ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2008年08月18日(月) だからずっと言ってなさい!

身構えないで。気を楽にして。そう言い聞かしてみる月曜日の朝。
なんだかとても苦手なことに挑戦を強いられているような気の重さ。

かるくなっちゃえ。ふわりっといっちゃえ。そうそうそのちょうし。


山里はやはり恋しくも思える。稲刈りを終えた田んぼから匂う芳しい香り。
その匂いがあたり一面に漂っている。くんくんとまるで犬のようにその匂いを嗅ぐ。

すると雀色ばかりだと思っていたその田んぼから。青々と瑞々しい緑が見える。
切り株からもう新芽が出始めているのだった。そのことがやたら嬉しくてならない。

ここはほんとうに私の好きな場所なんだなって。宥めつつもほっとした瞬間だった。

考え事をしていなくて良かった。ちゃんとしっかり見つけられて良かったと思う。



仕事は。休み明けのせいかけっこう忙しく時間が過ぎる。欲を言えばもっと。
ハードなのが私は好きなのだけれど。これくらいがちょうどなのかなとも思った。


それでもやはり早く家に帰りたくなる。今日はサチコの誕生日だったから。
手抜きしないで好きなものを作ってあげたい。ケーキも買って帰ろうと思う。

でも鶏南蛮だったからたいしたことではなかった。ケーキだけは大き目のを奮発。
プレゼントは昨夜のうちに我慢できなくなって先に渡してしまっていた。
だって。「明日誕生日だけど。なーんにも要らないから」って何回も言うし。
押入れに隠してあったのを。とうとう出してしまうはめになったのだった。

そうして今夜はいつも以上にはしゃいでいた。サチコが嬉しいと母も嬉しい。

毎年ショートケーキなのが。今年は大き目のチーズケーキだったのでびっくりしていた。

そこで母はお得意の悲劇を振舞う。「実はママね・・もうながくないのよ」
「ええっ!母死ぬの?それはおめでとう」「そ・・そんなサチコちゃんひどいわ」

母は流し台にすがりつき泣くふりをする。きゃっきゃっと大笑いするサチコ。


あのね。お母さん知ってる? 自分から死ぬ死ぬって言っているほど長生きするんだよ。

だからずっと言ってなさい!そう言ったサチコの顔は一瞬真顔に見えた。


ほんとうにこの娘は。私の夏のような娘だった。

ひまわりみたいに。いつだって太陽みたいに明るくて眩しくて。

わたしは今もなお。この娘に育ててもらっている母という名の雑草だった・・。

   さっちゃん。27年間。ほんとにほんとにありがとうね。



2008年08月17日(日) なんだか無性に人に会いたくなる。

朝のうちに。髪の毛を今以上に短くする。さっぱりと心地よくなった。

そうしたら。なんだか無性に人に会いたくなり。ふっとその顔が浮かぶ。
多忙な人だから留守かもしれないなあって思ったけれど。家に居てくれた。
そうしてひとつ返事でおっけいをもらった。彼女の家の近くで待ち合わす。

お店はお昼過ぎで少し混んでいたけれど。窓際のティールームが空いていた。
ほんとに久しぶりねって言って。最後に会ったのが去年の夏だったことを思い出す。

『季節の紅茶』というのを注文する。ドライな薔薇の花を浮かべて飲む紅茶だった。
なんともいえない良い香りで。飲んでいるうちにうっとりと気分が安らいだ。

そうして語り合いながら。この一年に彼女が撮った写真をいっぱい見せてもらった。
何度か女流展に入選しているだけあって。ほんとうに感動する素晴らしさだった。

私はといえば相変わらずで。細々と書き続けている同人誌をお土産に持って行く。
彼女が目の前でそれを読もうとするので。思わず手を出してそれを制してしまった。

そうして彼女の旅の話を聞かせてもらう。ほんとうによく一人旅をする人で。
今年は春に東京へ行ったのだそうだ。ほらこの写真よって桜の写真を見せてくれる。
「これって、千鳥ヶ淵?」って訊くと。「そうそう、ちょうど満開でね」って。

