| 2009年02月21日(土) |
いっぱいのしんこきゅう |
朝の寒さは冬らしくあったけれど。 川仕事のかたわら鶯の初音を聴く。
それはほうけきょだったりほうだったり。 まだ上手くは鳴けなくてすこし愉快な声。
ほらもうすこし。あらまあよっこらしょ。 ついつい声をかけては私も鳴いてみせる。
おかげでたくさんの微笑をいただき。 心を浮き立たせつつ仕事に精を出す。
午後。何日ぶりだろう川辺の道を散歩する。 夕陽の頃も良いけれど小春日和をありがたく。 お昼寝をしていたあんずが首を傾げてみせる。
ふたりほぼ等身大の影が道に映るのを横目に。 太陽の光をいっぱいに浴びながらゆっくり歩く。
久しぶりのお大師堂だった。暦は18日のまま。 その日捲りを一日ずつ千切りながら今になる。
川辺にはタンポポが花盛り。いつかの綿毛も。 風にのって旅立ったのだろう。かたわらには。 幼子のようによりそうその姿が可愛らしくて。
帰り道は。土手をみあげながらのつくしん坊。 黒かったあたまもすっかりきらきら光ってる。
きもちいいね青空。私もいっぱいしんこきゅう。
| 2009年02月19日(木) |
雨あめふれふれ母さんは |
寒の戻りもあれば。ひと雨ごとにと春に向かう雨もある。 たとえ冷たい雨だとしても。ふくらんだ花のつぼみには。 恵みの雨となり得るのだろう。雨あめふれふれ母さんは。
こんな雨が好きです。静かな雨音に耳をかたむけています。
火曜日の早朝のこと。姑の姉にあたる伯母が息をひきとる。 去年の夏から体調を悪くして入退院を繰り返していたけれど。 暮には帰宅していて親戚の法事があった日に会った。それが。 最後になってしまう。お刺身が好きで美味しそうに食べていた。
その時の笑顔ばかりが目に浮かび。きょうその骨が粉々になり。 みんなが嗚咽をもらし泣きじゃくっているというのに。なぜか。 いったいどうしたわけだろう。わたしは泣けないひとになった。
死ぬんだなって。ひとはみんなこうして最後は粉々になるのだな。
この冷静さがどこからくるのか。じぶんでもよくわからない現実。
ひとの『姿』って『かたち』って確かにあるけれど『無』にもなる。
その無いものがとてもつよく存在しているように思う。不思議な事。
明日からまた日常が始まる。早朝から三日ぶりの川仕事に行こう。 午後からは山里の職場に行こう。久しぶりに峠の道を越えて行こう。
晩御飯もちゃんと作ろう。夜は体育館へ行って仲間達とふれあおう。 帰宅したら焼酎を飲んでぐっすり眠ろう。明日のことはわからない。
というのに。あしたのことばかりかんがえている今夜になった。
雨あめふれふれ母さんは。いまとてもあっけらかんと元気です。
| 2009年02月16日(月) |
テールランプを灯しながら |
すっかり春を思わす陽気が続いたあと。一気にまた冬らしくなる。 西風が強く吹き荒れる寒さのなか。さくらんぼうのなる桜の木に。 薄桃色の蕾をたくさん見つけた日。そのふっくらさに心を和ます。
昨日から川仕事を再開し今日もがんばる。彼は荒治療だと言っては。 大丈夫!を連発するばかり。はらはらしながら見守るしかなかった。 おかげで私は少しだけ楽をさせてもらえる。やはり男手はありがたい。
晩御飯は焼き鳥。サチコの好きな麻婆豆腐。ほうれん草の胡麻和え。 ふっと息子君の事が気がかりになり。電話してみたらとサチコも言う。 よかった。まだ職場にいて帰りに寄ってくれるとひとつ返事が嬉しい。
お兄ちゃんに会うの久しぶりやって。サチコがお休みの日でよかった。 母はそわそわと落ち着かない。窓の外ばかり気にしながら彼を待った。
