| 2007年08月24日(金) |
ぼくはカラスを指名するさ |
誰のためというワケでなく 並べられているコトバに 救われたりするんだよね
一遍の詩だとか 新聞のコラムだとか 地下鉄の宙吊り広告だとかにね
あなたのために綴るコトバは 時間をかければかけるほど うすっぺらくなっていき
通りすがりのそれらに あなたが手を伸ばしているのを 僕は唇かみしめて ただ見ているだけなんだ
届かないコトバたちを 紙飛行機にして 空に飛ばしたら
あなたじゃないダレカが それを拾って読むだろうか
それならいっそ カラスが読んでくれたらいいのに
あなたはそれを ウルサイワネって 眉をひそめて聞けばいいよ
とざしたココロで 聞けばいいよ
はちみつの瓶をかざして見る世界みたいに セピア色の歌をうたおう
とろーりと心に甘く伝わって ちょっとベトベトしちゃうけど 大丈夫 なめちゃったらいいんだよ
ただそれだけの歌だから
ほらね きいてみて♪
この仮面を外して ほんとうの顔を見せたら あなたはなんて言うだろう
その場面を想像して 何度も何度も想像して 逃げようとするあなたを わたしは何度も食べてしまうから
今日も仮面をたしかめる しっかりとたしかめる
ほんとうのわたしを あなたは知らない
折れそうに細い月が そこにいることを
どうしてもあなたに 教えたいなと思ったら
そこにあなたが いるんだと思う
ここにいなくても いるんだと思う
ここにいないあなたが とても近くに思えたら
わたしはあなたを 好きだと言える
そんな夕暮れ
なんにもないスペースに わたしのコトバを並べていく ことんことんと 置いていく
ピアノの鍵盤を叩くみたいに ギターの弦を爪弾くみたいに ぽろんぽろんと 鳴らしていく
たとえばわたしが 透明人間だったとしても
コトバたちは あなたに届くかしらね
たとえばココロは あるかないかわかんないけど
コトバならば あなたに届くかしらね
そう思って 意気揚々と並べ始めるけれど 並べるそばから はがしたくなるの
鳴らすそばから 消したくなるの
あなたを笑顔にできる 優しいコトバがみつからなくて
わたしの中の どこにもなくて
そう あとからあとから 新しい人が現れて 「はじめまして」 と握手をするのです
早いもん勝ちの出逢いなんて この世の中にはないのです
そう そうして誰しも 新しい自分になって 成長という名の心変わりをするのです
冷凍保存できる感情なんて この世の中にはないのです
それは誰のせいでもなく それは悪いことでもない
タイミングだとか必然だとか いつか聞いた単語を並べて あなたの瞳をじっとみつめようか
そこにわたしが いるか いないか
ハダカの王様に 「ハダカですよ」 って言えないのは
処刑されるのが怖いからなんかじゃなくて
ハダカだと気づいたときの 狼狽や悲しみや焦燥にへたりこむ王様を 見ていたくないからだ
でもそれは わたしが優しいからなんかじゃなくって
他人が落ち込んでいる姿は 目障りでうっとおしいからという ただそれだけのこと
どうか王様が ずーっと勘違いしたままでいられますようにって 願うわたしは
どこまでも冷血で どこまでも卑怯な 優しさのカケラもない エキストラ
その他大勢
だってさ
ちゃんとサインは だしたよね
何度も だしたよね
なんでいきなり? なんて言わせない
絶対に 言わせない
いたいいたいいたい
そばにいたい
いたいいたいいたい
あいたい
いたいいたいいたい
愛されていたい
いたいいたいいたい
信じていたい
いたいいたいいたい
ホントのことを言いたい
いたいいたいいたい
ただ感じていたい
でも
痛い痛い痛い
もう
忘れてしまいたい
|