そこには鳥も飛んでいた。水辺で遊んでいる鳥もいる。なんだかほっとする光景だった。


そうしてずっと話しが尽きない。季節ごとの風景の話しや花達のことなど。
紫陽花の話しになって。化石の紫陽花のことを知っているかと私は訊ねた。
化石?って彼女は不思議そうな顔で耳を傾けてくれる。とても興味深そうに。

散れない事の哀れさ。そのままのカタチで老いることのせつなさ・・など。

せめて人の手で切ってもらえたらどんなに救われるだろうかと私は思う。

知らなかった・・今までずっと目を背けていたように思う。と彼女は言った。

ああでも。決して写真に撮ったりしないでね。と手を合わせてお願いをする。


それが「書く」ってことなのかなって。彼女はふっと呟いた。

そうなのかもしれないと私も思う。ただ美しくて綺麗なだけじゃいけない。

汚れたり腐ったり。傷ついたり痛かったり。そこからいかにして生きるか。

そんな希望のような文章を書きたいものだ。ありのままの姿が命になるような。

ついつい熱っぽく語ってしまって。そうして目頭まで熱くなってしまった・・・。


「次は一年後じゃ駄目だよ」って彼女が言ってくれる。

私もそう思った。明日のこともわからないから。つぎの夏だってわからないもの。

「秋ね!きっと連絡するから」そう言ってくれてとてもほっとした。


駐車場で手を振り合って別れる。ほんとうにありがたい微笑のひと時だった。



帰宅して。その微笑をぎゅっとしながら・・なんだかとてつもなく心細くなる。

生きられるのだろうか。ほんとうに・・・。

いったいわたしはどうしてしまったのだろう・・・。





2008年08月16日(土) 笑ったり 泣いたり おつかれさん

空は笑ったり 泣いたり おつかれさん

風も笑ったり 泣いたり おつかれさん



きのうまでもう書けないと決めつけていた大切な手紙。
きょうはふと書けそうな気がして。いざペンをとると。
それが不思議なくらい。とめどなくとめどなく書けた。

待ってなんかいないのかもしれない。でももしかしたら。
待っていてくれるかもしれない。そう信じないと何も書けない。

五年目の夏。わたしはただの『ひと』になれたのだろうか・・・。

もしそうなれないのなら。わたしは尼寺にだって行きたいと思う。
もっともっと修行をして頭だって丸坊主にして立派な尼さんになりたい。


きょうは・・とても疲れた。



送り火を焚いていたら雨がぽつぽつ降ってきた。

消えちゃいそうではらはらしていたら。

消えてもいいのだよってみんなが言った。


そらいっぱい笑ったらなぜか涙でちゃうもんだね。

そらおつかれさん そらあした無理に笑わなくてもいいよ。



2008年08月15日(金) 元気になる恋をしよう

ただいま センチメンタルな旅から 今日やっと帰って来ました。



そうしていつもの窓辺。きのうと同じではない夕空にほっとしながら。
旅の名残のため息を封じこめようとしているところ。うまくいくかな。

それは書いてみないとわからないけれど・・きっときっとだいじょうぶ。


今夜はお隣の町で花火大会があるのだそうだ。そして山里の例の村でも。
見に行けば良いのに行かなくて。もしかしたらその音が聴こえるかもしれない。
だからちょっとわくわくしながら。あたりがすっかり夜になるのを待っている。

このたったひとつきりの空。どこかはるか遠い町でも花火が夜空を彩ることだろう。



ありがたく昨日から頂いているお盆休み。午前中は自分なりの課題のように思い。
去年の夏にここに綴ったものを『夏の記憶』として残す作業に没頭していた。
夏だからこそ書けるものがある。自己満足に過ぎないけれど、もしかしたら。
たったひとりのひとでいい。誰かの心に残ってくれるかもしれない『私』のこと。

