台風の影響なのか。ざわざわと風が鳴るばかりのいちにち。 こんな日は。なんとなく胸騒ぎがしたりもするものらしい。
悪い予感というか。ついに来る時が来たかと思うような事が。 ひとつあり。また午後になりふたつ目があった。とうとうと。 そういうふうになるように。なっているのだろうなとおもう。
たとえれば。それは沈みかけている船のようだ。 あっけらかんと空ばかり見ていた者も。おろおろと不安がる。 船底からどんどん水が溢れている。なすすべもないありさま。
船長は未だに船を守りたがっている。この場に及んでと私は思う。 みんなを助けてあげて。島まで泳いでいけるようにしてあげてと。 何度も頼み訴え続けて来た。それがやっと今日認めて貰えたのだ。
私はすごくほっとしている。 明日からは。その準備に追われるだろう。それこそが本望というもの。
私は最後まで船に残る。沈むのをこの目で見届けなくてはいけない。
船長と。そして母と一緒に。
日向はすっかり夏の陽射しだったが。風が心地良いほどによく吹いた。
今朝。いつもの峠道で不思議なことがあったのだが。 もしかしたら気のせいだったのかもしれない。けどすごくはっきりと。
くねくね道の道幅が急に狭くなる寸前に。白装束のお遍路さんが歩いていて。 ちょうど急カーブだったから危ないなって。スピードを落としたのだった。 それがどうしたわけか。追い抜いたような気がしたが。追い抜いていなくて。 その時には歩くの早いなあって思った。けど・・前を見てもどこにもいなかった。 もちろん後にもいないものだから。うそ?なんで?ってすごく戸惑ってしまう。
キツネにつままれるって。こんなことを言うのかもしれない。 まあ、ながく生きていると。こんなこともあるのだろうと思うことにしてみる。 山深い道だもの。タヌキと猿は見たことがある。でもキツネは初めてだった。
そうして仕事。今日はなんだか苛々と落ち着かず。胃がしくしく痛かった。 順調だと思える事はとてもありがたいが。あまりにもあやふや過ぎている。 経営とはどういうことだろう。現状をもっと把握して対処出来ないものか。 などと。いくら訴えてみても。ただいたずらに時が流れているだけのようだ。
そんな時に。専務オババったら。あまりにあっけらかんとしているのだから。 「サボテンの花が咲いたよ!」「写真撮れば、ねえ撮りなさいよ」とか言う。
そうしてすべてのことがまあるくなっていく午後だった。
作り始めたばかりだと思っていたツバメの巣だったが。 今日も一日せっせせっせと忙しく。夕方には半分ほど完成していた。
朝のうち少し観察していたら。雄らしいのが濡れた土を運んで来て。 くちばしでコツコツとくっつけておいて。それから左官さんみたいに。 すごく器用に土をならしているのだ。やるなあって声をかけてあげる。 そしたら振り向いて。とても得意そうな顔をしたから。なんだか愉快。
すぐ近くの縁側の庇のところに。雌らしいのがいてわら屑を咥えていた。 なるほど。順番待ちをしているのだなって思ったら。雄がさっと飛び立つ。 その時「さあ行くぞ!」って声をかけたみたいだった。雌も一緒に飛んだ。
我が家に初めてツバメが来てくれたのは。もう何年前だったろうか。 ずっと最初の巣をそのまま補修しては棲んでくれているので。 今回の新しい巣作りがなんだかもの珍しく。わくわくしてしまうのだ。
ふともしかしたら。今度のつがいのひとつは。我が家で生まれたツバメかも。 そんなことを思うと。とても嬉しくなった。覚えていてくれたんだなあって。
無事生まれて。すくすく育って。飛べるようになって。ながいながい旅を。
命あるものが。こんなにも愛しく思えることはない。
つばめ一家が帰って来なくなって。なんとなく寂しかったのもつかの間。 今度は別のつがいなのか。また玄関のドアの上に新しく巣を作り始めた。 わら屑のようなのがいっぱい散らかって。あらあらと思うほどの有り様。 でも許す。好きなようにしていいよと思う。また生まれるのがたのしみ。
