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2022年01月09日(日) 灰燼の欲

其れは、気づいたら側にいた。
過去に私が描いた作品でも何度も表現した。今見聞き返しても的を得た表現で且つ解決までたどり着けていた。
上手く付き合っていけると驕っていた。消えることのない其れはこれからも側にいたとしても何も言わずに私を苦しめるだけのものだと思っていた。耐えればいいと思っていた。
この半年間、其れに餌を与え飴を与え甘やかしてしまったんだ。付け上がった其れは私を壊し始めた。
楽しい人を演じるために飾り立てたメッキは削がれ、日々の記憶は薄くなり、どこにいてもどこか嘘のような夢のような感覚。愛知にいても東京にいても。
東京の家に帰ると散らかった部屋と山積みの問題が私を殺しにくる。比喩ではなく、文字通り殺しにくる。
10年前に大切な友を失った。だから自分は彼のためにも生きようと刺青を入れた。その覚悟すら、其れの前では無意味だった。最後のページを開いていた。

私はもうここにはいない。

ライブ会場で会う貴方の前の、メンバーの前の、恋人の前の、
貴方が見ている私は全て偽物で貴方に気に入ってもらいたい浅薄な生き物。
こんな私を好きなふりをしてくれてありがとう。
でもそれは私じゃないの。

愛を簡単に信じられるくらい馬鹿なままいられたならよかったのに。

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乖離する自分と自分、たった一人でもこんなに忙しなく戦っているのに、裏切り妬みが降りかかったり事故に巻き込まれたり。それでいて懲りもせず人に振り回されたり。
でもそれがあるから、今じゃねえなあって思うの。私の本はもう最後のページだけど、私が登場する他人の物語はまだ中盤だから。その結末が知りたくて、その欲と中指立てて舌出して煽ってやりたい気持ちが少しだけ私の手を引いてくれる。そんな憎悪だけじゃないけどね。自分の音楽好きだし。
音楽作るのには疲れたしもうしんどいけど私が作る音楽がとても素敵だから自分自身が聞きたいから作る。

説明すら上手くできなくなった私の本心、其れに乗っ取られつつある精神、
どうせ終わるなら嘘でもいいから愛が欲しかった。


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