| 2009年10月01日(木) |
こんなにも近くにある |
空はなかなか晴れてくれなくて今日もどんより。 もう10月なのだと思えば風の色も少し変わる。
仕事中。母と向かい合って昔話をしたのだった。 最初は例の沢蟹の話しから。祖父の山の家には。 すぐ近くに谷川が流れていてその蟹が沢山いた。
母は子供の頃その蟹を食べたことがあるのだと言う。 あの頃は何だってご馳走だったのだと遠い目をして。
お米を作り野菜を作り鶏を飼って牛も山羊もいたっけ。 絞りたての山羊の乳。そうして生みたての卵の温もり。
母が子供の頃を思うように私も幼い頃を思い出していく。 お山のお家が大好きだったコドモの頃にかえっていった。
祖母が作ってくれたおはぎのとても美味しかったことや。 じゃが芋を蒸してすり鉢で練って卵とお砂糖を入れたのや。 なんて懐かしい味なのだろう。いつまでも忘れられない味。
一気に胸に熱いものが込み上げてくる。とても淋しかった。 カナシイのとは違う。なんて言葉にすれば良いのだろうか。
過去。とても遠く過ぎ去った日々がこんなにも近くにある。
いつもは喧嘩ばかりしている母がとても温かで優しく思える。
母の子供に生まれてよかったとやっと感謝出来たような気がした。
| 2009年09月30日(水) |
つい昨日のように思うこと |
秋雨前線が停滞しているらしい。今日もぐつついた天気となる。 けれども今が盛りと咲いているコスモスのなんと明るい事だろう。 それは灰色の空にもよく映えてほっと心を和ませてくれるのだった。
柿の葉が色づき始める。桜の葉もまたはっと季節を知らせてくれる。 つい昨日のように思う事。ずいぶんと駆け足で巡り来た秋を思った。
畑には日曜日に種を蒔いたばかりの大根がもう芽を出してくれた。 カイワレ大根の先っちょのような双葉がなんとも可愛らしく見える。 蟹さんは相変わらずざわざわと忙しない。近づくと一斉に逃げては。 その様子が愉快でならない。けれども全部食べられたら悲しいかな。
水曜日。明日は木曜日と週末が待ち遠しい。畑仕事が楽しみになった。
少女だった頃を思い出す。父が猫の額ほどの家庭菜園を作っていた。 草引きを手伝った時のこと。間違えてほうれん草を引いてしまった。 おまえは雑草と野菜の区別もつかないのかとひどく叱られたのだけれど。 そのことが今とても懐かしくてならない。そんな私が畑作りを始めた。 父が生きていたらあの時のことを思い出して笑い転げたかもしれない。
無事にほうれん草が収穫出来るようになったらお父ちゃんにお供えしよう。 お白和えが良いかな。そんなことを考えながら今宵もゆっくりと更けていく。
恵みの雨。午後にはもう薄陽が射し始めてしまったけれど。 あたりじゅうがしっとりと潤って草の匂い土の匂いが漂う。
一雨ごとに秋が深くなることだろう。奥へ奥へと向かう道。 そんな一本道にぽつねんと佇んでいるような気持ちになる。
昨日。畑に大根の種を蒔いた。白菜の苗とレタスの苗も植えた。 だから雨が嬉しくて。帰宅するなりわくわくしながら畑に行く。
するとざぁ〜と音を立てて逃げる群れに遭遇。なんと沢山の沢蟹。 何てことでしょう。白菜は丸裸。レタスは跡形もなくなっていた。
蟹が野菜を食べる話を聞いたことがある。先日の春菊もそうなのか。 落胆しつつも不思議と腹が立たなかった。むしろ愉快にさえ思える。
また植えれば良いよと姑さんも笑っている。やはりネットを張ろう。 彼は手伝ってくれるらしくてそう言う。週末はまた畑仕事に励もう。
私は蟹が野菜を食べている姿を想像する。ハサミでちょきんとするのかな。 そうしてもぐもぐするのかな。柔らかな野菜はどんなにか美味しい事だろう。
何もかも初めてのこと。何がおきても新鮮に思える。何だって来いって思う。
