ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2008年03月01日(土) さあ行かなくちゃ。始まるんだ。もう始まったんだ。

弥生。別れの季節でもあるらしい。けれどきっと生まれる。

木の芽や若草や花や蝶や。陽射しをあびてひとも息をする。

春を待つこころをなくしてはならない。来ないわけはない。

誰にだって。どんな冬にだって。光が届く日がきっとある。






きのう。やっと息子君の引越しを終える。大河のほとりに似た。
こじんまりとした住処に。彼の言う自由空間が出来た。嬉しい。
なんだかはしゃいでいる。さあ始めるんだって意気が伝わって。

あれこれ心配ばかりしていた母も。ずいぶん気が楽になったよう。

新居の女手はサチコに任せ。私は二年間住んでいたアパートの掃除。
暮らしていたあとがとてもせつない。小さな染みや床の傷。髪の毛。
ひとつひとつが『ふたり』だった。でもなるようになったのだから。
もう未練を残してはいけない。お風呂場を磨く。台所の流しを磨く。

カーテンを外す。若草色の。私と彼女は好みが本当によく似ていた。
四年前だったろうか。初めて出会った時も他人には思えないくらい。
彼女は私によく似ていた。姿かたちも。ちゃきちゃきしてる性格も。

似ていた。だからなんだって痛感する。だから離れていったのかも。
しれない。ほんとうの娘のように想っていたことが。もしかしたら。
重くて。心苦しいことがたくさんあったのかもしれない。大好きって。

ほんとうはとてもむつかしい。好きだけでは叶わないことだってある。


最後のさいごに玄関の掃除。がらんどうになってしまった部屋を見る。

もうドアを閉めなくてはいけない。ああどうしてこんなに寂しいのか。

「ありがとう」って言って。重いドアを閉めた。涙がつつつって出る。


さあ行かなくちゃ。新居へ行こう!これから新しい暮しが始まるんだ。



2008年02月28日(木) つくしの坊やの帽子がいいな

春らしいいちにち。枯野にはつくしの坊やがこんにちは。

のんびりと歩いてみたいものだ。なあんにも思い煩わず。

たとえば嫌なこと。どうしてこんなに気に障るのかなあ。

些細な帽子を被っているのに。その帽子が重くてならず。

こんなもんこんなもんって思っているのに脱げないひと。

そんなひとになってしまう時が。あってしまう時がある。


つくしの坊やの帽子がいいな。あんな帽子が好きなんだ。






でっ。ほんとに些細なことなんだけど。ちょっと愚痴ってたら。
おまえだってそうだろって彼が言う。そういえばそんなことが。
何度かあったなって思い出す。ぜんぜん悪気なんてなかったんだ。

でも。俺は嫌だったぞって言う。グサって来たぞ。むっとしたぞ。

だからそれとおんなじ。自分が誰かに言われてすごい刺さったのを。
自分だって刺したことあるのに。今まで気づかずにいたことだった。

痛みって。むつかしいな。痛みって。自分が痛くなるまでわからない。

言われてすごい落ち込んだこと。一気に自信なくなってくよくよ思った。
そしたら。ものすごい不安になった。いちばん自分が気にしていること。
突きつけられたんだって思った。でもしょうがないほんとのことだもん。

ほんとのことだけど忘れてた。忘れてちょっと有頂天になっていたかも。
だからおしえてくれたのかもしれない。思い出しなさいよって感じで。

それはけっして悪気ではないなあ。むしろありがたいことなんだなあ。


そうそう俺だって思い出したけど。それがどうしたって思ったぞって。

だからすぐにまた忘れたんだって言う。おまえも忘れたら楽だぞって。

言うから。私も忘れた。もう忘れた。ワスレタワスレタの呪文唱えて。


だからこのことはもう一件落着。でも刺したことは忘れてはいけない。

痛かったろう。ごめんね。我慢してくれてほんとにありがとう。





2008年02月25日(月) ほらほらおいで。こっちへおいで。

朝。すこしくつろぐ時間をありがたく。窓を少しあけて。

朝陽が降りそそぎ始めた眩しさを眺める。ちゅちゅんと。

雀がお隣の瓦屋根にいて。ちょんちょんと軽くジャンプ。

その足取りがなんともいえず可愛い。おとなの雀なのか。

小雀なのか知らない。けれどみんな子供みたいな雀たち。

一羽のそばにもう一羽がちょんちょんしてきて寄り添う。

すこし離れてもう一羽が。思案気な顔をして首を傾げる。

みんな仲間。でも遠慮しているよな雰囲気がいじらしい。

ほらほらおいで。こっちへおいで。私もふっと雀の気持。







川仕事を終えたのが午後一時。山里の職場に行こうかなって。
思ったけれど。なんだか気だるくなって。今日もやめておく。

そしたら電話があった。とても大変そうだけど何とかなってる。
大丈夫だからって言うけど。気がかりでならない。行こうかな。
でも無理しなくていいって言うから。じゃあ明日雨なら行くよ。

