カゼノトオリミチ
もくじ過去未来


2012年06月28日(木) なぐさめ


今日はふうわり
曇りの日

うす灰色の
湿ったベールが
低い空に
揺れている

雲のような
毛布を抱えて
ワタシは ワタシを
なぐさめる

勝手なことしてるって

そうなの?
泣けちゃうよ

一所懸命やってるって

そんなこと
誰もが
していることだよ

くりかえす
ギターの音を
聴きながら

指先を見つめ
夜を待てば

明け方ごろに
降り出す雨が

みんな流して
消してくれる


お願い






2012年06月27日(水) 梅雨の晴れ間


今日は梅雨はお休みです

乾いた風が
みどりの葉をゆらす

遠くから 子供たちの声
カラカラと 空に響いて

心地よいね

こんな日は 音楽も
外へ飛び出して

屋根の上を 飛び跳ねてゆくよ

ねえ このキモチ
覚えておけるかな

明日になっても
夜になっても

この乾いた風と このキモチ

こんどはいつ
感じること できるかな

今日は ぐつぐつと
新じゃがいも たくさん茹でよう

ちょっといっぱい レモンと
マヨネーズ入れよう

六月の 梅雨の晴れ間

きらめく涼やかなこの日










2012年06月24日(日)


黙って一つずつ
河に流そうよ

出来ないよとワタシ
文句ばっかり

自分の物差し
振りまわし

自分が一番
重い石を
持たされてると思ってる

おバカさん
自由の羽をもらったら
一体 どこへ行くの?

代わりに手にした
空っぽのココロで
どこの空を飛ぶつもり?

ここの空の青さ
確かめて 何度でも

あなたの眠る巣は
ここにあるのよ

埃だらけの
台所を

まずは掃除しなさい













2012年06月23日(土) 波と光と


答えを探している
訳ではなくて

ただこの
ざわついたココロの
波を鎮めたいだけ

それには

ココロを見ない

それが一番
いい方法だと

朝の風は
吹いて伝えるけれど

無垢なひとみの
茶色いあたたかな
生き物は

ワタシを見上げて右往左往

ごめんね
あと少し あと少しで
この波はおさまる たぶん

ココロに耳をかたむけず

もっと 奥に
チイサク灯る 光を探すの













2012年06月21日(木) 夜風


少し湿った夜の風は
重いカーテンをすり抜け

暗闇で寝息をたててる
老犬を探し当てる

街の小さな喧騒が
風と共に頬に届く

夜の海の波のよう
車の通りすぎる音は

今夜ここに一人じゃないと
教えてくれる

目を閉じたまま
未来のことを考える

今日のことは忘れよう
終わってしまった
ことだもの

夜風は明日の
雨を知らせにきたと言う











2012年06月16日(土) とおくへなげる


このキモチ
とおくへなげる

雨のあさ
灰色と銀色が
まぶしい空に

振りかぶり
とおくへなげる

砂浜に落ちたら
小さなカニが
拾って
波間へ運ぶかな

水色の海と空の
すき間にキラリ

ココロも一緒に
光って消えたなら

なるべくなるべく
とおくへなげる

雨はだんだん
ひどくなる













2012年06月10日(日) うすむらさきの




夕方の 風は
うすむらさき
ポロリポロリ

ギターの音色と
ダンスする

紫陽花の暗がりから
梅雨の子供が

顔を出して

教会の5時の鐘を
聴いている

寂しい顔を
しないでよ

キレイな色の
雨傘だってもう

玄関先に
準備しているよ

今日は
うすむらさきの
キモチのまま

湿った風に
誘われ沈もう

梅雨の知らせは
もうすぐそこに







2012年06月06日(水) ヤマアジサイ





いつのまにか
雨があがって
風が吹いた

東の空にうっすら
ヤマアジサイの水色が
うす灰色の雲の間に
帯のように現れて

過去の記憶へ
すいこまれそう

雨の名残りの空気は
ひんやりとして
下校時刻の子供たちの声
湿った街に響く午後

幼い日も
こうしてここに立ってた
見える限りの
東の空をみていた

あの頃の自分は
まっさらな
風にはためく布

空は同じように
白く広く青い

ヤマアジサイの
ひとひらが
みずみずしい風に揺れ

繰り返す季節の訪れを
教えてくれる

  





2012年06月01日(金) 雨の便り




ココロのつぶやきに

気を捕らわれないで

ココロのつぶやきに

耳をかたむけたら

そのまま 一緒に

落ちていってしまうから



それよりも チュンチュク

スズメの挨拶 聞いて

今朝の風は

気持ちいいよ って。



ベランダに 

遠いどこかの 雨の国から

便りが届いてた

季節はまた

ゆっくり変わるね









natu