まるで墨汁を流したかのような空。そしてときどき泣いてしまう空。 そんな空に。のうぜんかずらが咲きました。むくげの花も咲きました。 そしてもう稲穂が。そのつぶつぶがすこうしづつ色づき始めたのです。
こくこくと夏。なにも変らないと思っていた我さえもどこか不思議と。 心境の変化なのか。単なる心変わりなのか。気紛れなのか知りません。
が。微妙にこくこく動いている気配を感じずにはいられないこの頃です。
いまは心地良くやわらかで。 いまはなんとなくまるくて。
もしかしたら無気力かもしれず。 責める事も咎める事もなくなって。
ちょっとまっしろな感じなんです。
ぽかんと口を開けるみたいにして。 こころを開け広げてみるんですが。
ふり込んでくるのは雨ばかり。
ただただ雨ばかりのこの頃でした。
ああ傘もささずに濡れて濡れて。
あたしは何処へ行くのでしょうか?
| 2006年07月05日(水) |
ごめんなさいとありがとう |
夜明け前。ものすごくどしゃぶりの雨が降ったそうだ。 あたしは。とてもぐっすり眠っていたのか知らなくて。 知らないくせに。すごい雨だったねえとか言ったりして。
あたしというひとは。けっこうてきとうなひとなのかもしれない。
ごめんなさい。もしかしたらほかにもいっぱいてきとうをしてるかも。 とりかえしのつかないこととかあるかもしれなくて。ああほんとうに。
ごめんなさい。
今夜サチコがね。いっしょうけんめい作ってくれたんだよ。
母子地蔵さんだよって。ありがとねサチコ。
| 2006年07月04日(火) |
諦めないで負けないで |
朝はすこし青空であったが。すぐにどんよりの曇り日となった。 憂鬱を連れたまま仕事に行ったのだが。ゆっくりと開き直ると。 ゆううつなんてものはどうってことなくて。気の持ちようとか。 その気になれば。気というものはさらさらと流れるものらしい。
帰宅してすごく嬉しかったのは。例のツバメの親子たちだった。 子ツバメ達が今日。生まれて初めて飛ぶことを覚えたらしくて。 その姿といったら。ちょっとやってみたけどやっぱこわいよう。 そんな顔をしているのもいれば。えへん!飛べたもんねの顔も。 お兄ちゃんやら弟やら。お姉ちゃんやら妹やら。末っ子の顔も。
親ツバメが餌を運んでくる。でも巣までは持って行かないのだ。 すぐ側で「ほうれほうれここまでおいで」と誘っているようだ。 するとお兄ちゃんが真っ先に飛び立つ。後は我も我もの大騒ぎ。
まるで鬼ごっこをしているように親ツバメを追いかけて行くのだ。 飛んで飛んでお母さんかなお父さんかなの止まった所に行けたら。 よしよしえらかったねえって餌を食べさせてもらえるようだった。
くすん。お腹空いたよう。まだそんなに飛べないよう駄目だよう。 そんな子は知りませんからね!その厳しさ。そんな親の愛の姿を。 垣間見たようで。胸がすごく熱くなった。諦めないで負けないで。
すぐにいっぱい飛べるようになるんだよ。
そして自分で餌を見つけて。おなかいっぱい食べるんだよ。
| 2006年07月02日(日) |
今日はとてもいい日だったよ |
夜明け前から風がさわがしく吹き荒れて。やがて雨と雷の朝となった。 さすがにツバメ達もじっとしている。巣の子供達は押し合いへし合い。 ずいぶんおっきくなって負いかぶさっているのやら。お尻を突き出しているのやら。
そんな巣の側で親ツバメが。たぶんお母さんらしいのが「これこれ」って。 静かにねって宥めるように見守っている。なんとも微笑ましい親子の姿だった。
巣立つ日が近づいているようだ。無事に育ってくれてほんとうに嬉しく思う。
一気に走り抜けたような嵐だった。午後は嘘のように静かにうす曇の空となる。 年に一度の『先祖祀り』の日だった。毎年7月の第一日曜に決められていて。 法事みたいでそうではなくて。ご先祖さんを敬い。とにかく飲もうぜという。 親族の集いのようなものだった。飲む量は半端ではなく。先祖代々酒好きらしく。 血を分けた者達が和気藹々と楽しく飲んでしゃべって。心地良く酔って解散だった。
参加するたびに。嫁げてよかったなあって思う。 みんなみんな縁のある人達ばかりなんだなあって。ちょっと感動したりする。
今日はとても。いい日だったよ。
| 2006年07月01日(土) |
ぽつねんとぽつんとあたしの色 |
蒸し暑さはこの頃ならではでよしとする。空がまぶしかった。 青くはなく。うすい膜に覆われたような地上で。目を細める。
不確かさは。これでいいのだろうか。このままでいいのだろうかと。 ときに不安で。信じたものさえも見失うかのように包み込むものだが。 そのカタチというものは。むしろそのほうが理想的であるかのように。 投げるには掴みどころがなく。捨てるには未練がましく。ただただそこに。 ぽつねんとあり続けるのが。よいと。思ったのではなくそう決めたのだった。
わたしはいまが心地良い。いまこうして在ることが心地良い。 書けるということは。ほんとうにありがたく幸せなことだと思っている。
ぽつんと落ちたその日から。
あたしはしみにだってなれる。
どんなにごしごし荒くされても。
あたしの色は消えはしないんだ。
ああこれがきみなんだねって見つけてくれて。
ほんとに。ほんとにありがとう!
合歓の花が咲き始めた。それは峠道から見下ろす山肌で。 緑濃い葉の草原に舞う孔雀の群れであるかのように咲き。 いまの頃には雨に。そしてつかのまの陽の光には輝いて。 ふうわふうわとくうきのなかで薄桃色の羽根をなびかす。
職場のはまだ蕾のままだった。淡い緑のつぶつぶがぷちぷちっとしている。 折れた枝はやはりどうしても生きられず。葉は枯れて落ちて丸裸になった。 その姿は冬枯れのあの頃とよく似ていて。哀しいと言うより希望に見える。
そうして日常がまた。とんとんとんと歩んでは。すこしばかり。 ためいきや。苛立ちもまた。あたりまえみたいにぽちぽちと落ちる。
『あってよし なくてよし』と呟きながらタイムカードを押した。 そばで同僚がくすりと笑う。私はちょっとおどけて見せる。ふふふっと。 スキップな気分でクルマへ乗って。ソックスを脱いで素足になるのだった。 そして窓から見えた同僚に。「これあげようか」とつまんだそれを差し出す。
わはわはと笑い声。ああほんとうに愉快だこと。笑ってもらえるってことは。 そして一緒に笑えるってことは。すごく素晴らしい嬉しさだなって思うのだ。
明日もとんとんとん。なにがあってもよし。なにかがなくてもよしでいこう。
くもり時々の雨。のち少しだけ青空が見えた。 久しぶりの夕焼けはとても紅くて。紫の雲が。 どこかからむこうまで。つつつっと遥かまで。
ちょっと想った。あのひとなのかきみなのか。 いまはその呼び名さえも。哀しくてならない。 ひつようとかそうでないとかもわからなくて。
あたしは染まった。とどまれない紅い血色の。 とくとくといつ終るのかしれない果ての道の。 いっぽにほ。ずいぶんと遠い。ずいぶんと空。
ふっきって。ふっきって。とうとうの夜が来た。
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