報われたいと思っているから。報われることはないだろうと諦めていた。 どんなに尽くしても尽くしきれない。身を粉にして。その粉はきっといつか。 突然の嵐に吹き荒らされて。跡形もなく。私は消え失せなければいけなくなる。
そんな風に儚く散ってしまいたいものだ・・・。
だけれども。どうして神様は私を救って下さるのだろう。 この邪念だらけの欲深い女を。まだ生かして下さるのだろう。
ならば歩まなければいけない。果てという場所に行き着くまでずっと。 きっとそれには理由がある。いまはそれを教えては下さらないけれど。
尽くせば感謝されたい。罪すれば許されたい。 愛すれば愛されたい。認めて欲しい。失いたくない。
嗚呼なんて愚かなことだろう。
だからなのだ。救われたいとは決して思っていなかったのに・・・。
今日。こんな私のところにもサンタクロースが来て下さった。
新聞の占いに「己を全面に出さず静かに過ごせ」と書いてあった。
一心に。ただひたすらに台所の床を磨く。ひざまずくようにして。 きゅっきゅっと力を込めて。あそこもあっちもと汚れが嬉しくなるくらい。
手を止めればどっと襲って来る邪念。よくないことだ尋常ではないことだ。 「おのれくたばれ」「これでもか、ええいかんねんしろ」そんな気持ち。
時々。毒のようにそれを感じ。毒と知りながら飲んでしまいそうになるが。 かつて飲んだこともあったそれを。いまだに憶えていることが哀しい・・。
まあまあ綺麗になったところでワックスをかける。 艶が出て来るとほっとする。同時に右腕が棒のように固くなってしまう。 これくらいの罰なら。いくらでも受ける。これくらいの痛みなら。
我が身可愛さゆえに。どれほどのひとを傷つけたことか。 何ひとつ罪滅ぼしもせずに。よくもここまで生き長らえてきたことか。
午後は眠る。胸の上で手を組めば。そんな我が身の鼓動でも愛しい。
ありがたき静かな時よ。決して忘れてはいけないことさえも。
つかのまの眠りについた・・・。
なんだか一日中走り回っていたようで。空を見上げる余裕もなく。 これが師走というものだろうか。無理矢理急がされている気がする。
お昼休み。水筒とお弁当を持っていつもの憩いの場所へ行く。 ビニールハウスと枯れすすきと。小川と名も知らぬ鳥が囀るその場所。 クルマの窓を開けて。たっぷりの陽射しを浴びる。卵焼きが美味しい。
少し本を読んでから。ともだちに電話する。 三線ちょっとだけ弾けるようになって。初めて人前で演奏出来たって。 ほのぼのと嬉しい報せ。ほんとに好きな事に出会えて良かったなあって思う。 人生もきっと奏でられる。今はほんの一曲でも。これが光でなくて何だろう。
今日は冬至らしくて。かぼちゃかぼちゃと買い物。 お惣菜売り場でかぼちゃのコロッケを見つけた。 揚げたばかりで手づかみで食べたいなって思う。これでビールとかええな。
帰宅すると。愛犬あんずがすごく甘えた声で鳴く。 「くい〜ん くい〜ん」なんだかいつもと違う声。 はっと気づく。そっか、コロッケの匂いが分かったんだね。
「おまえもかぼちゃしようね」なんて言いながらふたりで半分こ。 病気するな。元気でいろよ。長生きしような。
そうして暮れていくいちにち。今日も夕陽は落ちていった。 明日のために。明日光るために。落ちることが使命ならば落ちなければ。
わたしはほんのいちぶぶん。この空のした終える一日があることを。
ありがたくうけとめていよう。
明けない夜などありません。
だからぐっすり眠りましょう。
| 2004年12月19日(日) |
ここではないところで |
どんな日もあるのだけど。今日はずっとどんよりの曇り空。 すごく何かを待っているような気持ちに気づき。少し憂鬱。
降り注ぐ陽射し。それとも猫になれる陽だまりの空間。 不意に突然に大切なひとを失ってしまったような錯覚。