ほうれん草をポパイみたいに食べてくれる。麻婆豆腐はご飯にのせて。 そうして少しだけ愚痴。仕事のことや体調のことや母は心配性だから。 うるさい!とか言いながら話してくれる。八つ当たりも嬉しいものだ。
実は昨夜夢を見たのだ。まだ子供のままの彼がどこかすごく痛がって。 病院へ連れて行こうとしたのだけれど。どうしても嫌だと暴れる夢だ。
もうすっかりおとなのおとこ。わかっているけれど・・・私のこども。
そんなこどもを窓からそっと見送る。明日は今日より冷えるそうだ。 風邪を引かないように暖かくしてね。そんな言葉も言えないままに。
こどもは振り向きもせずに帰る。暗い路地にテールランプを灯しながら。
| 2009年02月14日(土) |
いつもそこに空がある |
土の中から出てきたばかりの土筆の坊やの。 あたまはちょっと黒くって痛々しいのです。
ぐいっと力んでしまったのな。怪我したのかな。 よしよしと頭を撫でてあげたくてならなくなる。 もう大丈夫。明日もお陽様にきっと会えるから。
日中の気温は一気に桜の頃に似て。汗ばむほどの陽気になった。 そんな朝。彼が散歩に出掛ける。自転車にも乗れるようになる。
ほっと安堵。まだまだ無理は出来ないけれど明日から川仕事の予定。 今日は頂いたお休みだと思って。私もいちにちのんびりと過ごした。
晩御飯はオムライス。好きなんだこれが。ふわふわの卵が美味しい。 食後に芋焼酎のチョコボンボンを食べた。三つ食べたらほろ酔った。
なんだかへいわ。へいわすぎてこわくなるくらいへいわ。
2月14日。いまのHP『雲にのりたい』をたちあげてまる7年を迎えた日。 もうそんなに。ただ在り続けるだけのこれといって特別な事もなくって。 それなのに忘れずにいてくれるひとがいてくれる。思い出してくれるひと。 毎日のようにそっと足跡を残してくれるひともいてくれる。このありがたさ。
いまのわたしはむしろ『雲ひとつない』けれどもいつもそこに空がある。
見上げることの出来る日々を愛しく。このさきも許される限り生かされていたい。
出会ってくれてありがとう。こころいっぱいの感謝をこめてこれを記す。
『雲にのりたい』
| 2009年02月12日(木) |
ささやかな春にありがとう |
とうとう昨日から黄砂が。まさに春霞の陽気となる。 そうして晴れているのだろう空からやわらかな陽射。
彼のぎっくり腰の痛みは少しだけましになったけれど。 やはり安静が第一。今日もふたりでのんびりと過ごす。
私は暖かな陽気に誘われ。ちょこっと漁場の見回りに行く。 干潮の頃すっかり水が引き。そこはまるで緑の畑のようだ。 何年ぶりだろう久しぶりに漁場の写真を撮る。愛しき海苔。
帰り道には。もしや土筆がとゆっくりと軽トラを走らせた。 けれども坊やはもう少し。土の中でむくむくっとしている。
そのかわり河川敷の牧草地の若草。はっとするほどの緑だ。 そうして農道脇のビニールハウスの横には一面の菜の花だ。
数日前からそうだったのだろうけれど。今日やっと気づく。 川仕事の帰り道にはそれほどゆとりがなかったのかと思う。
ささやかな春。ことしも巡ってきてくれてありがとう。
昨夜のまみむメモ。
例の手紙をくださったお遍路さんの奥様から。昨夜電話をいただく。 IP電話だから大丈夫よって言ってくれて。なんと二時間の長話し。 偶然にしてはあまりにも不思議な共通点があり。ふたり感動ばかり。 感極まる話しをたくさん聴かせていただき。とてもありがたく思う。
出会うべくして出会うひと『縁』なくして人生はありえないと心からそう思う。
| 2009年02月10日(火) |
むかしとった杵柄があったさ |
真夜中にはもう雨があがっていたらしい。 夜明けと間違えるほど窓の外が明るかった。