それをし終えてとてもほっとした。思い残すことがないようにのそれがひとつだった。


そうしてすっきり気分でお買い物に行く。お盆のせいでとても混雑していたが。
人ごみを掻き分けるように食料品を買う。そうして久しぶりにTSUTAYAにも寄った。

帰宅して好きな音楽をとことん聴きまくる。これ以上の至福はないくらいだった。


ゆうがた。早目に夕食をしていたら息子くんから電話があった。
お盆休みというのが彼にはなくて。仕事帰りにちらっと寄ってくれるそうだ。
おじいちゃんにお線香あげないとなって言って。ついでに晩飯食べるからって。
ありあわせの残り物しかなかったけれど。飯大盛り!って言って喜んで食べてくれた。

ほんの数日見ない間にとても日焼けをしていた。その元気そうな顔が嬉しかった。


そんな息子くんと同じ年の『雄ちゃん』が私は最近すごーく大好きで。
つい先日は『上地雄輔物語』も買った。そうしていっぱい元気をもらった。
駅のホームでぼんやり電車を待っているその顔がすごーい気に入ったりして。
その見開きのページを思いっきり広げて写真の写真も撮ったりしたのだった。

そうしてその写真を携帯の待ちうけにしたものだから。暇さえあれば携帯を開けている。

せつなくもない哀しくもない。何ひとつ求めることのない元気になる恋をしたい。

そうこころに決めたので。どんまいどんまい泣かないで明日も笑顔で「おりゃ!」



     ほんとにほんとに ありがとう 雄ちゃん




2008年08月14日(木) ずっとずっと忘れないよ

晴れたり曇ったり。晴れているのに雨が降ったりの不安定な空模様だった。
風がうごく。そうして止まる。ふっと息を吹き返したようにまた風が流れる。


午前中。隣の町まで初盆の供養に出掛けた。住所だけを頼りにそのお宅を探す。
彼女は去年の冬にとてもあっけなくこの世を去った。私よりもずっと若く。
いつも笑顔を絶やさないほんとうに明るい友人だった。好きでならなくて。
けれども死んでしまった。どうして?どうして?とずっとそんな気持ちでいた。

でも今日。潮風に吹かれながら彼女に会った。こんなに海のすぐ近くで。
彼女が育ったこと。そうしてここに帰って来て。目の前で微笑んでいること。
そのことがとても嬉しくなってしまった。「ここすごい良いところだね」
思わずそう声をかけてしまう。その時潮風がひゅうっと吹き抜けていった。

とても名残惜しく玄関を出る。そうして心一杯になるくらいの風を感じた。

ほんとうに会えてよかった。忘れないよ。ずっとずっと忘れないよ由美ちゃん。




午後。再読中だった小説を。とうとう読み終えてしまった。
それははじめて読んだときよりも。強くつよく私の心を打った。
そうしてとても愛しくてならない。失うのが怖いとさえ思った。