さきほどTさんからメール。もうすぐ大分に帰りつけそうでほっとする。 今回の旅はとても貴重な旅だったと思う。それは私にとってもそうであり。
ひととひととの縁を強く感じた出来事になった。
夏の名残のような別れ。それはとてもさびしくてせつない。
けれどもなんともあたたかなおもいで満たされた数日間だった。
| 2009年09月26日(土) |
私はずっとここにいる |
ほんの少しの夏の名残り。ツクツクボウシの鳴く声を。 聞き納めのように耳にする。それはもう精一杯のいのち。
先日種をまいたほうれん草の芽が出る。ちっちゃくて可愛くて。 とても嬉しくてならない。初めてのことで少し不安だったけれど。 これも恵みだろうと天を仰ぐ。種はちゃんと生きていたのだと思う。
昨日。Tさんはやっとの思いで彼女と再会を果たした。 午前中は見つからずはらはらとするばかりだったけれど。 午後になり朗報。会えました!の一言にとてもほっとする。
そうして今日はふたり一緒に歩くことが出来たのだった。 ふたりの笑顔が目に浮かぶ。なんだか私の心も一緒に歩く。
ひとの縁ってなんてありがたいことだろうとつくづく思った。 か細い糸かもしれない。けれどもしっかりと結んでおきたい。 きっとまた会える。そう信じてこの先の人生を歩んでいきたい。
私はずっとここにいる。大河のほとりで穏やかに生きていよう。
そうして糸を紡ぐように縁を織り続けていこう。
| 2009年09月24日(木) |
ひとがなにかを思い立つとき |
連休も終わり山里の職場へと向かう。例の憂鬱さはいずこへ。 今朝はいつになく心が浮き立ち。期待に胸を膨らませていた。
大橋を渡って国道に出る。ひとりふたりとお遍路さんを追い越して行く。 五人目だったろうか。昨日の彼女らしき後姿を見つけることが出来た。
すぐにクルマを停めて駆け寄って行った。彼女はとても驚いた様子で。 けれどもすぐに満面の笑顔を見せてくれて「おかあさん」と私を呼ぶ。
ほんとうに娘のようだった。朝陽を浴びながら彼女の汗がきらきら光る。 昨夜の嬉しかったことを話して聞かせてくれた。もう最高でしたと言って。 Tさんと出会えてほんとうに良かったと思う。ささやかな縁かもしれない。 けれども確かに繋がっていたからこそ出会えたのだと思う。感動的な出会い。
彼女の手に私の手を重ねて名残惜しく別れた。今しか出来ない事だから。 彼女はそう言ってまた歩き始める。とてもたくましいまぶしい姿だった。 不思議なパワーを頂いたような気持ちで私もすくっとなり職場へ向かった。
午後。Tさんからメール。四万十川の上流域まで行っていたけれど急に。 歩きたくなったのだそうだ。彼女と出会ったことで心を動かされたのだろう。 そんな気がする。彼女の不思議なパワーがTさんにも伝わったのだと思う。
結局Tさんはコースを変更して彼女を追う事になった。きっと会えるだろう。 なんとしても彼女の姿を見つけて少しでも一緒に歩かせてあげたかった。
夕方。足摺岬からメール。もう薄暗くなった頃。彼女の姿が見つけられない。 とても落胆している様子で心が痛くなった。でも明日があるさと返信をする。
「あはは」と笑い声の返事。だいじょうぶ。彼女はきっとすぐ近くにいる。
私は祈っていよう。ふたりの再会を。そうして少しでも一緒に歩けることを。
縁があるのだから必ず会える。だってそのために思い立った旅ではないか。
ひとがなにかを思い立つとき。そこにはかならず待っていてくれるなにかがある。
| 2009年09月23日(水) |
またきっと会いましょう |
秋分。うす曇のやわらかな陽射し。心地よく風に吹かれる。 月は三日月。少し赤みを帯びてとても神秘的に夜空に映える。
