ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2005年10月16日(日) いちにち

雲ひとつない空と降り注ぐ光と爽やかな風。

私はせっせと洗濯物を干しながら。空に声をかけた。
もしかしなくても。届くような気がしたのだ。声が。
大阪も。きっと青空。窓を開けて深呼吸をしていて。


さつまいものシチューが。昨夜も今朝も美味しくて。
お昼にも食べて。夕食にも食べた。かなり満足なり。



『義経』に泣いた。
血というもの。情というものを。絶つということは。
ただただ悲しいことだ。そして流れる血。あまりにも。
儚い命。惨さを思い知ることが。情ではあるまいか・・。



夜更けて来た。このながき夜をありがたく受け止め。

麦から米に替えてみた。焼酎のお湯割がただただ美味し。



2005年10月15日(土) 感動

雨あがり。どんよりとした空のしたを今日も行く。
山々がみな雫のなか。ぽとぽととせつない音がする。

収獲の終った田んぼには。まるで春のような青い草。
そこには。白鷺の群れが。絵のように美しくあって。
こころが。真っ白く澄むような。新鮮な風景だった。

峠道を行けば。山肌に可憐な黄色の花を見つける。
つわ蕗の花が。ちいさな向日葵みたいに咲き始めた。
秋だったのか。ふと去年を思い出してみては。去年が。
不思議と。そう遠くない昨日のように思えるのだった。




開店休業。仕事はそのようで。
午後からテレビを見てしまったのだが。

坂本九、没後20年のドラマ『上を向いて歩こう』
見始めたら。とうとう最後まで見てしまった。

お母さんが。九ちゃんに心から伝えた言葉。

「寂しい時は。自分よりもっと寂しい人のために尽くしなさい」
「悲しい時は。自分よりもっと悲しい人のために尽くしなさい」


とても感動した。そして。自分もそうでありたいと思った。


突然の死。いつその日が来ても悔いのないように。

               生きたいと思う。



2005年10月13日(木) 本音

時々いたずらに雨が降る。
重く灰色の空。ふと哀しみを思い出しては。
また悪い癖ねと微笑んでみる。

降る時には降ればいい。私が受け止めてあげる。



まだ午後9時前だと言うのに。ひどく酔っている。
思考が。ぐるぐるまわり始めているのを。愉しんでみるのもいい。

そうかそうだったのか。それが本音なのかって。
自分をぎゅっとしてあげる。すべてを許してあげるのだ。


携帯に43件のボイスデーターがあるのを。
ひとつひとつ聞きながら。わたしは雨になりそうだった。

尼崎のJRの事故のときの。
「僕は大丈夫だよ。バイクで通ってるから大丈夫だよ」って。

それが42件目の声だった・・。




2005年10月12日(水) 前略わたしの神様へ。

白い鳥の群れと。灰色の鳥の群れが。
背中あわせでいて。真っ二つなんだけど。
一枚の絵のように。干潟で佇んでいるのを見た。

夕暮れが迫る。さらさらと水が紅くなり始める。
わたしは。こころの瞳で。シャッターを押した。



今日もまた手紙。お昼休みにふたりへ書いた。
ふたりは一緒に。ぽとんとポストに落ちていった。
ひとりは明日に。ひとりは明後日に。きっと届く。
一瞬で届いてしまうメールよりも。旅をする言葉。
これからも大切にしたいなあって思うのだった。


それから2時間くらい経った頃。携帯が鳴って。
それはバド仲間のTさんからだった。
「お久しぶり」ほんとうに最近ちっともクラブで会えない。
そしたら。仕事ですぐ近くまで来ているって言うからびっくり。
職場の裏側の県道へと跳びはねるようにして行った。
どこどこ?って言っているまに。彼の会社のクルマが見えた。

風に吹かれながら。少しだけ会った。
バドの話しとか。仲間の事とか。そしてなぜか私のHPのことまで。
唯一のひと。理由は自分でもよくわからないけれど。
私は彼だけにはHPのことを教えたのだった。