梅雨入りが近いのか。とても蒸し暑い一日だった。 昨夜はしゃぎ過ぎたせいなのか。朝から生あくびばかりしていた。 毎週土日がお休みだったらいいなあって思う。
例のごとく。お昼休みに本を読んでいたら。職場の前の道に。 屋台のクルマが停まった。「いらしゃいませ。いらっしゃいませ」と。 連呼して。それがとても耳について。はっきり言って煩かった。 「美味しいお好み焼。大阪風のたこ焼き。あんこたっぷり鯛焼き」と。 延々と30分も聞かされて。堪忍袋の緒が切れそうになった。
我慢。がまんじゃと思っているうちに。一時になってしまった。 今日はついてないなあと。がっくりしながら。なんだか愉快な気にもなる。 お好み焼もたこ焼きも。鯛焼きも。大好きだから許して遣わそうと思う。
帰宅して。昨夜頂いたお魚をから揚げにしてみたが。 鯵はちっちゃいほど骨ごと食べられて。とても美味しかったが。 鯖のちっちゃいのはイマイチだった。でもしっかりビールは美味しかった。
やっと。やっと土曜日の夜。どんどん腑抜けてしまいそう。 あれやこれや。みんなばたんきゅして。ぐっすり眠りたいなと思う。
紫陽花がいい感じになったよ(出勤途中の国道沿い)
髪からぽたぽた落ちるほど汗をかくと。 なにかがふっきれて。なにかがすごく。 新しくなったような気がするから不思議。
ひと月ほど前から。少し腱鞘炎気味で無理が出来なかったが。 今夜は久しぶりに。思いっきりバドを楽しんでみたのだった。 気力はあっても体力がついていけないのが現実。だけどやれるだけ。 やってみると。思いのほか動けたりするから。やれば出来るのかも。 と。また少し自信が出てきたりする。諦めたらそれでお終いだもん。
練習が終ってから。最後のほうに体育館を出たら。 先に帰ったはずの仲間たちがみんな一ヶ所に群がっていて。 何だろう?何かあったのかな?と駆け寄ると。 お仲間のS君がクルマからクーラーを下ろして。 みんなに釣ったお魚を分けているところだった。
小鯵と鯖のちっちゃなのをたくさん貰った。 から揚げだ。南蛮漬けだってみんなが口々に歓声をあげている。
私も明日の晩御飯は。またから揚げをしよう! 揚げたての熱々に。ビールをごくごくしようっと。
ぶるぶるっと身震いしてしまうほどの雨だった。 だけど。嬉しいのは紫陽花。濡れて濡れて明日。 もっと咲けるんだ。雨好きだよって言ってるみたい。
なんだか熱燗が飲みたくなって。ワンカップを買って帰る。 夕食の支度をしながら。ちびちび飲むのがご機嫌なのだ。
今日はサチコがお休みだったので。仲良く台所ではしゃぐ。 釣りたての小鯵とウルメ鰯を頂いたので。サチコがするって。 手ほどきをしながら見守っている時の。母の気持ちというのは。 ほのぼのと嬉しくて。ほろりと涙が出そうなくらいだった。 余談だけど。ウルメ鰯って。目がウルウル輝いているんだよね。 それをサチコが勇ましいほどに。指でぐさっと頭を千切ったり。 カラリっと鯵のから揚げが出来上がる。鰯は酢漬けにして頂く。
ほろ酔った母は。いつもよりずっとはしゃぎながら思うのだった。 娘も。この家を出て行くんだな。嫁がせてあげないとなあ・・・。 でも。やっぱ母は寂しくてたまらない。すごく我儘だけどそう思う。
そうしてまたいちにちが暮れていく。
巣立った子ツバメ達はいったいどこで眠るのだろう。
今朝職場に着き。事務所のカレンダーを6月にめくると。 『川から見ると流れているのは橋である』と書いてあった。
常識にとらわれずに物を見なさいという。禅の教えらしく。 なんだか。きゅっとどこかを掴まれたような気持ちになった。 決めつけていることが。思い込んでいることがあり過ぎるかも。
でもまあさておき。あとはひたすらそれなりがよろしくおもう。 かたのちからぬいて。のほほんとしていたい。あれこれしらず。
どうやら明日は雨らしい。 夜になってもツバメ親子が帰って来ないので。少し気掛かりになった。
続・・我が家の庭 『アマリリスとキャットテール』
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