| 2007年12月01日(土) |
忘れな草の芽のそばに |
日向はぽかぽかとあったかい。庭にパンジーを植える。
そういえばはるか昔。すごく好きだなって想うひとに。
三色すみれだよって言ったら。違うこれはパンジーと。
どうしてもそれを三色すみれだと言ってくれなかった。
ふっと思い出す。あれは春だったのだろうか。いつの。
きょう。三色のすみれを植える。忘れな草の芽のそばに。
昼下がり。昨夜録画していたドラマを見ようとおもって。 茶の間のこたつにすっぽりしたけれど。どうしてだろう。 まったく録れていなかった。がっくりと残念でならない。
だからそのまま眠った。夢の中で息子君の声がきこえる。 ちょっと遊びに来たとか言って。二階に駆け上がる足音。
今朝。引き出しの整理をしていて見つけた10年前の写真。 髪型が変ちくりんだったので。ぷぷっと笑ったりしては。 専門学校の入学式。母とならんで撮った最後の写真かも。
こんな頃もあったんだなあって。いつだってそういつも。 そんな頃があった。歳月はまぶたに写る。重なって写る。
夕方ちかくなり。やっとむくっと起きだしてぼんやりと。 二階へあがっていくと。誰かが部屋にいるのでびっくり。 夢ではなかったのだ。息子君が居た。母はすこし照れ笑。
晩御飯の頃になり帰る。正月は仕事になるかもしれない。 大晦日に正月をしようかとか言って。またさっさと帰る。
昨夜作りすぎたカレーを温める。こんなに残っているのに。 タッパーに入れて持たせてあげたらよかった。あ〜あって。
母はすっかりあとのまつり。カレー大好きだったのになあ・・。
| 2007年11月27日(火) |
あれは枯れているのではない |
昨日は気にも留めずにいた。朝の道の銀杏の木。
今朝はそれがもうすっかり。黄金の色に染まる。
はっとする気持ちと。はらはらと落ちていく心。
どちらも同じ木のきもち。なぜだろうどうして。
あふれんばかりの姿をみると。落ちる落ちると。
不安になる。受け止めるほどのゆとりがなくて。
なすすべもなくぼうぜんとしたりする。儚さは。
言葉になんかできない。儚さはせつなくもある。
あれは枯れているのではない。あれはそうして。
冬になる。だからきっと落ちていく木の葉たち。

仕事を早目に終えられたので。本屋さんに寄った。 めったにしない立ち読みというのを。少ししてみた。
『笑って死にたければ笑って生きなさい』とかいうの。 もうじゅんぶん笑ったような気がする。大丈夫だもん。 いつそうなってもいいもんって。ちょっと胸をはって。
本屋さんを後にする。そしたらなんだか胸が熱くなって。 涙が出そうになった。これは何かの間違いだっておもう。
そして笑った。まだまだ足りないぞって空から声がする。
曇り空。暗い空。雨になりたくてたまらない空がそこにある。
泣けない空は可哀想だなって思う。泣いちゃえばいいのにな。
| 2007年11月26日(月) |
ここらへんがどこなのか |
ざわざわとしたくはないのにざわざわと。
仕事を終えて帰ってくる。庭の花たちや。
飼い犬のぽけっとした顔見てたらどっと。
まあるくなる。ここらへんがどこなのか。
けんとうのつかないあたりが。ふわふわ。
愚痴ではないつもりの報告を彼にすると。
またいつものようになだめてくれるのが。
ありがたくってならない。ごめんよって。
いわないわたしは。やっと微笑む。夕暮。
勝ち越し豆腐というので湯豆腐をつくる。
さてこの豆腐はどうして勝ち越しなのか。
クイズを出す。はあ?っと彼が首を捻る。
ヒントそのいち。はっけよいのこったと。
まいったらだめだよ負け越しだからねと。
ヒントそのに。どすこいどすこい台所で。
お相撲さんの真似をする。わはわは笑う。
豊ノ島の実家がお豆腐屋さんだったって。
知らなかった。だから教えてあげたいな。
いちばんに教えてあげたいなって思った。
そうかそうかと喜んでくれて嬉しかった。
サチコにも教えてあげたくて待っている。
そうだ。サチコが帰って来たらお相撲を。
とろう。いきなり飛びかかっていったら。
サチコびっくりして大笑いするだろうな。
母さんね。ここらへんが可笑しくなって。
くすくすといま。とてもくすぐったいよ。
| 2007年11月24日(土) |
あくびな午後のあくびなわたし |
寒気が少し緩んだのか。風もなく穏やかないちにち。 こたつでごろりんしながら。見るともなくテレビを。 時々笑ったりもしながら。あくびな自分を愉しんでいた。
昨夜は気の合う仲間たちと。深夜まで飲み明かしていて。 まさに午前様の午前3時過ぎであった。最後のラーメン。 おなかがまんまるくて程よくまったりとしたままお布団。
なにもかんがえたりするひつようもなく。ぐっすり眠る。
夢のようなことがあったなって。朝になって思い出した。 あれは何だったんだろうって思うことが時々ある。あれは。 きっとほんとうのことにちがいないけれど。信じがたいと。 思って。でも確かにカタチみたいに残っていることがある。
私はもう若くはないから。冥土の土産をまたひとつ貰った。
だけど。身に余る。いつだってそれはもったいないくらい。
だからあげなくちゃって思う。誰かにあげなくちゃと思う。
楽しいことや嬉しいことが。ふっとこわくなる年頃になった。
| 2007年11月22日(木) |
さらさらとなめらかになりたい |
ついついと見上げることをせずにいて。ある日ふと。 その冬空に栴檀の実が。もう黄褐色に数珠なるのを。 見つけた。ここ数日の帰り道。いったい何を思って。 もしやまっしぐらではなかったかと。ふと感じたり。
しながら。そこだけ切り取って繋ぎ合わせたような。 今日という日だった。余裕というのは簡単ではない。
よゆうというのは。いったいどこからうまれてくるのだろう。
ふかくかんがえなくてもいいことをふとかんがえそうになり。
またきりとってみる。ぶきっちょなこころでつなぎあわせる。
縒られて出来た糸のようなもの。その糸で繋いだ布のように。
いちまいになる。それを膝にのせて撫でてみる。それが余裕。
さらさらとなめらかになりたいものだ。いつもそう思っている。

