2009年01月30日(金)...痛覚

 密閉された何か箱の中で研ぎ澄まされてゆく。全身がただ只管に、痛い。世界が、僅か四方50センチ程の可動域に閉塞して、蹲る以外の術を持たない。
 痛い、と思う。痛いのだな、と自覚する。死骸ならば踏み砕いて、生存という枠すら持てぬように、ひと、と云う尊厳を奪い去って欲しい、そう願うまでに、激しく。

2009年01月24日(土)...形骸

 意思の疎通など其処には無くて、ただ捩じ込むだけの其れが世界を殺している。

2009年01月19日(月)...嘘

 其れは詭弁だと思った。面倒や厄介を遠ざける為の、オブラートに過ぎない。其の言葉で救われるものは何も無く、ただ、諦めが滑稽に替わるだけだった。

2009年01月16日(金)...午後

 きらきらと艶めく路面を足早に歩く。セーターに擦れる傷口が疼いて、小さく呟いた呪いが眼の前で白く融けた。四角い画面を睨んで十数時間、世界がちかちかと瞬いて酷く頭が痛い。片肘に乗せた上半身の重みが、紅く走る線を破ろうとするまでに圧迫する。其の痛みが心地良くて、自虐的或いは嗜虐的な気分にずぶずぶと埋もれたまま、指の先ひとつ動かす気になれない。
 死にたい死ねばいい、如何にでも為れ、が全身を食い破って、今にも戦慄きそうな精神を辛うじて紡いでいる。叫んで喚き散らして、壊して投げつけて、なかったことにして仕舞えば、全て楽になれるのだろうか。
 欲しくも無い道に横たわる障壁を乗り越えたいと思う程、明日を望んでいない。

2009年01月06日(火)...苛立ち

 苛々する。破壊衝動が全身を廻って気持ちが悪い。

2009年01月01日(木)...新年

 また、年が明けた。代替しても代替しても、行き着く先は同じ。今度こそ、に付き合わされる宛ての言葉も、苛立ちを含んで、神経を逆撫でする。騙しても騙しても顔を出すデスペレートに、魂が疲弊して成長が追い付かない。消滅の為に神をも殺す妄想が、掴んだ柄を震わせている。殺してしまえ殺してしまえ殺してしまえ。湧き出す汗に塗れた掌がぬるりとして、握り直そうと正した居住まいがスプリングを軋ませる音に、驚く。
 煩い煩い煩い煩い。幻聴が震わせる携帯電話に目覚める回数と傷みが比例して、益々旅行を億劫にさせる。誰と挿げ替えても満足する筈も無い答えが、また1年、1年と遠くなって、美化されるばかり。もう、疲れた。
 2分に1度廻る考えを何時まで我慢出来るのかな。

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