朝起きていちばん最初。いつも二階の自分の部屋へいく。 よほどの大雨でない限り窓を開けて。朝の新鮮な空気を。 吸って。ふわあっと息をして。よういどんの準備をする。
時々はぼけっとする。そういえば今朝なんかもそうだった。 ちりんちりんと鈴の音が聞こえたのだ。窓の外は映像みたい。 たちまちはっとする。目がきらきらするくらい心地良くなる。
お大師堂から大橋まで続く堤防の道が。窓の高さと同じなのだった。 白茅と姫女苑が川風に揺れる道を。お遍路さんが歩いて行くのが見える。
わたしはわたしの窓がとても好き。
閉ざしていてはなにも気づかない。
空のきもち風のきもち鳥のきもち。
そしてわたしのきもち。
だから窓を開けてみましょう。
少しだけ小雨が降って。あとはどんよりと曇り空だった。 ちいちいちいと小ツバメ達が一斉に口を開けているのが。 可愛くてたまらなくて。窓から巣を覗いて微笑むばかり。
実は最初の小ツバメ達は。ある日突然いなくなってしまったのだ。 何者かに巣を襲われたらしくて。とても惨く可哀相なことをしてしまった。
もう我が家はいけないかもしれないとすっかり諦めていたけれど。 すぐ明くる日だった。また二羽のツバメが来てくれるようになったのだ。
今度こそ。どうかどうか無事に巣立って欲しいと願わずにいられない。

休日。このところずっと土曜日の仕事を休ませてもらっている。 おかげですごく寛いでいられるのだけど。少しばかり後ろめたくて。 電話が鳴ったりするとはらはらする。何事もなく夕方になるとすごくほっとする。
今日は気になる近所の音も聞こえず。思う存分、本を読めてよかった。 読み終わってしばらく感慨に浸っていられる。なんだかすごく達成感があった。 作家さんはほんとうにすごいなって思う。書いてひたすら書き終えて。 その感動をぞのまま読者に届けてくれるのだ。それはまさに熱意だと思うのだ。
それからすこうしぼんやりと寝そべって天井を見つめていたが。 ふと思い立って。ある詩人さんの詩集を読み始めたのだった。
声を出して読む。朗読というのかもしれないけど。なんかそうじゃなくて。 ここで休んで。息を吸って。ここで想って。ここから流れて辿り着くような。 そういう読み方をする。そうするとその詩人さんの心がすごく伝わってくる。 ああ嬉しかったんだ。ああちょっと淋しかったんだ。ああいまほっとしたんだ。
書きたいなって思った。とつぜん言葉がいっぱい生まれて来る。 あたしじゃなくてね。それは僕なんだ。僕はねだからね僕だからとか。 あたしだけが知っている僕なんだよって。あたしが言って僕がふふって。 微笑んだんだけど。書けなかった。僕が走り出してとうとう見えなくなって。
行方不明になってしまったんだ・・・。
雨が降ったりやんだりの梅雨らしさ。 どんよりの空の下。アガパンサスの花がとても好き。 うす紫って不思議な色だなって思う。 なんだか懐かしいようなこころの奥深いところでそれは。 憬れのような愛しさのような。こころにやわらかく咲く。

ふうっとふっきれてしまったことがあって。 きぶんなめらかできぶんじょうできなかんじなのだ。 すごくとおいところにきてしまったのかな。 そうおもうとすこしさびしくて。でもへいきなんだ。

今夜またバドの日やって。 はっするはっするしたけん。ちょっとつかれた。 20年目の壁や。この壁はなんとしても越えたいけんど。 どうやって越えたらええのか。いまはどうしてもわからん。 みんなどんどん上手くなる。あたしはどんどん下手になる。
なんかもう時間がないみたいでちょっと焦る。 今度生まれ変ったら。中学からバドやろうと思う。 そしたら大人になったらすごいかもしれんもんな。
へこたれるなあたし。あたしに負けたらいかんぜよわたし!
にんにくの花はワイン色。ちょっと見は畑の紫陽花みたいなんだ。 ねぎ坊主さんよりのっぽですらっとしていて。しゃきっとしてる。 きっと本人も自分の方がかっこいいんだって思っているだろうな。
梅雨の晴れ間の夏模様。にんにく畑に咲く花は。凛々しくてきゅんと素敵。