きぶんてんかんしなければ。ここではないところで。
満ち足りていること。ほんとうにもうじゅうぶんだと思うこと。 きっとたくさんあるのだろう。ありがたいとなんど涙したことか。
許されて暮している場所で。まだ追い求めることがあるのか。 どうしてこうも欲深く。わたしは生かされているのだろう・・。
きどうしゅうせいしなければ。ここではないところで。
そうさだれだって道に迷う。迷うからはたと立ち止まる。 そうして見つめる己の姿に。頷いてまた歩き出せばいい。
薄っすらと霧につつまれた夜。月はぼんやりと一切れの檸檬。 こんな夜には宇宙の果てから。未確認恋愛物体が飛んでくるらしい。
見つけてはいけないから目を閉じていよう。 見つかってはいけないからそっと隠れていよう。
嗚呼。それでも声を出してしまいそうになる。 息を殺す。いっそ死んでしまえ愚かな女よ。
なすすべもなく落ちゆく心の破片に触れてみるがいい。 どんなに痛かろうとしっかりと握り締めてみるがいい。
その血がすべて。その血が祈り。その血がいのち。
在るべきか在らざるべきか迷うならなおさら生きよう。 光れない輝けないまして抱きしめることもできなくても。
ワタシイガイアナタヲアイセルヒトハイナイ。
月から雫が落ちてきそうな夜。たとえほんのひとしずくであろうと。 いま見上げたひとみんなの手のひらに。その涙ほどの希望がひとつ。
この一週間。ただならぬ痛みに耐えていた。 右腕が自由にならず。上げようとすると激痛がしたりして。 とても情けない有り様で。年のせいかと思うとちょっと悲しかった。
日に日に痛くなり月曜に病院へ行ったところ。 レントゲン写真の肩の付け根に何やら怪しい黒いもやもやが見つかる。 自分の骨って。そんな時でも面白くて。ふむふむと真剣に眺めてしまう。
「腫瘍かもしれないから」ってお医者さまが言うので。 なぬ?って焦りながら。ついついまた可笑しくなった。 とことん悪くしてくれるじゃんとか思いながら。実はちょっと怖くなる。 そうか、そうか、ならば抉り取って貰おうじゃないかと開き直る気持ち。
水曜日におっきな病院へ行って。MRI検査つうのを初体験した。 それがやたらと緊張しまくり。なんなんだ!この衝撃音は!ずんどこ煩い。 生きているけど死んだみたいに。三途の川で殴られているみたいだった。 もう二度とごめんだ。あんな音なんか絶対に聞きたくない。
そして今朝。その結果を聞きに行く。悪いのなら好きにしてくれと思いながら。 自分の肩の骨をいっぱい見せてもらう。ひとコマずつ連続の愛着があるものだ。
「原因は年ですね」って決して言わないお医者さまは優しくてとても好き。 黒いもやもやは確かにあるけれど、自然に消えるでしょうと言われた。 「無理せず労わってあげなさい」って。単なる肩の疲労らしいのだ・・。
ほっとする。肩の力が抜けるってこんな時なのに違いない。 同時に気も抜ける。すごくいきり立っていたようなそれもお終いとなった。
それからがとても不思議。時間が経つにつれて痛みが薄れていった。 おそるおそる腕をあげてみたら。ちょっと不恰好だけどバンザイが出来た。
ささやかな戒めだったのかもしれない。誕生日を迎えたばかりだったし。 身の程を知りなさいと教えられたのかもしれない・・。
気持ちとカラダがとてもアンバランスなのだろう。 まだまだこれからだ!と思いながら。もうそろそろだよと教えられた。
出来ることを精一杯やりたい気持ち。でも出来ないことは素直に認めたい。 出来ててもしんどいんだよって気付きたい。その時は焦らずにいよう。
休めばまた。続けられるだろう。無理せずゆっくりしようじゃないか。
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