My life as a cat
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2023年04月25日(火) 春の香り

静かな午後、呼鈴が鳴ったのでドアを開けるとどこかで摘んできたらしいライラックに小さな手紙が添えられて置いてあった。目の前の通路を子供達が素知らぬふりで走り回りながら横目でわたしを伺ってる。手紙を読んでみたら、思わずほっこり。

「いつもお菓子くれてありがとう」

一輪挿しにさしといたらライラックの良い香りが風に乗ってやってくる。

子供って面白い。朝ロクちゃんがカタツムリを連れてきた。

「カタツムリさんはねぇ、すぐ喉が乾いちゃうのよ」

と言ったら、霧吹きで一生懸命水かけてあげてた。しかしこのカタツムリ、レタスの上に乗せてあげたら、全く食べもせずウンチをして去っていった。


2023年04月19日(水) 食い意地はってていいじゃない

パック(Pâques)の休暇に合わせてやってきて、ロクちゃんを遊びに連れ出してくれてた義妹もあっという間に去っていってしまった。休暇中はみんなで動物園へ行ったり(親の期待ほど子供は動物に反応せず、交通手段である電車やトラムのほうに興味深々だった)、チョコレートの卵を隠して探させたりした。ほんの10分食料品を買いに行くのに子供を見ててくれる人がいるのはありがたいことだった。

「うちの子本当食い意地がはってるんだよね。ひとりっ子とは思えないがっつきで食べ物手にしたりするの」

とこんなことを妹が言っていた。わたしは最近この子供の食い意地について思うことがあった。フランスの典型的なお母さんは大抵子供を預け、仕事を続ける。子供の食事は缶や紙パックから出てくるようなもので、甘いものといえば果物や缶に入ったフルーツコンポートやヨーグルト。こういう家庭で育っていく子供には食い意地が芽生えない。ロクちゃんと仲良くしてる子にもそういう子はいる。それにひきかえ、妹は全て手作り。朝には夜に生地を仕込んでおいた焼き立てのパン、手で絞ったオレンジジュース、ランチはカラフルな野菜に手作りのハンバーグ、甘いものは自家製のクッキーやケーキ。食べ物のひとつひとつにママの愛情がどっぷり詰まってるんだもの、そりゃ食い意地も芽生えるさ。わたしはロクちゃんが食欲旺盛にモリモリ食べるのが本当に誇らしい。そして日々色んな国の食材やスパイスを与えてるせいだろう、どこの国の料理でも抵抗なく食べるということがわたしの我が子自慢の一つだ。

(写真:朝のカフェにて。カウチに腰掛けて、窓から色んな色と形のブンブンが走ってるのを見ながら、クロワッサンにカプチーノ・・・僕はまずカカオがかかった泡をスプーンで全部食べるんだ。それからカプチーノを一気飲み!!)


2023年04月06日(木) 優しい気持ち育ってた

やっぱり格好いい!ママが選んだKenzo kidsのカーディガン。2歳を過ぎるころからやっとママチョイスの服を選んで着せるようになった。それまでは姪っ子のお下がり、近所の子のお下がり、家族、親戚、友人からの頂き物で着きれない程服が沢山あって、わたしが選んで買うことはなかなかなかった。頂き物はそれはそれでとても助かったし、すぐに汚して日に何度も服を替えるから余ってるくらいのほうが心強かった。人のチョイスは自分では気付かなかったであろうことを教えてくれたりもする。Jacadiがいいなって思ってたけど、ロクちゃんにはなんだかこういう洗練された都会の子みたいなのは似合わなくって、似合うのはエキゾチックでちょっとやんちゃなKenzoとか、元気いっぱいなDu Pareil Au Mêmeとか、愛らしいCatiminiとか。H&MとかZaraとかは自分が好きじゃなくて近寄らなかったけど、子供服は気の利いたデザインのがあるということを知ったり。それもあっというまにサイズアウトして、そろそろちやほやちやほやと服を頂くことも少なくなってきた。彼が昼寝してる間に、彼の顔を思い浮かべながら、ネットで彼の服を買うのが最近の楽しみ。子供服にお金をかける趣味はないから、中古品・・・しかし、子供服ほどこの世に有り余ってるものはないのじゃないかと思う。新品同様の状態の良いものが1ユーロ、2ユーロという世界。新品なら80ユーロの靴もどこかの子が数回履いたものなら2ユーロになるという具合。誰が、すぐ泥んこになる子供に80ユーロの靴買うの?そりゃ、ジジババでしょ、子供抱えた親は家のローンでいっぱいいっぱい、そんなの買えないわな・・・という夫婦の会話。そういってるそばから、ジジババから連絡が来る。日本のババは
「鯉のぼりとか、兜とか買おうか」
スペインのババは、
「スパイダーマンの帽子買ってきた!」

公園で遊んでる最中、猫の型で抜いたクッキーを渡してしばらくしたら、彼が悲しそうな顔をして戻ってきた。猫の顔の部分を食べるのが悲しいらしく、そこだけ丸く残して手に持ってわたしに訴える。

「クッキーの猫さんはお顔に噛み付いても痛くないのよ」

と言ったけど、やっぱり抵抗があるらしくて、猫の顔の部分だけ残してた。どこで覚えたものか、いつの間にかこういう優しい気持ちが育ってた。


Michelina |MAIL