十五夜のお月さま。風が強く雲がぐんぐんと流れていくのが。 なんだか月が走り出したかのように見えて。地に立つ自分も。 ふらりっと傾くようにしながら夜空を仰いでいた。ぐるぐる。
待って待ってと声にならない声を。夜空に放ちながら。 ここは何処だろうと思う時が。時々はあってしまうものだ。
昨日からの胸の苦しさは。何かが胸につかえたような痛さで。 こくこくと時をありがたい薬に思い。それが和らぐのを待った。 しかし夜空を仰ぐことなどすると。ついつい大阪の天気を思う。 おなじひとつの月を見ていて欲しいなどと願わずにいられなくなる。
あと少しの時が必要らしい。ただ一日のことなど永遠にしてしまいたい。 そしてきゅっときゅっと結んでしまおう。自ら解くことなどしないように。
なびくなよ。揺れるなよあたし。かたくなに拒めよ。泣くなよあたし。
昨日から雨が降ったりやんだりで。夏の名残がとうとうと冷めていく。 桜木のわずかばかりの葉も落ちて。もう冬ごもりなのかと思うほどの裸に。 ついこのまえこわいと思った紅の花さえも。いつのまにか朽ちてしまった。
そして炎のように群れて燃え咲く鶏頭の紅が。情愛のように咲いているのへ。 雨がひとしずくふたしずくと落ち。その情愛が罪であるかのように熱を冷ます。
今朝目覚めてすぐに手に取った携帯に。思いがけないメールが届いていた。 真夜中に届いたその一言に。今日はずっととらわれていて。胸が苦しかった。
昨夜すごく念じたせいかとも思う。豆地蔵さんに手を合わせながら。名をふと。 呼んでしまったからだと思う。いつもいつもこんなふうな偶然を装っては心が。 たぶん彷徨いながら相手に届いてしまうのだろうか。それがワカラナイナニモ。
郵便局へ行って。銀行に行って。傘もささず小走りに駆けては濡れて。
足りないんだと思う。もっともっと私は雨に打たれてしまいたかった・・。
うす曇りの日。にわかにぽつりと雨も降る。 そして金木犀の花が咲いたのを知る。 ああどこだろうと見つけたくなるその匂い。 何度めの秋だろうか。それはなぜか。 懐かしくて。ふっと遠い日へと私をいざなう。
行ってみたい。でもそこはとても遠い。
仕事。いっぽんの電話の声にまた冷静でなくなる。 知りませんわかりません!とついつい声を荒げてしまう。 まくしたてる相手の声がまるで石つぶてのように痛くて。 もういいかげんにして下さい!とがちゃんと切ってしまった。
自分なんだけど自分だと認めたくなくて。いつだって葛藤している。 ひらたくてのほほんとしていたいのに。どうして石を投げるんだと。 ついつい恨んでしまう。頭に血がのぼって。まっさかさまに落ちていく。
落ちてしまえば。悔むばかりで。そうしてしまったものはしかたないと。 自分を宥めるばかりなのだが。とてもとても後味が悪いものなのだ・・。
いつもの大橋を渡って帰宅。むしょうに夕陽にあいたかった。夕陽は。 落ちるけれどいつだってそれは希望で。あした昇るのを誓ってくれる。
灰色の雲の隙間からでも。せいいっぱい微笑んでくれるのがありがたい。 どんな日もあるよって。どんな時もあるよって。心をなでなでしてくれる。
あたしはちっともかんぺきではない。
悟りくさいこと言って偉そうにしてるけど。
ちっともちっともかんぺきなんかじゃないんだ・・。
うす紅の秋桜が秋の日の。なにげない陽だまり揺れている。っと。 ついつい十八番を口ずさんでしまったりして。ふふっとする午後。
ふふっは不思議なおまじないみたいで。ふふっはちょっとしたお薬。 張り詰めていたものが一気にゆるくなる。なあんだって思える瞬間。
ずっとずっと穏やかでいたい。ゆったりといろんなことを受止めて。 深く詮索することもなく。問い詰めることも。責めることも忘れて。
その難しさが壁なんだなって思う。だけどその壁を築いたのが自分。 自分で作っておいてそれを容易く壊せないのが。ひとというものなら。
私もひとなんだ。よかった鬼でなくて。もしかしたらすごく普通の人。 かもしれないな。そう思うとぜんぜん平気で。心がとても軽くなれる。
ふふっと。またしてみようかな。
ふふっと。できることから始めよう!