あたしはね。どちらかというとたぶんねぎ坊主かな。 とんでもない夏大根かもしれないけどね。ぴりっと。 辛いんだなこれが。まあとにかく花だか根だかあるみたいだから。 よいではないかと思っているんだけどね。
ちょっとね。月の今時分って頃は付き合い難いひとだなって思う。 ものすごく元気だったかと思うと。やたら落ち込んだりもするし。 我ながらご機嫌が取り難いというか。うんざりすることが多いんだ。
だからどうするってことではないのだけど。こうして書いていると。 不思議だね。気分がすごく落ち着いて来るし。楽になって来るんだ。
今夜はこれからテレビだよ。このところ毎週『アテンションプリーズ』
なんか気分よくてね。くじけてもめげても頑張ろうって気になるんだ。
真夏のような暑さだった。ぐんぐんと稲がその青さを光らせて。 風がくすぐるように流れていく。とどまれずどこまでも夏の匂いがした。
夏遍路さんはなんぼか辛いことだろう。腕が真っ赤に日焼けしている。 ふたりともまだ若くて。白装束を肩まで捲り上げていた。もくもくと。 太陽のしたをひたすら歩いて行くのだ。がんばれ札所まであとすこし。

さてと。そうだった。あたしも昨日はちょっとがんばったんだ。 えらかったなあたし。ごほうびにビールをたんとたんとお飲み。
だけど現実はとても厳しい。まるで絞り切れないボロ雑巾のごとく。 汗をたまるもんかというくらいかいて。へなへなで帰って来たのだ。
結果はとにかく頑張った。全敗だったけど精一杯やれたんだと思う。 体力の限界とか思うとそれはそれでちょっと悲しいし悔しいのだけど。
ここまでだって決めちゃいけないって思うんだ。
もうお終いになるもんね。いやだいやだ。あたしはまだ歩いて行くんだ。
にわとりがけこけこと鳴いている。
窓をあけたらやっぱり梅雨のそら。
でもね。いまトンビが横切ったよ。
つばめもね。すいすい気持ちよく。
それからね。鳩ぽっぽも屋根の上。
朝って好きだな。朝って生きてる。

ぜんぜん眠れなかった。 なんか遠足の前の晩みたいで。 ちょっと興奮か緊張みたいで。
今日はバドの試合に行くんだよ。 いっつもボロボロに負けるから。 今日こそはって思っているんだ。
決して勝ちたいのじゃない。
負けないように頑張るんだ。
梅雨らしくあり。しとしとのいちにちであった。 気分的に少しだるだるな感じがするのもよくて。 ひとやすみもふたやすみもしてみるのがよい。
本を読んでいたのだが。どうも気が散っていけなかった。 裏隣の奥様がまたお琴の練習を始めていたのであるが。 ちんとらちんとら。ずいぶんと上手になったなと思うが。 時々間違えては同じ演奏を何度も繰り返すのである。 もういいではないか。先に進みたまえ。最後まで一気に。
さすがの私も苛立ちはじめ。いやいやもともと苛立って。 いたのであろう。裏窓をそっと開けて様子を窺ってみた。
ひとというものは。ほんとうにいろいろであるものだが。 雨にも関わらず。いや雨だからかもしれず窓を開け広げ。 特別な演奏のごとく。あたりにその音色を届けようとする。
なんだかすごく嫌なものを見てしまったような気がしたのだ。
だけど。そのことを夫君に言うと。 そんなもんだぜと。うっとり弾いているんだからそっとしとけと。 あんまり気にするから気に障るんだと言う。
うむと深く考えるまでもなく。彼というひとをまた尊敬してしまった。
たとえばそれを私に言い換えると。 この場をかりて。こうして書いていることにもそれが当て嵌まるのでは。 どのような駄文であっても。読んでくれるひとがいてくれるから。 書けるのである。公開しないのであれば。今の私はきっと書けないと思う。
それは過去に遡っても言えることだった。 少女はいつもノートに落書きするように詩を書いていたが。 恋しい人だけにはそれを読んで欲しいと願ってやまなかった。 その結果。押し付けがましくもなる。それは当然の結果のごとく。
自己の満足というものは。とても奥の深いものなのであろう・・。
だからいけないと私は言えない。
とにかくそっとしておいてあげようと思うのだ。
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