昨夜は空からオソロシイものがたくさん落ちてきた。 一晩中。それは明け方までずっと続いて。 まさに襲撃だった。空襲ってきっとこんな感じなんだろうなと思う。
眠れなかった。みんなみんな・・寝ぼけ眼で朝を迎えた。
そうして今夜。お風呂に入ろうとしてびっくりした。 お臍から血が出ていたらしく。それが固まってどす黒くなっていたから。
な、なんだこれは!としばし唖然とする。
子供の頃。よく父さんや母さんに言われたっけ。 だからなのか。無意識にお臍を庇っていたのかもしれない。 それにしても。こんなに血が出るほど・・庇い間違って苛めたのであろうか。
お風呂から出て。さっそくサチコに報告する。 「ほら見てみて!」と言ってTシャツを捲り上げる。
「かーさん、大変!お臍が抉られているよ!」とサチコ大うけ。
雷さんにとられたんだよ。オロナイン塗っとけば朝には生えてくるよと。
うん・・そうする。素直に頷き、真っ白けになるほどその部分を埋めた。
くすくすと可笑しくてたまらない夜。
今夜は嘘のように静かだ。
ぐっすりといっぱい眠ろう・・。
純真に。何ものにも支配されず。
心から微笑んだことがありますか?
子供のように。子供だったときの。
あの嬉しくて舞いあがりそうな心の。
とびっきりの笑顔を。思い出してみて。
台風が。我が町の真上を通過したようだ。 上陸もしたらしいけれど。まるでその気配がなくて。 ほんとに不思議な台風。朝から雨が殆ど降っていないのだ。
さっき虹が出ていた。グレーの空に夕陽が半分だけ顔を覗かせ。 そのときぱぁっと空が明るくなって。綺麗な虹が嬉しかった。 わたしはれいのごとくたんじゅん。虹を見ただけで七色のはぁとなり。
うん・・そうね。じぶんじしんだって虹になれるんだと思う。
はんぶんの涙とはんぶんの笑顔があれば。誰だってきっとなれるんだ。
このところずっと続いている『むきりょく』が癖になる。 それこそが休息なんだと。それをそう名づけて。
まったりまったり。好きなように流れているように思う。 そうさ。なにもしたくなければするひつようはない。
そんなふうに決めてしまえば。すごく気楽でいられるから。
だから。したいことはとことんする。 身体から先にどんどん行くから。心が追いかけっこするみたいに。 どんどん行けるところまで行ってみたくなる。
あれこれ。思うことのほとんどが。いまは・・億劫だ。 どうしてそれを自分に課さなければいけないのだと。 開き直る。するとその開いたところにぽっかりと。 穴みたいなものが見えてくる。ついつい覗いてみたくなる穴だ。
人差し指でぐいぐいともっとおっきな穴にするのもいい。 ついに破けてしまって。もはや穴ではなくするのもいい。 やってしまえ。そうそう。もっともっと開いてしまえ。
そうすれば。その穴だったところの向こう側が。 はっきりと見えてくる。
もう私はじゅうぶんだ。これ以上何をし続けて。 何を望むことがあるのだろうと思う。
寝ころんで空を見上げる。自分の息と夏風が好き合っているのを。 よしよしと撫でるように確かめては。
ふわっと宙に浮かぶ思いで。きりょくなくして舞い上がるように。
ずっと風と戯れていたいなと思う。
猛暑と冷房の行ったり来たりで。 ご老体なのか。まだいけるのか。
お風呂とビールだけが楽しみで。 特にほかには何も欲しがりませんの日々が。
毎日あっけなく終り。あたりまえみたいに朝がくる。
多少の無気力は許そう。まっ・・いいかでおっけい。
今日は何度空を見上げたろう。 まぶしくて。その光に刺されそうになりながら。 くらくらと眩暈がするのが。なぜか心地良いのだった。
すべて燃え尽きてしまいそうな瞬間が。
愛しいと思う。焦がしてしまえ。身も心も。
堤防で。近所の子供達が打ち上げ花火をしている。 ひゅるひゅるぱーんと。その音だけで愉しくなる。
ひどい二日酔いで。ごろごろとだらしなく一日中寝ていた。 起き上がれないほど。こんなのはほんとに珍しいことで。
昨夜。ほんのお付き合いで飲みの会に出掛けたが・・ やはり途中から逃げ出したくなった。 すごくつまらない気分になる。苦手な輪はやはり苦手で。
ひとりが気まま。好きなところに行って好きなようにしていたい。 何よりも自分を。受け入れてくれる場所があることが嬉しい。
そこのカウンターで。初対面の女性と仲良くなった。 とあるお店のママさんだそうで。さっさとお店閉めてここに来たよと。 偶然会ったのだけど。なんだか約束していたようにして出会った。
不思議な女性だった。すごくさっぱりとしていて。どこか淋しげで。 だからといって女々しくはなく。凛とした存在感があった。
「あんた気に入ったよ 飲みなよ」って言って。 ビールを勧められたら。心から頂きますと言いたくなった。
「わたしはさ・・弱いんだよ」と呟くように言った。 ひとからどんな風に見られてもいいから。 ほんとの自分は。すごく脆くて・・こんなにも弱いんだよと言って。 泣くのでもなく。射るように私の目を見てにっこりと微笑むのだった。
二時間一緒に時を過ごす。緊張感のまるでない時。心から寛いでいた。
握手をして肩を抱き合って別れた。
また会えたらいいな・・すごく会いたいなと思った。
金曜の夜。またせっせと灰汁抜きに励むなり。
抜けたかどうだか。なめてみないとわからないが。
好き好んでなめたりはしない自分というもの。
私は。このどうにもとりかえしのつかないような疲れが好きで。
そうして夜の闇に吸い尽くされるように酔うのが好きだ。
ビールを飲んで。ジントニックを飲んで。ふらふらになって。
あれこれ。そんなもんほんとうに。どうだっていいのだから。
カラダは喜ぶのだよ。単純なものさ。苦しいとも言えやしない。
死んだように眠ってやろう。目覚めたらまた生きてやるからな。
ああ・・三日月がやけに紅い夜だこと。
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