久しぶりに雨が降った。なんかちょっと濡れた。
彼の伯父さんが亡くなってしまって。今日はお葬式だった。 ひ孫さんがそれはそれはたくさんいて。小さな子供達が走り回る。 寂しさよりも悲しさよりも。微笑ましい姿の天使達にかこまれて。 伯父さんもにっこりと笑顔で旅立って行ったことだろう。安らかに。
そんなくうき。涙流したひともふっと。穏やかな空気のなかにいた。
今日はそんな日。多くを語ることはない。そう記しておきたい日だ。
残された者は。それぞれの人生を全うすることを今日に誓う。
時々は取り乱したりもして。ときどきは哀しみに沈み。 嬉しい時は心いっぱい感謝。楽しい時は満面の笑顔で。
喜怒哀楽の怒だけを忘れて生きていけたらなとずっと思っているけれど。 もし怒がなければいけないのだとしたら。いつだって自分にでありたい。
責め過ぎないでいて。怒ったあとは優しく宥めてあげて。ぎゅっとして。 そしてゆっくり自分を愛してあげたいものだ。自分を愛せいないひとは。 ほかの誰も愛せないのだそうだ。じぶんのなかに愛が溢れそうになって。 はじめてそれを誰かにわけてあげたくなる。それが愛というものらしい。
きれいごとだろうか。そう思うひとはいっぱいいるのかもしれないけれど。 私は努力する。かつて愛されたくて狂うほどそれを欲しがっていたのだから。
いまはわかる。その信念を曲げるつもりはない。もし忘れそうになったら。
怒る。何度だって言い聞かせて。時には殴る。少しくらい血を流すべきだ。
満たされないのなら。満たしてあげてよ。ねえ・・これだけはきみに伝えたい。
いまは気だるさ。なんだかとことんとくたばっている。 かといって眠くもならず。神経が張り詰めているのが。 我ながら理解出来ず。窓からは夜風。窓からは虫の音。
いけないスイッチをまた押してしまいそう。だから。 とにかく冷静でいなければいけないのに。酒をあおる。
いつものバドからさっき帰って来た。すぐさまお風呂で。 ぼけぼけどうでもいいことなどを考え込んでしまったり。
S君が先週から姿を見せなくなって。たまたまかなって。 思っていたのに。今夜も来なかった。いつも一番のりで。 一緒に準備をしたりちょっとはおしゃべりもしたりして。
ずっと息子みたいに思っていたから。とても寂しい気持なんだ。 なんかお星様が消えて真っ暗な感じ。心に穴が開いてしまった。
いつも心配し過ぎる私は。この前先輩に怒られたのが嫌だったのかなとか。 あの時はすぐに笑顔になってすごいほっとしたけど。やっぱ尾を引いたのかな。 あれこれ。真実は何もわからないというのに。胸が痛くてどうしようもない。
ああでもこれはしょうがない。もっともっとさっぱりとした理由があるのかも。 でもそれを知る権利など私にはないのだから。聞けないというのはやっぱ辛い。
またこうして時が流れていくのかな。いまはこんなにさびしいけれど。やがて。 もっともっとあっけらかんと受け止められる日が来るのかな。だといいな・・。
もしかしたら親身になり過ぎていたのかもしれない。
私はすごいおせっかいだもんな・・・。
ばかだな・・わたし。
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