。 もう駄目かなってあきらめていたのに。 寒い冬のあいだいっしょうけんめいに。 育ってくれたキャベツ。よくがんばったね。
なんか今夜は嬉しくってテンションがあがった。
寒の戻りもそろそろピークだろうか。 雪混じりの雨と強い北風が吹き荒れる。
そんな寒い日に高知城では桜の開花宣言がある。 ほっと嬉しくなるようなニュースだった。
あと少しもう少しでこの寒さともお別れ。 桜の季節がやって来る。やっとほんとうの春だ。
軽トラックにビニールシートをかけて。 無事に海苔のお嫁入りを済ませた。 例年ならば三回はある出荷だったが。 今年はこれっきりになるやもしれず。 いやそんなことはないだろうと首を。 横に振りながら不安を打ち消している。
ど〜んとかまえてひとやすみのつもりでも。 どうにも気分が落ち着かず苛々としてしまう。
明日は晴れてあたたかくなりそうなので。 ほったらかしにしてある畑のことをしよう。 とにかく大根を引いてしまわないともう花が。 咲きそうになっている。大根の花畑になりそうだ。
初めての畑作りで大根だけはたくさん育った。 自分で作った大根は柔らかくてとても美味しかった。
やってやれないことはない。これからもがんばろう!
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