とても大切なものをそこに置き去りにしてきたようにも思う。
無意識ではなく意識的に。それがいちばんふさわしい場所にそっと置いた。

だからまた私はきっと見つけに行くだろう。会いに行くだろうと思う。



そうして夕方近くから。どうしたわけか心がざわざわと落ち着かなくなった。
夕陽がもっともっと紅ければいいと願いながら。沈む夕陽をながめるばかり。


でも今は大丈夫。きっと誰にだってそんな時があるのだろう・・うんきっと。


そうして昨夜とても嬉しかった事を。まるでついさっきの事のように思い出している。

高校時代の友人達が。昨夜ちょっとした同窓会のようなことをしていて。
遠すぎて来られない私のために。懐かしいその声を聴かせてくれたのだった。

すみちゃんありがとう。哲っちゃんありがとう。みんなみんな大好きだよ。











2008年08月13日(水) ほんとにおまえは困った子だなあ。

迎え火を焚き手を合わす。そうして今年も行けそうにない弟の家に電話する。

私には実家というものがなく。父の供養はすべて弟夫婦に任せっきりだった。
けれども父はずっと我が家にいる。なんとなくそう感じる毎日でもあった。

私の部屋に居るのだ。だから出掛ける時はいつも部屋のドアを開けて行く。
そうしたら父は台所だって茶の間だって行ける。庭に出て犬と戯れることも。

そうして私が部屋にこもる時間には。そっと私の後ろに居てくれるのだ。
そう感じる。決して成仏していないのではなくて、たぶんここが好きなのだ。

おお書いてるな。おおまた飲んでるな。ほんとにおまえは困った子だなあ。

って。いまお父ちゃんが言った。今夜はしっかりと聞こえる。けれども。
昔みたいにそっとしておいて。ずっとはらはらしながら私を見ているのだ。


親不孝な娘だった。いっつも心配ばかりかけて。どんなにか情けない思いを
させてしまったことだろう。それなのに叱りもしないで打つこともしないで。

どうなるんだろうこの子は。なにをしでかすのだろうっていつも気をもんでた。

それが精一杯の愛情だったことにきづいたのは。ずっとずっと後のことだったのだ。



一緒に暮らした歳月よりも離れた歳月のほうが多くなる。そのながい歳月のうち。
父に会ったのはただ一度きりだった。その数日後父はあっけなくこの世を去った。


だから今は一緒に暮らしている。どうしてもそう思いたくてならない私がいる。
お父ちゃんは相変わらずはらはらしながら。ずっとずっと私を見ている気がする。

だってほらいま後ろで笑った。おまえたまにはいいこと書くなあって声が聞こえた。


お父ちゃん。お盆のあいだはもっと堂々としていていいんだよ。

ここお父ちゃんの家だから。いっぱいくつろいで。今夜は一緒に飲もうよね。





2008年08月12日(火) すごいドラマチックな夢なんだから

この夏はじめてツクツクボウシの鳴く声を聴いた。
夕暮れ近い窓辺にいて思わず「おお、そうかそうか」と応えてしまう。

その蝉は少し心細く。なんだかとても何かを求めているように鳴くのだ。
思うようにいかないこと。けれども伝えたいことがあるのかもしれない。




昨夜久しぶりに夢というものを見た。とても懐かしいなおちゃんに会った。
中学の時の生徒会長で。野球部のエースで走るのも一番だったなおちゃん。

スーツ着てネクタイしていた。その姿は多分5年前くらいに再会した時の。
彼によく似ていた。なんか笑っていた。そうして何かを語り合っていた。

けれどもすぐに「帰る」って言うので。急いで後を追いかけて行ったのだ。
その時彼のスーツの背中がとても濡れていて。それがすごく気になってしまう。

大丈夫これくらい平気という顔をして。なおちゃんはどんどん先を急いだ。
そうして列車にとび乗ると「じゃあな!」って手をあげて行ってしまった。

「なおちゃーん、なおちゃーん!」って叫びながら私はホームを駆けている。

列車がとうとう見えなくなって。あーあって思ったところではっと目が覚めた。


心臓がぱくぱくしていた。ほんとうに駆けていたみたいに呼吸が荒かった。
電話しなきゃ絶対にしなきゃってずっと気になって。やっとお昼休みになる。

出てよきっと出てよって祈るまもなく3回目のコールですぐに声が聴こえた。

ああよかったなおちゃん生きてる。そう言うと不思議そうな声で彼が笑う。
すごいすごいほっとした。そうして私は得意げに夢の話を聞かせてあげる。

ぜんぜん心配ないよ。すごいドラマチックな夢なんだから。そう言って話す。

「ありがと、ありがと」って何度も言うので。なんだかとても照れてしまった。

「あさって墓参りに帰るよ」その言葉にほっとして電話を切った。
中学の時。彼は相次いで両親を亡くした。それはあの頃のいちばんの悲しみだった。

いつ頃からだろう。私たちはお互いの生存確認をするようになった。
7月の彼の誕生日に必ず私から電話をする。そう私が勝手に決めたのだけれど。

もし電話が掛からなかったら私がもういなくて。
もし電話が不通になっていたら彼がもういない。

そのことを私が言うと。なおちゃんはそれは愉快そうに笑ってくれたのだった。

つい先月そのことを確かめたばかりだったけれど。今日は「おまけだね」

おまけがあると嬉しいねなおちゃん。また来年の夏に元気な声で会おうね。


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