波長が。なんとなくぴったり。彼はそんな感じのひと。
だからなのか。話しているとすごくほっとするひとだった。
友達なのかな。また言いたいけど。きっと縁のあるひとね。

声をかけてくれてありがとう。会いに来てくれてすごく嬉しかったよ。


嬉しいことが。ここ数日のうちに。なんだか不思議なくらいいっぱい。
みんなみんな思いがけない事ばかりで。心がすごく感動しているのだ。

あっ・・って思う。もしかしたら。わたしもうすぐ死んじゃうの?
だってこんなにもたくさん。もう胸がすごくいっぱいになったよ。


帰り道。対向車が飛び込んで来そうですごく怖くなる。
わたしをころさないで。かみさまころさないでといのった。


生きていると。時々は。贈り物がたくさん届く時があるのかな。
ほんとにほんとにありがたいことだよ。

今夜は。かみさまに。手紙を書きたくなった。





2005年10月11日(火) 再会

雨になれない空と。鳥になれないあたしと。

ちょっとした気だるさも。苦にはならずに。

またどこかわからないところへと歩みだす。


夜はとても急いでやってくるけれど。
夜はとてものんびりやさんらしいのだ。
まくしたてるようなこともしないで。
あれこれ干渉するでもなく。そこらへんで。
寝そべっている。それが何よりありがたい。




帰宅して。ポストに見覚えのある字の封筒。
J君は。二年前の夏に。ひらひらっと舞いながら。
落ちてきた。そうして。私の手のひらにすとんと。
それは。どんな言葉でも言い表せないくらい。
とても。懐かしいひとに再会したように思った。
いったいどこから飛んで来てくれたのか。
空から私を見つけてくれたのかもしれなかった。

手紙は。彼女さんと交互に書いてくれていて。
ほのぼのと。ああふたりが並んでるって。嬉しかった。
プリクラの写真もちゃんと。きらきらと眩しいふたり。
逢えたんだ。また逢えたんだ。ほんとうに良かったね。


ネットって。きっかけはそれしかなかったけど。
それがあったから出会う事が出来たふたりだけど。

今の私には。そんなネット空間にこだわらない。
とてもしっかりとした何かが。ここにちゃんとある。

縁というものに距離はない。
つい先日そう確信したばかりだった。

これが縁でなくてなんだろうと思う。

私は再会している。間違いなく。このふたりのことを憶えていた。










2005年10月10日(月) にこにこ

曇り日にくもらないでいられること。

たとえにわかに雨が落ちても。

おちないでいられること。

へいわなこころは。とても愛しいものだ。



午後。少しうとうとしていたら携帯が鳴って。
知らない電話番号だったけど。「もしもし」って言った。

聞き覚えのある声。ぼんやりとした頭ですぐには分からなくて。
いっしゅん他の人と間違えてしまった。なんか話しが通じなくて。
あれあれって混乱していたら。ああM君ねって。やっとわかった。

3月までうちのバドクラブで一緒に練習していたのだった。
専門学校へ行くようになって。少し遠い所へ行ってしまった。

彼は。右手右足が不自由だったけど。向上心が強くて。
すごく負けず嫌いで。とにかく出来なくてもやるって頑張り屋さんだった。
でも。どうしてもみんなと一緒にはなれない。すごく悔しそうな顔をして。
くちびるを噛み締めていることがよくあった。でも泣き顔だけは見せない。

私はクラブを任されていることもあって。特に彼と関わることになったのだが。
ある日。限界が来た。ものすごく重荷を感じるようになってしまった。
にこにこと笑顔で。いつも真っ先に彼は来ていて。私の名を呼んでくれたけど。
私の心の中は。どうしよう。どうしてあげたらいいのだろうと。
このままではいけないという思いが。すごく込みあげてくるばかりだった。

私は。それから。急に彼に厳しく当たるようになった。
もう。ちやほやしないと決めたのだ。決して甘やかさないと。
駄目な事はダメと言った。そしたら彼は。「わかってる・・」って呟く。