夕食の時。いつになく彼がおしゃべりをするので。 不思議な気持ちでずっと聞いていた。相槌打っては。 よほど話したかったんだなあって思いながらずっと。
些細なことでも。なんでもないようなことでも。 それを聞き終わった後は。なんだか優しい気持ちになるから。 ひととひとって。ほんとに不思議だなって思う・・。
| 2007年11月19日(月) |
とどくよね。きっと。 |
ポインセチアが紅く色づき始めた。嬉しい。 だってずっとずっと緑のままでもう5年ほど。
知らなかったのだ。短日植物と言って。暗くて。 たとえば夜が13時間くらいないと紅くならない。 そのことを去年の今頃知って。どうしようかな。 って迷ったけど。外の寒さが気になりそのまま。 春まで待った。夏の暑さにもずいぶんと強くて。 秋には緑の葉がいっぱいになった。でも忘れた。
紅くしようとしていたことをすっかり忘れていて。 だからほんとうに思いがけない。紅いのを見つける。 いちまいの葉。まるでどうして気づいてくれない。 と叫んでいるように紅い。ごめんよって声をかける。
だけどそっとしておく。なんだかそのほうがいい。 みたいに思う。ほらほらどんどんって急かしたら。 きっと苦しくなるような気がする。しんどいって。 言えないから。ある日突然枯れてしまいそうに思う。
そっとしておく。そっとみてる。うれしいよって。 テレパシーみたいなのおくる。ぴぴぴぴじゃなく。
ぴこぴこぴっこりみたいなの。とどくよねきっと。

お風呂入ってから。ずっと自分の部屋にいて。 そしたら階下から「みかさん、みーかさん」って。 私を呼ぶ声がするので。あわてておりていったら。
サチコがもう帰っていた。 「あげぜん、あげぜん」って言うので。大急ぎで。 おかずをチンする。お味噌汁を温める。ご飯よそう。
なんだか。みかさんはサチコの女中さんみたいだな。。
| 2007年11月17日(土) |
ああもういいのだな。おっけい。 |
紫式部という名の木の実を手折り。たんぽぽ色の。 小菊と添えれば。ひりひりと痛いほどの事務所も。 ほんの少し居心地がよくなる。時々は眺めてみる。 ほっと息をしながら。何を思うのでもなくふっと。
そうしていちにちが。なんとなくだけれどちゃんと。 ながれていく。ああもういいのだなって。おっけい。
三日前のゆうがた。ながねん愛用していたパソコンが。 ぷっつんとなって。よくこれだけもったねって言われ。 とうとうお別れとなった。ちょうど7年前の今頃だった。 社会人になった息子君が。一緒に使おうなって言って。 買ってくれたパソコン。いつのまにか私だけのものに。 息子君は諦めてすぐに自分のを買って。二台目も買って。
ある日突然。オレ結婚するからと言って家を出て行った。
「壊れたよ」ってメールしたら。「そうか、そうか」って。 なだめてくれる。もう限界だったんだからしょうがないよ。 電話もかけてきてくれる。あれこれアドバイスもしてくれる。
なんかそういうのが。母はすごく懐かしくって嬉しくって。 ずっと頼りにしていたことや。あの日とても淋しかったこと。 いろんなことが一気に還って来て。ああどうしようって思う くらい愛しさが気恥ずかしさと一緒になって。ぐるぐるして。 たまらなかった。ありがとうって言い忘れて。じゃあねって。
言って。今日は私が帰宅するなり自分の家へ帰って行った。 新しいパソコンをちょっとのぞき見に来てくれていたらしい。 クルマに飛び乗ろうとしているのを追い掛けつつ呼び止めて。 「どうだった?」って訊いたら「じょうとう!」と微笑んで。
かえった。 手もあげず。 そっぽ向くような顔して。
母はずっとクルマみていた。角をまがって見えなくなるまで。
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