明日。雨だといいな。降水確率80%ってほんとだったらいいな。


晩御飯。サチコがお休みの日だったから。あれこれ作ってくれる。
と言っても。母が買い物さぼったから。冷凍シューマイ揚げてた。
シューマイの揚げたやつ好きだし。あとフライドポテトも好きだ。

それから。昨夜の残り物。牛すじと辛子こんにゃくを煮たやつと。
それから。昨夜焼き忘れていたブリ。塩焼きにして大根おろしで。

わいわい言いながら三人で食べる。「お兄ちゃんも来ればいいね」
うん来ればいい。呼んであげたらきっと来るだろう。でも呼ばない。

「呼びたいくせに」ってサチコが言うので。「呼ばない」って言う。

ほんの三日が。ひと月くらい長く感じる。これはどうしたことだろう。

突き放そうとしているのかな。それとも彼を応援しているのかな・・。

わからなくなって。なんだかほろほろとしてしまう。哀しいのじゃない。

淋しいのでもない。こたえなんてわからなくてもいいようにも思う。


ただただ。母はせつなくてならない。こどもってどこに向かうのだろう。



2008年02月23日(土) 怯まないこと。揺らがないこと。

夜明け前からずっと。ずしんずしんと強い風が吹き荒れる。

ざわざわを通り過ぎる。なにもかも吹っ飛んじゃうような。

威勢のよさ。行っちゃえようって。ほえているような心が。

心地良い。怯まないこと。揺らがないことがすくっと立つ。





でも。今日の川仕事はちょっと怖かった。川が海のようで。
船に乗るのが怖ろしくてならない。しがみつくようにして。
身を屈めていた。ざぶんざぶんって水しぶきがすごくって。
行きはなんとか。帰りの向かい風は。もう恐怖のどん底だ。

私は泳げない。平泳ぎもクロールも出来ない。犬かきだって。
5メートルが精一杯だと思う。だからだから死ぬんだって思う。

ほんとうに生きた心地ではなかった。だけどちゃんと生きている。

よかった。晩御飯もお腹いっぱい食べた。熱燗もビールも飲めた。
お風呂も気持ち良かった。はあああっていっぱい満たされている。

おっし!明日もやってやろうってさっき思ったばかりなんだけど。
明日の仕事は中止になるかもって彼が言う。ナイトクリーム顔に。
べたべたしている時に言うので。鏡の私は。ちょっと腑抜けてて。

明日早朝から。消防団の召集が掛かったのだそうだ。サーファーが。
今日の荒れた海で行方不明になったらしい。一刻を争う事だけれど。
夜はどうしようもない。どこかに泳ぎ着いていてくれることを祈る。

毎年何度かは必ずあること。自分が捜されていることなど知らずに。
泳ぎついたまま。さっさと帰ってしまっていたひともいたくらいだ。

でも。さがす。安否がわかるまでさがし続ける。救ってあげたいって。
どうか生きていてくれって。みんな一生懸命になって捜し続けるんだ。


私は。ふっと口をすべらせてしまった・・・。

「今日みたいな大荒れの日にサーフィンなんて」って。

そしたら彼が言う。「してしまったことはしょうがないだろ」って。

だから。さがすんだと言う。見つけてあげたい一心で彼は行くのだ。






2008年02月21日(木) どこに旅して来たのだろうか・・。

春の陽射し。とろりんとしたくなる。まったりと平らに。

駆けもせず。ころがりもせずにいて。ひとやすみの心地。

けれどなにかが動いている。ちゃんと見ていてあげたい。

どこにいくのか。なぜにいくのか。わからないなにかを。






いつもの川仕事をお休みして。息子君のアパートを訪ねる。
サチコも一緒。そろそろ引越しの準備をしなくてはならない。

独り暮らしには不要な物。数々の食器やらを片付けたりする。
これも要らないあれも要らないと言うので。随分な荷物になる。

きれいさっぱりとしたものだ。なんだかふっと切なくもなった。

お昼。父親の彼がお弁当を買って来てくれた。四人で食べる。
「なんかこういうの久しぶりやね」ってサチコが喜んでいる。

ほんと久しぶり。子供の頃にお花見に行った時とか思い出す。

どんな事があっても。何があっても。家族なんだなあって思った。


夕方。持ち帰った荷物のなかに。古いアルバムを見つけた。
懐かしくなってそのページをひらく。生まれたばかりの頃。
はいはいしているところ。つかまり立ちをしているところ。
そして初めて歩いたとき。たくさんの思い出が胸に熱くて。