昨夜が満月だったことをそうして知っては。 今夜の月も素晴らしく綺麗で夜空をあおぐ。
日中も穏やかに晴れて春のように風がそよぐ。 うぐいすの声はまだ聴けないけれど何処かで。 名も知らぬ鳥が透き通った声で啼くのを聴く。
例のごとくで川仕事。すこしも苦にはならず。 むしろ楽しい。体調も良くきょうもがんばる。
けれども彼が。とつぜんちゃがまってしまう。 船から荷を降ろしている時に腰の筋がズキン。 以前からぎっくり腰の癖があるのでそのよう。 なんとか軽トラの助手席に座らせ連れて帰る。
後は頼むよ。そう言われなくても肝っ玉母さん。 むかしとった杵柄があるのだもん。任せなさい。 家で彼の手当てをしてすぐさま作業場へ向かう。
収穫した海苔を機械で洗い脱水機をかけて干す。 ひとりでそれをするのはほんとうに久しぶりだ。 じぶんも捨てた者じゃないなと少し悦にいった。
そうして自信もわいてくる。まだやればできる。 すべての作業を終えて太陽の恵みをありがたく。 干し場に並ぶ緑の海苔を感慨深く愛しんでいた。
あすはやすもうね。あさっても休みにしようかな。 彼が無理をしないように。私も怠けることにする。
どんな時もあるのがあたりまえ。こんな時もある。 そのぶん海苔も順調に育ってくれるのだとおもう。
明日の朝は夜明け前に。あんずとお散歩に行こう。 ちょっとびっくりするかな。あれ?お父さんは?
いそがなくてもいい。すこしも焦らなくいいから。 ゆっくりぼちぼち動けるようになってねお父さん。
土曜日には。焼酎ボンボンのチョコきみにあげるよ。
| 2009年02月09日(月) |
それはほのかにせつなくて |
晴れのち雨。小ぬか雨というのだろうか霧のようにそれが降る。
月曜日でもあり。山里の職場が気になりつつも家業を優先する。 母はひとりで大丈夫だろうか。気にし始めたらきりがないけれど。 わたしのからだはひとつきり。いまこそ気楽になるべきだろうか。
おかげで午後からゆっくりと寛ぐことができるありがたさだった。 せめて母に電話をと思いつつそれもせずにいると。メールが届く。 業務連絡のメールに。なんだか私のほうが上司みたいで可笑しい。
損保会社に申請してあるもうひとつのIDがまだ届かないままで。 自宅で保険業務が出来るまでもう少しかかりそう。少しだけ焦る。 けれども仕方ないこと。保留出来る業務はしばしお預けにしておく。
「便利になるね」母からの返信に「もうちょいだね」とまた返信。
茶の間の炬燵で寝転びながらそんなことをしていると。メールって。 やはりありがたくてならない。声を聴くとついつい動き出してしまう。 それが私の性分だと知っている母の。心遣いに思えてならないのだった。
そろそろお散歩に行こうかなと思っていたら。外はいつのまにか雨になり。 そっと犬小屋をのぞくとあんずも諦めているらしく眠っているようだった。 静かで優しい雨だったけれど。まあいいかと今日のお散歩はお休みにする。
しかしその直後けたたましくサイレンの音。近くの山が燃えているらしい。 消防団の彼は大急ぎで出動し。私とサチコも野次馬になって表にとび出す。 その騒動にあんずもびっくりしたらしく。なに?何?と目を覚ましたらしい。
火事はすぐに鎮火しほっと帰宅したところ。犬小屋の外であんずが拗ねていた。 どうして自分も連れて行ってくれなかったのかと。うらめしそうな顔をして。 その顔がなんとも哀しげででたまらなかった。ごめんようっと謝りながら。 「春雨じゃ濡れていこう」と。とうとうふたりいつもの散歩道をてくてく歩く。
雨は匂うものだ。それはほのかにせつなく。それはささやかに心を潤してくれる。
|