カゼノトオリミチ
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2014年03月27日(木) 漬物石





いつも 漬物石を拾っては
頭に のせていた

そう思っていた

確かに石を拾って
のせていたのだけれど

それなら確かに矛盾はある



漬物石はいつか
積もり 重さで
頭を 肩を つぶしてしまう

でもそうじゃなかった

解決していたのだ
忘却されていたのだ



不安はきっと
拭い去られ

「解決済み」のハンコが押され

でも軽くなった
頭と 肩がいっそう不安で

また再び
漬物石を さがしてた

その繰り返しだった



不安は 
解決するものだったのではないか

不安は
いち時にひとつ のるだけで

そして

不安は限りなく
上へと
堆積してゆくのではなく

その不安は解決を
繰返していたのではないか



でも
軽くなったココロがまた不安で

何もなくなった頭が 肩が
軽すぎて

漬物石をさがしてしまう

ひとつの不安が過ぎ去れば
また

次の不安を探してしまう

早く気付けばよかった



不安は
解決されていくものだったのではないか



では
その次の段階に 進める気がする

軽くなったココロが
不安でないことを

どうしたら伝えられたか

そして

次の漬物石を探すこと

どうやったら
やめさせられただろうか











2014年03月18日(火) 春一番の風が吹く





熱を持った風が吹く

今日 春一番が

商店街をかけぬける



小さな公園 梅の花びら

道路に白く散り

あんずのピンクの花びらは

道路に可愛く散り

ボケの朱色の花も

そのうち 路地を飾る

散る

散る

ヒヨドリ 風に乗り飛ぶ



さくらは

そろそろ出番の 気配を感じ

信号待ちの 車を見下ろし

あくまで静かに

その身を 震わせているだろう



飛行機雲が

長い長い 尾を引いて

西へ飛ぶ

追いつこうと 

風に抗いペダル踏みしめ



今日で 何かが変わる

生き物たちに チカラが宿る

空も 地上も 地中にも

今日は 何かの幕が開く
  


いつものミケだけは

動じない

目を細め 日なたぼこ




2014年03月05日(水) しずかなひとりの水曜日





しずかなひとりの水曜日

椅子にすわって

雨音に 耳

かたむける

こうしてここで 見送った

あの日の事を思い出す


どうしてこんなに しずしずと

時の砂は 落ちるのだろう


あれからどれだけ 経ったのか

おぼつかないほど

あたりに満ちる

いとなみの 残骸


キオクが あれば

いつまでも

ここに 気配が残ってる

そう思って 

キオクを大事に 抱きしめる



春を呼ぶ 雨の降る

しずかなひとりの水曜日





natu