こころが鬼になっている。そんな自分を痛いほど感じていた。
可哀相でならない。だけど。こうするしかないと。自分を宥めた。

彼はよく転んだ。左手にラケットを持っているから。
体をくねらせるようにして。彼は起き上がるのだった。
そして。きっとした顔で対戦相手を睨む。
私は。私のこころはいつも感動していた。えらいよ、がんばれって。
だけど。声は。「また転んだ、駄目やねえ」って言ったのだ。


最後の日を終えて。私の痛みは最高に達し。
彼が転居してしまう前に。彼に会いに行くことにした。
スポーツ店で。バド用のTシャツを買って持って行った。

にこにこ。彼はどうしてこんなに微笑んでいるのだろう。
ご両親まで。深々と頭を下げてくれて。ほんとうに申し訳なく思う。

「いじめてごめんね」って言った。どうしても言わなければいけなかった。

出来ることを精一杯がんばって。いちばん伝えたかったことを。
やっと告げることが出来た。涙が出そうなくらい。心が楽になった。

私があげたTシャツを左手でぎゅっと抱くようにして。
彼が見送ってくれた時は。もう私の涙はとまらなくなっていたのだ。



「なんか、久しぶりに声ききたいなあって思って」

携帯を新しくして番号が変ったのを。私に知らせたかったのだそうだ。

ありがとう。ほんとにほんとにありがとう。


にこにこ。きみはにこにこ。

わたしもね。にこにこしてるの。ちゃんと見えたかな。






2005年10月09日(日) あなた

夜風が。15センチの窓の隙間から。
わたしになにか告げたいことでもあるのか。
わたしのそばでただ揺れていたいだけなのか。
とどまることもせずにひたひたと流れてくる。



こんな秋の夜長には。N君がいい。
N君は。いまどこにいるのだろう。
待って。いまここに連れて来てあげる。


高校一年の秋だった。あの日は文化祭。
文芸部は色紙にそれぞれの詩を書いて展示していた。
私は『安沢裕美』という名前だった。
安沢は小学校の時のいちばん仲良しだった子の苗字。
裕美は。郷ひろみの本名からいただいてしまった名前。

N君は知らないひとだった。中学も違うクラスも違う。
でも。朝のバスのなかで見かけたことはあったと思う。

「この詩、もしかして君?」って突然訊かれてびっくりしたっけ。
照れくささと。見つけられた喜びで。私の胸はどきどきしていた。

それから何かを話した。何かいっぱい話したけど。思い出せない。
最後に約束をした。お互いの詩を交換しようとN君が言ったのだ。

その夜から私は。どこかに火がついたようになってひたすら書いた。
『あなた』と書き始めたら。それまですごく好きだったひとが。
忽然と『あなた』でなくなり。たった二日目でそれがN君になった。

チャイムが鳴っている。今はだめ。もう少ししてみんなが帰ったら。
4ホームへ行こう。4ホームは近いのに。なんて遠いんだろうと思う。

あっ・・っていう顔をいつもした。
一人じゃない時は。すごく困ったような顔をして。N君は。
私の詩を受け取り。私は彼の詩を。隠すようにして受け取る。

そこには『きみ』がいた。
わたしはとてもきになった。そのきみが誰なのか知りたくてたまらない。

それがある日『きみの詩って不思議』って詩をもらったのだ。
私はどんどん熱くなる。ついに私が『きみ』になれたのだと思い込んだ。


バス停で肩を並べてバスを待つ。
おっきなひとだなあって思う。まともに見上げることも出来ず。
心臓がばくばくしてたまらない。何も話せない。沈黙と動悸と。空と風。

N君は。私より五つ手前の停留所でバスを降りた。
窓から彼を見つめていたら。彼が目だけで何かを言ったのだ。
その時の。なんともいえないせつなさは。波の音と海の蒼さ。


それから。どれくらい経ったのだろう。
季節はいつで。何月何日だったのか。とても思い出すことは出来ない。

N君には。ずっと付き合っている彼女がいることを知った。
由紀子さんっていう3ホームのひとだった。

私は。もう4ホームへ行けなくなった。
もうN君に渡す詩が書けなくなったから。


わたしは。涙を少しだけ流し。

またすぐにあたらしい『あなた』を見つけた。











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