日曜日の出会いから立て続けに嬉しい事があった。 昨夜は埼玉のSさんがすぐ近くまで来てくれて再会が叶う。 ネットを通じて知り合い初めて会ったのが一昨年の春だった。 我が町を第二の故郷のように思い通い続けて20年が近いと言う。 昨年は会えなくてとても残念だったけれどいつかきっとと思っていた。 連絡してくれてありがとう。帰り道にわざわざ立ち寄ってくれて嬉しかった。
土手で夜風に吹かれながら手を振った。来年もまたきっと会いましょう。
今日は大分のTさんと再会。今年のお正月にお寺で出会ったお遍路さん。 今回は遍路旅ではなかったけれど急遽思い立って高知へ来てくれたのだ。 笑顔がとても懐かしかった。あの日も境内で目があって微笑んでくれた。
隣町の道の駅で待ち合わせて会いに行く。遍路地図を見ながら語り合った。 来る途中に若い女性の歩き遍路さんと出会えたと言うこと。その女性がなんと。 私が毎日のように通っているお大師堂に。今夜は泊まる予定だと言うのだった。
偶然とはいえなにか不思議な縁を感じ。私もその人に会いたくてならない。 Tさんはお接待がしたくて今夜の晩御飯をご馳走する約束をしたと言う事。 自分も歩いていて嬉しい事がたくさんあったのだと思う。だから今度は自分が。 Tさんの気持がすごく伝わってきて私も嬉しくなる。私もひと目会いたい。
夕暮れ時。いつもの散歩道がきらきらと眩しかった。心が浮き立つようだった。 お大師堂で手を合わせていると足音が聴こえてくる。笑顔のTさんとまた会える。
そうして少し遅れて彼女の姿が。まだあどけない顔が真赤に日焼けしている。 一気に母の気持ちになった。偉いねほんとうに偉いねと抱きしめたいほどに。
夕風に揺れるススキをかたわらに二人と別れた。またきっと会いましょう。
その日がどんな季節でも変わらぬ笑顔で会いましょう。ゆびきりげんまん。
| 2009年09月21日(月) |
出会ってくれてありがとう |
午後はにわか雨の予報がはずれ秋晴れのまま日が暮れる。 日中の夏の名残もこの彼岸があければもう遠くなりそう。
朝のうち少し畑仕事。ほうれん草の種をまいてみた。 初めての事で芽が出てくれるのか不安はあるけれど。 とにかくやってみなければと見様見真似で試みてみた。
昨日植えたばかりのキャベツは早くも虫に食べられている。 春菊も一本は跡形もなくなっており先が思い遣られるけれど。 好奇心旺盛な私にはそれもまた良い経験になるのかもしれない。
俺はもう手伝わないぞと言っていた彼が様子を伺いに来る。 無関心を装いながらも気になるのだろう。それも愉しかった。
ようし冬になったら毎日ほうれん草を食べさせてあげようと思う。
連休のせいか県外ナンバーのクルマが目立つ。川で写真撮影や。 またお遍路さんの姿もいつもより多い。ちりんちりんと鈴の音や。
昨日のこと。ネットを通じてお知り合いになった方と会うことが叶う。 その方もお遍路さんだ。香川から列車に乗って我が町に来てくれたのだ。 駅でこっそり待ち伏せをしていた。すごいドキドキしながら待っていた。
声をかけた瞬間のびっくりしたような顔と満面の笑顔を嬉しく思う。 初対面だというのにやはり懐かしさを感じる。これが縁というものか。 同い年という事もありなんだか旧友に再会したような気持ちにもなる。
足摺岬行きのバスが来るまでほんのつかの間だったけれど語り合った。 ずいぶん手前から歩きとの事。今日は無事に足摺岬に着いている事だろう。
出会えるということはほんとうに不思議なことだと思う。 ささやかな糸を手繰り寄せながらひとはひとに出会えるものだ。
出会ってくれてありがとう。いつも感謝の気持ちを忘れずにいたい。
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