私は。こうしてこの子の母にしてもらえたんだなあって思う。


晩御飯も四人で食べる。ビール飲みたいから泊まろうかなって。
食べ終わると「ありがとう」って言う。なんだか照れくさい母。

今は。お風呂入ってサチコの部屋で寛いでいる。我が家にはもう。
彼の部屋というのがない。「日本間にお布団敷いといたよ」って。
さっき声をかけたら。また「ありがとう」って言ってくれたから。

やっぱり母はとても照れてしまった。

一緒に暮らしていた二年前には。ほんとうに当たり前だったことが。

いまは。そうではないという事なのだろうか。ふしぎだなって思う。


「ありがとう」はとても嬉しい。我が子はどこに旅して来たのだろう。







2008年02月18日(月) 生きがいの種。そだてる嬉しさ。

きのう。夜明け前から雪。日中も風と一緒に雪が舞った。

きょう。朝の冷たさが嘘のように。ぽかぽかと暖かくなる。

冬と春が。かわりばんこしている。きりりっとひきしまり。

ふわりっとゆるんで。日常がすすも。おわってはじまって。

はじまればおわることが。もうじゅうぶんなくらい満ちた。






昨日は。地区の『厄抜け還暦祝い』の行事があり、お当番になって。
朝から集会所に行く。お昼から宴会があり地区中の人が大勢集まる。
百人以上は居たと思う。寒かったのでお酒を沸かすのに大忙しだった。

一緒にお手伝いをしていた人達と。もういいね。もう帰りたいねって。
ぼやきながら頑張る。毎年の行事。裏方さんの苦労が身に染みて解る。

やっとお開きになり大急ぎで帰宅。今度は我が家で姑さんの喜寿の宴。
もうすでに酔っ払っている親戚の皆が。祝い酒を持って集まってくれた。
床の間にずらりっと日本酒。ビールのケースもある。ちょっとにんまり。

姑さんは。ほんの内々のつもりでいたらしく。感激して涙ぐんでいた。

「おばちゃんの頑張りはすごい!」って従兄弟たちが口々に褒めてくれる。
手先が思うようにかなわない。足だって痛くてたまらない日もあるのに。
毎日まいにち畑仕事に精を出している。ほんとに野菜作りが大好きなのだ。

はたけをたがやしては。生きがいの種をまく。そのたねをそだてる嬉しさ。


いつか終わる。やがて終わる。けれど耕すことをあきらめてはならない。





2008年02月16日(土) そんな光にあいたくて

北風が強く吹くいちにち。ひゅるひゅると冷たいけれど。

白波のたつ川面には光の粒がまぶしい。踊り子のように。

天使のように。それは空から降るように舞い降りてくる。

あたたかなものたち。優しいものたちの歌声がきこえる。





とうとう。昨日から独りぼっちになってしまった息子くんが。
遊びに来たふりをしながらずっと家にいた。晩御飯とお風呂。

「ありがとう」って言って帰る。母はなんだかフクザツな気持ち。

もうコドモじゃない。子供じゃないって思うけど。やはりこども。


明日は。おばあちゃんの喜寿のお祝いをする。
それが無事に終わってから。すべてを打ち明けることに決めた。
なんぼかショックを受けることだろう。でも。もう始まっている。
過ぎたことを思い煩うことなく。ただただ前へ進むだけだと思う。



あたりがすっかり暗くなった午後6時50分過ぎ。すぐ近所に住む。
甥っ子姪っ子達に声をかけ。堤防の石段を上がる。夜風が冷たい。
四人で空を見上げた。「見えるかなあ・・見えたらいいね」って。

あっあれだっ!って姪っ子が一番に見つけた。動いてるよあれだよ。
早いね。だんだん近くに見えてくる。おっきなお星様みたいだった。

スペースシャトルが見えました。すげぇ〜って甥っ子が喜んでいる。
地球ってやっぱ丸いんだねって。その光は宇宙に吸いこまれるように。
遠く遠くなっていく。あーあってわたしも子供みたいな声をあげた。


光るものって。ふしぎ。光るものってやはりどうしてもまぶしくて。

そんな光にあえただけで。こころがほこほこっとあたたかくなった。



※みんなに見えるといいな。。スペースシャトルを見よう

 


 




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